密葬の気になる“費用”について/家族葬との違いも徹底解説

公開日 : 2020/6/16

更新日 : 2020/9/8

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この記事では、密葬という語句の正しい意味からその行い方について徹底的に解説していきます。家族葬と密葬の違いは何なのかというところまで踏み込んでご説明をしていきます。香典に関することなど、聞きづらいけれども気になる点がこの文章で解決すれば幸いです。

公開日 : 2020/6/16

更新日 : 2020/9/8

目次

密葬とは

密葬という言葉をご存知でしょうか。密葬を執り行ったり、参列したことのない方でも、なんとなく意味はお分かりでしょう。近親者やごく親しい人だけで行われる小規模の葬儀のことです。

 

基本的にお葬式というのは、なるべく多くの人に連絡をし、参列する方が多い方が良いものと考えられてきました。見送られる方の気持ちを考えてのことです。ですが近年は、お墓に関してもそうですが、小規模な見送り、低費用での葬儀が多くなっています。

 

この記事では増加傾向にある密葬について、類似している家族葬との違いや、密葬にかかる費用、その特徴などについてまとめました。

密葬の特徴

密葬にはいくつか特徴があります。一つ目は、原則として密葬とは、のちに「本葬」を行う前提で行われる葬儀であるということです。密葬は芸能人や政治家など、膨大な数の参列者が予想されるときに、うちうちで行う事がほとんどです。

 

密葬によって親しい人だけでまずお見送りをした後、盛大な本葬や「お別れの会」を開く。という流れになります。

 

二つ目の特徴は、密葬の場合はその情報を他に漏らしてはならない、ということです。故人や遺族は混乱のないしめやかな葬儀を望んでいます。招待された方はその葬儀について話してはいけません。

 

これらが、他の葬儀にはない密葬の特徴です。

家族葬との違い

では家族葬とは何が違うのでしょうか家族葬は、家族葬自体が本葬です。密葬と同じく小規模でとり行いますが、家族葬はその一回で葬儀は終了します。これがまず大きな違いです。

 

また、家族葬に関しては、費用がそれほど嵩みません。小規模な葬儀一度で終わるためです。香典ももちろん少なく、断る場合も多いのでその分のお金は必要ですが、密葬は本葬に規模が大きいものを行うため、家族葬の方が安く済む場合が多いです。

 

密葬も家族葬も同じなのは、喪主から招かれていない場合は参列してはいけないということです。密葬も家族葬も、故人または喪主が望んでそうしています。たとえ大変お世話になった方の葬儀であっても、その遺志を尊重するようにしましょう。

直葬との違い

直葬という言葉をご存知でしょうか。直葬は、家族葬や密葬よりももっとシンプルなものです。

 

直葬は、通夜や葬儀を行わず、そのまま火葬を行うという形式のことです。その分葬儀の費用は火葬にかかるものだけになるため、非常に安く済みます。

 

密葬との違いというよりは、密葬を直葬で行う事ができる、という言い方もできます。密葬はシンプルな火葬のみの形で行い、本葬の準備をする、というやり方もあります。

 

もちろん故人とのお別れの時間は短くなってしまいますが、何を優先するのかは故人と遺族のお気持ち次第です。

密葬の流れ

それではここからは、密葬の流れについてご説明していきます。一般的な葬儀の流れはこうです。

 

まずお亡くなりになった方を自宅か斎場に安置します。依頼をする葬儀社や菩提寺に連絡をして葬儀の打ち合わせを行います。急なご不幸であれば決めなければいけない事がたくさんありますが、ご病気であった場合は、事前にある程度進めている方も多いでしょう。

 

故人を納棺した後は、通夜をとり行います。この夜は通夜振る舞いと言ってお酒や食事で故人について語らいます。翌日に告別式があります。告別式の後火葬場へ向かい。近親者で骨上げを行います。

 

初七日の法要を、近年は繰り上げて告別式と同日に行う事が多いです。精進落としを終えると、葬儀はひと段落します。これが一般的な葬儀の流れです。

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親族への連絡

密葬執り行うときも、基本的な流れは一般的な葬儀と変わりありません。ですがいくつか気をつけなければいけない点があります。

 

密葬は小規模で行う葬儀ですが、亡くなったことを隠蔽するためのものではありません。連絡する必要のない方と、きちんとなくなったことをお知らせするべき人を判断しましょう。親族の方や血縁のある方にはお伝えしましょう。

 

親族が亡くなったことを遺族からでなく別の人から聞かされるのは寂しい気持ちのするものです。トラブルの元にもなります。密葬はうちうちで行うものとはいえ、お知らせすべき人には連絡を行いましょう。

菩提寺への連絡

密葬を行う上で一番気をつけたいのが、菩提寺への連絡を忘れないことです。密葬にする場合、お坊さんを呼ばない事があるでしょう。ですが、お坊さんを呼ばない場合でも式を執り行うことを連絡しておく必要があります。

 

その後の納骨時のトラブルを避けるためです。葬儀に呼ばなくとも菩提寺との連絡は密にとっておくのが賢明です。密葬の場合に忘れがちなのがこのポイントです。覚えておくようにしましょう。

本葬

密葬を行うということは、のちに本葬を行うということです。本葬はとても規模の大きいものを行う事が多いため、本葬の準備は大変です。

 

