献杯の挨拶の文例を紹介|挨拶をするタイミングや注意点も併せて紹介

公開日 : 2020/10/9

更新日 : 2020/10/9

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献杯とは、相手に敬意を表しながら杯を差し出すことです。弔事の際には、主にこの「献杯」という言葉を使用します。この言葉は、亡くなった人に敬意を示して、死を慎むという意味が込められています。ここでは、献杯時に行う挨拶をする際に参考にしたい文例や注意点を紹介します。

公開日 : 2020/10/9

更新日 : 2020/10/9

目次

献杯について

献杯とは、相手に敬意を表しながら杯を差し出すことです。弔事の際には、主にこの「献杯」という言葉を使用します。この言葉は、亡くなった人に敬意を示して、死を慎むという意味が込められています。

 

一般的に明るく発声する乾杯とは違い、献杯の場合は器を打ち付けたりせずに、静かに合掌や黙祷で杯を交わします。よく乾杯と間違われる方がいますが、両者は全く異なるものです。乾杯、は主に慶事の際に使われます。

 

乾杯の発声後、参加者も一斉に唱和し、互いにグラスを打ち付けるのが一般的です。その起源は古代にまでさかのぼり、死者のために捧げる儀式だったとされています。こちらが後に健康や成功などを祈念する儀式へと変化していきました。

献杯の挨拶はいつするべきか

葬儀や法要の後は会食の場が設けられることがよくあります。この献杯の挨拶をするタイミングは、参列者全員が席に着いたのを確認した時です。最初に全員が揃ったタイミングで、位牌の前にも杯を置き、喪主が挨拶をします。

 

喪主の挨拶のが終わった後に、献杯の挨拶をしてください。また、葬儀の場合も法要の場合も、このタイミングが最適とされています。この時、献杯の発声があるまでは料理に手を付けないというルールがあります。そのため、必ず全員が揃っているか確認をしてから挨拶を始めてください。

献杯の手順について

献杯の挨拶は次の4つの手順で行います。1段階目が、献杯前についてです。2段階目が、献杯を促された後についてです。3段階目が、挨拶の後に献杯についてです。4段階目が、献杯後についてです。

献杯前について

献杯は、お葬式が終わり、参列者が精進落としの席に着いた直後に行います。献杯の前には故人へお酒を捧げた後、遺族代表として主に喪主からの挨拶と、献杯をする準備として参列者全員のグラスにお酒やソフトドリンクを注ぎ合います

 

挨拶と飲み物を注ぐ順序は地域やその場の流れによっても異なります。ただし、挨拶の前にグラスを満たしておいた方が、献杯までスムーズに持っていくことができるでしょう。

献杯を促された後について

司会者や喪主から献杯をお願いされたら、挨拶をする場へ移動し、一度グラスを置きます。参列者へ向かって一礼をした後に遺族をいたわる気持ち。加えて、お葬式が無事執り行われて安堵している旨を簡単に語ります

 

挨拶をするのが遺族であれば、まず参列者へのお礼を述べてください。そして、挨拶の締めには、この場にいる人とこれからも寄り添っていきたい心遣いと故人の冥福を祈る挨拶を沿えて挨拶を締めてください。

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挨拶の後に献杯について

挨拶が済んだら、参列者へグラスを持っていただくよう促してください。この時、和席の場合は座ったままで構いません。椅子席の場合は起立して、全員故人の位牌や遺骨がある方へと向き直ってもらいましょう。

献杯後について

献杯の後は「ありがとうございました。」とお礼を言いましょう。そして、ご尊前に向かって一礼をして席へ戻った時、司会者や喪主から食事を促されて会食が始まります。

献杯の挨拶で気をつけたいこと

献杯の挨拶で気をつけたいことは、次の7つです、1つ目が、乾杯との違いを知ることです。2つ目が、話が長くならないようにすることです。3つ目が、挨拶で使ってはいけない言葉を知ることです。

 

4つ目が、献杯の挨拶は喪主とは限らないということです。5つ目が、故人を偲ぶ挨拶であることを意識することです。6つ目が、献杯が終わるまでは料理や飲み物に手をつけないことです。そして7つ目が、飲み物には特に決まりはないことです。

乾杯との違いを知っておく

献杯と似た言葉に乾杯があります。この乾杯は主におめでたい席で、会食や宴会などの開始を表すものです。代表者の「乾杯!」という言葉とともに、他の参加者も「乾杯!」と唱和し、互いのグラスを打ち付けます。

 

それに対して、献杯は相手に敬意を表するために盃を差し出すといった意味があります。法要などの席で、故人を偲び、悼むために盃を捧げるときを献杯といいます。乾杯と同様に杯は差し出しますが、グラスを打ち付けて音を出すのはご法度です。

 

