遺品整理の費用相場は?安くする方法や業者の選び方もご紹介
公開日 : 2020/9/13
更新日 : 2020/9/15
故人様の遺品を整理する「遺品整理」。現在では業者に依頼するケースが増えています。遺品整理業者に依頼した場合、どの程度費用がかかるのでしょうか。また、遺品整理業者はどのように選べば良いのでしょうか。遺品整理サービスの費用相場や、依頼する際の注意点をご紹介します。
公開日 : 2020/9/13
更新日 : 2020/9/15
目次
遺品整理は業者に依頼できる
故人様の遺品を片付ける「遺品整理」には膨大な手間と時間がかかります。また、清掃や仏壇仏具の供養、車やバイクの名義変更、パソコンやスマートフォンの情報整理など、遺品整理と合わせて行わなければならないことは多岐に渡ります。
さらに少子高齢化が進む現在では遺品整理を遺族だけで行うことが難しくなっています。そのため、遺品整理やそれに伴う作業をワンストップで請け負う業者も増えています。
遺品整理の料金はどのように決まり、相場はどれくらいなのでしょうか。また、遺品整理を依頼する際にはどのような点に気をつければ良いのでしょうか。今回の記事では遺品整理の相場や注意点についてご紹介します。
遺品整理はいつ行うのか
遺品整理を行う時期は特に決まっていません。葬儀や様々な手続きが終わり落ち着いた頃、また故人様の想い出を整理する決意が固まった時など、タイミングは人それぞれです。
しかし、賃貸住宅の場合は物件を明け渡さなければなりませんので、引き渡しの期限までに遺品整理をする必要があります。持ち家の場合は急ぐ必要はありませんが、相続人が複数いる場合はトラブルにならないよう、相続人全員で話し合って遺品整理の時期を決めた方が良いでしょう。
遺品整理は誰が行うのか
故人様の遺言がない場合は、基本的に遺品整理は相続人が行います。遺品の中には相続財産も含まれますので、トラブルを避けるためにも相続人の間で話し合いながら遺品整理を行わなくてはなりません。遺品整理にかかる費用は相続人の負担になり、相続額の高い相続人が費用を多く負担することが一般的です。
遺品整理料金の相場
遺品整理の料金は主に部屋の広さによって変わります。部屋の広さごとの相場は以下のようになっています。
・1R、1K:3~8万円
・1DK、2K:3~15万円
・1LDK、2DK、3K:8~30万円
・2LDK、3DK、4K:12~45万円
・3LDK、4DK:17~30万円
・4LDK以上:25万円~85万円
遺品整理の料金を決める要素
先ほどご紹介した通り、遺品整理の料金は部屋の広さによって変わります。しかし、それだけが決定要素ではありません。様々な要素が加わって最終的な料金が決まります。部屋の面積以外に遺品整理の料金を決める要素をご紹介します。
処分品の量と種類
処分品の量が多ければ多いほど人件費と処分費用がかさみますので、その分料金は高くなります。また、処分品の種類によっても処分費用は上下します。可燃物やプラスチックは安く、金属などの不燃物はそれよりやや高くなります。さらに、粗大ごみや大型家具、家電は特に高い処分費用がかかります。
しかし、家具や家電でも価値があり業者が買い取れるもの、貴金属や骨董品などが遺品に含まれる場合は、買い取り金額と処分費用が相殺されるため、料金が安くなります。
建物の構造
建物の構造上、作業効率が悪くなる場合は料金が高くなることがあります。例えばアパートの高層階、特にエレベーターがない場合は、運搬に手間や時間がかかり、人件費がかさみます。その分が料金に上乗せされるというわけです。
他にも一戸建てで階段が多い、玄関や窓が狭く大型の家具が運び出せないという場合も料金が高くなる可能性があります。
周囲の状況
周辺の状況も料金に影響を与えます。例えば家のそばに駐車場がなく運搬に時間と労力がかかる、住宅街で周りに家が密集し、大声でやり取りができないなど、運搬に手間がかかる場合は料金が高くなることがあります。
作業希望日や対応期日
作業希望日を土日など休日や繁忙期にすると、スタッフの休日出勤手当が料金に上乗せされる場合があります。また、「翌日までに」、「2~3日以内に」などと、急ぎの依頼も特急料金がかかることがあります。
オプションサービス
遺品整理は単に物を整理、処分するだけではなく様々な手続きや処理が必要になります。それらをオプションサービスとして依頼する場合は、サービスによって料金が変動します。オプションサービスの詳細は次項でご紹介します。
遺品整理のオプションサービス
