親族へ香典をわたす必要性と香典相場についてわかりやすく解説

公開日 : 2021/3/20

更新日 : 2021/3/20

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香典は故人へ供えられる金品のことです。故人への弔意の表し方の一つであり、遺族の葬儀費用をみんなで支えてあげる、という側面もあります。故人の親族であっても香典を渡すのがマナーです。こちらでは親族が渡す香典相場と、渡す際の注意点を解説します。

公開日 : 2021/3/20

更新日 : 2021/3/20

目次

親族へ香典をわたす必要性について

親しい人が亡くなられ通夜・葬儀、法要等に招かれた場合、香典を準備する必要があります。では、ご自分の親族が亡くなった場合、香典を渡す必要があるのか疑問に思うこともあるでしょう。まず香典とはどんなお金なのか、親族でも香典を渡す必要性の有無について解説します。

そもそも香典とは

香典は故人へ供えられる金品のことです。故人への弔意の表し方の一つであり、遺族の葬儀費用をみんなで支えてあげる、という側面もあります。

 

香典は、通夜や葬儀だけに持参すれば良いわけでは無く、法要に招かれた際も持参するのがマナーです。香典に「必ず〇万円を包まなければいけない。」という決まりはありません。

 

しかし、故人との関係で親密だった方々がわずかな香典しか渡さなければ、遺族は首をかしげてしまうかもしれません。それとは逆に、あまり親密と言えなかった人から多額の香典を受け取れば、遺族側は困惑することもあります。

 

このように香典の金額は故人との関係でその相場が変わってくるのです。

親族であっても香典を渡すのはマナー

故人が親であれ、おじ・おばであれ、喪主が兄弟・姉妹であれ、「身内であるから香典は必要ない」というわけにはいきません。香典は前述した通り故人へ弔意をあらわし、身内であるなら尚更、喪主・遺族を金銭的に支えるという側面も持っています。

 

ただし、香典の金額相場が親族ならどんな場合も高額になるわけではありません。一般的には親等が近ければ相場の金額は上昇し、遠くなれば下がります。

 

また、ご自分が新社会人になったばかりの20代のサラリーマンか、管理職となっている40代・50代かでも渡す金額は違ってきます。まだまだお金に余裕の無い20代の親族なら、香典を渡すとき無理に多額の香典を渡す必要はありません。

親族へ渡す香典袋の選び方

香典を渡す際、お金を香典袋へしっかり包むことがマナーです。お金をむき出しで渡すのは親族であってもマナー違反です。

 

まずは作法に則り、故人や喪主・遺族へ失礼に当たらない香典袋選びからはじめましょう。こちらでは通夜・葬儀、法要にふさわしい香典袋、その香典袋への記入の仕方について解説します。

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香典袋の準備

通夜・葬儀そして法要の香典を入れる袋は「不祝儀袋」を用意します。不祝儀袋は身近な文房具店、コンビニエンスストア、100円ショップ等で購入できます。

 

ただし、祝儀袋も同じフロアに売っている場合があるので、間違えて祝儀袋を購入しないように注意しましょう。なお、改まった包みにするなら白一枚の奉書紙または半紙で包み、水引を掛けます。奉書紙はある程度大きな文房具店で売っています。

 

仏式で香典を入れるのは無地の不祝儀袋です。中袋はあってもなくても構いません。通夜・葬儀・法要のいずれの場合も、結び切りの水引のついている不祝儀袋が必要です。

 

この水引の色は黒白、双銀、紫銀、黄白等を使用します。なお、法要の場合は黒白を避け、白一色を使う傾向もあります。

香典袋の書き方

不祝儀袋や奉書紙を準備した後で、香典袋に記入する必要があります。記入の際、毛筆または筆ペンを使用する方が丁寧です。こちらでは香典袋の表書き、中袋への記入、どんな場合でも薄墨で記入するべきかについて解説します。

香典袋の表書き

仏式の香典袋の場合、通夜・葬儀、法要のときは袋の真ん中から上半分に、次のように表書きをします。

 

  • 通夜・葬儀:ご香典、御霊前、御香料、御佛前、御香奠のいずれか
  • 法要:御仏前、御佛前のいずれか

 

なお、御霊前は浄土真宗以外の場合、四十九日法要までの書き方です

 

袋の真ん中から下半分には渡す人の名前をフルネームで書きます。ご夫婦連名で渡す場合は夫の名前をフルネームで記入します。夫の名前の左側に、妻の名前のみを書きましょう。

中袋の記入

中袋には香典を渡した人の氏名や、香典の金額を記入します。香典袋の表書きと同様、中袋にも毛筆または筆ペンを使用した方が無難です。

 