さらに、拍手も行いません。なぜなら、献杯はもともと死者に捧げる神聖な儀式で行われており、その起源は古代にまで遡るとも言われているからです。

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話が長くならないようにする

上述した通り、献杯の挨拶が終わるまで食事には手を付けることができません。そのため、この段階では話はあまり長くならないようにするのが無難です。具体的には、1分程度で十分かと思います。さらに話したいことがある場合、会食の機会を活かして話しましょう。

挨拶の際に使ってはいけない言葉を知っておく

結婚式などでの挨拶と同様、献杯でも使ってはならない言葉があります。まず、「重ね重ね」や「ますます」など、同じ言葉が繰り返されるものは、不幸が重なってしまうとされて縁起が悪いため、避けてください。

 

さらに、故人への敬意を示すことができていない「死んだ」などのストレートな言葉も不適切です。この場合は、「ご逝去」「永眠する」などに言い替えてください。また、葬儀や法要をどの宗教で行うかを注意しなくてはなりません。

 

なぜなら、宗教次第で使う用語に違いがあるからです。具体的には、「ご冥福をお祈りし」の「冥福」は仏教用語です。そのため、キリスト教式では使えません。他にも、キリスト教では、亡くなるを「天に召される」と表現します。必ず、事前に喪主の方に確認するようにしてください。

献杯の挨拶は喪主とは限らない

献杯の挨拶を依頼したい人が決まったら、必ず事前に本人に依頼するのが基本です。ただし、依頼する相手は「献杯の挨拶=喪主」とは限りません。さまざまな事情により、急に献杯の挨拶を依頼される場合もあります。

 

ただし、基本的に前もって依頼するのは喪主遺族故人と親しい関係であった人の順だと考えておいてください。そのため、依頼された時のことを考えて、挨拶をする時の注意点を確認しておくことを推奨します。

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故人を偲ぶための挨拶であることを意識する

当たり前のことですが、献杯の挨拶は故人を偲ぶために行われるものです。そのため、挨拶の中には故人を偲ぶ言葉や、お悔やみの言葉を盛り込むことを必ず忘れてはいけません。

献杯が終わるまでは料理や飲み物に手をつけない

一般的な食事の場合は、乾杯する前に料理や飲み物に手をつけても、マナー違反にはなりません。しかし、献杯は乾杯のマナーは通用しないので、注意が必要です。まず、代表者が献杯の掛け声をかけるまでは、料理や飲み物に手をつけてはいけません

 

献杯を行う時のマナーとして、必ず覚えておきましょう。このマナーを知らないまま、葬儀や法事後の食事の席に出ると「非常識な人」と思われかねません。周囲の人に不快な思いをさせないために、「事前に料理や飲み物に手をつけない」というマナーには気を付けましょう。

飲み物には特に決まりはない

献杯を行う時の飲み物として、ビールや日本酒などのアルコールを準備している場合が大半です。ただし、献杯時の飲み物に特に決まりはありません。具体的には、「帰り道に車を運転する」や「お酒が飲めない」といった人に対しては、ソフトドリンクを準備するのが基本です。

 

このように、飲み物にあまりこだわることなく、故人を偲びながら葬儀や法事に出た人で食事をすることが一番大切です。

献杯の挨拶の文例を紹介

献杯の挨拶の文例を紹介していきます。以下では、挨拶をする状況を大きく4つに分けて紹介しています。ご自身が挨拶をする状況に応じて、参考にしてみてください。

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精進落としの時の挨拶の文例を紹介

精進落としの時にする献杯の挨拶例をご紹介します。基本的に亡くなった人を偲ぶこと、そして手伝って頂いた方々をねぎらうことが大切になってきます。丁寧な言葉で伝えていきましょう。

 

ちなみに、精進落としとは、一連の法要が済んだ後に行う会食のことです。忌明けの意味や遺族が僧侶を接待するという意味も込められています。亡くなった人の話などをしながらゆったりと時間を過ごす時間です。

1つ目の挨拶の文例

1つ目の文例を紹介していきます。  本日は亡き〇のために皆様に大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。おかげさまで、無事に葬儀を終えることができました。故人も大変喜んでいることと思います。

 

ささやかではございますが、粗食をご用意させていただきました。故人を偲びながらゆっくりとおくつろぎいただければと思います。本日は誠にありがとうございました。献杯。ここまでが1つ目の文例です。

2つ目の挨拶の文例

2つ目の文例を紹介していきます。こちらは、各自で書き換えやすいように仕上げています。参考にしてみてください。 本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました。〇も安心してくれていると思います。

 

ささやかではございますが、粗食をご用意させていただきました。故人の思い出などをゆっくりと語っていただければ、供養になるかと思います。まずは、献杯をさせていただきたいと思います。皆様、ご唱和お願いします。献杯。 ここまでが、2つ目の文例です。

