手元供養の相場はいくらになる?保管方法や費用の内訳まで解説
公開日 : 2021/1/21
更新日 : 2021/1/21
大切な方が亡くなった時、一般的にお墓に埋葬するスタイルの他に近年では手元供養というスタイルも注目されています。手元供養には一般的な供養とは異なる方法があり、それにかかる費用もあります。そこで手元供養に必要な費用や相場について解説いたします。
公開日 : 2021/1/21
更新日 : 2021/1/21
目次
そもそも手元供養とは
人が亡くなると一般的には葬儀を執り行った後、ご遺体の火葬を行い数日たってから遺骨をお墓や納骨堂に埋葬しますが、近年では大切な故き人を身近に感じたい方や近くで見守ってほしいという方には手元供養という方法が注目されています。
手元供養とは遺骨や遺灰、故人の髪の毛などを小さな骨壺やフォトフレームなどに収めて自宅で管理したりペンダントなどのアクセサリーの一部として身に着ける供養の仕方のことです。自宅供養とも呼ばれています。
手元供養の種類
手元供養には全骨安置と分骨安置の2つの種類があります。それぞれの特徴についてご説明いたします。
全骨安置
全骨安置とは遺骨をすべて手元に置いて管理する供養のことを言います。一般的な大きさの骨壺のままで保管をするか、遺骨をパウダー状にして通常の骨壺よりも小さいサイズの骨壺に入れ保管しておくことが出来ます。
手元供養のために小さいサイズの骨壺に入れるには遺骨を細かくすることが必要ですがこれを粉骨といいます。粉骨する作業に専門の業者に依頼する際には料金が発生しいます。他には自宅に安置するための骨壺も必要です。
分骨安置
遺骨を2ヵ所以上に分けて管理することを分骨といい、分骨安置は遺骨の一部を埋葬し、一部をアクセサリーなどに加工したり小さな骨壺に保管します。分骨には火葬場で遺骨を分ける場合と、すでに埋葬されている遺骨を分ける場合の2つのパターンがあります。
納骨の前に分骨する場合火葬場で分骨証明書の発行の手続きが必要です。納骨後ならお墓を開けて遺骨を出すので墓の管理者に分骨をする旨を伝え分骨証明書を発行してもらいます。分骨安置には仏壇やミニ骨壺、アクセサリーの加工料などの料金が発生します。
手元供養にかかる費用の相場
手元供養には遺骨を粉骨する、分骨をする、手元供養品を購入するなど大きく分けて3つの費用が掛かります。こちらでは手元供養にかかる費用と相場について具体的に説明いたします。
分骨にかかる費用
分骨には火葬の際に分骨して手元供養する場合と、既にお墓に納骨されている遺骨を分骨する場合との2種類に分かれます
火葬の際に分骨して手元供養する場合
人が亡くなり火葬をする時に分骨する場合には火葬場で分骨証明書を発行してもらう必要があります。これには一通数100円ほどの費用が掛かりますが分骨する分の枚数だけ必要となります。他には骨壺の代金もかかってきます。
分骨先の管理者には分骨用の火葬証明書または分骨証明書を渡す必要があります。火葬証明書の発行には手数料が一般的に1通300円ほどかかります。
すでに埋葬されている遺骨を分骨・手元供養する場合
すでにお墓に埋葬されている遺骨を分骨する場合にも証明書が必要となり、分骨証明書の発行にかかる費用は1通数100円です。
証明書の費用のほかには墓石の移動させるための費用や閉眼供養・開眼供養の際の僧侶への御布施なども必要です。墓石の移動は20,000円~30,000円ほど、御布施は30,000円ほどが相場のようです。
分骨した残りの遺骨の供養
遺骨の一部を手元供養に分骨したら、残りの遺骨を供養する必要があります。霊園や墓地などに埋葬する、海や山などに散骨するなど供養の方法はさまざまあり供養にかかる費用もさまざまです。
霊園などの永代供養料の相場は70~80万円ほど、納骨堂納骨する場合は永代供養料に10~100万円ほどが相場です。樹木葬の費用の相場は20~30万、海での散骨の費用は30万円前後ですが、合同での散骨は10万円前後が相場と言われています。
粉骨の費用
遺骨を細かくする粉骨には遺族が業者に頼らず自ら行う方法と、専門の業者に依頼する方法の2つがあります。
個人で粉骨する際の相場
粉骨は誰が行っても法的に問題はないので業者に依頼せず遺族が粉骨することも可能です。その場合の費用まったくかからないのでなるべく安くしたい方におすすめです。ただしこれには粉骨を選ぶと労力に加え、精神的にも負担がかかることを覚えておきましょう。
