香典はいくら包む?年齢・立場・シーン別の香典相場を紹介

公開日 : 2021/1/21

更新日 : 2021/1/21

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香典は、葬儀や法要に参列する時に欠かせないものです。いざ香典を包もうとしたときに、一体いくらくらい包めばよいのか、困った方も多いのではないでしょうか。本記事では、年齢・立場・シーン別に香典の金額の相場をご紹介しています。

公開日 : 2021/1/21

更新日 : 2021/1/21

目次

香典とは

香典とは、お花や線香、お供え物の代わりに故人にお供えする金品のことです。故人へのお悔みの気持ちを表すとともに、急な不幸事で出費がかさむ遺族への助け合いの気持ちの表れでもあります。

 

日本ではもともと、通夜や葬儀には夜通しロウソクや線香を絶やさないという風習がありました。とくに線香の煙は極楽浄土への道しるべと考えられているため、大量に用意する必要があります。

 

そのため、故人の縁故者や近隣の人などが線香やロウソクを持ち寄る風習が出来上がったのです。現在はさほど大量の線香やロウソクは必要ないため、それらの代わりとして、金品を包むようになったのが香典の由来です。

香典の金額相場

香典を包むときに、いくら包めばいいのだろうと困った方も多いことでしょう。香典が少なすぎると故人をないがしろにしているように思われてしまうかもしれません。また、逆に多すぎると、受け取った遺族側の負担になるかもしれません。

 

そこで、ここからは、香典の金額相場についてご紹介していきます。香典の金額に迷ったときは、ぜひ参考にしてください。

年齢や関係性によって異なる

香典の金額は、年齢や故人との関係性によって相場が異なります。一般的には年長者ほど多く香典を包みます。おなじく、故人との関係が近しいほど香典の金額は大きくなります。故人との関係別の香典のおおよその金額について、以下の表にまとめました。

故人との関係性 香典の金額相場
両親 3~10万円
兄弟姉妹 3~10万円
祖父母 1~5万円
おじ・おば 1~3万円
甥・姪 1~5万円
その他の親戚 3000円~3万円
友人・知人・恩師・会社関係者 3000円~1万円

 

故人との近しさは、主に親等で判断します。ただし、親等が離れている場合でも、普段から親しく交流していた場合は、すこし多めに包むのが習わしです。

通夜・葬儀の香典の相場

通夜や葬儀における香典の相場について、立場別・年齢別に以下の表にまとめました。

故人との関係性 20代 30代 40代以降
両親 3~10万円 5~10万円 10万円~
祖父母 1~3万円 1~5万円 5~10万円
兄弟姉妹 1~3万円 3万円 5万円
おじ・おば 1万円 1~3万円 3万円
甥・姪 1万円 1~5万円 1~5万円
その他の親戚 3000円~1万円 5000円~1万円 5千円~3万円
友人・知人・恩師・会社関係者 3000円~5000円 3000円~1万円 3000円~1万円

 

香典の相場は地域の風習などによって変わることがあります。また、故人とより近しい親族より多い金額を包むと、親族間でトラブルになることもあります。金額に迷ったら、親族同士で相談して決めるのもおすすめです。

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初七日の香典の相場

初七日は命日から7日目に行われる法要で、故人の冥福を祈るためのものです。最近は葬儀と同日に行う「繰り上げ法要」や「繰り込み法要」を行うケースも増えてきています。葬儀と同日に初七日が行われる場合であっても、葬儀と初七日の香典をそれぞれ用意します。金額相場は以下の表をご覧ください。

 

故人との関係性

20代 30代 40代以降
両親 1~5万円 3~5万円 5万円~
祖父母 5000~1万円 1~3万円 1万~3万円
兄弟姉妹 1万円 3万円 3万~5万円
おじ・おば 5000~1万円 5000~1万円 5000~1万円
甥・姪 5000~1万円 5000~1万円 5000~1万円
その他の親戚 3000円~1万円 5000円~1万円 5千円~3万円
友人・知人・恩師・会社関係者 3000円~5000円 3000円~5000円 5000円~1万円

四十九日の香典の相場

四十九日は、故人の魂が成仏して極楽に行く日と考えられています。これを機に、遺族の忌が明けます。また、納骨を行う場合も多いです。このように四十九日は故人にも遺族にも節目の日であるため、盛大に法要を行うことが一般的です。

 

