【直葬式の流れ】メリット・デメリット・費用相場についても解説
公開日 : 2020/5/18
更新日 : 2020/9/9
葬儀には数々の種類がありますが、近年増加している直葬をご存知ですか?ここでは、この直葬と呼ばれる葬儀方法について、葬儀の流れを中心にメリット・デメリットも解説します。また、葬儀でどうしても気になってしまう費用相場についても合わせて解説します。
公開日 : 2020/5/18
更新日 : 2020/9/9
目次
直葬とは
直葬とは、一般的な葬儀とは異なり、故人が亡くなり安置が終了したら直ちに出棺して火葬を行う葬儀方法です。そのため、一般葬で行う通夜や告別式を行う事はありません。また、直葬は火葬中に火葬炉の前で僧侶に読経していただく事が一般的です。
現在では直葬式が増加傾向にある
現在では、静で小規模な葬儀を行う方が増えています。そうした喪主側の意向もあり、短期間で少ない人数で行う直葬は増加傾向にあります。特に、都市部では小規模な直葬を行う方は、他の地方都市と比べて増加傾向にあるのが現状です。
この事情には次のような理由があると考えられています。
- 急速な少子高齢化社会
- 核家族化
- 近隣住民同士の関係性の希薄化
- 経済的困窮者の増加
職葬式の流れを解説
直葬では通夜や告別式を行わないため、遺体を火葬するまでの工程は、通常の葬儀の流れと比べるとかなり簡素化されているという特徴があります。ここでは、この直葬式がどの様な流れで葬儀を行っていくのかを、5つのステップに分けて解説します。
ステップ①:臨終
故人が病院内で臨終を迎えた場合、その遺体は遺体安置所へ移動されます。この際の遺体の運搬は、一般的には葬儀業者が行ないますがご自身で行うことも可能です。ご自身で行う場合は、医師から発行された死亡診断書を携帯することを忘れないで下さい。
ステップ②:お迎え・安置
日本の法律では、遺体は死亡してから24時間は火葬することができないと定義されています。そのため、遺体はご自宅もしくは葬儀業が所有する遺体安置所へ運ばれて、その場所で24時間安置することになります。
ステップ③:納棺・出棺
火葬場の予約が取れたら、遺体は納棺され安置している場所から火葬場へ向け出棺されます。この際の車内では、遺体が走行中の車内にぶつかり損傷や体液漏れを起こす可能性があります。
遺体の運搬をご自身で行う場合は、この様な状態の対策として大きめの棺を用意して不測の事態に備えます。また、大きめの棺は普通車にははいりきらないため、レンタカーやワゴンタイプの車両を用意します。レンタカーを利用する際は、遺体を運搬する旨を説明しなければならないでしょう。
ステップ④:火葬
火葬場に到着したら、はじめに火葬場職員へ火葬許可書を渡し案内に従って火葬場へ入場します。その後火葬炉の前に移動して、僧侶を依頼している場合はこの場で僧侶の読経を頂き、5分から10分程度の故人との最後の別れを行った後に火葬が開始されます。
ステップ⑤:お骨上げ
火葬に要する時間は故人の性別・体重・年齢により異なりますが、長くても2時間ほどで終了します。火葬が終了したら、お骨拾いを行いお骨を骨壺へ治めます。その後、火葬場職員から火葬許可書を返却して頂き火葬は終了となります。
直葬式を行うメリット
近年増加傾向にある直葬ですが、葬儀方法全体に占める割合から考えると、まだまだ一般的とは言い切れません。では、なぜ直葬を行う方が増えているのでしょうか?ここでは、直葬を行うことで生じるメリットを解説いたします。
メリット①:葬儀費用を抑えることができる
直葬は、通夜や告別式を行わず、葬儀に要する日数も2日ほどと短いため葬儀費用は一般的な葬儀費用より大幅に抑えることが可能です。直葬での葬儀費用はお住まいの地域により異なりますが、一般葬の全国平均と比較して10分の1程度の金額となるでしょう。
