葬式費用っていくら?葬式費用の相場・内訳・安く抑える方法を解説
公開日 : 2020/9/13
更新日 : 2020/9/13
葬式を行うことになった際に気になるのは費用の相場です。しかし、葬式を手配する経験は滅多にありませんから、相場がよくわからないという人が殆どです。今回は葬式費用の相場・内訳・安く抑える方法などを紹介していきます。余計な費用をかけずにいいお葬式を行いましょう。
公開日 : 2020/9/13
更新日 : 2020/9/13
目次
葬式の相場を確認
葬式の費用は、葬式自体の形態の変化や、核家族化、地域や近所同士の関係性の希薄化によって、ここ数年で減少傾向にありました。葬式といえば、以前は大きな斎場をかりて、数十人から数百人単位で行うような形態が一般的でしたが、現在はすっかり減っています。
今回は葬式費用の相場や安く抑える方法などを紹介します。まずは、葬式に必要な費用の相場を全国平均・地域ごとの平均費用で紹介していきます。
葬式費用の平均は約196万円
日本消費者協会が3年ごとに行っている「葬儀についてのアンケート調査報告書2017年によると、お葬式にかかる費用平均は1,957,000円(葬儀一式料金、飲食接待費、お布施を含めた合計金額)でした。
「葬儀プラン」と呼ばれている部分のみの(=飲食接待費用・寺院費用を除いた)全国平均金額は約121万円でした。
地域ごとの葬式費用の相場
次に、地域別の相場を見ていきましょう。安いものは約80万円から高いものは約230万円を超える平均額で、地域によってかなりの差が出ています。
北海道 約154万円
東北地方 約202万円
関東地方 約238万円
関東一都三県 約186万円
中部地方 約230万円
近畿地方 約190万円
中国地方 約163万円
四国地方 約156万円
九州地方 約166万円
沖縄 約80万円
葬式費用の内訳
葬式費用は、基本的に大きく4つ「施設」「葬儀施行」「おもてなし」「御布施など」に分かれます。ここでは、一般葬を例に解説していきます。
葬式費用の内訳:施設費用
施設費用は葬式を行う会場に支払う費用にあたり、控室・待合室などの使用料も含まれます。自宅で通夜・告別式を行う場合には施設費用はかかりません。
施設費用は施設の運営団体や地域、施設の規模によって大きく変わります。民営であれば、葬儀場20万円以上・火葬場5~15万円、公営であれば、葬儀場5~10万円・火葬場5万円以下が見込まれます。
主な施設としては、葬祭会館や斎場などの専門式場、寺院などの宗教施設があります。近年では、「セレモニーホール」などと呼ばれる民間の斎場を利用することが一般的です。
葬式費用の内訳:施行費用
葬儀施行費用とはお通夜や告別式を行うための費用です。祭壇・お棺・人件費・施設関連費等が含まれ、総額の5~6割を占めることから、4つの費用の中で1番高額となります。費用相場は100万円前後とされています。
葬式費用の内訳:おもてなし
おもてなしとは葬式に参列された方に対する接待費用になります。参列者の人数や料理、品物のランクによって費用が変わります。30万円前後が相場とされています。おもてなしには、「礼状」「返礼品」「飲食費」が含まれます。
「返礼品」とは、香典とは別で一律に参列者にお返しする粗品で1000円~3000円が一般的です。
葬式費用の内訳:御布施など
御布施は宗教者へのお礼にあたり、寺院の維持費などに使われます。仏教では御布施は修行の一部として考えられており、金額が明示されることはありません。
相場としては、15万円~47万円です。地域ごとでは、北海道・東北地方は15万円、関東・近畿地方では20万円、中国・四国・九州地方では15万円が一般的です。
他には、「心づけ」といって、葬儀社の担当者や霊柩車の運転手などに渡すチップがあります。心づけは故人を大切に扱ってくれたことに対する感謝の意を表すもので、決まった金額はありません。
ただし、火葬場などの公営施設の職員は公務員と同じ扱いなので、心づけは禁止されていることには注意しましょう。相場としては3000円~10000円です。
葬式の形態で異なる相場
近年では葬式の形態が多様化しており、葬式費用にも幅があります。今回は一般葬・家族葬・自宅葬・一日葬・直葬・社葬のそれぞれの相場をみていきましょう。
葬式形態:一般葬の相場
一般葬は家族を含め、故人の友人や仕事関係の人など故人とご縁があった人たちが参列する一般的なものです。お通夜・葬儀・告別式・火葬を順に行います。
