【浄土真宗】お布施の包み方や書き方、相場を丁寧に解説します!
公開日 : 2020/2/29
更新日 : 2020/9/10
浄土真宗のお布施の包み方や書き方、相場がわからない方が多いのではないでしょうか? 本記事では、浄土真宗のお布施はどのような包み方と表書きをするかということと、具体的な相場の金額を解説しています。浄土真宗のお布施について必須の知識を学びましょう。
公開日 : 2020/2/29
更新日 : 2020/9/10
目次
浄土真宗のお布施の相場の具体的な金額とは?
浄土真宗のお布施の総額はどれくらい?
浄土真宗のお布施の相場の総額は、12万円~54万円程度です。
このように金額に幅があるのは、葬儀の時に呼ぶお寺様は1人なのか2人なのか、葬儀の当日に取り越して初七日法要まで執り行うのかという要素があるからです。
また、浄土真宗はその他の仏式の宗派に比べてお布施の金額は安くなっています。
というのも、その他の宗派は「戒名料」というかたちで、名前をいただく際に発生するお布施があるのですが、浄土真宗では必要ないからです。(浄土真宗では「法名」と呼ばれます)
ただ、院号という宗門の発展に貢献したという意味合いの名前を付ける場合(任意)は、お寺によっても異なりますが、最低20万円必要です。
浄土真宗のお布施の具体的な金額とは?
浄土真宗の具体的なお布施の金額を説明していきますね。
- 枕経----------1万円
- 御車料--------5千円
- 通夜経--------2~3万円
- 御車料--------5千円
計3~4万円
- 導師----------------------------7~15万円
- 御車料+御膳料--------------1万円
- 副導師or役僧----------------3~10万円
- 御車料+御膳料--------------1万円
- 院号料-------------------------20万円~
- 初七日-------------------------2~3万円
- 御車料-------------------------5千円
計14.5万円~50.5万円
法要の場合
- 四十九日や1周忌-------------3~5万円
- 3回忌や7回忌その他--------1~2万円
- 御車料+御膳料----------------1万円
計2~6万円
浄土真宗に種類があるの?
一口に浄土真宗とはいっても、「浄土真宗〇〇派」というようにいくつかに分かれているのが特徴です。
- 浄土真宗本願寺派
- 浄土真宗大谷派
他にも〇〇派というかたちで分かれておりますが、多いのは本願寺派と大谷派となっています。
ただ、〇〇派というように分かれているとはいうものの、お布施に関して言えば特に違いはありません。
大きく違いがある部分としましては、本願寺派では「なもあみだぶつ」というところを大谷派では「なむあみだぶつ」というところであったり、焼香の回数が本願寺派では額に押しいただかずに1回するところを大谷派では額に押しいただかずに2回するところ等です。
基本的な大枠としての阿弥陀如来を信仰する部分は変わりありません。
そもそもお布施とは?
なかなかお布施といっても普段から慣れていないことなので、相場や表書きなどわからないことも多いことかと存じます。
お布施とは、当家の方からするとお経をあげていただいたお寺様に対しての対価としての金銭であるという認識が強いかと思いますが、本来の意味からするとそうではありません。
お布施の本来の意味としては、お寺に対しての寄付的な意味合いが強く、あくまでもお気持ちであるという位置付けです。
ただ、そのようにいいますがある程度の相場が決まっていることも事実で、少なすぎる場合にはお寺様の反感を買うケースもないとは言い切れません。
お寺様に対して聞くことも可能ではありますが、なかなか尋ねづらいものであることも否めませんので、本記事では項目に分けて詳しく解説してあります。
枕経とは?
枕経とは、臨終に際してお寺様に唱えていただくお経となっていますが、最近では亡くなってからすぐに執り行ったり、お通夜の時に枕経並びにお通夜というかたちで執り行うケースが増えてきています。
こちらは、1万円が相場となっており、お通夜の時に一緒にというケースやお寺で行うという場合以外は、加えて御車料も5千円必要になってきます。(ただし、他県など遠くから来ていただく場合は、1万円にする等の調整が必要です)
通夜経とは?
浄土真宗の場合は、通夜経ということで2~3万円包むことが一般的となっています。
~と書いてはありますが、基本的にはどちらでも問題ありません。
通夜経とは言うものの、先ほども申し上げた通り基本的にお布施というのはお経に対しての対価というよりは、寄付という意味合いが強いです。
読経というのは、
- 徳を故人に回し向ける
- 参列者に対して説法する
- 仏様から学ばせていただく
このような意味があるとされています。
特に浄土真宗においては、故人は亡くなられてすぐに阿弥陀如来の導きで極楽浄土に往生するという考え方であるため、故人に対してのお経というよりは参列者に対しての説法という意味合いが強いです。
御車料とは?
