香典の相場はどれが適正?【知っておきたい香典相場を解説】
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/8
香典の相場が適正な価格を知っていますか?香典はその時の年齢や個人に対して理解しておくことで実際に不幸が起きたときに迷うことがなくなります。この記事では、そんな悩みを解決してくれるように香典の相場を解説していきます。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/8
目次
香典とは?
香典とはどういったものでしょうか。不祝儀袋と呼ばれる袋に現金で包んだもの、香典の由来は?を理解することが大切です。この2点について、見出しをわけて解説していきます。
不祝儀袋と呼ばれる袋に現金を包んだもの
香典とは不祝儀袋と呼ばれる袋に現金を包んだものです。では、どういった時に用いられるかというと葬儀や法事などで使われます。
使われる場面は、葬儀や法事などです。葬儀や法事などを行う喪主に支払われます。その理由については、この後の見出しで解説します。
香典の由来は?
香典の由来は、そもそも日本で葬儀にかかるものであることを認識しておかなければいけません。なぜなら、日本では葬儀にかかる費用は安くないのです。かつての葬儀でも弔問客に対して遺族が食事を振舞う習慣があり、金銭的な負担は大きい物でした。
やがて葬儀では、相互扶助の観点から近隣住民が食事や飲み物を遺族に代わって弔問客や僧侶に振舞い、遺族は亡くなった故人のために喪に服す習慣へと変化したのです。今では、現金を香典とする形で準備して参列しましたが、現代のようなスタイルが確立されたのは戦後です。
葬儀にかかる費用負担は相互扶助の意味合いで行われるようになって現代でも続いています。相互扶助の観点から、喪主(家)は受け取った香典に対して香典返しを半返し準備するようになったのです。
香典の相場
香典の相場はどのように決まっていくのでしょうか。それは故人との関係で相場が違ってきます。故人と親族の関係、故人と友人関係についての2点で大きく変わります。見出しをわけて解説します。
故人と親族の関係
故人と親族の関係にある場合の相場は、5千円から10万円です。ここで相場幅があるのは、香典を出す側の年齢差を考慮しているからです。
具体的には、20代では5千円から1万円くらいが一般的、30代では5万円から10万円くらいが一般的です。
そして金額が高額となってしまうのは、親族ですのでそれまで密接な関係を築いてきています。そのため、これから紹介する故人と友人関係の状況と比較して高額の香典額になるのです。ですので、相場は幅が広いですが、故人と親族関係の場合は5千円から10万円です。
故人と友人関係
故人と友人関係であった場合の相場は、3千円から5万円です。ここでも相場の金額に差が生じているのは、故人と親族関係の時に説明したとおり、香典を出す側の年齢差があるからです。
具体的には、20代での相場は、3千円から5千円くらいを、30代の相場で1万円から5万円くらいです。親族の香典相場より少ないことがわかります。とはいえ、故人との関係が密接だったという方もいるでしょう。
つまり、故人との関係性が重要なのです。ここで解説したのは一般論です。年齢に関係なく相場よりも金額を上乗せして香典を包むという考え方もあります。ですので、故人と友人関係での相場は3千円から5万円です。
香典の金額を決める際の注意点
香典の金額を決める際の注意点がいくつか存在します。それは夫婦連名の場合と、会食の有無です。見出しをわけて解説します。
夫婦連名の場合
夫婦連名の場合は、金額が異なります。なぜなら、香典は家族単位だからです。つまり2人分のお金を包まなければいけません。これを知らずに相場どおり、香典を包んでしまうとマナー違反です。香典の相場額に上乗せして、包むのが一般的です。
具体的には、夫婦連名で包む場合は、2万円から3万円を上乗せして包むようにするのが一般的です。ただし子供も参列する場合は、小学生以下なら上乗せする必要はありません。ですので、夫婦連名の場合は上乗せした金額を包むということを認識しておきましょう。
