【地鎮祭】費用の相場まとめ・工務店へのお礼やのし袋について解説
公開日 : 2020/2/28
更新日 : 2020/9/10
地鎮祭では様々な費用が発生します。神主への謝礼、工務店へのお礼、地鎮祭が終わったあとの食事会、ご近所へのごあいさつの品などです。初めてのことだと、相場はどれくらいなのか?と悩みますよね。地鎮祭の費用の相場や、マナーについてまとめました。
公開日 : 2020/2/28
更新日 : 2020/9/10
目次
そもそも地鎮祭とは?
地鎮祭は、建築工事を始める前にその土地の神様を鎮め、土地を利用することの許可を得るために行われます。工事の安全を願い、施主、住宅会社や工務店といった業者が参加します。大安の午前中に行われることが多く、時間は30分から1時間程度です。
まず、地鎮祭の流れや、マナーについて解説していきます。地鎮祭がどういった儀式なのか、確認しておきましょう。
地鎮祭の流れについて
地鎮祭の日程は大安を選ぶことが多いです。しかし、六曜は本来、神事には関係ありません。施主や住宅会社の考え方によるものなので、よく相談して日取りを決めましょう。ただ、時間帯については午前中が良いとされています。
地鎮祭は神社へ申し込みますが、施主が行う場合、住宅会社など業者が行う場合と様々です。分からないことがあれば、住宅会社に相談しましょう。
地鎮祭の儀式について
地鎮祭の儀式は、式次第に沿って執り行われます。基本的には神主が進めていき、施主が参加する場面では指示があるため、身構えなくても大丈夫です。施主が参加するのは主に「穿初め(うがちぞめ)の儀」と「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」、「神酒拝戴(しんしゅはいたい)」です。
「穿染めの義」は、用意されている盛砂に鍬(くわ)を入れる儀式です。「エイ、エイ、エイ」としっかりと声を出しながら、鍬を3回入れるようします。
「玉串奉奠」は、榊(さかき)を神前に捧げる儀式です。榊を時計回りに回してから神前にお供えし、二礼二拍手一礼をします。工事の安全をお祈りしましょう。
「神酒拝戴」は、神前にお供えした御神酒をいただく儀式です。神主の合図で乾杯を行い、飲み干します。
地鎮祭で準備が必要なものは何?
地鎮祭では、祭壇やお供えもの、ご近所へのあいさつの品など、様々な準備物がありますので、事前にしっかりとした用意が必要です。
祭壇については、神社が用意する場合もあれば、住宅会社が準備する場合もあり、施主が用意する必要はありません。お供えものは本来は施主が用意するものですが、最近では神社が用意してくれるケースも増えています。事前によく確認しておきましょう。
地鎮祭の最後に「直会(なおらい)」という食事会をする場合には、そこでふるまうお弁当を用意する必要があります。住宅会社が手配するケースもあるので、これも事前に確認が必要です。
地鎮祭のあとには、ご近所へあいさつ回りをすることになります。このときに持参する粗品は、住宅会社が手配することもありますが、そうでない場合には施主が用意しておかなければなりません。
地鎮祭のマナーについて
地鎮祭は神事ですから、マナーについても気をつけましょう。当日の服装や式の中でのあいさつ、ご近所へのあいさつについて解説していきます。
服装のマナー
地鎮祭の服装は、大人であればスーツやジャケットの着用、学生であれば制服を着用するのが適しています。
ただ最近では、個人宅の地鎮祭なら、カジュアルな服装で行われることも増えています。カジュアルと言っても、最低限のマナーとしてだらしない服装、清潔感のない服装はやめましょう。儀式を行っていただく神主に対して、失礼のない服装を心がけてください。具体的には、サンダルやミニスカート、派手な服装は避けるようにします。
施主のあいさつ
地鎮祭の最後などに、施主からあいさつを求められることがあります。その時になって焦ってしまうことのないよう、前もってあいさつする内容を考えておきましょう。あいさつの内容は、地鎮祭の参加への感謝、自宅の建設が始まるという喜び、工事の安全をお願いする、という流れで考えれば大丈夫です。
ご近所へのあいさつ
地鎮祭が無事に終わったあとには、工事関係者とともにご近所へあいさつに回ります。今後も長く住んでいく地域ですから、しっかりごあいさつしておきましょう。あいさつへ回る範囲としては、建設地の両隣、向かいの3軒、裏側の3軒が基本です。