中袋の表に香典金額を記入します。なお、香典金額は縦書き、かつ旧字体の漢数字で書きます。金額の頭には「金」を付けます。例えば香典金額が1万円の場合は「金壱万圓」、香典金額が3万円の場合は「金参万圓」と記入します。「円」も旧字体の「圓」で書く方が良いでしょう。

 

一方、中袋の裏側左下に住所・名前を縦書きで書きしましょう。郵便番号も忘れずに書いておくと、遺族は香典返しの時に助かります。

 

ただし、不幸が重なるという考え方から、中袋を使用しない地域もあります。その場合は、香典袋の裏側左下に氏名・住所・金額を書きましょう。

薄墨で記入するべきか

通夜・葬儀の場合の香典袋は、表書きを原則として薄い墨で記入します。この薄い墨の意味は、「悲しみで涙がこぼれ、墨が薄まった」「突然の訃報に墨を濃くする時間も無かった」という、お悔やみの気持ちが込められています。

 

現在では、わざわざ墨をすらなくても、弔事用の薄墨の筆ぺンが販売されています。そちらを購入して記入しても構いません。一方、中袋は通夜・葬儀、法要ともに、通常の濃い墨の毛筆または筆ペンで記入します。

 

なお、法要に参列する場合は、事前に決まっている日程で進められます。そのため、通常の濃い墨の毛筆または筆ペンで記入しても大丈夫です。

 

ただし、地域によっては薄墨の使用が必要となる場合もあります。心配ならば、その地域の風習に詳しい人へ聞いておいた方が良いでしょう。

親族へ渡す香典相場について

香典袋が準備できたら、どの位の金額を入れるか決める必要があります。金額を決める際には、4,000円や4万円は「4=死」、9,000円または9万円は「9=苦」を連想させる数字なので避けましょう。

 

こちらでは故人との関係、ご自分の年齢に見合った香典金額の相場を、各ケースにわけて解説します。

一般葬や家族葬で香典相場が異なる?

一般葬や家族葬でも、原則として香典を持参します。ただし、葬儀または法要の案内状に「香典は辞退します。」ということが明記されていたら、香典は持参しないのがマナーです。

 

なお、香典の辞退を明記されておらず、家族葬へ参列する場合は、身内の限られた方々しか参列しない葬儀が執り行われます。そのため、一般葬の場合より、やや多めの香典金額を持参した方が、葬儀費用の支えにもなって喪主や遺族は感謝するはずです。

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故人との関係や自分が20代や50代と年齢で金額は違う

ご自分との関係が近い故人ほど香典金額は高く、ご自分の年齢によっても香典金額は変わってきます。こちらでは故人が親の場合、祖父母の場合、叔父(伯父)叔母(伯母)場合の香典相場について見ていきましょう。

故人が親の場合の香典相場

故人が実親や配偶者の親(義理の両親)の場合は、ご自分にとって血縁上で最もつながりの深い存在です。香典の金額も比較的高めです。下表を参考にしてください。

 

ご自分の年齢/儀式 通夜・葬儀 忌日法要 年忌法要
20代 3万円~10万円 3万円~10万円 1万円~5万円
30代 5万円~10万円 3万円~10万円 3万円~5万円
40代以降 10万円~ 10万円~ 5万円

 

通夜または葬儀で香典を渡す場合、やはり金額相場は高めです。また、初七日~四十九日までの忌日法要の場合も準備します。しかし、初七日は葬儀(告別式)と合わせて行うケースが多くなっています。

 

一方、一周忌と三回忌のような年忌法要の場合、仏教では故人が極楽浄土で仏になるための修業の真っ際中です。そのため、地獄に堕ちる心配はありません。この時期には儀式も縮小し、香典金額は葬儀や忌日法要ほど多く渡す必要がありません。

故人が兄弟・姉妹の場合の香典相場

故人がご自分または配偶者の兄弟・姉妹の場合は、親の次に最もつながりの深い存在です。香典の金額は下表を参考にしてください。

 

ご自分の年齢/儀式 通夜・葬儀 忌日法要 年忌法要
20代 3万円 1万円~3万円 1万円
30代 3万円~5万円 3万円~5万円 3万円
40代以降 5万円~ 5万円~ 5万円

 

故人が祖父母の場合の香典相場

故人がご自分または配偶者の祖父母の場合、親や兄弟・姉妹より香典金額は低めです。下表を参考にしてください。

 

ご自分の年齢/儀式 通夜・葬儀 忌日法要 年忌法要
20代 1万円 1万円 5,000円~1万円
30代 3万円~5万円 1万円~5万円 1万円~3万円
40代以降 5万円 5万円 3万円

 

ただし、ご自分が祖父母から生前に可愛がられてきて、その感謝を伝えたい場合、香典金額を多めにしても、もちろん問題はありません。

故人が叔父(伯父)叔母(伯母)の香典相場

故人がご自分または配偶者の叔父(伯父)叔母(伯母)の場合、血縁の面で距離があり香典金額は低めでも構いません。下表を参考にしてください。

 