部下を送る時の文例を紹介

ご指名をいただきました、〇〇株式会社〇部の◎でございます。△さんとは課長としてご一緒に仕事をして参りました。△さんは、入社以来、真摯に仕事に取り組んで成果を上げる私の自慢の部下でした。

 

彼を失った悲しみは到底言葉では表すことができません。ここに故人を偲びまして供養の献杯をいたしたいと存じます。ご唱和をお願いいたします。「献杯」ありがとうございました。ここまでが、部下を送る時の献杯の挨拶の文例です。

友人を送るときの文例を紹介

ご紹介をいただきました〇です。〇君とは幼少期から共に遊んだ幼馴染みです。僭越ながら私が、献杯のご挨拶をさせていただきます。本日〇君と永遠のお別れをすることは今でも信じられません。突然の悲報にただ愕然としております。

 

お仕事も、ご家庭も、これからという時に、本人もさぞ無念なことでしょう。そして、ご遺族のご心中を思いますと慰めの言葉も浮かびません。皆様の悲しみが一日でも早く癒されますことをお祈りいたします。

 

生前の△△君の思い出を胸に冥福を祈り杯を捧げたいと思います。「献杯」ありがとうございました。ここまでが、友人を送る時の献杯の挨拶の文例です。

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四十九日法要や一周忌等の挨拶の文例を紹介

献杯は、四十九日の法要や一周忌でも行う場合があります。そのため、こちらの方も是非、参考にしてみてください。

1つ目の挨拶の文例

最初に、1つ目の文例から紹介していきます。本日はご多忙の中〇〇のためにお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。生前から親しくして頂いた方に久しぶりにお会いできて、故人も大変喜んでいることと思います。

 

ささやかではありますが、お料理をご用意させていただきました。改めて故人を偲びながら、ごゆっくりお過ごしいただければと思います。本日は、誠にありがとうございました。献杯。ここまでが1つ目の文例です。

2つ目の挨拶の文例

兄弟などが挨拶をする場合などはこちらの形式の挨拶を使用することを推奨します。故人との関係性を考慮した文をアレンジしてくてみてください。以下、2つ目の文例です。本日はお忙しい中四十九日の法要にご列席くださいまして、誠にありがとうございました。

 

おかげさまで、滞りなく済ませることができました。〇も大変喜んでいることと思います。今日は久しぶりに故人の思い出を語りながら、穏やかな時間を過ごしていただければと思います。どうか今後とも、これまで同様に、変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。献杯。ここまでが、2つ目の文例です。

親の場合の文例

本日はお忙しい中、父〇〇の一周忌法要にお集まり頂きまして誠にありがとうございました。長男の△△でございます。父が永眠してから早くも一年が経過しました。この一年、皆様方には多大なるご心配をおかけするとともに、温かい支援を頂きましたことを心より感謝申し上げます。
 
私たち家族が少し気持ちも落ち着いてきましたことに、父も安心していることでしょう。父の生前の懐かしい思い出を語ることがなによりの供養になると思います。皆様、ささやかではございますが酒食の席をご用意いたしております。
 
お時間の許す限りごゆっくりお召し上がりください。では、父〇〇の冥福を祈って、「献杯」ありがとうございました。ここまでが、親の法事で挨拶をする場合の献杯の挨拶です。

配偶者の場合の文例

皆様、お忙しい中、亡き妻(夫)〇〇の一周忌法要にご参列頂きまして、誠にありがとうございました。妻(夫)が亡くなった当初はあまりに急で、呆然としておりましたがあれから一年がたち、ようやく心の整理もできました。

 

この間、皆様方には温かい励ましとお心遣いをいただきまして、誠にありがとうございました。本日は、故人の思い出を皆様と語りたく、酒肴をご用意いたしました。どうぞ気がねなくお召し上がりください。

 

それでは、皆様と一緒に故人の霊に杯を捧げたく存じます。「献杯」ありがとうございました。ここまでが、配偶者の法事で献杯の挨拶をする際の挨拶です。

会食の終わりの挨拶の文例を紹介

会食を終える際も、挨拶が必要です。この時、献杯はしませんが、感謝の気持ちを伝えるために、挨拶だけは必要です。そのため、しっかりと挨拶できるようにしておきましょう。以下、会食の際の文例です。

 

まだまだ話は尽きませんが、そろそろお時間となりましたのでこれをもちましてお開きとさせていただきたいと思います。〇亡き後、寂しくなってしまいましたが、家族一同助け合っていきたいと思います。

 

これからも、これまで同様にどうぞよろしくお願いいたします。本日は、誠にありがとうございました。 ここまでが、会食を終える際の献杯の挨拶です。

文例やマナーに添って、適切に献杯の挨拶をしましょう

ここまで、献杯の挨拶の文例や献杯の挨拶をする際に気をつけたいことを紹介してきました。ここで紹介したことを参考に、マナーに則って献杯の挨拶を行いましょう。