参列者の人数によって費用は大きく変わりますが、50~100名規模であれば総額130~200万円が相場です。ただし、飲食代や御布施を含めない場合(火葬を含めた葬儀費用)は、50~60万円になります。
葬式形態:家族葬の相場
家族葬は故人の友人や仕事関係の人などは呼ばずに親族のみで行う葬式です。参列者の人数は大体30名以下の小規模です。基本的に少人数で行われるため相場は150万円です。
葬式形態:自宅葬の相場
自宅葬は故人の家で行われる葬式で施設費用がかかりません。自宅葬の費用相場は20~50万円以上です。
葬式形態:一日葬の相場
一日葬はお通夜をなくし、葬儀・告別式・火葬を1日で行うものです。遺族の精神的・経済的負担をなくすことから近年利用者が増えてきています。一日葬の費用相場は総額50~80万円です。
葬式形態:直葬の相場
直葬とは、お通夜と告別式を行わずに納棺から直接火葬するもので火葬式とも呼ばれます。費用や時間の負担が他の葬式と比べて少ないため、忙しい人や経済的に厳しい状況の人に向いています。
故人との別れの時間を確保できないので、周囲への確認をしっかりととるようにしましょう。直葬の費用相場は10~30万円と最も安いです。
10万円以下で火葬プランを提示している葬儀社もありますが、大抵の場合、ドライアイスや搬送料金などが上乗せされるので、よく確認しましょう。
葬式形態:社葬の相場
社葬とは会社が主体となって行う葬式です。喪主は遺族が担当し、会社が施主となる最も大規模な葬式です。葬式の規模によって費用は増減しますが、相場は300万円~3000万円です。
誰が葬式費用を負担する?
法律上で葬式費用を負担するひとは定められていません。一般的には、喪主が負担します。その次に親族のケースが多いです。ただし、故人が生前に契約していれば、契約内容に従う必要があります。
葬式費用を安く抑えるには
さて次は葬式費用を安く抑える方法をご紹介します。具体的にはこれまで述べたとおり葬式の形態によって相場は大きく異なるので、まずは形態から決めることがおすすめです。
次に自治体が独自で行っている葬式割引サービスや助成金なども見逃せません。最後は参列者からの香典で葬式費用に充当する方法です。詳しく一つ一つ紹介します。
葬式の形態から決める
葬式の規模や費用で故人への気持ちの大小は決められません。安く葬式を済ませることに抵抗を感じるかもしれませんが、最も大切なのは故人を想う気持ちです。比較的安い形態の葬式を選択することを前提において、周囲と相談することを選択肢に入れてみましょう。
自治体のサービス利用
自治体が行っているサービスは民間の葬儀社のプランより費用を抑えることができます。お住まいの自治体のサービスを調べてみましょう。
香典で葬式費用を補う
参列者から受け取る香典は喪主への贈与にあたります。香典は遺族の経済的負担を軽くする目的もあるため、葬式費用の補填として使うことが一般的です。香典を葬式費用の全額に充てることは不可能ですが、助けとなるでしょう。
葬式費用をすぐに支払えない場合
大切な人を亡くし、落ち着く時間もなく直ぐに葬式は行わなければなりません。となると葬式の準備も大変ですが、お金の用意も急がなければなりません。葬式費用をすぐに払えない場合はどんな対策があるのか紹介します。
葬祭費の補助・扶助制度の利用
国民健康保険加入者の方が亡くなられてから2年以内に申請することで、1万円~5万円の葬祭費を受け取ることができます。また、社会保険加入者の方であれば、5万円の埋葬料の受給が可能です。
各自治体や保健所によって、支給される金額や手続きが異なるので、葬儀後に問い合わせてみましょう。
葬儀ローン
クレジットカード会社と連携して葬儀ローンを組むことができるプランを提供している葬儀会社があります。クレジットカードと同じように支払回数を選び、自分のペースで毎月支払いができます。ただし、支払いには金利がつき、葬儀ローンの利用には審査があります。
値段だけにとらわれず、納得のできる葬式を
葬式は突然やってくることが多いにも関わらず、高額な費用がかかります。事前に準備をしておいたり、予算と品質を考慮しながら生前に葬式の形態の希望を聞いておいたりするのもよいかもしれません。
故人との大切な別れを納得のよいものにするため、きちんと検討しておきましょう。
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