本葬には、通常通り招く方を増やして行うときもありますが、会社の方や取引先などを招く「社葬」や、著名人の方に多い、いわゆる「お別れの会」という形式で行われる場合もあります。

 

この場合の大切なことは、事前に密葬を行ったこと、火葬や骨上げをすましていることをきちんとお伝えすることです。故人の遺志であることも併せてお話ししましょう。

 

悲しい話ではありますが、葬儀が元でトラブルが起きたり、人間関係が悪化したりという事があります。喪主やご遺族の方は、家族が亡くなられて辛い時期に実務的な作業がたくさんあり、とても大変ですが、ここが踏ん張り時です。

密葬の費用

さてここからは、一番気になる密葬の費用についてお話ししていきます。人の生き死にの話にあまりお金を絡めたくありませんが、現実問題として、お葬式には決して安くはない費用がかかります。

 

しめやかで気持ちの良い葬儀を作るためにも、お金の問題ははっきりさせておかなくてはなりません。

 

密葬にかかる費用は、密葬としての小規模な葬儀にプラスして、本葬の費用がかかります。密葬だけの金額でいえば他の葬儀よりも安く済むこともありますが、後の本葬を行うという前提がある以上、密葬にかかる費用は安くありません。

 

本葬や「お別れの会」に関しては、規模によって差が大きいため一般的な数字を出す事ができませんが、密葬の身に関しては、40-100万円と言った費用がかかるでしょう。

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家族葬の方が安い?

密葬が本葬を行うことを前提にしていることを考えると、家族葬の方が費用が安くすむこともあります。ちなみに家族葬は60-100万円の費用がかかります。

 

さらに家族葬の形式を直葬で火葬のみにすると、20-40万円程度で済む場合もあります。葬儀にはお坊さんに払うお布施や、斎場に払うお金、招待した人へ振る舞う食事などのお金が大きいです。小規模にすることで会場代や飲食代は減らす事ができます。

 

また、直葬は今挙げた項目が全て掛からなくなるために、非常に安価な値段で葬儀を執り行う事ができます。

密葬と家族葬の比較

それではここからは、よく並べてあげられることの多い密葬と家族葬について比較をしていきます。

 

ここまで読んでくださった方であれば、密葬と家族葬はそもそも行われる前提条件が違うということをご理解いただけているでしょう。その違いがある上で、密葬のメリット・デメリット、家族葬のメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

利点と欠点を把握することで、理解がグッと深まります。

密葬のメリット

密葬を行うメリットは大きく二つあります。一つ目は、密葬と本葬の二回を行うため、柔軟な対応ができるということです。規模を広げた本葬を行う事が既に決定しているため、密葬に関しては形式に拘ったり対外的な体裁を繕ったりする必要はありません。

 

二つ目は、著名人や政治家であっても、密葬の段階では一般の方に気を配らずに故人とゆっくりお別れの時間を過ごせるという事です。有名な方は特に、亡くなったときも大勢の方が関わらざるをえません。

 

それは応援してくださっていた方がたくさんいたことの裏返しでもありますが、親しい人だけでまず別れを告げられるのが、密葬のメリットです。

密葬のデメリット

密葬のデメリットは、参列者への理解を必要とするところです。どうして密葬になったのかということ、また参列者には葬儀のことを内密にしてほしいという旨をきちんと伝える必要があります。

 

ただでさえトラブルの元になりやすいのがお葬式です。密葬と言う少し特殊な形になったことへの理解を求める必要があります。

 

また、費用の問題もあります。本葬には多大な費用がかかります。それを把握した上で行わなければいけません。

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家族葬のメリット

ここからは家族葬のメリットについて説明していきます。まず一つめは、費用が安く済むことです。一般葬と比べて規模が小さく、また密葬と違って本葬を行う必要がありません。近親者のみのためコンセンサスも取りやすく、直葬などの形式を取ることも可能でしょう。

 

また、家族葬のメリットは、故人とゆっくりお別れができるところです。これは密葬ともかぶる部分がありますが、家族葬は一回きりです。予算を本葬のために残しておく必要がないため、ある程度お金を使う事ができます。

家族葬のデメリット

家族葬のデメリットは、参列しなかった方、招待しなかった方が故人に別れを告げられないところです。密葬とは違い後に本葬やお別れの会がないため、家族葬に参列しなかった方は、もうお墓で手を合わせることしかできません。

 

そのため、知らせるべき人にはきちんと連絡をして、招待するようにしましょう。これはとても大切なポイントです。

密葬の特徴を把握し故人の遺志を尊ぼう

密葬の特徴や家族葬との違い、かかる費用について見てきました。葬儀の流れは一般葬でも密葬でも家族葬でもほとんど変わりませんが、密葬ではいくつか注意が必要な点があることもお伝えしました。

 

お葬式は、亡くなった方がお骨になる前に最後に挨拶をできる場です。後悔のないような式にしたいものです。故人の遺志、ご遺族の意思を大切にしましょう。

 

また、葬儀に関しては葬儀のプロに相談するのが一番です。どのような形式があってどれくらい費用がかかるのか、不安なところがあれば遠慮せずに聞いてみましょう。葬式は悲しい別れの場でもありますが、新しい世界に足を踏み出した故人を見送る儀式でもあります。