死化粧とは何を行う?具体的な流れやかかる料金についても解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/9

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死化粧は人が亡くなったときに遺体に施す一連の処置の総称です。言葉は知っていても具体的に何を行うのかわからないと言う方も多いのではないでしょうか。この記事では死化粧の意味や行う人、費用や流れ、その他の儀式について解説します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/9

目次

死化粧とは?

死化粧とはその名の通り、故人の遺体をきれいに保つためのお化粧のことです。読み方は「しにげしょう」と読みます。英語ではエンゼルメイクとも呼ばれます。お化粧といっても顔に施すものだけでなく、体全体をきれいに保つための処置全般を指すのが特徴です。

 

死化粧は身体を清めて、より安らかに美しくするため行われます。亡くなる際の苦しみの跡を残さないようにする意味合いもあります。安らかに眠るような姿に整えることは故人への気遣いだけでなく、遺族や参列者が安心して見送れるようにする意味があるのです。

死化粧は誰が行う?

死化粧は基本的に看護師のような医療関係者、納棺士のような葬儀の専門家によって行われます。介護施設で亡くなった場合には介護士が行う場合もあります。葬儀の専門家に死化粧を行ってもらいたい場合は事前の依頼が必要なので注意しましょう。

 

一般に死化粧を遺族のみで行うことはありませんが、死化粧の場に立ちあうことはできます。死化粧は遺族の意向を尊重しながら行う物なので、立ち会う場合には看護師や専門家等に事前に相談しましょう。故人が生前使っていた化粧品を使うこともできます。

 

立ち会う場合には看護師や専門家の言葉をよく聞き、十分に注意して行う必要があります。場合によっては感染症などのリスクがあるためです。

死化粧にかかる料金は?

死化粧を葬儀社に依頼した場合の料金は5~6万円が相場とされています。依頼する先や遺体の状態によって料金は左右されるので依頼を考えている場合は事前に検討しておきましょう。

 

病院の関係者が行う場合、料金の有無は病院によって異なります。死化粧の内容も簡単に行っている病院からある程度親身になって行ってくれる病院まで様々です。要望がある場合は事前に伝えておくことが重要でしょう。

死化粧の流れ

死化粧は具体的にどのような流れで行うのでしょうか?以下では死化粧で行われる各工程について詳しく解説します。

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医療器具を取り除く

病院で亡くなった場合、点滴やチューブのような医療器具を取り外すことから始まります。それらの器具によって遺体に傷や跡がついている場合、それらもケアします。

身体の中のものを除去する

亡くなったばかりの遺体には排泄物などが残されています。遺体を清潔に保つため、医療関係者によってそれらの内容物が取り除かれます。腹部や胃の圧迫、口や鼻の吸引によって遺体を清潔にします。口腔のケアもこの際に行われます。歯ブラシやガーゼなどを使って口のにおいを予防するのです。

清拭(せいしき)を行う

清拭とはアルコールで体をふき、遺体を清潔にすることです。この際には体液が漏れ出すのを防ぐため、鼻や肛門といった場所に綿を詰める作業も行います。病院によっては綿ではなく専用のゼリーを使用する場合もあります。

 

清拭は物理的に遺体をきれいにするだけでなく、故人の苦しみや迷いを清めるという意味合いもあります。最近ではアルコールだけでなく、専用の清拭剤を使用する場合もあるようです。

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化粧をする

遺体に薄化粧を施します。化粧をすることで、亡くなる際の苦痛や痕跡を和らげなるべく生前の安らかな姿に近づけるのです。顔の化粧だけでなく髪を整える、爪を切るといった身だしなみの整理もこれに伴って行われます。

 

死化粧にも一般的に普及している化粧品が用いられます。故人が生前使っていたものを使用したい場合は事前に施主に相談しておきましょう。

 

遺体は基本的に顔色が悪くなるため、普段よりも明るい色の化粧品が用いられるのが基本です。頬がこけてしまっている場合もあるので、その際は頬の内側に綿を入れる場合もあります。

故人の着替えをする

最後には故人があの世に旅立てるよう服を着替えさせます。亡くなった方に着せる服は白装束が基本ですが、近年では故人が生前気に入っていた服を着せることもあるようです。

 

白装束を着せる際は、左前になるように着せましょう。左前とは、着せる側から見て装束の左側が上にくる着せ方の事です。

死化粧とともに行われる儀式や処置

人が亡くなった直後に行われる事柄は死化粧だけではありません。以下では亡くなった故人の遺体に行われる処置を死化粧との違いに触れながら解説します。

湯灌(ゆかん)

湯灌とは故人の遺体をお風呂に入れ、身を清めることです。湯灌は必ず行われるわけではなく、医療関係者による遺体のケアが行われる場合は不要なケースが多いです。また遺体をぬるま湯につけると腐敗を促進する点や、故人の裸を不本意に晒してしまうという観点から近年では行わない場合が増えています。

 

湯灌は生理的なメリットよりも宗教的なメリットで行う場合が多いです。遺体を水で洗うことで身体だけでなく、現世の苦しみを洗い流すとされています。主に葬儀の専門家によって行われ、行う際には湯灌の儀の口上を述べなくてはいけません。

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エンバーミング

エンバーミング(遺体衛生保全)とは遺体に防腐処理や殺菌を施すことでより長い時間、遺体をきれいに保てるようにする処置です。もともとは土葬が中心の北米地域で行われていた処置ですが、遺体のきれいさをより長く保てるということもあり、日本でも行われるようになりました。

 

エンバーミングはエンバーマーライセンスと呼ばれる資格を取得した人間にしか行うことができません。費用面でも15万円~25万円ほどかかるので通常の葬儀ではあまりお世話になる機会はないかもしれません。

 

しかし故人が海外のような遠方で亡くなった場合は長距離輸送のためエンバーミングが施されます。大規模災害のような火葬をすぐに行えない場合などもエンバーミングが行われることがあるようです。

末期の水

末期の水とは臨終の直後、ガーゼなどを用いて故人の口を湿らせる儀式です。「死に水をとる」とも言われ、お葬式においては一番始めの儀式とされています。

 

末期の水は故人の臨終に立ちあった全員で行います。湿らせたガーゼを使い、故人と関係が深い順に口の表面を湿らせていくのです。湿らす手順としては左から右へ、上唇から下唇へと湿らせましょう。

 

末期の水の発祥はお釈迦さまに関する昔話が起源とされています。自らの死期を悟ったお釈迦さまが口の渇きを訴え、鬼神がお釈迦様に水を与えたことで安らかに眠りについたという逸話があり、それが転じて末期の水の儀式につながったのです。

死化粧に関するまとめ

この記事では死化粧に概要や具体的な流れ、死化粧に関連する死後の儀式について解説しました。生活の中で死化粧について触れる機会はなかなかありません。だからこそいざという時のために知っておけば、故人を失った悲しみの中でもスムーズに行動ができるかもしれません。