護持会費の相場はいくらが適正?【お墓の維持費に関しての知識を解説】
公開日 : 2020/3/6
更新日 : 2020/9/10
護持会費のことをご存知ですか。護持会費は寺院墓地へ故人をまつる際にかかる維持費のことです。そのほかにも墓地を建てる場所(公営墓地や民間墓地)によってかかる費用も違ってきます。この記事では、維持費がなぜ必要なのか、具体的な費用相場について解説しています。
公開日 : 2020/3/6
更新日 : 2020/9/10
目次
護持会費とは
護持会費とは墓地の管理費の1つです。ここでは護持会費の説明と、具体的な護持会費の相場を解説していきます。
墓地の管理費の1つ
護持会費は、檀家に入り寺院墓地へお墓を立てるために支払わなければいけない会費のことです。この費用を毎年、支払うことで、宗教法人が運営する寺院墓地をたてることができるのです。
護持会費 相場
護持会費の費用相場は、10,000~20,000円程度です。これは、この後に紹介する2つの運営母体(自治体の公営墓地/公益法人や宗教法人の民間墓地)よりも高価です。
しかし、寺院の管理になるので安心と感じる方も少なくないでしょう。護持会費とは別に、さらに法要などの行事が年に1回か2回はあり、その都度お布施を払うことになります。その費用も年間支払いになります。
墓地の管理にはお金がかかる
墓地の管理にはお金がかかります。なぜなら、墓地で使用するバケツや清掃道具などの備品や、インフラを整えるための費用を誰かが賄わなければいけないからです。
ここでは、備品について、インフラ代について、人件費や修繕料などの経費に見出しをわけて解説します。
墓地で使用するバケツや清掃道具など備品
お墓の利用者から徴収する維持費は、墓地の運営と管理に使われます。墓地をきれいに維持するためには、定期的な清掃や除草が欠かせません。
お墓参りに来る方のためには、バケツなどの備品も必要です。水道や電気などのインフラ代も払わないといけませんし、人件費や修繕費などの経費もかかります。
水道や電気などのインフラ代
こういった維持や管理のためのお金が必要です。お墓参りに来た際に、水も出ない、電気もつかないではお墓をキレイにすらできないです。インフラが整備された墓地にするためには必要です。
そして、そのお金は墓地を設立した方々から維持費として徴収することで、先祖が眠るお墓を維持することができます。維持する運営母体によって、その墓地の管理費名称が違ってきます。護持会費は、その中の維持費として存在しているのです。詳しくはこの後の見出しで解説します。
人件費や修繕料などの経費
お墓を維持するためには、墓地の管理者にもお金を支払わなければいけません。例えば、雑草の処理です。墓地周辺の管理がおろそかですと、雑草がうっそうと生え、キレイな状態は保つことができません。
また、修繕費用のことも考えておかなければいけません。先祖をまつる墓石も雨風を直接受け続けなければいけません。そのため、墓石自体も劣化していくのです。大きな地震など発生した場合、劣化具合で大きな亀裂など起こりかねません。
定期的なメンテナンスも考えなくてはいけないのです。具体的には、墓石を研磨してもらえるよう業者へ依頼して対応します。
墓地の管理には3種類ある
墓地の管理にも3種類存在します。なぜ3種類に別れるかというと、それは運営母体にが違うからです。自治体の管理する公営墓地、公益法人や宗教法人の民間墓地、宗教法人が檀家や信徒のために運営する寺院墓地の3つに別れます。詳しくは見出しをわけて解説します。
自治体の公営墓地
公営墓地の場合に年間維持費として取られるのが維持費と永代使用料(土地代)です。永代使用料とは、お墓を建てるときにかかる費用です。永代使用料に関しても民間墓地、寺院墓地と比べて一番安いのですが、維持費も安く設定されています。
維持費の相場は、1年あたり1,000~10,000円ほどです。ただ、公営墓地は募集時期が限られているうえに、競争率も高いので、永代使用権を得るのは簡単ではありません。
公益法人や宗教法人の民間墓地
公益法人や宗教法人が管理するのが民間墓地です。民間墓地の維持費の相場は5,000~15,000円程度です。
公営墓地よりは少し高めですが、そのぶん管理の中身は手厚くなっているようです。また、法要や納骨の手配を請け負ってくれる墓地もあります。
宗教法人が檀家や信徒のために運営する寺院墓地
寺院墓地にお墓を建てるためには、檀信徒契約を結んで、檀家に入らないといけません。この檀家の会費が「護持会費」で、これが寺院墓地の維持費になります。寺院の運営のために寄付を求められることもあるので、覚えておきましょう。
維持費は一番高くなってしまいますが、寺院が管理するだけに、安心感は一番と言えるのではないでしょうか。
お墓の維持費は誰が払う?
