【葬儀】塔婆供養とは?相場・封筒の書き方を解説!【マナー】

公開日 : 2020/2/23

更新日 : 2020/9/8

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塔婆供養とは、お墓の後ろに卒塔婆を立てて行う追善供養のことです。しかし、卒塔婆や卒塔婆を立てるための費用(塔婆料)についてわからない方も多いのではないでしょうか。いざという時のために塔婆供養とはどのようなものか、塔婆料の書き方、相場を詳しく解説していきます。

公開日 : 2020/2/23

更新日 : 2020/9/8

目次

塔婆供養とは?

塔婆供養とは、お墓の後ろに卒塔婆という木の札を立て、故人の冥福をお祈りする追善供養のことですが、卒塔婆とは一体何でしょうか。また卒塔婆は、いつ立てるものでしょうか。それでは、詳しく見ていきましょう。

卒塔婆って何?

卒塔婆(そとうば)とは、短く塔婆(とうば)とも呼ばれるもので、お墓の後ろに立てる木の札のことです。もともと古代インドの「ストゥーバ」を漢訳したもので、お釈迦様の遺骨を納めた仏塔を表す言葉です。故人の冥福を祈り、供養するための仏塔を立てるかわりに、木の札を立てるようになりました。

 

卒塔婆は、1~2mの大きさで五重塔を表す形をしています。上から5つの部分に分かれており、それぞれ空・風・火・水・地をあらわす梵字が書かれています。仏教ではこの5つの要素から世界が成り立っていると考えられているからです。

 

梵字以外にも経文、戒名、命日、施主等の文字が書かれます。これらの文字はお寺のお坊さんに書いてもらいます。

いつ立てるの?

卒塔婆をどのような時に立てるかについては、明確な決まりはありません。基本的には供養の節目となるタイミング、四十九日や納骨式などの法要、命日、お彼岸、施餓鬼会などが一般的です。

 

また、毎回供養の際に新しいものを立てる必要はなく、新たに卒塔婆を立てたいという人が立てたり、卒塔婆自体が古くなったので新しいものを立てるなど、立てたい時に立てれば良いものです。

 

卒塔婆を立てたい!と思ったら、法要の日の10日以上前にお寺に直接連絡しましょう。お寺では、卒塔婆に使用する木の札を用意し、その木の札に文字を手書きするため、ある程度の時間が必要です。10日前であれば充分でしょう。

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塔婆供養を行わない宗派がある?

仏教の宗派には、真言宗、天台宗、曹洞宗、浄土宗、浄土真宗など多くの宗派が存在しますが、この中に塔婆供養を行わない宗派があります。

 

その宗派は、浄土真宗です。浄土真宗には「他力本願」という教えがあります。「他力本願」というと、現在では人をあてにするような悪いイメージの言葉としての使い方が一般的ですが、本来の言葉の意味は異なります。

 

「他力」は、阿弥陀如来のお力、「本願」は本当の願いを意味しており、阿弥陀如来が本当の願いのためにお使いになる偉大な力を表しています。したがって、浄土真宗を信仰している方が故人となった場合は、この阿弥陀如来のお力により、皆、極楽浄土にいくことができるという教えとなっています。

 

このため、浄土真宗には、故人に対して生きている人が行う追善供養という考え方がなく、追善供養の一つである塔婆供養も行いません。

塔婆料とは?

塔婆供養を行う際にお寺に渡すお金のことを塔婆料と言います。塔婆料には、卒塔婆自体の費用、卒塔婆に文字を書いてもらう費用、塔婆供養の費用が含まれています。それでは、塔婆料の相場、塔婆料を入れる袋について詳しく解説します。

塔婆料の相場は?

塔婆料の相場はだいたい3,000円〜10,000円程度です。お布施とは異なり、お寺で卒塔婆1本あたりいくらと価格を決めていることがほとんどですので、塔婆供養を行うお寺に事前に問い合わせる事をおすすめします。

 

また、お寺によっては、卒塔婆はお寺ではなく自分で用意して、文字のみ書いてもらうというところもあります。塔婆料を確認する際に合わせてこの点もお寺に確認すると良いでしょう。

塔婆料を入れる袋は?

塔婆料を入れる袋はどういったものを使えば良いか、水引は必要なのか、詳しく解説します。

どんな袋を使うの?

塔婆料を入れる袋は、正式には、お金を半紙で包み、さらに奉書紙(ほうしょし)と呼ばれる紙に包んでいましたが、現在ほとんどの方は封筒を使っています。奉書白封筒と呼ばれる白い無地の封筒、または「御塔婆料」と印刷されている専用の封筒が市販されていますのでこれらを使用しましょう。

水引は必要?

水引とは、祝儀や不祝儀の袋につける飾りです。いろいろな色の紙製の紐を結んで作られているものです。塔婆料は、お布施などとは異なり、祝儀や不祝儀ではなく卒塔婆を立ててもらうお寺への代金として支払うもので、宗教的な意味合いが薄いため、水引は不要です。

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封筒の書き方は?