遺品整理業者の中には、単に物を片付けるだけではなく、清掃や手続きの変更など、身じまいに関わる様々なオプションサービスを行っている業者もいます。主なサービスを以下にご紹介します。なお、オプションサービスの内容や料金は業者によって異なりますので、遺品整理を依頼する際に確認が必要です。
遺品の供養
他の人の遺品と同時に供養する「合同供養」と、故人様専用で供養を行う「個別供養」があります。合同供養は供養専用の施設や神社で行われ、料金は基本料に含まれていることが多いです。個別供養は故人様の家で行われることが多く、2~7万円程度の別途料金が必要です。
リサイクル品の買い取り
遺品の中に家具や家電、ブランドのバッグ、貴金属など価値のあるものがある場合は、それを買い取るサービスを行っている遺品整理業者もあります。ブランド物や骨とう品、貴金属などは専門の鑑定士が鑑定を行います。処分費用が安く済むだけではなく、買い取りによる利益が出ますので、遺品整理のコストを抑えることができます。
清掃
遺品整理と併せて家をきれいに掃除したい場合は清掃のオプションサービスをつけると便利です。清掃する範囲は家全体でも、一部屋のみ、水回りのみといった一部分でも希望に合わせて依頼できることが多いです。
特に賃貸物件の場合はあらかじめ清掃を行っておくことで、契約解除時のハウスクリーニング費用を安く抑えられる可能性があるため、ぜひつけておきたいオプションです。
家の状態によっては特殊清掃や消臭作業、害虫駆除などが必要になる場合があります。部屋の状況や間取り、部屋数によって料金は大きく変わります。まずは見積もりを依頼すると良いでしょう。
エアコンの取り外し
細かいことのように感じられますが、実はエアコンの取り外しは意外と厄介なものです。高い所に設置してある上に重く、また特殊なパーツが多いことから、取り扱いには注意が必要です。
電気店に依頼しても取り外しは可能ですが、遺品整理のオプションサービスの方が遺品整理のついでに行えることから、安く済む場合もあります。業者によって費用は異なりますが、相場は6000円程度です。
リフォーム
畳や障子の張り替え、水周りのリフォームや外壁の塗り替えなど、様々なリフォームに対応している遺品整理業者もあります。遺品整理後にリフォームを専門業者に依頼しても良いですが、遺品整理業者に依頼すると窓口が一つで済み、スケジュールも組みやすいため手間を省くことができます。
部屋の広さやリフォームの内容によって費用は大きく変わりますので、まずは見積もりを依頼すると良いでしょう。
バイク・車の廃車手続き
故人様の使っていたバイクや車の廃車手続きを請け負う業者もあります。手続きに必要な書類が準備できているかどうかで、料金は多少変動します。また、バイクや車の状態が良い場合は、買い取りをしてもらえる場合もあります。相場はバイクが6000円程度、車が1万2000円~2万円程度です。
相続手続代行
業者によっては相続手続きの代行を引き受けていることもあります。料金は財産の額により異なりますが、18~40万円程度かかると考えておくと良いでしょう。
デジタル遺品整理
最近増えているのがデジタル遺品整理サービスです。パソコンやスマートフォンのパスワードの解析や、WEBサービスの解約、故人様のSNSの閉鎖などを依頼できます。また、パソコン内の動画や写真などのデータをまとめるサービスを行っている遺品整理業者もいます。
費用相場は業者や依頼内容で大きな開きがありますが、パスワード解除が1~2万円、データ整理を含めると5万円程度の費用がかかります。
遺品整理費用を安く抑える方法
先ほどご紹介した通り、遺品整理にはまとまった費用が必要になります。また、物品の量や種類などの条件によっては、さらに高額になる場合もあります。遺品整理の費用を抑えるにはどうすれば良いのでしょうか。ご紹介しましょう。
あらかじめ自分で処分をしておく
遺品整理は業者に頼まなくても個人でも可能です。特に日用品や書類といった小さなものは、自分で処分をして物品を減らしておくと料金を安く抑えることができます。自身の遺品整理費用がどれくらいかかるか心配という方は、生前から部屋を整理し、不要な物は処分しておくと良いでしょう。
リサイクルショップを利用する
家具や家電、服、日用品などはリサイクルショップで買い取りをしてもらえる場合があります。まとまった量がある場合は出張買い取りサービスを行っているところもありますので、最寄りのリサイクルショップに確認すると良いでしょう。