四十九日法要の香典の相場を以下の表にまとめました。

故人との関係性

20代 30代 40代以降
両親 1~5万円 3~5万円 5万円~10万円
祖父母 5000~1万円 1~3万円 3万~5万円
兄弟姉妹 1万円~3万円 1万円~3万円 3万~5万円
おじ・おば 5000~1万円 5000~1万円 5000~3万円
甥・姪 5000~1万円 5000~1万円 5000~3万円
その他の親戚 3000円~1万円 5000円~1万円 5千円~3万円
友人・知人・恩師・会社関係者 3000円~5000円 3000円~1万円 5000円~1万円

一周忌・三回忌・七回忌の香典の相場

一周忌は故人の逝去の翌年の命日に執り行う法要です。また、三回忌や七回忌は年忌法要と呼ばれ、故人の逝去の年を1年目として3年目、7年目、…の年数で執り行う法要です。一周忌や三回忌は追善供養の中でもとくに大切な行事とされています。香典の相場は、以下の表を参考にしてください。

 

故人との関係性

20代 30代 40代以降
両親 1~5万円 3~5万円 5万円~10万円
祖父母 5000~1万円 1~3万円 3万~5万円
兄弟姉妹 1万円~3万円 1万円~3万円 3万~5万円
おじ・おば 5000~1万円 5000~1万円 1万円~3万円
甥・姪 5000~1万円 5000~1万円 5000~3万円
その他の親戚 3000円~1万円 5000円~1万円 5千円~3万円
友人・知人・恩師・会社関係者 3000円~5000円 3000円~1万円 5000円~1万円

香典袋の選び方

香典袋は包む金額や、地域によって使い分けが必要です。それでは、香典袋の選び方について見ていきましょう。

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香典袋は包む金額によって異なる

香典袋は水引のついたのし袋を用いるのが基本です。また、高額を包むにつれ、見栄えが立派なもや、サイズが大きなものを選ぶのが習わしです。反対に金額が1万円以下の少額の場合は、水引が印刷された封筒タイプのものを用います。

 

ちなみに5万円以上の場合は中金封10万円以上を包む場合は大金封という、すこしサイズが大きいのし袋を使うことが多いです。

水引の選び方

水引の色は黒白か双銀が一般的です。ただし関西の一部地域などでは、四十九日以降は黄白の水引を用いるところもあります。香典が1~3万円の場合は黒白の水引がよいでしょう。5万円以上を包む場合は、双銀の水引を用いると、金額と見栄えとの釣り合いが取れます。

 

いずれの色を用いる場合であっても、水引の結び方は「結び切」「あわじ結び」のいずれかです、また、市販の香典袋には、包む金額の目安が表示されていることが多いため、そちらを参考に選んでみてください。

香典袋の書き方

香典袋の書き方にもマナーがあります。とくに四十九日以前と以降の表書きや筆記用具の使い分けに注意してください。それでは、各項目について見ていきましょう。

筆記用具の選び方

香典袋は筆か筆ペンを使用します。最近は表書きが印刷された香典袋も販売されているため、そちらを利用してもよいでしょう。いずれの場合であっても、注意したいのが墨の濃さです。

 

四十九日以前の香典には薄墨を使用します。これは「悲しみで墨が薄まった」「墨を摺ることもできなうほど悲しい」など、故人へのお悔みの気持ちを表すための風習です。薄墨を使用するのは通夜・告別式・初七日などの香典です。

 

四十九日以降の法要では、通常の濃さの墨を用います。迷うのは四十九日の法要の香典ですが、通常の濃さの墨を用いるのが一般的です。通常の濃さの墨を用いるのは四十九日のほかに、一周忌・三回忌・七回忌などの年忌法要があります。

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表書きの書き方

表書きとは、金品の目次のようなものです。表書きは香典袋の表側の上段中央に縦書きで書きます。ちょうど水引の飾りの真上にあたります。表書きは筆記用具と同様に、四十九日以前と以降で使い分けが必要です。

通夜・葬儀・初七日の場合

四十九日より前の香典には「御霊前」の表書きを使用します。これは、人の魂は死後49日目までは霊として現世に留まるという仏教の考え方に由来します。そのため、通夜・告別式・初七日などの表書きには「御霊前」を用いる必要があります。

 

ただし、宗派によっては「御霊前」の表書きは使用できません。たとえば浄土真宗の場合、人は死後すぐに成仏して極楽に行くと考えます。他の宗派のように霊として存在する時間がないため、「御霊前」ではなくつねに「御仏前」の表書きを使用します。

四十九日以降

四十九日以降の法要の香典には「御仏前」の表書きを使用します。前述のように、人は死後49日までは霊として現世にとどまります。そして四十九日を迎えると、成仏して極楽浄土に行くと考えられています。

