お線香代の相場とはいくら?シーン別の金額や表書きのマナー

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/9

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家族葬の普及に伴い、最近では香典や御供え物の代わりに線香代を持参するケースが増えています。金額の相場はシーンや渡す相手によっても異なります。線香代を持参する際の金額の相場や、表書きの注意点、そのほかのマナーについてまとめました。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/9

目次

お線香代とは?

お線香代は、その名の通り、お線香の代わりにその分のお金を包んで渡すことです。香典とも呼ばれ、通夜や告別式、法事、墓参り、弔問などの際に持参します。昔の葬儀では、自分で線香を用意して持参していくのが一般的でしたが、現在は線香の代わりに線香代としてお金を持参し、葬儀には先方が用意した線香を用いるのが主流です。

 

また線香代は、故人へのお供え物の代わりとして渡すこともあります。たとえば故人が好きだったお菓子やお酒を購入し、仏前に備えてもらうためのお金ということです。

香典や御花代との違い

通夜や告別式に持参するお金は、香典と呼ばれることが一般的です。香典は、葬儀にかかる費用をみんなで分担しようという趣旨として、遺族にお渡しするものです。同じく御花代も、故人の仏前に備える仏花を援助するのが目的のお金です。

 

しかし現在は家族葬など、ごく身内だけで行われる小規模な葬儀が普及したことにより、大人数から香典を集める必要性は低くなってきました。そのため、参列者の香典を辞退する葬儀も増えてきています。お線香代はそんなときに、故人への弔いの気持ちを示すための手段として贈られることも多いです。

現物のお線香を渡すのはダメ?

前述の通り、昔の葬儀には自前のお線香を持参していくのが普通でした。現在でもその風習は禁じられていませんが、家庭によっては、お線香にこだわりをもっていたり、宗教の関係で使用できる線香が決まっていたりすることがあります。

 

葬儀にお線香を持参するのは、もちろんかまいません。ただし、以上のような問題が発生することもあるため、お線香を持参する場合は、あらかじめ先方に問い合わせておくとよいでしょう。

お線香代の金額の相場

お線香代を持参しようとするとき、どのくらいの金額を包めばいいのかと、相場に迷うことも多いでしょう。線香代は少なすぎても気持ちが伝わりませんし、多すぎるとかえって先方の負担になることもあります。お線香代の一般的な相場は5000円だと言われています。もしお線香代の相場に迷ったときは、この金額を包んでおきましょう。

 

ただし、お線香代は渡すシーンや、渡す相手によって、金額の相場が少々異なります。できれば先方に問い合わせてみるのがベストですが、それが難しい場合は、ぜひ以下の相場を参考にしてください。お線香代の相場をいくつかの場合に分類してご紹介します。

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シーン別の分類

お線香代は、通夜や告別式に、香典の代わりに持参する場合が多く見受けられます。また葬儀に出席できず、後日弔問する際に香典の代わりに渡すこともあるでしょう。そういった場合のお線香代の相場は5000円~1万円程度、故人の血縁者ならば1万~2万円程度が相場です。香典を包む際の相場に準じていれば、まず間違いはありません。

 

ただし、あまりに高額になると、先方が返礼に困る場合もありますので注意しましょう。葬儀の規模や故人・遺族との関係も考慮してください。以下のシーン別の金額相場では、故人が身内である場合を想定しています。

お盆の場合

お盆にお線香代を渡すのは、お墓を守っている家への援助の意味もあります。とくに血縁者の場合は、あまりに少額だと気持ちがこもっていないと思われる場合があります。お盆にお線香代を包むときの相場はやはり5000円程度、あるいは5000円以上が一般的です。新盆の法要などに招かれている場合は、その後の会食代を上乗せした金額を包みましょう。

 

もしお線香代とは別にお供え物を持っていくのなら、お線香代は3000円~5000円程度でもかまいません。可能であれば、先方にお線香代について問い合わせてみるとよいでしょう。

墓参りの場合

墓参りにお線香代を持参する場合も、お盆の場合と同様、お墓を守る家を援助する目的があります。身内の墓参りの場合に持参するお線香代の相場は、やはり5000円~1万円程度が相場です。もっと近しい間柄の場合は2万~3万円程度包むこともあります。自分の年齢や役職に応じて包むとよいでしょう。

 