あいさつのときには、「工事の騒音などでご迷惑をおかけますが、よろしくお願いします」ということを伝えましょう。堅苦しい言葉は必要なく、一言あいさつすれば十分です。
地鎮祭の相場と費用
地鎮祭では、謝礼や儀式での準備物など、様々な費用がかかります。その相場について、解説していきます。
地鎮祭で用意が必要なもの
地鎮祭では、祭壇やお供えものを準備する必要があります。祭壇のレンタル料や設営費用が3~5万円、お供えものは5千~1万円という相場になっています。
お供えもの
お供えものは7種類用意する必要があります。清酒、お米、塩、水、海の幸、山の幸、野菜です。清酒は酒屋さんなどで1升を2本購入し、「奉献」という表書きののし紙をつけてもらいます。お米と塩、水は、それぞれ一合用意しましょう。水の一合は180ccです。
海の幸には、一般的には鯛のお頭つきを用意します。生のままお供えしますので、焼いたりしないよう注意してください。乾物も必須ですので、スルメや昆布も準備します。山の幸には、果物をお供えするのが一般的で、みかんやりんごが無難です。
野菜は、「地面の上にできるもの、下にできるもの」の両方が必要です。地面の上にできるものはなすやきゅうり、トマトがいいでしょう。下にできるものは大根や芋にします。
榊(さかき)などの準備
お供えものの他に施主が準備しなければならないのは、榊(さかき)、湯呑み、半紙です。これは儀式で使われます。
榊は、花屋さんに行けば手に入ります。5本程度購入するようにしましょう。湯呑みは儀式の最後に御神酒をいただく時に使います。紙コップで代用しても構いません。半紙は20枚あれば大丈夫です。
神主への初穂料(玉串料)
地鎮祭を執り行ってくださるのは、神社の神主です。その謝礼が「初穂料」に当たります。初穂料の金額の相場について解説していきます。
謝礼金額の相場
一般的な個人宅であれば、神主への謝礼の相場は3~5万円です。地鎮祭のときに使うお供えものを神社が用意してくれたのであれば、謝礼金額は高めにします。また、地鎮祭を申し込んだ際に、神社や住宅会社からあらかじめ謝礼の金額を指定されることもあります。そのときは、指定された金額を包むようにしてください。
このとき用意するお金は、神主という神職に渡すものです。そのため、汚れや穢れ(けがれ)のないという意味で新札を用意しておきましょう。
どのようにして渡す?
謝礼はのし袋に入れます。のし袋は、紅白の水引で蝶結び、中袋ありのものを用意しましょう。また、のし袋の表書きは「御初穂料」または「玉串料」とします。どちらも正しいのですが、「玉串料」はお葬式で使われることが多いため、「御初穂料」とする方が一般的です。
地鎮祭の当日、のし袋を現地へ持参するときには必ずふくさに入れてください。バッグにそのまま入れて持参するのはマナー違反になります。
また初穂料は、祭壇に奉納する場合・しない場合があります。これにより神主へ初穂料を渡すタイミングも変わります。祭壇へ奉納するのなら、地鎮祭が始まる前に「本日はよろしくお願いします」と一言添えて渡します。奉納しない場合には、地鎮祭が終わったあとに「本日はありがとうございました」というお礼とともに渡せばいいでしょう。
お車代が必要な場合も
神主が自分の車で地鎮祭へ来られる場合、お車代を渡します。これは、初穂料とは別にして渡すものです。近場の神社から来られるなら5千円、遠方の神社から来られなら1万円相場です。お車代は、のし袋ではなく白封筒に入れて渡します。「御車代」または「御車両」と書き、自分の名前は入れません。
業者へのお礼や御祝儀
住宅会社や工務店といった業者へのお礼は、「地鎮祭の手配や設営に対する謝礼」ということになります。ただこれは、必ずしも用意しないといけないものではありません。
一方、棟梁や現場監督、職人に対しては「御祝儀」を渡すケースがありますが、これも必須ではありません。上棟式を行う予定があるなら、そのときに渡すだけでも十分です。
謝礼金額の相場
住宅会社や工務店へのお礼は、現金であれば1~3万円が相場です。現金ではなく、物品を用意する場合には、菓子折り、ビールや日本酒といった酒類を用意するのが一般的です。この場合は3~5千円程度でも構いません。
また、棟梁や現場監督など責任者へ謝礼を渡す場合には5千~1万円、職人に渡す場合には3千~5千円が相場です。このとき、職人よりも責任者の方が金額が高くなるように渡しましょう。職人へは渡さず、責任者だけに渡すという方法もあります。
のしはどうする?