お寺様に対して、来ていただいたことへの感謝の意味合いとしてのものです。
ですので、枕経や通夜経とのお布施とは異なることを最初に申し上げておきます。
しかし、お布施と一緒にわたすものであることから、わかりやすさを重視し同時に解説させていただいておりまのでご了承ください。
基本的には、5千円で問題ありませんが遠方からはるばる来られる際には、1万円に増やすなど状況に応じて対応していただければ大丈夫です。
葬儀の時のお布施について
葬儀のお布施は、お寺様が何人でお勤めするかによって変わります。
このあたりはお寺によっても異なりますが、だいたいは当家の方の希望に合わせてくれることが多いので直接相談をしてみましょう。
基本的にお勤めは、1人もしくは2人でされます。
導師様に対してのお布施は、7~15万円と幅がありますが基本的には10万円包んでおけば問題ないでしょう。
2人目が来られる場合には、副導師なのか役僧なのかということを事前に確認しておきましょう。
- 副導師-----7~10万円
- 役僧--------3~5万円
このように金額が変わってきます。
場合によっては、格が高い地域のお寺様だと導師様は15万円、副導師様は10万円、役僧様は5万円と決まっている場合がありますので、心配な方はお近くの葬儀社に聞いてみることをおすすめします。
法要のお布施について
基本的には、四十九日や1周忌などの節目の重要な法事につきましては3~5万円用意することが一般的となっており、その他の3回忌や7回忌の法事では1~2万円包むのが相場であると言われています。
その他の法要でのお布施としましては、
- 建碑法要---------------2~3万円
- 入仏法要---------------1~2万円
- 初盆や(お盆)----------3~5万円(5千円~1万円)
- お彼岸------------個別3~5万円(合同3千円~1万円)
- 祥月命日---------------5千円~1万円
- 報恩講------------------3千円~1万円
等々いろいろな種類があります。
建碑法要とは、お墓を建てる際にお寺様にお経をあげていただいくもので、浄土真宗では霊魂という概念はありませんので開眼法要とは呼称しません。
また、入仏法要とは新しく仏壇を購入した際にお寺様にお経をあげていただき、阿弥陀如来を迎え入れるという意味合いのものです。
お盆につきましてはご存じの方も多いかと思いますが、時期としては8月13~16日を指します。
多宗派では供養の意味合いもあるのですが、浄土真宗では霊魂の概念がないため、仏縁にあわさせていただくという意味合いが強いです。
お彼岸については「春分の日」、「秋分の日」を中心として3日前後が目安です。
お寺で合同法要も行われますので、そちらに行かれたほうがお布施の金額が安くなることを覚えておきましょう。
祥月命日とは毎年の亡くなった月日のことを指します。
最近では、祥月命日に法要を行うことは減ってきているのも事実ですので、このあたりは状況に応じて考えましょう。
報恩講とは、親鸞聖人の命日である11月28日に行われる浄土真宗の行事です。
お布施の金額は多少の地域差があるので、お寺の方にも確認しておきましょう。
御膳料とは?
お寺様に対して、本来ならば用意しておく食事の代わりに対してのものであり、こちらも御車料と同様で謝礼の意味合いがあります。
基本的には、葬儀の時のみ用意しておけばよく、御車料+御膳料ということでひとまとめにして渡すことが一般的です。
5千円+5千円ということで1万円となっていますが、中身は1万円札でも問題ありません。
ただし、昔ながらのお付き合いで葬儀または法要の後に一緒に食事をとるという場合は、御膳料を用意する必要はありません。
院号料とは?
通常「法名」としてつけていただく名前の前に、「〇〇院」とつけたい場合に京都の本山に申請をして名前を授与してもらう際、必要となる金額のことです。
本山の院号授与基準の中に、「本山に永代経懇志(200,000円以上)をご進納された場合」という記述があります。
このことから、院号をいただく場合には20万円以上必要となることがわかります。
詳細な金額については、お寺様によって異なりますので直接相談してみることをおすすめします。
初七日とは?