お墓の維持費は誰が支払うのでしょうか。それを明確にしておくことがトラブルを未然に防ぐ“カギ”となります。ここでは、見出しをわけて誰が支払うのが一般的なのか、相続人が決まったあとの対応についてを解説していきます。
相続人となる者が一般的
お墓の維持費については取り決めをしっかりと行っておくことが大切です。なぜなら、維持費に関して誰が払うのかでトラブルになりがちだからです。詳しくは、後の見出しで解説します。ここでは、基本的な考え方についてお伝えします。結論から先に伝えると、お墓の年間維持費を払うのはお墓の相続人です。
一般的にはそのお墓に次に埋葬される人、お葬式の喪主を務める人がお墓の相続人になるケースが多いようです。しかし、お墓の相続人の決め方について明確な決定方法はなく、事前に口頭、手紙などの方法でお墓の相続人を指定することもできます。
ただ、亡くなった後に何らかの揉め事が起こりそうなのであれば、弁護士や公証人の力を借りて正式な遺言書として残す方法もあります。しかし、事前の口頭、手紙や遺言書などがない場合はどうすればいいのでしょうか?このような場合は、残された子供たちの中で相談して決めるのが基本になります。
お墓の相続人が決まった後
お墓の相続人が決まった場合は、各種手続きを行います。具体的な行動として、役所、公営墓地、民営霊園、寺院の管理者に、墓地使用者の名義変更の手続きを行っていきます。ついつい忘れがちになるので、忘れないようにしてください。
維持費に関してのトラブル
維持費に関してのトラブルについて、よく起こるのがお墓の相続人を誰にするのか、維持費についてです。
お墓の相続人
お墓の相続人はお墓の年間維持費を払うことになるのですが、やはりお金が絡んでくることなので、お墓の相続人選びが原因で揉め事に発展してしまうこともあります。
そうなってしまった場合は、家庭裁判所などに仲裁に入ってもらい、お墓の相続人を決めてもらうことになります。このような事態にならないようにするためにも、兄弟や親戚と話し合っておきましょう。
維持費の滞納が続くと…
維持費の滞納が続くと、墓地を使えなくなってしまう可能性が発生します。なぜなら、お墓の継承や管理が原因になり、維持費の支払いのトラブルに発展することもあるからです。
そして維持費の滞納が続くと、永代使用権を失って、墓地を使えなくなってしまうので注意してください。
維持費支払いが難しい方は永代供養墓と樹木葬という手も
寺院が遺骨を供養してくれる「永代供養墓」や、樹木を墓標にする「樹木葬」は維持費がかかりません。維持費を徴収する墓地があるにしても、料金は比較的安価です。
「維持費の支払いが難しい」「お墓を守るのに不安がある」という場合は、これらのお墓を考えていいかもしれません。通常のお墓からの改葬もできます。
年間維持費の支払い方法
年間維持費の支払い方法も、その運営母体によって違ってきます。寺院墓地の年間維持費は、護持会費とお布施があります。支払い方は、銀行口座引き落としではなく、一年に数回の現金払いになります。
お墓の管理費にあたる護持会費はお盆やお彼岸の時期に寺院に持っていく、もしくは檀家の代表、寺院の住職が檀家を一件、一件まわり集金することもあります。公営墓地や民営霊園の年間維持費は、管理料だけです。
支払い方は現金払いではなく、一年に一度指定された銀行口座からの引き落としになります。民営霊園などでは一度に複数年払いもできるように、3年、5年払いも選ぶことができるところもあります。
お墓のメンテナンス
お墓のメンテナンス(修繕)のことは考えておかないといけません。なぜなら、長い時間が経つと、墓石の汚れや欠けなど、お墓は傷んでくるからです。地震によってずれたり、酷いときは倒れたりすることも十分考えられます。
しかし、建て替えるとなると、古いお墓を処分しないといけません。そうなると、100万円以上はかかってしまうので、気になるところがあれば、早めに石材店に相談しましょう。
修繕費用は損傷具合などによって異なりますが、たとえば、墓石の研磨なら20~30万円あたりが相場です。それを見越して積み立てておくこともいいかもしれません。
”お墓を立てただけで終わり“ではないことを認識する
お墓は立てただけで終わりではありません。その後の維持費や修繕費、管理費のことも考えておかないといけません。もし支払わないとお墓をキレイな状態に維持することもできないですからね。護持会費の知識も身につけて、適切なお墓選びと維持をしましょう。
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