住宅会社や工務店へ渡す謝礼ののし袋は、表書きを「御礼」としましょう。菓子折りなどの場合にも、「御礼」ののし紙をつけて渡すようにします。
棟梁や現場監督、職人へ現金を包む場合には、のし袋の表書きは「御祝儀」とします。中袋がないタイプでも大丈夫です。
ご近所への粗品の相場
地鎮祭のあとには、工事関係者と一緒にご近所へあいさつに回ります。このとき、粗品を持参しますが、住宅会社や工務店が手配してくれる場合も多いです。自分たちで手配する必要がある場合には、一軒あたり500円程度が相場となっています。
粗品は、お菓子の詰め合わせ、タオル、洗剤などが定番です。水引が蝶結びタイプののしをつけ、表書きは「粗品」や「ご挨拶」とし、水引の下に名前を入れます。
直会(なおらい)や食事会の相場
直会(なおらい)というのは、地鎮祭が終わったあとに、参加者で行われる食事会のことを言います。最近では地鎮祭自体が簡素化され、直会は行わないケースも多いですが、地域によってはこの慣習が残っています。
本来、直会は地鎮祭でのお供えものなどを食するものですが、現在ではお弁当やオードブルを取ってふるまうケースが増えています。この食事の相場は一人あたり2千円程度となっています。
地鎮祭のあとの上棟式について
地鎮祭のあとには、上棟式があります。上棟式は省略することも多くなっていますが、行う場合の費用や相場についても解説していきます。
上棟式とは?
そもそも上棟式とはどういった儀式でしょうか?家の柱や梁を組み立て、骨格を完成させることを「棟上げ(むねあげ)」といい、無事に棟上げが終わったことをお祝いするのが上棟式です。
上棟式に参加するのは、施主とその家族、棟梁や職人、住宅会社の担当者です。地鎮祭とは違い、神主を招くかは地域によって違います。また、近年では上棟式を省略し、施主と大工の顔合わせだけを行ってすませることも増えています。
神主を招かない場合は、式は住宅会社や棟梁が式次第に沿って執り行ってくれます。神主を招いた場合でも、謝礼である初穂料は必要ありません。住宅会社によってやり方も様々なので、事前に確認しておくことが必要です。
上棟式にかかる費用と相場
上棟式は、現在では略式にしているケースも多く、規模によって費用がかなり変動する儀式です。どんなことに費用がかかるのか、またその相場はどのくらいなのかを見ていきましょう。
棟梁や職人への昼食代と直会
上棟は一日がかりで行われますが、この日の昼食は施主が用意することになっています。上棟にたずさわる棟梁や大工は総勢10名ほどで、全員分の仕出し弁当などを手配する必要があります。相場は一人当たり千~2千円程度です。
また、昔からの風習では、儀式の終わったあとに施主が宴会をふるまうことになっていました。ただ、近年ではこの宴会を行う人はごく少数です。行なう場合には、オードブルやお寿司、お酒を用意しておく必要があります。食事代の相場は一人当たり3千~5千円と考えておきましょう。この他に、お茶やお菓子を差し入れすることもあります。
棟梁や職人へのご祝儀とお土産
上棟式を行わない場合でも、棟梁や職人への御祝儀だけは渡すようにしている人は多いです。ただ、御祝儀は施主の気持ちですから、必須のものではありません。渡す場合には、棟梁へ1~3万円、その他職人へは5千円が相場です。のし袋に入れ、表書きは「御祝儀」として渡すようにしましょう。
さらに、棟梁や職人へはお土産を用意するようにします。定番のセットは、ビール・赤飯・紅白饅頭です。「お祝い」や「御祝儀」ののしをつけて渡しましょう。また、お土産を用意したときには、御祝儀は省略するという考え方もあります。
お供えものなど儀式に必要なもの
上棟式では、お供えや儀式に必要なセットが必要になります。お供えものは、清酒2升・米・塩を用意し、総額で数千円程度。儀式で使われるセットは、1万円程度が相場です。
お供えの清酒2升にはのし紙をつけますが、神主を招く、招かないで表書きが変わります。神主を招く場合には「奉献」、招かない場合には「祝上棟」となりますので、注意してください。
餅まきを行なう場合も
地域によっては、上棟式のあとに餅まきを行なう場合もあります。餅まきは、災いを払うための儀式として行われてきました。ただ、近年では餅まきをするのは少数派となっています。餅まきをする場合では、お餅を用意するのは施主であるためその費用が3~5万円といったところが相場です。餅だけでなく、お菓子を混ぜることもあります。
地鎮祭の相場を知って気持ちのいい式典を
地鎮祭は、多くの人が一生に一度しか経験することの出来ない儀式です。マナーや謝礼の相場をきちんと把握して、後悔のない儀式となるようにしましょう。
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