喪中はがきへの返事3つの方法|心のこもった対応や例文など徹底解説
公開日 : 2021/3/29
更新日 : 2024/6/14
数年に1度は必ず来る喪中はがき、どう対応するのか迷うこともあるでしょう。この記事では喪中はがきへの3つの対応方法、気を付けるべき点、挨拶状の文例などをまとめました。忌み言葉や賀詞についての解説もしています。喪中はがきへの対応に困っている方はぜひ参考にしてください。
公開日 : 2021/3/29
更新日 : 2024/6/14
目次
喪中はがきとは
喪中はがきは「年賀欠礼状」ともいい、喪中のため新年のご挨拶を控える旨を伝えるために送るはがきです。喪中のことをあらかじめはがきで伝えてもらうと、年賀状の準備がしやすくなります。
年賀状には必ず返事を出しますが、喪中はがきの場合は返事が必要な場合と必要ない場合があり、用いるはがきや切手、書き方にもマナーがあります。失礼のない対応ができるよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。
喪中はがきへの返事
喪中はがきの返事を、出すべきか出さなくてよいのか迷うことも多々あるでしょう。返事については喪中はがきの送り主と自分の関係で要・不要が決まります。
返事を書く場合
返事を書くのは遺族や故人との関係が親密な場合です。具体的に返事を書く相手を詳しく見ていきましょう。
近しい親戚・親しい友人や知人
縁戚関係が近い親戚や、親しい友人・知人から喪中はがきが来た場合は返事を送ります。相手にお悔やみを伝えたい、気落ちしているなら支えになりたい、泣いているならなぐさめたいなどの気持ちをこめて返事を送ります。
遺族と親しい
家族ぐるみのお付き合いや先方の家によく遊びに行ったなど、遺族と親しい関係にあった場合も返事を送ります。故人が亡くなり気落ちしている遺族の気持ちに配慮して、お悔やみを伝えましょう。
年賀状の投函後
年賀状を投函した後に喪中はがきが来たということもあります。喪中はがきで初めて相手の不幸を知ったという場合は、すぐに返事を出してください。お悔やみだけでなく、賀状を送ってしまったお詫びの気持ちを伝えます。喪中見舞いとして出す方がよいでしょう。
返事が必要ない場合
年賀状のやり取りだけの人や、知り合い程度、顔見知り程度といった、付き合いが浅い人には返事を控えます。
家族や親族ぐるみでというわけではなく、亡くなった人としかお付き合いしていなかった場合は宛先リストから削除するなど、次の年からは故人宛に年賀状を送らないようにしましょう。
自分も喪中の場合
自分も喪中の場合は、その旨を喪中はがきの出し主に伝えても失礼にはなりません。この場合こちらも喪中であることを伝え、相手へのお悔やみの気持ちを必ず添えます。
両者とも喪中というケースはほとんどありませんが、まれに起こることもあるため覚えておくとよいでしょう。
3つの返事の方法とタイミング
喪中はがきへの返事には寒中見舞い、喪中見舞い、年始状といった3つの方法が一般的です。それぞれ出すタイミングや、内容の書き方に違いがあるので間違えないようにしましょう。使う切手やはがきも違います。こちらについては後ほどご紹介します。
年明けに落ち着いてから出すなら
新年を迎え松の内を過ぎ、忙しさにひと段落ついた頃に出したいなら、寒中見舞いで返事するとよいでしょう。寒中見舞いは松の内明け(1月1日から1月7日まで)から立春(2月3日から5日頃)までの間に出します。
毎年恒例のお互いの近況報告をしたいけれど、喪中の相手に年賀状は出せないときは寒中見舞いにする方法もあります。相手が喪中であることをふまえた上で内容を考えましょう。
すぐに返事を出したいなら
すぐに返事を出すなら喪中見舞いを送ります。また、香典や品物を送りたい時にも、喪中見舞いで返事をします。寒中見舞いや年始状は出せる期間が決まっていますが、喪中見舞いは時期を選ばないので、早めに返事を出せます。
品物はお線香やろうそくなど、相手にお返しの心配が必要ない程度のものにします。年末には届くように、喪中はがきをもらったらすぐ準備するようにしましょう。
喪中でも年明けの挨拶状を出したいなら
自分や相手が喪中でも1月1日に出せる挨拶状が年始状です。年賀状との違いは、「あけましておめでとう」「謹賀新年」「賀正」などの賀詞が入らないことです。喪中見舞いには書けない自分の近況など、年始状になら書けます。
年始状は年賀はがきでは出せません。普通はがきか私製はがきを使います。年賀状と同じく1月1日~1月7日までに届くように出します。年賀はがきと違い、投函する日に気を付けないと、年内に届いてしまいます。