お供え物を持参する場合は、その分を差し引いた金額を包んでかまいません。夫婦などでお参りするときはお線香代は連名とし、2人分の金額を包みます。

家族葬の場合

家族葬に参列する際のお線香代は5000円以上が基本です。家族葬は基本的に親しい身内しか参列しないため、5000円以下の少額なお金を包むと顰蹙を買うことになりかねません。自分の年齢や役職によっては5万円程度を包む場合もあります。

 

ただし家族葬の場合は、香典もお線香代も辞退される場合もあります。あらかじめ葬儀前に先方に問い合わせておくことをおすすめします。

相手別の分類

次に、お線香代を渡す相手別の金額の相場について解説します。お線香代は知人の葬儀や法要に招かれたときに持参する場合や、菩提寺や墓地管理者に包む場合もあります。血縁者以外にお線香代を包む場合は、身内に包む場合よりも金額がやや少ない傾向にあります。それでは、渡す相手別にお線香代の金額の相場を見ていきましょう。

他家の場合

他家の葬儀に参列する際のお線香代の相場は、5000円~1万円程度です。葬儀など、形式が重要視される儀式では、基本的に香典の相場に乗っ取った金額を包みましょう。一方、墓参りやお盆などに招かれた場合のお線香代の相場は3000円~5000円程度だと言われています。

 

このほかにお供え物を持参するなら、1000円~2000円程度でもよいでしょう。また、さほど先方と付き合いのない場合のお線香代は5000円以下が相場です。

 

ただし新盆や一周忌の法要などに招かれた場合、法要後には会食がもよおされることも多いため、その分の金額を上乗せします。会食がない場合もありますので、あらかじめ先方に問い合わせておくのもいいでしょう。他家の弔事にお線香代を持参する場合は、あまり高額すぎるとかえって先方の負担になることがありますので、注意しましょう。

寺院の場合

身内の墓参りに行く際は、墓を管理している菩提寺や寺院に線香代を持参するのが一般的です。寺院には日ごろから檀家料やお布施をお支払いしているため、さほど高額なお線香代をお渡しする必要はありません。1000円~1500円程度が相場だと言われます。ただし、あまり親交のない寺院ならば、お礼の気持ちを上乗せして5000円程度支払うとよいでしょう。

 

あるいは、檀家料などを支払っている場合は、お線香代は必要ないこともあります。寺院とは末永い交流が続くため、お線香代をはじめお金の疑問は早いうちに問い合わせて解消しておくことがおすすめです。

納骨堂の場合

故人の遺骨を納骨堂に収めている場合は、その管理者に、管理料としてお線香代を包みます。ただし管理料や会費などを納めている場合は、お線香代は必要ありません。納骨堂を無報酬で利用するということはまずないため、お線香代を包む場合は1000円~1500円程度でかまいません。

 

あるいは、日ごろから管理をしてもらっていることへのお礼を込めて、お菓子やお茶を持参してもよいでしょう。

お線香代の表書きについて

続いてお線香代を包む場合のマナーについて解説していきます。お線香代の包み方や表書きにはマナーがあります。マナーを守っていないと、先方への失礼にあたることもあるため、注意しましょう。いざというときに慌てなくてよいように、お線香代の包み方の基本やマナーを以下で確認しておきましょう。まずは、お線香代の表書きについて解説していきます。

仏教の場合

仏教式の場合のお線香代の表書きは「御線香代」や「御香料」が一般的です。この表書きは宗派を選ばないため、迷ったときは「御線香代」「御香料」を用いましょう。あるいは「御供物料」と書くこともできます。

 

葬儀に持参するお線香代の表書きには「御霊前」または「御仏前」も使用できますが、この2つに関しては使い分け方が決まっています。「御霊前」が使用できるのは通夜・告別式・初七日の法要です。一方、「御仏前」は四十九日の法要以降に用います。

 

仏教では、人は死後49日まで霊魂としてこの世をさまよい、四十九日の法要が明けると晴れて仏になると考えられています。よって故人の死後49日までは「御霊前」の表書きを用い、忌が明ける四十九日の法要からは「御仏前」を用いなければなりません。

 

ただし、浄土真宗では人は死後すぐに成仏して極楽に行くと考えますので、「霊魂」という概念が存在しません。よって「御霊前」の表書きは用いず、いつでも「御仏前」を用います。「御霊前」と「御仏前」の使い分けは、葬儀に参列する人の基本的なマナーですので、くれぐれも注意しましょう。