ご自分の年齢/儀式 通夜・葬儀 忌日法要 年忌法要
20代 1万円 5,000円~1万円 5,000円
30代 3万円 1万円 5,000円~1万円
40代以降 3万円 3万円 1万円~3万円

 

親族へ香典を渡す場合の注意点について

香典袋を準備し、表書きや中袋への記入も済んで後はお金を入れるだけ、と安心する方々が多いことでしょう。しかし、香典袋へのお札の入れ方、葬儀または法要会場への持参の仕方にも作法があります。

 

こちらでは正しいお札の入れ方、香典を持参する方法、持参する以外の香典渡し方等について解説します。

正しく香典袋へお札を入れる方法

葬儀・法要で香典を用意する場合、香典袋へ入れるお札の向きにもマナーがあります。お札は肖像画の描かれている面が表で、肖像画の描かれていない面が裏です。

 

一般的に香典袋を遺族が表から開ける場合、お札の表面が裏(肖像画が描かれていない面)を向いているよう入れるのがマナーです。

 

表に向けてしまうとお祝い事の作法となってしまうので注意しましょう。また、香典袋にお札を入れる際、必ず向きを揃えて入れお札の上下もしっかり揃えます。

 

なお、訃報を聞き、大急ぎで準備したことを示すため、通夜・葬儀の場合は旧札を入れるのがマナーです。新札しか手元に無い場合は、1回折り曲げて香典袋へ入れましょう。

香典の正しい渡し方とは?

持参するとき、香典袋はそのままバッグやカバンに入れるのではなく「袱紗」へ包みます。この袱紗とは香典等を包む布のことです。

 

香典を包む場合、色は紫の他、紺、緑、灰色などの寒色系を選んで持参しましょう。喪主または受付があればその係の人へ渡すとき袱紗を静かに広げ、香典を取り出しましょう。

 

相手から見て正面となるよう香典の向きをかえ、仏前にお供えるよう言葉をかけ、両手を添えて差し出すのが丁寧な方法です。

 

また、仏壇に供える方法もありますが、いきなり仏壇に置くのはマナー違反です。遺族が見守る中で仏壇に手を合わせ、持参したお供え物と一緒に仏壇前へ置きます。

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葬儀や法要に参列しなくても香典を渡すべき?

やむを得ない理由で葬儀や告別式、法要へ参列が難しい場合もあるはずです。そんな時は、儀式後に日を改めて故人のお宅へ伺い、香典を渡す方法もあります。

 

その他に郵送で香典を渡すことも可能です。郵送する場合はお札を香典袋へ入れ、その香典袋を現金書留へ入れて送付します。送る際は、葬儀または法要を欠席する理由、欠席することへのお詫びを記入した手紙も同封するのがマナーです。葬儀や法要の前日までに到着するよう送付しましょう。

香典返しの必要性

葬儀や法要で香典を受け取った喪主側が、今度は儀式後に参列してもらった方々へ食事(葬儀の場合は精進落とし、法要の場合はお斎と言う)をふるまい、引き出物(葬儀・法要共に1,000円~5,000円程度の品)を渡します。

 

それに加え、喪主側は「香典返し」をするのがマナーです。これら喪主側の感謝を表す習慣も、「身内だから省いて良い。」ということにはなりません。香典を渡し、故人の成仏を願ってくれた身内へ感謝することが大切です。

 

香典返しの金額相場は、引き出物(返礼品)の額を差し引いた上で、頂いた香典等の1/3~1/2程度の金額で調整します。送る時期は葬儀なら忌明けの法要(四十九日)後1ヶ月以内、法要の場合は遅くとも1~2週間後に相手方へ届くよう手配しましょう。

 

香典返しの品としては、いわゆる「消え物」が理想的です。例えば、食べ物や石鹸・洗剤等があげられます。もちろん、タオル・ハンカチでも問題はありません。最近では香典返しに「カタログギフト」を送付し、参列者へ自由に選ばせる方法も人気です。

親族へ香典を渡すとき故人への感謝も忘れずに

葬儀・法要の香典は故人への感謝、そして供養をあらわす風習の一つです。香典金額も重要ですが、故人の成仏を願うために儀式へ参列する、という真心が最も大切です。

 

また、喪主側が送付した案内状で「香典辞退」を明記しているケースもあります。 その際、「身内なのに水臭い!」などと、無理に葬儀または法要会場へ香典を持ち込むのは避けましょう。

 

参列する親族の中には香典を受け取らない喪主へ、不快感を示す人がいるかもしれません。 しかし、香典の辞退は生前の故人の強い遺志であること、喪主側の考え方であることも考えられます。その考え方を尊重することも供養となるはずです。