こんな時どうする
ここからは、どうすべきか迷う例を取り上げます。年賀状を投函した後に喪中はがきが届いたり、メールやLINEで知らせがきたり、といった場合には迷ってしまうことも多いでしょう。
年賀状を投函してしまった後
年賀状を出した後に喪中はがきが来た場合、急いでお詫びと弔意を書いた喪中見舞いを出しましょう。喪中なのに年賀状を送ってしまったことをお詫びすると同時に、故人の逝去を悼みご家族を気遣う文面にします。
はがきは普通はがきで構いません。なるべく年内に相手に届くように手配しましょう。
目上の人から届いたら
目上の人には年始状を送るとよいでしょう。上司や客先の担当者など、目上の人から喪中はがきが来たら年賀状は控え、年始状を送りましょう。
上司など同じ会社の中の人は、仕事始めの日に顔を合わせます。そのため、仕事始めまでに返事が届くよう、投函する日を調整しましょう。寒中見舞いは松が取れないと送れないので、会社や取引先の目上の人には1月1日頃に届いてもよい年始状を送ります。
喪中はがきが届かない
お通夜にも参列し喪中だということはわかっている相手なのに、喪中はがきが届かないということがあります。結論から言うと、喪中の相手に年賀状を出すのは厳密にはマナー違反には当たりません。
喪中はがきは、「身内に不幸がありました。新年の挨拶をする心境にないので、こちらからの新年のあいさつを遠慮します」というはがきだからです。不幸があったと知っている相手に年賀状をわざわざ出すことはありません。年始状や寒中見舞いを送りましょう。
お通夜でお悔やみの言葉をかけており、喪中見舞いを送ってしまうと重複してしまいます。喪中の相手はショックを受けて心身ともに疲弊していると思われるので、相手の心を思いやって対処するようにしましょう。
メールやLINEでもらった場合
喪中はがきと同じ内容をメールやLINEでもらうこともあるでしょう。寒中見舞いや喪中見舞いなどのはがきや手紙で返事をするのか、メールやLINEで返信するかどちらがよいか悩むところです。
この場合はメールやLINEで返信しても構いません。送られてきたら、早めに返信します。連絡をもらったことへのお礼と、お悔やみの気持ちを込めたメールを送ります。また、「返信不要」と書かれている場合でも、必ず返信するよう心がけましょう。
返事の例文
寒中見舞い・喪中見舞い・年始状、そして年賀はがきを出してしまったお詫び状について例文をご紹介します。書く内容やマナーなども盛り込んでいますので、参考にしてください。
寒中見舞い
寒中見舞いには年賀はがきは使えないので、普通はがきか私製はがきを使ってください。先ほど述べたとおり、松の内明けから立春までの間に出しましょう。
寒中見舞いの内容・マナー
「拝啓」や「敬具」などの頭語は使いません。暑中見舞いや残暑見舞いも同じです。遺族は大切な家族を亡くしているという状況をふまえて言葉や内容を選びましょう。
自分の近況や、慶びの言葉、楽しい話は書きません。故人を惜しみ、遺族の悲しみを思いやる文章にします。
また、寒中見舞いなどの文章には句読点は使いません。戦国時代など武士の時代の書状にも句読点は使われておらず、昔からの慣例が残っているという説もあります。
寒中見舞いの例文
「寒中お見舞い申し上げます
服喪中とのことで 新年のご挨拶を差し控えさせていただきました
○○様のご逝去につき 皆様におかれましてはお寂しくお過ごしではと拝察します
寒さ厳しき折ですので どうぞご自愛くださいませ
本年もよろしくお願いいたします」
喪中見舞い
喪中見舞いにも年賀はがきは使えません。一般的なはがきか、私製はがきに切手を貼って送ります。喪中見舞いを送る場合は、喪中はがきがきたらすぐに返事を出しましょう。
喪中見舞いの内容・マナー
句読点や頭語、慶びの言葉を用いない、楽しい話や自分の近況などは書かない、といった点は寒中見舞いと同じです。時候のあいさつも必要ありません。喪中はがきをいただいたことに感謝し、冥福を祈る言葉を添えます。
香典やお悔やみの品
喪中見舞いの場合は香典やお悔やみの品を一緒に送ることができます。香典の場合、金額は3,000円から5,000円程度で、現金書留の封筒に香典袋と喪中見舞いの手紙を入れて送ります。
お悔やみの品を送る場合、遺族にお返しの負担をかけないよう香典と同じく3,000円から5,000円程度の品物にします。供物には「御供物」または「喪中御見舞」の結び切りの熨斗をかけます。
お悔やみの品は、消耗品など消えてなくなるものがよいとされています。一般的にはお線香やろうそくですが、お菓子やお茶なども送ってもよいでしょう。供物を包装してもらう時にお店に頼んで喪中見舞いのメッセージを一緒に包装してもらいましょう。