個人で粉骨するにあたってはさまざまな道具が必要になります。身近にある金づちや木づちの他、乳鉢や乳棒も使えますがすばやく粉骨するのなら高速回転のモーター搭載の電動粉砕機が便利です。機械をレンタルする場合の料金相場は1週間で10,000円程度です。
業者に依頼する場合の相場
専門の業者に粉骨をまかせる場合には遺骨の状態によっても費用は違います。すでに骨壺に埋葬されていた遺骨を粉砕する場合の相場は約10,000円~20,000円ほどですが、骨壺の大きさによって値段は変わってきます。
粉砕する前に遺骨を乾燥したり洗浄、殺菌などの処理が必要な場合はさらに費用が掛かります。また郵送の場合には郵送料もかかります。ほかに粉骨の全てを業者に任せる場合と、遺族も参加して作業したり立ち会いをする場合は、別途料金がかかる場合もあります。
手元供養品の相場
手元供養に必要な費用には分骨や粉骨、およびその手続きの他に手元供養をするための供養品にも費用がかかります。そこでこれより手元供養品の種類や費用についてご紹介してまいります。
ミニ骨壺
ミニ骨壺は自宅において毎日故人とのつながりを感じられるものとして手元供養する際の定番の供養品となっています。お墓に収める従来の骨壺よりもぐっとコンパクトです。また一般の骨壺よりもリビングにおいても違和感のないようなスタイリッシュなものもあります。
素材は金属・ガラス・陶器・木などがあり、素材やデザインによって価格は変わります。手ごろな骨壺は1,000円ほどで購入できますが、一般的なミニ骨壷の相場は4000~70,000円と、値段にかなりの開きがあります。
ミニ骨壺はパウダー状にした大切な遺骨を納めるものなので良く調べて購入しましょう。購入の際は価格だけでなく密閉性があるか、耐久性はどうか、メンテナンスがしやすいかなどを考慮して選ぶことをおすすめします。
ミニ仏壇
従来の仏壇と比べコンパクトですっきりしているため現代の住宅事情によく合うとミニ仏壇を選ぶ方も増えています。ミニ仏壇ならミニ骨壺を置いてもピッタリと収まります。ミニ仏壇はデザインのバリエーションが豊富で部屋のインテリアの邪魔もしにくいのが利点です。
ミニ仏壇の価格は素材やデザインによっても異なります。相場としては5万円前後と言われていますが、2万円程度のものと10万円ほどの仏壇と価格には二極化の傾向にあるようです。8万円程度のの価格のミニ仏壇が比較的人気です。
ペンダント
遺骨を入れられるペンダントは メモリアルペンダントとも呼ばれ、身につけていることで亡き方をいつも感じていられるアクセサリーとして男女を問わず人気です。ペンダントの素材はさまざまありデザインもバラエティ豊富にあります。
シルバーのもの
シルバーの素材のペンダントは市場に多く流通しているので簡単に入手することができます。また比較的お手頃な価格なものが多いため人気があります。価格は数百円から3000円前後が相場です。
シルバー素材のものにも種類があり、数百円のシルバーメッキのものより高価な純度の高い素材の方がメッキが剥げることもなく長持ちするのでおすすめです。シルバー製品は次第に変色して黒ずんでしまいます。気になる場合は専用のクリーナーでお手入れをしましょう。
ゴールドのもの
明るい色合いのゴールドも人気の素材です。ゴールド素材の相場は10万円から40万円前後です。通常のペンダントには18Kを使ったものが多いのですが、手元供養のペンダントは14金素材のものが多いようです。
ゴールドには金色のものだけでなくホワイトゴールドやピンクゴールドで作られているものもあります。明るく丈夫なゴールドの素材は大事な遺骨をしっかり保存するのに適しています。
プラチナのもの
プラチナ素材のペンダントは落ち着いた色合いで年齢や男女を問わずに使っていただけます。プラチナ素材のペンダントの価格相場は一般的に10万円から60万円前後と言われています。
素材は純度が高いプラチナ900のものが多く流通しています。販売している会社の中にはオーダーで作成する会社もあり、オーダーの商品は価格も高額になります。
チタンのもの
シルバーやプラチナなどの天然の金属にアレルギーをお持ちの方にはアレルギーがおきにくいといわれるチタン素材のペンダントがおすすめです。またチタンはさびにくく温泉に入っても変色しないという特徴もあります。
チタン素材は特別なお手入れも必要がないため普段使いのアクセサリーに適しています。価格は20,000円台が相場です。