 

四十九日以降の故人の魂は「成仏=仏に成る」であるため、表書きには「御仏前」を用います。「御仏前」の表書きを用いるのは、四十九日・一周忌・三回忌・七回忌などがあります。

名前の書き方

名前は、香典袋の表側の下段中央に縦書きで書きます。水引の飾りを挟んで、表書きの真下に当たります。名前は必ず、香典を包んだ人のフルネームを書きましょう。名字だけの場合、同姓同名の人と混同する恐れがあり、あとで遺族が香典を確認するときに困ることになるかもしれません。

 

名前は連名で書くこともあります。夫婦連名の場合、夫の氏名だけを書くのが一般的です。あるいは、夫の氏名を右側に書き、その左隣に妻の下の名前のみを書く方法もあります。

 

友人や職場の同僚など、複数人で包む場合は、3人までフルネームを書くことができます。向かって右側の方が地位が高いため、年齢や役職が高い順に右から氏名を書いていきましょう。

 

4人以上になる場合は、「〇〇一同」などのように団体名を記し、それぞれの氏名を書いた紙を同封するか、中袋に記しておきます。職場の関係者で包む場合は、一番右側に会社名を記し、その左隣に「〇〇部一同」などの所属を書くとよいでしょう。

中袋の書き方

香典袋はのし袋の中袋の2重になっているものが多いです。ただし地域によっては、不幸が二重になることを避ける意味合いで中袋なしの香典袋を用いるところもあります。中袋の有無については、地域の風習や親族の考え方に合わせるのがよいでしょう。

 

それでは、中袋がある場合の書き方について解説していきます。ちなみに、中袋は読みやすさを重視するため、ボールペンやサインペンといった筆記用具の使用が許容されています。

表は金額を書く

中袋の表側には、香典の金額を書きます。このとき、旧漢数字で縦書きするのが習わしです。また、金額の頭には「金」、末尾には「圓」を書き入れます。いずれも金額の改ざんを防ぐための風習です。たとえば3万円を包む場合は「金参萬圓」と記します。

 

最近は、中袋に横書きの欄が設けられているものもあります。その場合は、常用漢字と算用数字を用いて書きます。その他は縦書きの場合と同様です。たとえば3万円を包んだ場合は「金3万円」と書きます。

裏には住所・氏名を書く

中袋の裏側には、香典を包んだ人のフルネームと住所を記します。中袋にも氏名を書くのは、あとで遺族が香典を確認するときに、外袋と中袋がバラバラになっても、誰からの香典なのか判別できるようにするためです。

 

氏名は裏側の下段の一番左側に書きます。住所はその右側に書きます。住所の番地や部屋番号などは漢数字を用いましょう。このとき、金額とは異なり常用漢数字でかまいません。また、横書きタイプの中袋ならば、算用数字を使用します。

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中袋がない場合

中袋がない場合、外袋の裏側に金額と住所を書きます。氏名は表側に記載しているため省略します。金額は外袋裏側の下段の一番左に書きます。住所はその右隣に書きます。漢字の使い方などは、中袋に書く場合と同様です。また、読みやすさを重視するため、裏側にはボールペンや細めのサインペンを使用してもかまいません。

香典の渡し方

最後に香典の渡し方のマナーや、渡すタイミングについて確認します。ぜひ参考にしてみてください。

渡すタイミング

香典は、受付で記帳したタイミングで渡すのがもっとも一般的です。受付がない場合には、喪主に直接手渡しましょう。また、香典は焼香前までに渡すのがマナーとされています。つまり、法要が始まる前までに渡しておくことが望ましいです。

渡し方

香典をむき出しで持参するのはマナー違反です。袱紗か風呂敷に包んで持参しましょう。ちなみに弔事では、暗い寒色系で無地の袱紗や風呂敷を選びます。紫は慶弔両用の色なので、1つ持っておくと使いまわしができて便利です。

 

香典を渡すときは、まず袱紗を両手に持ち、香典を取り出して袱紗の上に置きます。そのまま表書きと氏名が先方の正面に来るように回転させて差し出します。このとき、「お悔やみ申し上げます」や「心ばかりですがお供えください」などの一言を添えるのがマナーです。

気持ちを託そう

香典は故人へのお悔みの気持ちと、故人への励ましの気持ちを表すための手段です。金額が安いからといって、気持ちがこもっていないということではありません。今回ご紹介した金額相場はあくまで参考にし、そのほかのマナーを守って心を尽くしましょう。