喪中見舞いの例文
「喪中お見舞い申し上げます
先日は丁寧なご挨拶状をいただきありがとうございました
いただいた挨拶状にて初めてご主人様のご逝去を知りました
お悔やみの言葉すらかけずにいたことをお詫びいたしますと同時にご主人様の冥福をお祈り申し上げます
お体に気をつけて新年をお迎えください」
年始状
年始状はいわば「賀詞を使わない挨拶状」です。1月1日から7日までに届くよう、くれぐれも投函するタイミングに気を配りましょう。
年始状の内容・マナー
「あけましておめでとう」「謹賀新年」といった賀詞の代わりに「謹んで年頭のご挨拶を申し上げます」「一陽来復」などの新年の挨拶を文頭に書きます。
内容ですが、寒中見舞いや喪中見舞いには書けない、自分の近況なども書くことができます。また、「今年もよろしくお願いします」といった文は書けるので、賀詞を入れないようにするだけで、年賀状と同じような内容で書いても構いません。
ただ、相手は家族を亡くした後なので、こちらの慶事は書かないなど、心境を思いやりながら書くようにしましょう。
賀詞とは
お祝いの言葉を賀詞といいます。近年では年賀状の最初に来る言葉として知られていますが、その昔は新年に限らず、お祝い事に用いる言葉だったようです。賀詞には1文字、2文字、4文字、文章の賀詞などがあります。
1文字の賀詞は「寿」「賀」「福」などがあります。2文字には「迎春」「慶春」「賀正」、四文字には「謹賀新年」「慶賀光春」「一陽来復」といった賀詞があります。言葉の賀詞とは、「あけましておめでとうございます」「謹んで初春のお喜びを申し上げます」などのことです。
年始状の例文
「謹んで年頭のご挨拶を申し上げます
ご主人様の逝去により お寂しい年をお迎えのことと存じます
ご主人様のご冥福をお祈りしますとともにご自愛くださいますようお願い申し上げます
本年もよろしくお願いいたします」
年賀状を出してしまった後
年賀状を出してしまった後に喪中はがきが届いたら、年賀状を送ってしまった旨を知らせ、お詫びする内容のはがきや手紙をすぐに出しましょう。
内容・マナー
年賀状を投函した後に喪中はがきを受け取った場合、喪中の相手に年賀状が届けられてしまうことになってしまいます。年賀状に関するお詫びともに、お悔やみの言葉が遅くなってしまった非礼もお詫びし、故人の冥福を祈る文章も入れるとよいでしょう。
年賀状を出してしまった後の例文
「ご主人様のご逝去を存じ上げず 年賀状をお送りしてしましたこと 恥じ入るばかりでございます 大変失礼をいたしました
今さらながらではございますが ご主人様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
あなた様におかれましても 寒さますます厳しき折 どうぞご自愛くださいませ」
返事のマナー
喪中はがきへの返事についてお伝えしていますが、送る時にはマナーがあります。すでにお伝えしたマナーもありますが、もう1度確認しておきましょう。
返事を送るマナー
喪中はがきがの返事を送る際に気を付けたい「切手」「はがき」「忌み言葉」について具体的に解説します。細かいところまで気を配り、相手に失礼のないように注意しましょう。
切手
切手については、寒中見舞い、喪中見舞い、年始状、お詫び、すべて普通切手を使用しましょう。花模様をあしらった弔辞用の切手がありますが、こちらは使わないようにします。また、喪中の相手に送るのですから、記念切手や派手な色の切手は避けてください。
はがき
普通はがきで、切手の部分が胡蝶蘭のイラストになっているものを使います。年始状の場合、裏面のデザインは、お祝いムードのものは不適切です。ワンポイントで花などが描かれているはがきなどが適しています。子供の写真を載せて近況報告をしてもよいでしょう。
忌み言葉とは
具体的には、言葉を繰り返す「重ね重ね」「次々」「ますます」、直接的な言葉の「死亡」「死ぬ」、不吉な「浮かばれない」「消える」といった言葉などがあります。喪中はがきの返事には忌み言葉を使わないよう、言葉を選びながら文章を考えましょう。
喪中はがきには思いやりの返事を
今回は喪中はがきが来たらどう対応するか、気を付けるべき点や対応方法に沿った文例などをご紹介しました。これで喪中はがきが来てもどうするべきか悩むこともなくなるでしょう。喪中はがきが来たら、相手の気持ちを想像しながら返事をするようにしましょう。
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