封筒に文字を書く際、一番良いのは毛筆ですが、筆ペンでも問題ありません。毛筆で書く場合は、薄墨ではなく黒の墨で書きましょう。

 

薄墨は、「故人が亡くなったことを悲しみ涙で薄くなった」、「突然の故人の不幸に準備が間に合わず薄くなった」といった故人や遺族への思いを込めて葬儀で使用します。塔婆料は、お寺に渡すものであるため、黒の墨を使用します。

表書きの書き方

「御塔婆料」または「御塔婆代」と表の中央上方に書きます。卒塔婆を立てる施主の名前は、中央下方に小さめに書きます。

 

卒塔婆を家族や親族と一緒に複数人で立てる場合は2通りの方法があります。表面に書き切れる人数の場合は、施主のところに一人一人名前を書いて問題ないでしょう。表面に書ききれない場合は、「□□家塔婆建立者」と書いたメモに、全ての建立者の氏名を記入して封筒の中に入れる様にしてください。

中袋の書き方

中袋には、卒塔婆を立てる本数分のお金をまとめて入れますが、お札の入れ方に決まりがあります。中袋の表とお札の表を同じにし、お札の顔が書かれている部分を袋の上部にくる向きに入れる様にしてください。

 

中袋の表には、入れる金額を漢数字の大字で書く慣習になっています。通常の漢数字では「一」、「二」、「三」、「十」、「百」、「千」、「万」と書くところを、漢数字の大字では「壱」、「弐」、「参」、「拾」、「佰」、「仟」、「萬」と書きます。また、「円」という漢字も「圓」を使います。

 

これは、大事な金額の記載の改ざんを防ぐために昔から行われているものです。また、金額の数字の前に「金」と書くことも忘れない様にしてください。例えば1万円の場合は「金壱萬圓」と書きます。

 

中袋の裏には、渡す人(自分)の氏名と住所を書きます。封筒の口についてですが、中袋を使用している場合は、〆る必要はありません。お金を中袋に入れず直接封筒に入れている場合は、必ず〆るようにしましょう。

塔婆料の渡し方は?

塔婆料の渡し方は、御祝儀やお布施などと同様、切手盆(きってぼん)と呼ばれる黒塗りのお盆に載せて渡すことがマナーとされています。切手盆が無い場合は、袱紗(ふくさ)と呼ばれる四角い布に包んで渡します。この袱紗も慶弔両方で使われるものですが、紫色のものを用意しておくとどちらでも使えて便利でしょう。

いつ渡すの?

塔婆料は、お坊さんとお会いする法事・法要の場合は、当日、お坊さんに挨拶をする際に渡します。命日やお盆、お彼岸のお墓参りの際に卒塔婆を立てる場合は、お寺に卒塔婆を受け取りに行ったタイミングで塔婆料を渡します。

 

 

お札は新札の方が良いの?

塔婆料やお布施などお寺に渡すお札は、新札でも旧札でも特に問題はありませんが、お礼として渡すものですので新札で用意できると良いでしょう。遺族に渡す香典の場合は、あらかじめ用意していたという印象を与えるのは失礼にあたりますので、旧札または新札に折り目をつけて用意します。

お布施と一緒はダメ?

お布施と塔婆料を一緒に渡すか、別々に渡すかについては、明確な決まりはありません。しかし、お布施は金額の決まりがなく、塔婆料はお寺毎に金額が決まっているため、別々に渡す方がお寺の方もわかりやすいでしょう。

 

何か理由があり一緒に渡す場合は、お布施と塔婆料を一緒に包んでいるということを、きちんとお寺の方に伝えるようにすると混乱を避けることができます。

 

 

古くなった卒塔婆の処分は?

卒塔婆は木でできている為、長い間、立てておくと徐々に朽ちていきます。古くなったものは、風雨などで壊れて危険ですし、見た目にもよくありません。また、法事、法要の際に新しいものを立てていくと卒塔婆立てが一杯になり、新しいものを立てることができません。

 

このように、古くなったものを処分する必要がありますが、供養の為に立てたものですから、いつ、どのように処分すれば良いか迷うのでは無いでしょうか。昔はお寺に頼んでおけば、古くなったものは他の方のものと合わせてお焚きあげしてもらえたようですが、近年環境ルールが厳しくなり、自由に焼却することが難しくなっています。

 

もっとも手っ取り早い方法は、お寺に相談して処分してもらうのが良いでしょう。お寺により有料の場合と無料の場合がありますが、有料でも1本1000円程度で処分してもらえますので、卒塔婆が古くなって処分するという場合は、お願いするお寺に確認してみましょう。

 

故人への想いを卒塔婆に

今回の記事では、塔婆供養とは何か、卒塔婆とは何か、塔婆料の相場、包み方、渡し方など詳しく紹介しました。塔婆供養は、故人への想いを卒塔婆という形にして心を込めて供養を行うことが大切です。いざという時に慌てること無く供養を行えるよう、きちんと覚えておきましょう。