そのため、直葬式の費用は一番簡易的なプランで10万円程度からあり、一般的な直葬式でも20万円程度です。ただし、この葬儀費用には僧侶へのお布施や、遺体安置にかかる費用は含まれていません。これらを合計する直葬式の費用相場は20万円から30万円ほどになります。
メリット②:葬儀参加者への対応が不要
直葬は家族葬と同様に、非常に少人数で行うという特徴があります。そのため、葬儀参列者はごく限られた家族、もしくは故人の友人・知人に限られ、一般葬のように葬儀参列者への対応・葬儀業者との打ち合わせ、葬儀運営にあたっての受付などが一切不要となります。
直葬を行うデメリット
直葬には、メリットばかりではなく当然ながらデメリットもあります。直葬を行おうと考えた場合、このデメリットはメリットよりも優先して考える必要があります。メリット・デメリット両方を理解した上で、心残りが無い葬儀方法を選択するよう心がけましょう。
デメリット:①親族から理解を得られない場合がある
葬儀方法の中でも直葬式は歴史が短く、まだまだ認知度が低いのが現状です。そのため、この直葬の簡略化された葬儀の流れに対して嫌悪感を抱く方は大勢います。
特に、伝統やこれまでの葬儀方法にこだわる方にはこの傾向が非常に強いようです。葬儀方法の違いから、葬儀後のトラブルに発展する可能性もあるため親族とは十分に話し合い、直葬に関する理解をお互いに共有しなければなりません。
デメリット②:葬儀参加希望者への配慮が必要
先に触れたように、直葬は非常に少人数で行う葬儀です。そのため、葬儀に参加を希望する方でも、状況によっては参加をお断りしなければならない場面もあります。
この様な方には、直葬の形態を十分に理解して頂くため事前説明が必要です。また、なぜ直葬を行わなければいけないのか(故人の意思で生前から直葬が決められていた・経済的な理由から直葬を行ったなど)を丁寧に説明し、誤解を生まないよう配慮する必要があります。
デメリット③:菩提寺に納骨できない場合がる
通夜や告別式を行わず、葬儀全体を簡素化しておこう直葬では、宗派や寺院によっては宗派の協議を軽んじていると考えられ、菩提寺への納骨を拒否される可能性があります。
このような事態をさけるため、直葬を行う場合はその旨を菩提寺の住職に事前に相談する方が無難でしょう。直葬を行う背景を説明すれば、僧侶も納得して頂ける場合もあります。なお、火葬場での読経を菩提寺の住職が行うことで、菩提寺への納骨が許可される場合もあります。
デメリット④:遺体を安置する場所の確保が必要
臨終を迎えてから、遺体は24時間火葬ができないため、その間の遺体を安置する場所の確保が必要です。一般的には、かの遺体安置所は故人の自宅もしくは喪主の自宅となりますが、十分なスペースが確保できない場合は、葬儀業者所有の遺体安置施設を有料で使用することになります。
デメリット⑤:役所からの葬祭費用が支給されない場合がある
一般的には、故人は社会保険・国民健康保険に加入しているため、一定条件を満たすことで葬祭費用・埋葬費用と言う名目で給付金をうけ、その給付金を葬儀費用に充てることができます。また、故人が国民健康保険の加入者の扶養であっても同様です。
しかし、直葬を行った場合ではこの支給条件を満たしていないと判断され、給付金を受け取れない場合があります。判断はお住まいの地域の役所の判断により異なります。直葬をお考えの方は、一度役所へ相談し支給条件を確認することをおすすめします。
まとめ
近年増加している直葬では、その簡略化された流れのため葬儀費用がやすく、葬儀の際の気遣いも少ない気楽な葬儀と言えるかもしれません。しかし、デメリットも多く、遺族の理解を得るための話し合いは必須となるでしょう。
お葬式は故人との最後の別れとなる重要な儀式です。心残りとならないようメリット・デメリットの両面を理解し葬儀方法を決定するように心掛けて下さい。
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