礼服の価格相場はいくら?喪服の種類や選び方まで詳しくご紹介します
公開日 : 2021/3/29
更新日 : 2024/6/20
喪服は葬儀や一周忌、三回忌などの法事に参列する際に着用する礼服の一種です。喪服は大人であれば一着は用意しておくべきものです。しかし、喪服の種類や価格帯はいろいろあり、悩んでしまう方もいますよね。本記事では喪服の価格相場や種類、選び方をご紹介いたします。
公開日 : 2021/3/29
更新日 : 2024/6/20
目次
そもそも礼服とは?
葬儀、結婚式、入学式、卒業式、その他の式典など、冠婚葬祭全般で着用する正装のことを礼服と言い、フォーマルウェアとも呼ばれます。その礼服の中でも葬儀や法事などの弔事のシーンで着るものを喪服と考えるのが一般的です。
礼服でも喪服でも黒であれば大丈夫と考える方も多いと思います。しかし、デザインや生地の質感、光沢の有る無しなどの違いやルールがあります。したがって礼服には弔事用と慶事用の2種類があります。
この記事では喪服の価格の相場や喪服の種類、選び方も解説してまいります。喪服は一般の洋服とは異なり、頻繁に買い替えることがないので慎重に選びたいものです。新たに購入を考えている方、買い替える予定のある方はぜひ参考にしてください。
喪服の価格相場
喪服には大きく分けると正喪服、準喪服、略喪服の3種類があります。ここからは喪服の価格の相場をそれぞれの種類別にご紹介してまいります。
正喪服
正喪服とは喪主など葬儀などを主催する側の人が着るもので、喪服の種類のなかで最も格式が高いものとされます。正喪服を着るべき期間は一般的に葬儀・告別式から一周忌までとされています。
男性は和装の場合は紋付羽織袴、洋装の場合はモーニングコートが正喪服で和服の際の羽織は漆黒のものとされています。女性の正喪服は黒の和服、もしくはワンピースのブラックフォーマルです。和装の場合は五つ紋の付いた黒の喪服に黒の帯や小物を着用します。
男性の和装の喪服の相場は200,000〜300,000円、モーニングコートの相場は80,000〜100,000円。女性の和服の喪服の相場は200,000〜300,000円、洋装の場合は30,000~50,000円ほどです。他に小物なども必要となり和装のほうが高額になります。
準喪服
準喪服とは一般的に喪服として流通しているブラックフォーマルで、葬儀や告別式に一般の参列者として出席する際に着用します。近年では喪主や親族も準喪服がスタンダードになっています。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルが準喪服にあたります。
男性はブラックスーツの下には白いワイシャツ・黒いネクタイ・黒いソックス・黒色の靴を、女性は光沢のないブラックフォーマルに黒ストッキング・黒色の靴・黒色のバッグを着用するのが基本です。
男性の仕立て上がりのブラックスーツの価格相場は30,000〜50,000円、女性の準喪服であるブラックフォーマルの相場は20,000〜50,000円といわれてます。また価格の相場は年齢によっても大きく変わってきます。
略喪服
お通夜に一般の参列者として参列する場合には準喪服でなくても良いとされています。これは「急遽、取り急いで駆けつけた」という意味や、喪服を着ていくと故人の死を予期して準備していたかのように思われると考えられていたためです。
三回忌以降の法事においても準喪服でなくても良いとされ、略喪服と呼ばれるものを着用します。具体的に略喪服は男性は光沢のない地味な色合いのスーツに白無地のワイシャツ、ネクタイは黒無地か黒の折柄のもを選びましょう。相場は30,000~50,000円です。
女性も光沢がなく地味な色合いでカジュアル過ぎないワンピースやアンサンブルがおすすめです。女性の略喪服の相場は20,000円ほどです。また黒のブラウスに黒のスカートといった簡単なスタイルなら10,000円ほどで揃えることも可能です。
購入先による相場の違い
喪服をどこで購入するかによってブランドも違い、それにともなって価格も大きく変わってきます。購入先は男女ともにデパート・紳士服量販店・インターネット通販の大きく分けて3種類あります。
デパートで買う
デパートのメンズ・レディースの洋服売り場にはフォーマルコーナーが設けられており、喪服やフォーマル小物も販売しています。喪服を買うならやはり信頼のおけるデパートで購入したい、という根強いファンも多いです。
