お布施の相場はどれくらい?場面や宗派別に金額の目安を紹介

公開日 : 2021/1/22

更新日 : 2021/1/22

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葬儀や法要でお世話になった僧侶にお渡しするのが、お布施です。弔事においてお布施を包む場面は数多く、金額相場はシーンや宗派によって異なります。そこで本記事では、お布施の相場や、お布施にまつわる事柄について、詳しく解説していきます。

公開日 : 2021/1/22

更新日 : 2021/1/22

目次

お布施とは

お布施とは葬儀や法要などの儀式に際し、読経や戒名の授けを行った僧侶にお渡しする金品のことです。しかしお布施は、僧侶へのお礼ではありません。本来お布施は仏教修行の一環であり、「人に施すこと」そのものが修行となっています。

 

人に施す修行には3つの種類があり、あわせて「三施」といいます。1つ目は「法施」といい、お経を読んで仏の教えを伝えることです。2つ目は人々から恐怖心を取り除く施しで、「無畏施」といいます。

 

3つ目は僧侶や貧者に金品を施す「財施」です。三施のうち、僧侶による読経や戒名の授けは「法施」「無畏施」にあたります。これに対し、僧侶にお布施をお渡しすることは「財施」にあたります。つまり我々は、お布施を渡すことで僧侶に施しを行い、仏教修行を積んでいるというわけです。

 

また、僧侶が持ち帰ったお布施はご本尊にお供えされるため、僧侶ではなく仏さまへのお供え物と考えることもできます。お布施は僧侶への読経料や戒名料と誤解されることが多いですが、実はそうではなく、本来は仏教修行の1つであるということに留意してください。

シーン別のお布施の相場

前述のように、お布施とは何かへの対価や謝礼ではありません。あくまで感謝の気持ちを表すための施しと考えられています。そのため、基本的にお布施の金額に決まりはなく、寺院や僧侶から「幾ら」と請求されることもありません。

 

そうはいっても、実際にはやはり、その弔事に見合った相場が存在します。相場は地域の風習や宗派によっても大きく異なるため、一体いくら包めばよいのかと迷った経験がある人も多いでしょう。そこで以下では、場面別にお布施の相場をご紹介します。厳格に金額を守る必要はありませんが、困ったときには目安にするとよいでしょう。

通夜・葬儀

通夜・葬儀での読経へのお布施は15~20円万前後が相場です。ただし、通夜や葬儀では読経以外に、枕経や戒名授与へのお布施も上乗せすることが一般的で、総額の相場は少なくとも50万円程度と言われています。

 

通夜・葬儀のお布施の相場で、一番大きな差が出るのが戒名の位です。戒名の位と相場については、以下の表をご覧ください。

名称 相場

信士・信女 30~40万円
居士・大姉 50~60万円
院信士・院信女 70万円以上

知名度の高い人ほど、位の高い戒名をいただくことが一般的です。また、通夜・葬儀のお布施の金額は宗派によっても差が見られます。宗派別のお布施の相場について、簡単に見ていきましょう。

浄土宗

浄土宗での通夜・葬儀のお布施の金額は、戒名の位によって変動します。戒名の位別の戒名料の相場は以下の表の通りです。

 

名称 相場
信士・信女 30~40万円
居士・大姉 50~60万円
院信士・院信女 70万円以上

 

もちろん通夜や葬儀そのものへのお布施も必要です。儀式に関するお布施の相場は15万~20万円です。もっとも一般的な戒名である「信士・信女」の位の戒名料を授かる場合、お布施の相場は総額で50万~70万円程度となります。

浄土真宗

浄土真宗では戒名に当たるものを「法名」と呼びます。法名は生前に授かることが多いため、法名に関するお布施はその際に包むのが一般的です。生前授与されなかった場合は死後に授けられます。この場合、通夜・葬儀代に約10万円程度を上乗せして包むことが一般的です。

 

ただし浄土真宗では、他の宗派のように法名に位は設けられていません。また、基本的に歯法名料という考え方がありません。そうは言っても10万円程度の上乗せは必要です。しかし、他の宗派に比べると、通夜や葬儀のお布施の総額が安い傾向があります。

曹洞宗

曹洞宗は通夜や葬儀のお布施代が高いという傾向があります。曹洞宗では複数人の僧侶が読経を行うことが多く、お布施はすべての僧侶にそれぞれ包む必要があるからです。また、戒名の位によってお布施の金額は大きく変動します。以下に、曹洞宗の戒名の位別のお布施の相場を表にまとめました。

 