貴金属や宝石はリサイクルショップや遺品整理業者に依頼するより、専門の買取店に自分で持ち込んだ方が高く買い取ってもらえる場合もあります。手間はかかりますが、ネットオークションやフリマアプリを利用するのも良いでしょう。
追加オプションの必要性を見極める
先ほどご紹介した通り、遺品整理のサービスには様々なオプションがあります。オプションをつけることで料金が上がりますので、業者に勧められるままにオプションを追加しないようにしましょう。
また、逆に料金が高くなるからといって全てのオプションサービスを断るのも考えものです。他の業者に依頼することにより、結局トータルで見ると片付けの費用が多くかかってしまうこともあります。
オプションサービスの内容や料金を確認しながら、必要なサービスかどうかをしっかり見極めることが大切です。
期日に余裕を持って依頼する
先ほどご紹介した通り、土日や繁忙期、期日に余裕がない状態での依頼は料金が高くなることがあります。余裕を持ってスケジュールを組み、可能であれば平日に依頼するようにしましょう。
遺品整理業者の選び方
最後に、遺品整理の業者を選ぶ際のコツや注意点をご紹介します。故人様の大切な財産を任せることになるので、信頼できる業者を慎重に選ぶようにしましょう。
複数の業者から見積もりを取る
遺品整理に限ったことではありませんが、業者に仕事を依頼する場合は、なるべく多くの業者から見積もりを取るようにしましょう。その理由は2点あります。
1つ目は、見積もりを複数取ることによって相場を知るためです。相場から大きく外れて高い、もしくは安い業者はその理由が明らかにならない限り依頼しない方が良いでしょう。
2つ目は、価格交渉の材料として使うためです。「●●社は○円で請け負ってくれると言っている」と他の業者に伝えることで、料金を下げてもらえることがあります。
複数業者から一括見積もりを取れるサイトもあります。部屋の間取りや処分品の量など、細かい条件まで入力できないこともあるので参考程度に利用すると良いでしょう。
安過ぎる業者は注意が必要
複数の見積もりを取った場合、一番安い所にすれば良いと思いがちですが、必ずしもそうではありません。先ほどご紹介した通り、相場よりかなり価格が抑えられている場合は注意が必要です。
物品の扱いや処分方法がずさんだったり、オプション料金と称して当初の見積もりより高い料金を請求されたりすることもあります。ただし、対応エリアを限定したり、広告費を抑えたりといった営業努力で料金を抑えている業者もあります。
安いからと言って飛びつくのも良くありませんが、安いことを理由に敬遠すると損をすることになりかねません。安い見積もりを出された場合は、その「安さの根拠」を確認するようにしましょう。
担当者の対応をチェック
遺品整理は単なる「モノ」の整理ではなく、故人様の人生や想いを一つひとつ整理する大切な過程でもあります。そのような大切な仕事を任せるのですから、信頼できる業者を選ばなくてはなりません。
選び方としては最初の対応を良く見ておくのが一番です。丁寧で分かりやすい対応をしているか、物品の処分法をきちんと説明できるか、髪型や制服は清潔か、見積もりは明瞭で分かりやすいかなど、様々な観点から業者をチェックするようにしましょう。
資格保持者のいる業者を選ぶ
少子高齢化や孤独死が増えた現在では、遺品整理を業者に依頼することが増えています。そのため新規参入者が多く、遺品の取り扱い方や法規制等の知識を備えていない業者もいます。そのような問題を受け、遺品整理に関する知識や法令順守の認識を高めるために、遺品整理士という資格が作られました。
遺品整理士は故人様の想いのこもった遺品を適切に取り扱う方法、廃棄物やリサイクル品に関する法規制、実務の流れを学び、遺品整理業界の健全化や悪徳業者の撲滅を進める活動を行っています。遺品整理業者を選ぶ際には、この遺品整理士の資格を保持しているスタッフの多い所を選ぶと良いでしょう。
遺品整理の相場についてまとめ
遺品整理の相場や、遺品整理を業者に依頼する際の注意点についてご紹介しました。遺品整理は単なる「ゴミ捨て」や「片付け」ではなく、故人様の想い出の詰まった遺品や家族のために残した財産、つまり故人様の「生きた証」に関わる大切な作業です。
相場や料金が決定する要因、オプションサービスの内容など遺品整理に関する知識を身につけ、信頼して任せられる業者を選ぶようにしましょう。
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