デパートでは、専門の知識を持った店員さんのアドバイスも受けられるので安心です。デパートの喪服の相場はメンズ・レディースともに100,000円ほどが価格の相場で、やや高めの設定です。
紳士服量販店で買う
近年、紳士服の量販チェーン店の店舗数は急増し、あちらこちらで見かります。紳士服量販店にはメンズだけでなくレディースのフォーマルウェアコーナーがあり、喪服を購入することができます。
紳士服のチェーンなら、デパートで購入するよりも安い値段の喪服を取り揃えています。価格の相場はメンズなら30,000~50,000円、レディースは30,000円ほどです。店舗で試着もできるので安く買いたいかたにおすすめです。
インターネットの通販で買う
喪服を扱うお店が近場になかったり、お店で喪服を買うのは面倒だったりする方にはネット通販での購入がおすすめです。ネットなら自宅で手軽にショッピングができ、数多くの店の中から比較して希望の喪服を購入できます。
インターネットの通販での喪服の相場はメンズ・レディースともに20,000円ほどです。ネット通販では、低価格のものから高級素材を使った高額の喪服までバラエティが豊富なので、自分の予算にあったものを選べます。
喪服の選び方
喪服を選ぶにもいくつかのポイントがあります。そこで喪服を選ぶ際にぜひ押さえていただきたいポイントをご紹介します。
シチュエーションに合わせて選ぶ
喪服は立場やシチュエーションによって異なります。葬儀や一周忌法要の主催者や近親者であれば正喪服が適切ですが、近年では準喪服の着用が一般的です。一方、参列する場合は準喪服の着用が一般的です。
お通夜へ参列する場合は準喪服、もしくは略喪服を着ていきます。三回忌以降の法要であれば、参列する方は略喪服を選ぶと良いでしょう。主催者側や遺族も三回忌以降では正喪服ではなく、略式の喪服を着用することが多い傾向にあります。
自宅で洗濯可能か?
人は知らず知らずのうちに皮脂を分泌しています。たとえ短時間しか喪服を着ていなくても汚れはついてしまいます。目立たないからとそのまま放置してしまうと、カビが発生したり色あせの原因にもなります。一度着たら必ずきれいな状態で保存しておきたいものです。
喪服をクリーニングに出した場合の料金の相場は、1,500~3,500円です。近年の喪服は自宅で気軽に洗えるタイプも数多くあるので、クリーニング代が気になるという方はウォッシャブルのものをおすすめします。またウォッシャブルは雨などにも強いという特性もあります。
オールシーズン対応か、季節限定か
喪服にも普通の洋服のように熱がこもりにくい仕立ての夏向きのものや、厚めの生地を使って寒い季節にも対応できる喪服など、季節に合った喪服があります。葬儀や法事は季節を問わずに訪れるので春夏用と秋冬用の2種類の喪服を揃えておくと良いでしょう。
春夏用と秋冬用の2種類揃えるのは大変という方には、オールシーズン対応の喪服をおすすめします。春夏秋冬どの季節でも1着あれば対応できるので大変便利です。近年ではオールシーズン用の喪服が人気です。また、初めて喪服を購入する方にもおすすめです。
肌の露出が少ないものを選ぶ
喪のシーンにおいて、肌をあまり露出しないことがマナーです。女性が喪服を選ぶ際には、スカート丈の長さも気を付けなくてはいけません。どこまでの丈が良いという決まりはありませんが、喪服のスカート丈はひざ下5cmからふくらはぎあたりまでがおすすめです。
スカート丈だけでなく、肌の露出という点においては袖の長さにも気をつけましょう。夏でもできれば肘が隠れるような、6~7分丈の袖のものを選ぶと良いでしょう。また襟元は詰まったデザインのものが良いとされているので、胸元があまり開いていないものを選びましょう。
スーツはダブルかシングルか
喪服のジャケットにも、一般的なスーツと同じくシングルとダブルの2種類があります。葬儀や法要に参列の際の喪服はシングル・ダブルのどちらでも構わないので、自分に合ったものや好みで選んでください。ただしズボンの裾は必ずシングルを選びましょう。
シングルは比較的すっきりとした印象なので、若い方はシングルを選ぶ傾向があります。それに対してダブルは重厚な雰囲気なので、中高年の方に人気です。また体形をカバーしてくれるのでおなかの周りが気になる方にもダブルはおすすめです。