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神道の場合

線香は仏に備えるものであるため、神式の葬儀などには用いられません。神道の葬儀に参列する場合のお線香代の表書きには「玉串料」や「御榊料」と記します。あるいは「御神前」と書くこともできます。

 

神道においては霊魂の存在が認められているため、「御霊前」という表書きも使用できます。ただし「御霊前」が使用できるのは、仏教の四十九日法要にあたる「五十日祭」以前の限られた期間です。それ以後は「玉串料」や「御榊料」といった表書きを使いましょう。

キリスト教の場合

神道と同様に、キリスト教でも葬儀や弔事にお線香は用いませんが、葬儀の際にはお線香代や香典のようにお金を包んで持参するのが習慣になっています。キリスト教のお線香代の表書きは、カトリックなら「御花料」「御ミサ料」、プロテスタントの場合は「御花料」が多く用いられています。

 

ただし御ミサ料はカトリック内であっても宗派によって使い方が異なるため、共通して使用できる「御花料」の表書きを用いるのが無難です。

お線香代の包み方

続いてお線香代の包み方や渡し方のマナーについて解説していきます。お線香代の包み方のルールには、故人を悼み、遺族を慰めるなどの意味も込められています。これらが守られていないと、先方への失礼にあたることがありますので、ぐれぐれも注意しましょう。

不祝儀袋を使う

お線香代を包む際には、不祝儀袋を使用します。通常のお墓参りやお盆の場合なら、白い封筒でも代用できます。無地のものが無難ですが、宗教や宗派のマナーが守られているのなら、プリントが施されたものも使用できます。たとえば蓮の花が印刷されているものは仏教専用です。神道やキリスト教には使用できないため、注意しましょう。

 

百合の花や十字架が印刷されているのは、キリスト教専用の不祝儀袋です。

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水引の選び方

通夜や告別式のほか、初七日や四十九日などの節目の法要にお線香代を持参する場合は、水引がついた不祝儀袋を用いるのが一般的です。水引は四十九日または一周忌までは黒白・青白の水引を用います。それ以降は青や黄白の水引がついたものを使用しましょう。双銀の水引は、包む金額が大きい際に用います。

 

一般的に包む金額が大きい場合は、水引が大きい不祝儀袋を使用します。包む金額が5000円程度ならば、水引が印刷された不祝儀袋も使用できます。また、通常のお盆参りや墓参り、弔問などにお線香代を持参する場合は、先方に負担に思わせないよう、水引が印刷された不祝儀袋に少額のお線香代を包むとよいでしょう。

表書きや名前を書き入れる

不祝儀袋の表書きは、のし袋の上段中央に記します。水引を挟んで表書きの下には氏名を書き入れます。中袋がある場合は、中袋の中央に金額を旧漢数字で書き、裏側には氏名と住所、場合によっては電話番号を記しておきます。中袋がない不祝儀袋を用いる場合は、のし袋の裏に氏名と住所、金額を小さな字で書き入れいます。

お札の入れ方

お札は向きをそろえていれましょう。また、肖像画があるほうを表とし、表を伏せて不祝儀袋に入れます弔事の際は新札は使用できません。新札しか手元にない場合は折り目をつけて使用しましょう。

お線香代の渡し方

お線香代は袱紗に包んで持参します。受付がある場合は、受付をした後に係の方にお渡ししましょう。受付がない場合は、法要などが終わった後に、祭壇にお供えします。遺族に直接渡すこともあります。

お線香代を包むときの注意点

そのほかのお線香代にまつわる注意点をご紹介します。基本的に地域や家庭によって異なる問題点ですので、わからない場合は先方に問い合わせるのがおすすめです。

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風習がない地域もある

お線香代の風習は地域によって異なります。お線香代ではなく香典とする場合や、お供え物を持っていく風習がある地域もありますので、渡してよいかどうか迷ったときは、先方や地域の風習に詳しい人に尋ねてみるのがよいでしょう。

辞退される場合もある

家庭によっては香典やお線香代を辞退する場合もあります。そういった場合は、葬儀や法事の案内が来る際にあらかじめ伝えられます。辞退された場合は、相手を尊重してお線香代などを包むのはやめましょう。どうしても気持ちを表したい場合は、日を改めて、お菓子やお供え物などを送るとよいでしょう。

気持ちを大切にしよう

お線香代にはいろいろなマナーやルールがありますが、大切なのは故人を弔う気持ちと、遺族への労りです。相手の立場に立って、思いやりの心を持ちましょう。