【補助制度も】火葬費用はどれくらい必要か?死産や生活保護など
公開日 : 2020/10/22
更新日 : 2020/10/22
日本では火葬がおもな葬儀スタイルです。突然のことで費用に悩んでしまうでしょう。公営火葬場や民営火葬場など、自治体別による火葬費用の詳細や直葬式・火葬式の費用相場、さらにそのほかの火葬相場や補助制度やローン支払い、そして死産やペット火葬について紹介します。
公開日 : 2020/10/22
更新日 : 2020/10/22
目次
火葬の費用は自治体で異なる
日本の葬儀では、火葬方式が一般的ですが、費用など具体的に分からない人も多いでしょう。火葬の費用は自治体によって違います。
公営火葬場
公営火葬場の場合、その自治体に住んでいれば火葬の費用が無料のケースも多いです。しかし、中には5,000円・1万円・2万円といった火葬費用がかかる自治体もあり、一概に無料であるとはいえません。
その自治体に住んでいる人を管轄の自治体の構成員といいますが、なぜ自治体や構成員によって料金が違うのか疑問に思うはずです。自治体は国の補助を受けずに構成員の税金のみで火葬場を作っています。
火葬場を作るときに費用を負担している構成員に対しては割安の火葬費用が適用されるでしょう。一方、構成員以外であれば、料金は1.5~2倍とぐんとはね上がってしまうケースがほとんどです。
民営火葬場
民営火葬場は、意外にも東京都に多く、6つの民営火葬場を東京博全株式会社が運営しています。6つの民営火葬場においては料金が一律であり、普通クラスであれば5万9000円で、最高クラスになると35万円ほどです。
東京に次いで人口の多い神奈川や埼玉でも、民営火葬場は存在します。しかし、東京都の数の比率ほどではなく、民営火葬場を利用するのであれば、東京都で探すのが一番無難といえるでしょう。
神奈川や埼玉の民営火葬場も、東京都と同じように5万円の費用からですが、休憩室や保冷安置室を使う場合は別料金が発生します。
子どもと大人の火葬料金
利用料金が無料の火葬場は、子ども・大人ともに火葬費用は無料です。しかし、有料の火葬場であれば、子ども・大人の火葬料金は異なり、基本は大人の火葬料金の半額から7割が子供の火葬費用と考えます。
まずは、自治体の火葬事情や公営なのか民営なのかをしっかりと確認してから、火葬費用がどれくらいかかるのか捻出してみましょう。子供の火葬料金として切り替わるのは、だいたい、6歳から12歳を境にしています。
生活保護者の火葬料金
亡くなった人が生活保護を受けていたり、喪主が生活保護を受けている場合は「葬祭扶助」を受けられます。葬祭扶助とは、生活保護者を対象に葬儀についての最小限の出費を、生活保護費で賄う制度です。
そのため、火葬料金を負担する必要がないですが、自治体によっては最小限の出費の額が異なります。気になる額は多くて20万円ほどで、棺代・骨壺代・搬送費・火葬費用を賄うことになるでしょう。
ただし、施主に葬儀料金を支払う余裕があると自治体で判断されれば、葬祭扶助は使えないため、注意が必要です。
直葬式(火葬のみ)の費用相場
火葬スタイルには直葬式と呼ばれる方式があります。どんな内容で費用相場はどれくらいなのか、事前にチェックしておきましょう。
直葬式とは
直葬(ちょくそう)とは、通夜・葬儀といった儀式をおこなずに火葬だけで済ませる葬儀です。必要最低限の遺体の処理のために火葬をおこなうため、できるだけ費用を抑えて葬儀をしたいと希望する故人や遺族によって選ばれます。
また、故人や喪主に親戚や知人があまりいない、高齢であるがゆえに交際の幅が狭くなっているといった場合にもこの葬儀スタイルが適用されるでしょう。そのため、通夜や葬儀にて焼香ができなかった人は後日、仏前でおこないます。
故人・喪主ともに最低限の費用での葬儀を望むのであれば、直葬式も視野に入れておくとよいでしょう。
直葬式の流れ
直葬式の流れは、おもに3つの工程で成り立っています。臨終安置・納棺出棺火葬・収骨で、臨終・安置は病院などから臨終を迎えたら自宅や葬儀社の安置施設に故人を移動させ、故人を布団に寝かせてからドライアイスで防腐処理をおこなうのが一般的です。
火葬当日か前夜に布団から棺に故人を移す納棺をおこない、火葬時間に合わせて出棺します。当日に火葬場に向かい、焼香が済んだあとに火入れをし、遺骨を骨壺へ収める儀式へとなるでしょう。
通夜や葬儀がないため、通夜ぶるまいや精進落としなどの会食もなく、流れについてはとてもシンプルなのが特徴です。