戒名の位 金額
信士・信女 30〜50万円
居士・大姉 50〜70万円
院信士・院信女 100万円〜
院居士・院大姉 100万円〜

 

戒名料のほかに、葬儀自体のお布施も必要です。お布施の総額は葬儀の規模や戒名の位によって幅が大きいですが、相場は30万~100万円と言われています。

臨済宗

臨済宗は戒名の位によって、葬儀のお布施の相場が異なります。戒名の位別のお布施の相場は以下の表の通りです。

 

戒名の位 金額
信士・信女 30〜50万円
居士・大姉 50〜80万円
院居士・院大姉 100万円〜

一般的な規模の葬儀・戒名の場合、葬儀のお布施の総額は30万~50万円程度が一般的となります。ただし臨済宗は宗派が細かく分かれており、お布施の相場は各宗派でも異なります

天台宗

天台宗も他の宗派と同じく、葬儀のお布施の相場は戒名の位で左右されます。戒名の位別のお布施の相場は以下の表をご覧ください。

 

戒名の位 金額
信士・信女 30〜50万円
居士・大姉 50〜70万円
院信士・院信女 80万円〜
院居士・院大姉 100万円〜

葬儀自体のお布施の相場は20万~30万円程度です。つまり、一般的な規模の葬儀・戒名の場合、葬儀のお布施の総額は60万~70万円程度となります。

真言宗

真言宗では戒名の位が以下の表のように4種類あります。戒名料として包むお布施の相場は、戒名の位によって異なります。

 

戒名の位 金額
信士・信女 30〜50万円
居士・大姉 50〜70万円
院信士・院信女 80万円〜
院居士・院大姉 100万円〜

 

戒名料のほかに、通夜・葬儀での読経代として20万~30万円程度のお布施も必要です。一般的な葬儀規模・戒名の位であれば、総額の相場は50万~70万円程度となります。

日蓮宗

日蓮宗では戒名に当たるものを「法号」と呼びます。日蓮宗の法号の位の分類は様々です。一般的な法号の位とお布施の相場は以下の表をご覧ください。

戒名の位

金額

院信士・院信女

30~50万円
院居士・院大姉 100万円~

 

通夜葬儀の読経代として10万円~20万円程度が別途必要です。読経代と法号料を合わせて、葬儀の総額相場は50万円程度です。

初七日

初七日は、故人の命日から7日目に行う法要です。家族や親族などの近親者が集まり、僧侶を招いて読経や焼香を行います。初七日のお布施の相場は3万~5万円程度です。最近は葬儀と同日に初七日法要を行う「繰り上げ法要」や「繰り込み法要」も増えています。その場合は、通夜・葬儀のお布施に初七日法要の3~5万円を上乗せして包むのが一般的です。

四十九日

四十九日は、故人の命日を1日目として49日目に行う追善供養です。多くの宗派では故人の魂は四十九日に成仏すると考えられています。四十九日は遺族の忌が明ける節目の日でもあり、親族などの近親者が集まり、僧侶を招いて法要を行います。

 

四十九日法要のお布施は一般的には、葬儀の1割程度の金額といわれています。一般的な規模の葬儀の総額は30万~50万円ですので、四十九日法要のお布施の相場は3万~5万円程度を目安にしてください。

 

納骨

納骨は四十九日と合わせて行うことも多いです。納骨を行う際は、僧侶を招いて読経をあげていただく納骨式を執り行うことが一般的です。納骨式のお布施の相場は1~5万円程度です。四十九日法要と同日に納骨式を行う場合は、お布施はまとめてもかまいません。

お盆

お盆は毎年8月の仏教行事です。お盆には僧侶が各家庭の仏壇を回り、棚経を上げることが一般的です。もちろんお布施は毎年用意します。お盆のお布施は、新盆か通常のお盆かで相場が異なります

初盆

新盆は四十九日を過ぎて初めて迎えるお盆のことです。お盆の中でも特に手厚い供養を行うのが習わしです。新盆では故人の家族や親族のほか、生前に信仰のあった知人・友人などが集まることも多いです。お布施の相場は3万~5万円程度です。

 

 

通常のお盆

通常のお盆では、故人の家族や親族だけが集まり、近親者だけで供養を行うことが一般的です。僧侶へのお布施の相場は新盆よりも少なめの5000円~1万円程度です。

お彼岸

春と秋のお彼岸にお経を依頼する場合には、もちろんお布施が必要です。寺院で行われる合同法要に参列する場合のお布施は3000円~1万円程度が相場です。個別にお彼岸の法要を依頼する場合、3万~5万円程度のお布施を包みます。