年齢に合ったものか
喪服は頻繁に買い替えはしないため、ずっと同じ喪服を着ている方も多いでしょう。特に女性の喪服はデザインやタイプも豊富にあり、お若い方と年配の方ではふさわしい喪服のデザインも異なるものです。10年を目安に見直しをすることをおすすめします。
お若い方には、ジャケットタイプがおすすめです。スーツに慣れていない方はタイトではなくフレアスカートが良いでしょう。おすすめは、30代~50代の方はアンサンブルやワンピースタイプ、60代以上はパンツ系です。年齢が行くほど高品質のものを選びましょう。
価格はいくらか
喪服の価格にも幅があります。喪服の価格差の理由は生地の違いによります。喪服においては漆黒の生地が良いとされています。高価なものは深みのある上品な黒い生地で、余分な光沢がありません。
一方、価格が安い生地は深みのないものが多く、光の反射によって無駄な光沢やツヤが出るものも多いです。ご自分の年齢も考慮しながら商品を比較して、価格に見合ったものを選んでください。
喪服の着こなしのマナーとは
お通夜や葬儀などに参列する際、喪服の着こなしにもルールがあります。マナー違反にならないように覚えておきましょう。
男性の場合
基本的にワイシャツ以外は黒色のものを選びます。ワイシャツは白無地でレギュラーカラーのシャツを選び、色・柄物やボタンダウンは着用しません。ネクタイ、靴下は黒無地のものを選びますが光る素材でないものがよいとされています。
ズボンのベルトは黒色でシンプルなデザインのものにしましょう。靴は黒い革靴で紐で結ぶタイプのものが良いとされています。靴やベルトはエナメルやスエード素材は避けましょう。またクロコダイルなどの型押しのものも避けてください。
女性の場合
バッグは布製の黒のものが基本です。革製のものは殺生を連想させNGとされてきましたが、今では革製でも使用は認められています。ただしシンプルなもので爬虫類などの皮革のバッグはマナー違反なので注意してください。また、なるべく光沢のないものにしましょう。
ストッキングやパンプスも黒色のものを着用するのがルールです。ストッキングは薄いタイプのもの、靴は高いヒールのものや光るエナメル素材のもの、ミュールやサンダルはNGです。アクセサリーは真珠が定番です。
学生・子供の場合
学生は学生服が正装であるため、お通夜や葬儀・法要に参列する場合、学校の制服を着るといいでしょう。制服を着用する場合は、スカートを短くしたりワイシャツを外に出したりすることはマナー違反なので気をつけましょう。
小学生や小さな子供の場合は、キャラクターなどの柄の入っていない地味な色合いでデザインがシンプルな服を着用しましょう。
喪服をレンタルで調達する
いざ喪服を着ようとしたら、持っていた喪服が体形に合わないことや汚れていたという場合もあります。このような時は、慌てて購入しないでレンタルするという手段もあります。レンタルなら喪服の管理の面倒もありません。喪服を「買う」の他に「借りる」も選択肢に加えてみてはいかがでしょう。
和装の喪服のレンタルの相場
正喪服の和装にもさまざまな種類があり、レンタル料も異なります。レンタル料金の全国的な相場は12,000~20,000円ほどです。化繊など安い素材のものなら約10,000円ほどからレンタルすることができます。着る機会が少ないのであればレンタルをおすすめします。
レンタル料金に和装小物を含んだものや、オプションで和装小物をレンタルしているところもあります。ただし肌着や足袋は自前のものを用意しなくてはなりません。
洋装の喪服のレンタルの相場
男性の喪服は、喪主用のモーニングなら15,000~20,000円、略礼装なら10,000~2,0000円ほどがレンタル料金の相場です。モーニングなどは着る機会も少ないので、レンタルを検討してみても良いでしょう。
女性用の洋装の喪服は5,000~10,000円ほどがレンタル料金の相場です。さらにバッグや靴などの小物をプラスしたら10,000~20,000円ほどです。ただしマタニティ用の喪服はやや高めの料金設定です。
あなたに合った喪服を選びましょう
葬儀や法要は亡き人を偲ぶ大切な場です。出席される際はマナー違反にならないように、ふさわしい服装や持ち物を用意して出席してください。
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