直葬式の費用相場と内訳
直葬でかかる費用の相場は、全国平均で20万円前後です。といっても火葬料金は、安置室を何日使用するのかによって金額が異なり、すべての直葬において費用が断定されるわけではありません。
直葬での費用の内訳は、棺・棺用布団・骨壺・仏衣・ドライアイス・搬送費などが挙げられます。棺・棺用布団・骨壺・仏衣は5万円から8万円で、ドライアイスは1日1回取り替える必要があり、1日1万円前後です。
病院から安置場へ・安置場から火葬場への運送費は各1万5千円からの相場と考えましょう。安置室使用料は5千円から2万円、火葬手続き代行は5千円、スタッフ人件費は4万円から火葬料金は0円から5万円の間です。
火葬式(直葬式に短い儀式が付随)の費用相場
直葬式に対して、火葬式もあり、後者のほうが一般的でしょう。火葬式の内容や費用相場について紹介します。
火葬式とは
火葬式とは、通夜や葬儀をおこなわずに火葬のみの直葬式に短い儀式がついたものを指します。火葬場へ向かう出棺の前に、短いお経が読まれるなどの儀式をおこないますが、葬儀式場は使用しません。
安置していた部屋でそのままおこなわれることが多く、参列者は遺族や親族など、火葬に向かう人に限られるでしょう。そのため、故人の親類・知人などは通知されることはなく、参列することはあまりありません。
葬儀が多様化している現在、より小さくスレンダーな形で葬儀をしたいと希望している人も多いです。できるだけ簡素で、それでいて故人をしっかりと送り出したいと願っている遺族や親族の気持ちを考慮しています。
火葬式の流れ
火葬式の流れは、直葬式よりもやや工程が増えます。臨終安置・納棺・読経・出棺火葬・収骨となり、病院などで臨終を迎えたら自宅や葬儀社の安置施設に故人を移動させ、布団に寝かせてドライアイスなどで防腐処理をするのが一般的です。
火葬当日か前夜に布団から棺へ故人を移す納棺をおこない、故人の思い出の品などを棺に納めましょう。火葬当日の出棺前に安置場所で短いお経を唱え、10分から15分ほどのお経を終えてから各自焼香をします。
そして、火葬時間に合わせて出棺をし、遺族・親族で火葬場に向かい、火葬場で焼香をしてから火入れの順に進んでいくのが基本でしょう。火葬が済んだら、遺族が骨壺へ納める収骨となり、骨壺を受け取ったら解散です。
火葬式の費用相場と内訳
火葬式では、直葬式に儀式をプラスしただけのため、寺院への謝礼以外はとくに変わりはありません。火葬式での寺院への謝礼相場としては、だいたい5万円から10万円と頭に入れておきましょう。
直葬式の全体費用相場は20万円前後であり、火葬式では寺院への謝礼がプラスされることで全体費用相場は25万円から30万円です。内訳については直葬式と同じで、棺・棺用布団・骨壺・仏衣は5万円から8万円で、ドライアイスは1日1万円前後でしょう。
病院から安置場へ・安置場から火葬場への運送費は各1万5千円からの相場と考えます。安置室使用料は5千円から2万円、火葬手続き代行は5千円、スタッフ人件費は4万円から火葬料金は0円から5万円の間です。
火葬式(直葬)の費用が払えないときの対処法
もっとも費用が少ない火葬式(直葬)ですが、そうはいっても数十万円が必要です。諸事情によってどうしても費用が払えないとき、支払いが厳しい場合の対処方法を紹介しましょう。
補助制度を利用する
葬儀の費用を自己負担できない場合は、公的な費用補助制度を利用してみましょう。会社の健康保険・国民健康保険などでは、被保険者や扶養家族が死亡したときに埋葬費の支給を受けることができます。
会社の健康保険では、埋葬料として一律5万円が受給され、国民健康保険では市区町村によって支給額は違ってくるでしょう。また、健康保険とは別に、火葬場を所有していない市町村は別の市町村の火葬場利用のときに発生する市外料金を補助してくれるかもしれません。
住んでいる地域では葬儀に関する補助制度があるのか、市役所などで確認してみるとよいでしょう。
ローン支払いが可能か
葬儀の費用のローン支払いは、利用する信販会社や銀行などの金融機関で審査に通れば可能です。名称については、葬儀社によって「セレモニーローン」「メモリアルローン」で葬儀専用の分割払いサービスが適用されます。
銀行などの多目的ローンを新規で利用する場合は、利用者の収入状況で審査に時間がかかってしまうかもしれません。一方、葬儀社が提携している信販会社の与信審査では、1時間から半日ほどの時間で結果が分かります。