会食の有無
会食の有無を確認するのも大切です。なぜなら、香典を包む金額は会食などを考えてあげないと相互扶助の意味合いが半減してしまうからです。会食もあって、香典返しも喪主(家)から届くとします。香典返しは基本半分返しです。
5千円を包んだ場合、会食費用や香典返しをしていくと5千円とトントンになるか、あるいは赤字になって負担になりかねないのです。もし会食があることを把握していた場合は、5千から1万円くらい上乗せが望ましいでしょう。
2つの香典を決める際の注意点をまとめると、夫婦連名の場合、会食の有無、数字に関するマナーで金額が変わってくることを説明しました。夫婦連名では、2万円から3万円上乗せします。会食が設けられている場合は、5千円から1万円上乗せすることです。これらのポイントを抑えておきましょう。
香典袋の選び方と書き方なども学んでおこう
の相場と同時に、香典袋の選び方と書き方なども学んでおきましょう。ポイントは4つあります。それは、香典袋の選び方、香典袋の書き方、お金の入れ方、香典の渡し方です。見出しをわけて解説します。
香典袋の選び方
香典袋である不祝儀袋は黒色、双銀、双白の水引の、結び切りのものを選びます。なぜなら、結び切りは“一度結んだらほどけない結び”だからです。その意味は、繰り返し起こさないようにという思いにつながります。これは、逆に慶事には使いません。
めでたいことは何度も起きていいですからね。ですので、弔事の際は黒色、双銀、双白の水引の、結び切りのものを選びましょう。また、宗派によって選ぶ香典袋も違ってきますので注意してください。
具体的には、「御霊前」は様々な宗教で使用できますが蓮のイラストがデザインされている香典袋は仏式のみで使用します。ゆりのイラストや十字架がデザインされている香典袋はキリスト教で使用しましょう。
香典袋の書き方
香典袋の書き方についてですが、書き方だけでも気をつけたいポイントがあります。そのポイントとは、宗派によって違うこと、香典袋の書き方は法事と葬儀で異なること、そして書き方のポイントです。見出しをわけて解説します。
宗派によって違う
香典袋の表書きには様々な言葉が使われますが、故人の宗教や宗派によって使い分けすることが必要です。なぜなら、それぞれで書く言葉が違ってくるからです。
仏式の場合は、通夜や葬儀の際に霊前へ香典を供える意味合いのある「御霊前」のほか、お香に代えて金品を供える意味合いがある「御香料」や「御香典」、通夜などで金品を供える意味合いがある「御悔」などです。
キリスト教の場合は、カトリックだと、葬儀の際にお金を供える意味合いがある「御ミサ料」のほか、霊前へ供える花のために支払われるお金の意味合いがある「お花料」や「御花料」、仏式と同じ「御霊前」も使えます。
香典袋の表書きは法事と葬儀で異なる
香典袋の表書きの違いが法事と葬儀で異なります。なぜなら、時間が関係しているからです。葬儀は、誰かが亡くなってから間もない期間に行われるものです。
このため故人は魂として今生に存在すると考えられているで、浄土真宗やプロテスタント以外の宗教では通夜や葬儀に持参する香典の表書きに「御霊前」が使われる場合が多いです。
仏式の考えでは49日前までは魂が今生に残り、49日以降に魂があの世へ旅立つとされるので、四十九日法要や、49日以降に行われる法事では「御仏前」が用いられます。
書き方のポイント
香典袋の書き方のポイントを整理しておきましょう。それは、香典袋を仕上げるための筆記用具は毛筆を使用するのがマナーです。金額を書く欄など細かな部分のみ万年筆やボールペンで書く人も近年では少なくありませんが、略式のものですので使いません。
しかし、筆に不慣れな人でどうしても上手く書けない場合は、筆ペンを使いましょう。筆ペンであれば薄墨を使用したアイテムも販売されています。「御霊前」などの表書きは水引きの上部に書き、自分の指名は水引きの下部へ書きますが、必ずスペースの中央に表書きよりもやや小さ目の字を心掛け、フルネームで書いてください。