初七日とは本来、故人があの世にいけるようにという追善供養の名目があります。
しかし、浄土真宗では臨終と同時に南無阿弥陀仏によって極楽浄土へ導かれるとされているため、むしろ参列された方々が説法を聴聞する場としての意味合いが大きいといわれています。
金額としては2~3万円が一般的で、どちらを選ぶかということについては通夜経と同様、どちらでも特に問題はありません。
初七日の際の御車料についてですが、火葬が終わった後に葬儀会館もしくは自宅などにお寺様を呼んだ際には必要ですが、葬儀の際に同時に執り行う「式中初七日」もしくは火葬後にお寺でする場合には必要ありません。
お布施を安くしてほしい場合は?
正直なところ、お布施が高くて払えないということもあるかと存じます。
このような場合には、お寺様に直接相談するのが一番早いです。
地域で決まっている場合には問題ないですが、勝手に相場よりも低い金額にすることは問題の種にもなりかねないのでやめておきましょう。
浄土真宗のお布施の包み方とは?
浄土真宗のお布施のお金の入れ方とは?
これは浄土真宗だけというわけでもないのですが、お札の向きとしては肖像画が袋の入り口近くになるようにして、こちらを向いている状態で入れてしまえば問題ありません。
また、新札にするべきかどうかという問題がありますが、こちらについては新札でなくても問題ありません。
葬儀というのは、結婚式のように随分前から用意して行うものではないからです。
お布施の上包みの裏面の向きとは?
よくお布施を包んだ後に上包みの裏面において、上側が手前に来るか、下側が手前に来るかわからなくなってしまうことがあるかと存じます。
マナーとしては、上側が手前に来るようにしましょう。
覚え方としては、「不幸が下に抜けるように」としておくと忘れないでしょう。
浄土真宗のお布施に水引はいるの?
こちらも浄土真宗だけというわけではありませんが、水引はなくても問題ありません。
ただ、葬儀社ですでに用意されている場合にはその水引を使うとよいでしょう。
よく使われるのは黒白や銀のもので、結び方としては「結びきり」もしくは「あわじ結び」を使うようにしましょう。
意味合いとしては、「二度と繰り返さない」ということで使われますが、「あわじ結び」に関して言えば「末永く付き合う」という意味で冠婚に用いられるケースもあります。
「あわじ結び」は冠婚葬祭どちらにも用いることができるので便利ではありますが、さきほどのような意味合いが気になるようでしたら「結びきり」を使うことをおすすめします。
浄土真宗のお布施の書き方とは?
浄土真宗のお布施の表書きとは?
浄土真宗では、一般的にお布施の表書きを「お布施」もしくは「御布施」と致します。
その他として「お経料」や「回向料」と書く概念がありますが、こちらは浄土真宗ではない他の仏教の場合に書くケースがあるだけなので、浄土真宗の場合は使わないようにしましょう。
お寺によってはお布施をひとまとめにして渡す場合もあるのですが、分けて渡す場合には中央上段に「お布施」または「御布施」と書いた後に、左上の方に小さく「枕経」や「通夜経」等、何に対してのお布施なのかということを記述しておくとわかりやすいでしょう。
それから、当家の方の名前についてですが、「お布施」または「御布施」と書いてある少し下に「〇〇家」もしくはフルネームを書くようにしましょう。
その他、名字だけ書いても問題はないとされています。
浄土真宗のお布施の表書きは薄墨なの?
こちらは浄土真宗だけにいえることではないですが、薄墨でなく通常の濃い墨を使うようにしましょう。
薄墨を使うケースとしては、香典を持っていく際に参列者が遺族に対しての悲しみを表現する場合です。
そのため、お布施に対しては関係ありませんので使わないようにしましょう。
浄土真宗のお布施で中袋は必要?
中袋があるほうが丁寧な印象を与えるため、用意することが一般的とされています。
中袋には、
- 氏名
- 住所
- 金額
を書くようにしましょう。
金額については書かなくてもよいと言われることもありますが、書いておいたほうが実務上お寺様も都合がよいケースが多いため、書いておくとよいでしょう。
書き方としましては、中袋の表面に「金〇万円也」と書くのですが〇の部分については漢数字の大字(だいじ)である「壱」や「弐」という表記を使うようにしましょう。
裏面には、住所と氏名を記述します。
書き方につきましては、はがきと同じような感覚で左下のところに書くとよいです。
浄土真宗のお布施についてのまとめ
本記事では浄土真宗のお布施の包み方や書き方、相場を解説してきました。
お気持ちのものとはいえども、お寺様に対して失礼に当たらないよう作法を知っておくことはとても大事なことです。
いざという時に焦らないよう日頃からの準備が肝心ですね。
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