一周忌

一周忌は故人が逝去した翌年の命日に行う法要です。遺族や親族のほか、故人の友人知人が参列する場合もあります。一周忌は遺族の喪が明ける節目の日でもあります。そのため、納骨をこのタイミングで行うこともあります。

 

一周忌法要のお布施の相場は3万~5万円です。納骨式を行う場合は、そのお布施として1万~5万円程度を上乗せします。

三回忌

三回忌とは、故人が逝去した年を1年目として3年目の命日に行う法要です。つまり故人の逝去の翌々年に行う法要で、一周忌の翌年に当たります。三回忌以降は七回忌、十三回忌、十七回忌、…と続き、まとめて年忌法要と呼びます。

 

三回忌は年忌法要の中でも特に手厚く行う法要です。故人の家族や親族のほか、知人や友人が参列することもあります。三回忌などの年忌法要のお布施の相場は1~5万円程度です。

開眼供養・閉眼供養

新しくお墓を建てた場合や、新しい仏壇を購入した場合には、使用する前に開眼供養が必要です。あるいは位牌を新しくするときにも開眼供養を行います。開眼供養とは魂を込めるための儀式です。反対にお墓や仏壇を閉じるときには、閉眼供養といって魂を抜く儀式を行います。

 

開眼供養や閉眼供養では、僧侶を招いてお経をあげていただきます。お布施の相場はいずれも1万~3万円程度です。

お布施以外にお金を包む場合

お布施の他にも、僧侶にお渡しする金品が必要な場合があります。お布施の他に発生する費用には主に「御車代」と「御膳料」の2つがあります。なお、それぞれお布施とは別に用意しておきましょう。

御車代

御車代とは僧侶が法要会場まで来るのに要した交通費です。お布施の相場は5000円~1万円ですが、県外などの遠方から来ていただく場合には、交通機関の料金などを調べて相応の金額をお包みします。なお、家族が送迎した場合や、こちらが用意したタクシーなどを使っていただく場合には御車代は必要ありません。

御膳料

葬儀や各法要の後には、僧侶を招いて参列者で会食を行うことが一般的です。もし僧侶に会食を辞退された場合は、その分の費用を御膳料として包みます。御膳料の相場は5000円~1万円です。僧侶が複数人いる場合は、人数分の御膳料をまとめてお包みします。

お布施のマナーについて

お布施を用意するときに気をつけるべきマナーについて解説します。僧侶への失礼に当たらないよう、ぜひ以下の点に注意してください。

お布施を包む袋は?

お布施は半紙に包み、奉書氏に包むのが正式な包み方です。しかし最近は、水引のついていない無地の白い封筒を用いるのが一般的です。このとき、郵便番号の欄などが設けられた封筒は避け、必ず無地のものを選びます。

 

市販の白封筒の中には「お布施」という表書きが印刷されたものもあります。そちらを利用してもかまいません。また、基本的にお布施には水引のついた不祝儀袋は用いませんが、使用しても問題はありません。

お布施の袋の書き方

お布施袋を書くときは、通常の濃さの墨の筆や筆ペンを用います。表側には表書きを書きます。表書きは「お布施」「御布施」とします。封筒の裏側には金額と住所、氏名を書きます。このとき、金額は旧漢数字を用いるのが習わしです。

 

金額の頭と末には「金」「円」を付けます。たとえば3万円を包む場合は「金参萬円」と書きます。住所の番地や部屋番号には漢数字を用い、氏名は必ずフルネームを書きます。不祝儀袋などを用いる場合は、中袋があるものもあります。中袋がある場合は表側に金額を書き、裏側に住所と氏名を書きます。

渡すタイミングは?

僧侶にお布施をお渡しするのは、葬儀あるいは法要の開始前と終了後のどちらかです。僧侶にご挨拶するタイミングでお渡ししましょう。

渡すときの作法は?

僧侶にお布施を手渡しするのはNGマナーです。できれば切手盆を用いるのが望ましいです。切手盆がない場合は、袱紗の上に載せてお渡しします。このとき、儀式を執り行ってくださったことへのお礼の一言を添えるのがマナーです。

お札のマナーは?

お布施のお札には新札を使用してもかまいません。お札は肖像画がある面を表とし、すべての向きを揃えます。また、肖像画が封筒の口に来るように入れるのが一般的です。

マナーを守って礼儀を尽くそう

お布施の相場は場面や宗派のほか、地域の風習や親族の考え方によっても変動します。お布施の相場に困ったときは、思い切って寺院に相談してみるのも1つの方法です。