ステンレスのもの
ステンレス素材もチタンと同様にアレルギーがおきにくいので金属アレルギーの方におすすめの素材です。ステンレスの特徴としては汗による変色がしにくいことや丈夫であるところも挙げられます。
ステンレスの相場にはやや幅があり、8,000円程度から50,000円前後と言われています。男女を問わずにつけていただけます。
ガラスのもの
ガラス製のペンダントは中に遺骨を入れたものが多く、亡き人をより身近に感じることができます。ガラス製のものは透明なものの他にも色付きのものがあり、カラーバリエーションも豊富です。価格は比較的手ごろな10,000円台が相場です。
遺骨ダイヤモンド
遺骨や遺灰から人工ダイヤモンドを作ることができます。遺骨から作った人工ダイヤモンドをペンダントとして身に着けるという方法もあります。
人工ダイヤモンドは遺骨や遺灰から炭素を取り出して高温、高圧を加えて作成します。作成の過程においてDNAが破壊されてしまうので出来上がった人工ダイヤモンドが故人の遺骨かからできたものかの判別はできません。
価格はカラット数、カット方法、カラーなどによって変動しますが40~200万円以上が相場と言われています。ダイヤモンド制作には3~6ヶ月の期間がかかりさらにジュエリーに加工するには1か月程度を要します。
写真オブジェ
フォトフレームやオブジェの中が空洞となっていて納骨袋に入れた遺骨を納めておくことができます。モダンなデザインのものが多く一般的なフォトフレームと同じようにリビングなどに置くことができます。
毎日故人の顔を見ながら供養をすることができる点も人気の理由です。価格は30,000円ほどが相場です、
納骨お守り
納骨お守りとは、小ぶりな手のひらサイズのお守り状の容器に遺骨を納めたものです。文字通りお守りとして携帯しやすいサイズの手元供養品です。握りしめることによって亡き人の存在を感じられます。
外出の際はバッグなどに入れて携帯したり、自宅ではリビングや寝室などに安置することができます。価格は40,000円ほどが相場です。
手元供養セット
手元供養に何を揃えればいいか迷っている方には手元供養セットがおすすめです。手元供養セットとは仏具やおりん、ミニ骨壷、写真立てなどがセットになったものです。コンパクトでモダンなデザインのものが多いです。
小さな仏壇のようですが位牌もご本尊も必要がないので気軽に飾ることができ、亡き人を感じて過ごすことができます。セット内容や材質にもよって価格は変わりますが相場は50,000円ほどです。
手元供養のメリット、デメリットは?
手元供養をするにあたってはぜひそのメリットやデメリットも良く知ったうえで決定してください。
手元供養のメリットとは
手元供養の一番のメリットとしては一番に自宅で供養したり、遺骨を入れたアクセサリーを身に着けることで故き人を身近に感じられるという点が挙げられます。大多数の方はこの理由から手元供養を選ばれるようです。
また墓参の必要もないので高齢になって墓参りが大変な方でも供養することができます。施設へ入所する場合や引っ越しの際も手軽にま持っていく事ができます。
お墓に納骨する場合は永代使用料や管理料などが発生します。お墓を所有していない場合はさらに墓石から費用が掛かりますが手元供養なら数万円程度でできます。
手元供養のデメリットとは
人が亡くなると供養の方法は親族の間で決めることも多いものです。手元供養はまだまだ一般的とは言えずなかなか手元供養に賛同をしてもえないことも少なくありません。事前によく話し合っておくことが必要です。
手元供養を行うと自身で管理をしなくてはなりません。自分で管理が難しくなった場合や自分が亡くなったら管理はどうしたらいいのかという問題も出てきます。だれが管理をするのかを決めておいたほうが良いでしょう。
他には災害などに見舞われた時、お墓での埋葬なら遺骨が残っていても手元供養の場合にはリスクも考えられます。また、アクセサリーなど形態に便利でも小さいため紛失の心配も出てきます。
手元供養で大切な人を想う
この記事では近年増加している手元供養に関わる費用や相場、内訳や注意点についてご紹してまいりました。亡くなった方をいつも身近に感じたいというかたはこの記事を参考にして手元供養を検討されてはいかがでしょうか?
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