また、連名で香典を出す場合は、3人までは目上の人物を右側に書くようにしますが、3人の場合は中央の氏名から書くとバランス良く仕上げられます。4人以上になると全ての氏名を書くのは難しいため、グループや企業名を書いて「××一同」などと書くほか、代表者になる人物の名前を書き、左の下部へ小さ目に「外一同」と記入する方法でも良いです。
お金の入れ方
お金の入れ方(包み方)についてもマナがあります。それは、お札の向き、外袋の包み方に注意してください。まずお札が複数ある場合は全て向きを同じに揃えます。中袋へ現金を入れ更に外袋で包みますが、この時、外袋を裏側から開いた際に中袋の表側が見える状態になるように包んでください。
外袋の包み方は左右を折ってから更に上下の折り返しを下から折り、下部の折り返しが隠れるように上部の折り返しを重ねましょう。
上から下へと不浄なものが流されるようにとの意味合いを込めた外袋の折り方で、逆にしてしまうと慶事の折り方になってしまうため注意してください。
香典の渡し方
香典の渡し方は、香典はふくさに包んで持参するのがマナーです。ふくさは香典袋や祝儀袋を包む布で、主にちりめんや絹などが用いられます。
弔事に使用されるふくさの色は紺色やうぐいす色、グレーなどの寒色系で、紫色の場合は弔事と慶事のどちらでも使用できるふくさです。包み方は、まず、ふくさをダイヤ型に見えるように広げ、中央から右のスペースへ香典袋を表向きに置きます。
次に香典袋の大きさに合わせて右の角を折り、下部の角を折ってから上部の角が重なるように折ってください。最後に左側の角を折ってから余った部分で巻きこむように全体を返して仕上げます。ふくさに包んだ香典袋はそのままの状態で通夜や葬儀へ持参します。
香典返しの金額は?
香典返しの金額は、基本的に受け取った金額の3分の1から半額くらいが一般的になります。なぜなら、香典返しとしてお渡しする場合の品物の金額の目安は葬儀のときと同様だからです。
基本的には、香典を持参して下さった相手には、会食でおもてなしをし、引出物をお渡しすることがお返しになります。香典返しとしてお渡しする場合の品物の金額の目安は葬儀のときと同様です。
具体的には、親族には1万円から3万円を、知人・友人には5千円から1万円程度を準備しておきましょう。引き出物の際も、親族には3千円から1万円を、知人・友人には2千円から5千円で準備しておきましょう。香典返しや引き出物にも相場があります。覚えておいて損はしません。
香典返しに対する“のし”について
香典の返礼品に対するのしに関しては、黒と白または双銀の結び切りの水引をつけて渡します。包装紙の上に黒と白または双銀の結び切りの水引をつけて渡します。最近では最初から包装紙に水引が印刷されたものが多く使われています。
なぜ結び切りの水引をつけて渡すのかというと、同じことを繰り返したくないという想いからです。水引きの結び方には、花結びと結び切りの2種類があります。花結びには、ほどいて何度も結べるため、出産や結婚といった何度繰り返してもよい祝儀の場合に用います。
一方で、結び切りは硬く結ばれて解くのが難しいように、何度も繰り返したくない、今回で終わるようにという意味合いがあります。同様の意味合いで、「のし」と言われる赤白の折り紙のついたものも祝儀用になりますので注意しましょう。
故人を想う時間を大切にできる時間にするためマナーを知ろう
葬儀には多くのしきたりがあり、香典だけでも細かいマナーが多数あります。香典袋の書き方やふくさの使い方、香典を斎場で渡す際のマナーには注意して恥をかかない様に心掛けたいものです。
また、香典に包む金額の相場を知っておけば、遺族を驚かせたり困惑させたりしないで済みます。香典はお悔やみの気持ちを表現するものでもありますから、故人や遺族に対して失礼にならない香典のマナーはきちんと把握しておきましょう。
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