しかし、中には金融機関の与信審査に通らない人もいるため、葬儀費用の支払いが困難であるという旨を伝えて相談してみるとよいでしょう。
その他の火葬費用
直葬式・火葬式の費用は上記のとおりですが、以下のようなケースの場合はどのような火葬をおこなうべきなのか気になるところです。死産やペットの場合について解説していきましょう。
死産の場合
妊娠12週目を経過した胎児が何らかの理由でお腹の中で死亡することを、死産と呼んでいます。中絶や流産も死産の一種とされており、死産の場合は死亡届ではなく「死産届け」を提出することになるでしょう。
死亡届と同じように、死後7日以内に各市町村役場で手続きをしてください。とても悲しい時期でそんな気分になれないかもしれませんが、期限を過ぎてしまうと罰金を課せられる場合があるため、速やかに届出をしましょう。
届出人になれるのは、父母・父母以外の同居人・医師・助産師のみです。赤ちゃんのご遺体があるため、葬儀をおこなうことは可能ですがやらなくても問題はありません。火葬式のみで済ませる人が多いようです。
ペットの場合
ペットも大切な家族の一員でとても大切な存在ですが、人間よりも寿命が短いため、悲しい時を迎えてしまうことも多いでしょう。ペット火葬について紹介します。
自治体に任せる場合は5,000円程度
各自治体の衛生担当では、動物の火葬をおこなっています。費用相場はだいたい5千円前後で、個別での火葬ではなく、ほかの家畜や路上でひかれてしまった動物と一緒に合同火葬になるでしょう。
また、火葬をしてから遺骨は飼い主のもとには戻ってこないことも頭に入れておかなければいけません。ペットを家族と同じようにとても大事にかわいがっていた人にとっては、たとえ安い費用であってもとても辛い選択です。
大切なペットだからこそ、いつでもお骨を手元に置きたいと思っている人は多く、ちょっと費用が高くても別の方法を選んだほうがよいでしょう。
民間の合同火葬は1万円
民間のペット火葬場で合同火葬をおこなうときは、火葬費用はだいたい1万円前後とみましょう。基本のペット火葬は、自宅までペットを引き取ってもらい、そのあとは立ち合いなく合同火葬をします。
こちらも市役所の衛生課による合同火葬と同じように、火葬をしたあとの遺骨は家族のもとへ帰ってはきません。火葬場併設の供養塔などへ合葬されるため、個人のお墓でなくほかの動物たちと一緒に眠ることになるでしょう。
合葬をしたあとには、お墓参りをすることができ、いつでも大切なペットのお墓にいくことが可能です。
個別火葬は1万円~8万円
家族同然の大切なペットのため、合同葬儀は嫌と思っている人も多いでしょう。合葬ではなく、個別火葬がしたいという飼い主さんのために、個別火葬をおこなっている業者もあり利用してみるとよいでしょう。
個別火葬料金にプラスして1万円から2万円ほど支払い、おもな葬儀の内容としては火葬前に短い読経をおこないます。人間の場合の火葬式と同じスタイルですが、対応しているペット火葬場は限定されるため、注意が必要です。
また、人間の火葬では自治体によって無料の場合がありますが、ペットは有料のケースが多いことも頭に入れておきましょう。
コロナ感染症による火葬
新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の火葬は、感染のリスクを防ぐために遺族や親類との対面・葬儀はおこなわれません。遺体は、体液や分泌物を通さない「非透過性納体袋」に収容し、密封して棺に納めます。
搬送するとき、運転席・助手席と車両後部をビニールで仕切り、火葬場に直行し、遺族は同席せずに荼毘にふされるわけです。基本、火葬費用は直葬式の料金で、後葬と呼ばれるお別れ会を開く場合は火葬料金にプラン料50万円前後が必要になるでしょう。
通常の葬儀とは違い、故人と思うように面会できない、近くで送り出してあげられないなどコロナ感染による葬儀は、遺族や親族にとってとても切ないのが現状です。
火葬費用を抑えて最適な葬儀にしよう
今回は、公営火葬場や民営火葬場など、自治体別による火葬費用の詳細や直葬式・火葬式の費用相場、さらにそのほかの火葬相場や補助制度やローン支払い、そして死産やペット火葬について紹介しましたがいかがでしょうか。火葬費用を考慮しながら選んでみましょう。
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