初盆の相場は?香典の表書きや中袋の書き方・マナー・お布施について
公開日 : 2020/3/4
更新日 : 2020/9/9
初盆は故人が亡くなられてから初めて迎えるお盆の事です。故人が初めて家に帰られるので特に盛大に執り行われる場合が多いです。その為、香典の額も普通のお盆の時よりも多くなります。そういった初盆の香典に関する事について詳しく解説していますので参考にして下さい。
公開日 : 2020/3/4
更新日 : 2020/9/9
目次
気になる初盆の相場は?
故人が亡くなられてから初めてのお盆の「初盆」に参列することになった場合には、香典をどの程度包めば良いのか迷われる方も多いです。香典の額は故人との関係などにより変わります。ですが、大体の相場を知っておきたいのではないでしょうか。
初盆は故人が初めて家に帰られるので遺族にとっても大切な行事です。その為、親族以外にも故人と生前親交の深かった友人や知人なども招いて盛大に行う事が多いです。招かれた方は香典を用意するのがマナーです。
そこで今回は、初盆の香典の相場や香典袋の書き方、マナーについて詳しく解説しています。初盆のお布施についても紹介していますので、合わせて確認してみて下さい。マナーに注意して失礼のないようにしましょう。
初盆に香典は必用なのか
初盆を迎える方はお盆に僧侶を招き法要を行う事が一般的です。親族や故人の友人、知人なども参列します。その際に香典を包まなくてはいけないのかと疑問に思われる方もいますが、基本的に香典をお渡しするのはマナーです。
法要の進め方や香典の額は地域により違いはありますが、香典は必用です。当日に用意すると慌ただしいので施主から法要の案内や電話がきたら、お金を用意しておくようにすると慌てずにすみます。香典袋が近くのお店に無い場合もあるので早めに準備しましょう。
初盆の法要は自宅で行う場合も多く葬儀などより規模が小さい事が多いですが、僧侶へのお布施や参列客へのおもてなしの為に費用が発生します。その為、香典により故人や遺族へのいたわりの気持ちや経済的な負担を減らす意味もあります。
初盆の相場について
初盆に参加する場合には香典を用意しなくてはいけない理由を解説しましたが、実際に香典を用意する場合には相場はどの程度になるのでしょうか?多すぎても遺族に負担をかけてしまうので注意が必要です。それでは、初盆の香典の相場について詳しく見てみましょう。
故人との関わりにより金額が変わる
初盆の香典の相場は地域や年齢、立場により異なりますが大体5000円~1万円程度です。20代~30歳の場合の香典の相場は3000円~5000円程度で知人や祖父母、叔父、叔母の初盆の場合にもこの程度で構いません。50代以上の場合には5000円~3万円程度です。
両親や兄弟姉妹の初盆の場合、20代~30代の香典の相場は1万円以上です。また、法要の後に会食のお斎に参加する場合には、相場の金額に食事代を入れて5000円~1万円程度多めに包みましょう。家族でお斎に参加する場合には人数分を多めに包みます。
近所の方や故人と仕事で付き合いがあった場合などに職場の代表として香典を包む時には、1人1000円~5000円前後が相場です。会食に参加する場合には食事代もプラスしましょう。連名で包む場合には4や9等の不吉な金額を避けてなるべく端数がでないようにしましょう。
宗派による違い
初盆の香典を包む際には宗派により相場の金額が異なります。一般的な香典の相場は5000円~1万円程度ですが、浄土真宗の場合の相場は友人で2000円~5000円、親族では5000円~2万円です。どの程度包めば良いのか分からない時には周りの方に相談しましょう。
法要の後の会食、お斎に招かれる事も多く参加するのが一般的です。その場合には5000円~1万円程度多めに包みましょう。お斎に家族で出席する場合には、この金額よりも多めに包むようにしましょう。
初盆のマナー
初盆に参加する場合にはマナーにも注意しなくてはいけません。不祝儀袋の選び方や表書きや中袋、名前や金額の書き方などの細かい事や香典に包むお札に関してなど知っておいた方が良い事が様々あります。詳しく確認してみましょう。
不祝儀袋はどれを選べば良いのか
初盆に使用する不祝儀袋は地域により異なります。一般的なものを紹介します。水引きは双銀や藍銀、黄銀を選びます。関西や北陸地域などは黄白の水引がよく使用されます。結びは結切りか鮑結びにします。
結びきりは解けなく固く結んでいて弔事全般で使用されます。鮑結びでは、結び目が複雑に絡んでいるもので弔事も慶事もどちらでも使用できます。のしは不要で、水引だけの不祝儀袋を使用します。
どれを選べば良いのか分からない場合にはお住まいの地域の文具店や近所の方に、初盆用の不祝儀袋はどういったものを選べば良いのかを聞いてみるようにしましょう。当日には不祝儀袋が用意が難しい場合もあるので早めに用意しておくようにしましょう。
表書きについて
香典を包む時に表書きを書く必用があります。市販の香典袋にはあらかじめ印刷されているものもあるので、その場合にはそれを使用すれば良いです。香典袋の表書きは宗教により違いがあるのでよく確認しておき、失礼のないようにしましょう。
仏教の場合
仏式の場合の初盆の表書きは「御仏前やご仏前」です。仏教の場合、亡くなられてから49日後に成仏して霊から仏になると考えられているので、49日までは御霊前と書き、49日の法要からは御仏前と書きます。その為、「御霊前やご霊前」とは書かないので注意しましょう。
仏教の中でも浄土真宗の場合には葬儀の時より「御仏前」と書きます。同じ宗教でも宗派により考え方が異なります。49日の場合には気を付けなくてはいけませんが、初盆の際は「御仏前」で良いです。
キリスト教や神道の場合
神道の場合、初盆を「新盆祭や新御霊祭(あらみたままつり)」と言います。新盆祭は、神職を呼んで祝詞の奏上をしていただき参列客と榊を奉納してその後に参列客と会食を行うのが一般的です。表書きは「ご神前や御神前、御玉串料」と書きます。
キリスト教の場合、お供え物というものは無いので表書きは「お花料」と書くようにしましょう。また、宗派や宗教に関係なく使用できる「御供物料」でも良いです。故人の宗教や宗派が分からない時には「御供物料」と書きましょう。
名前の書き方
まず表面の水引の結び目の上に「御仏前や御供物料」などと表書きを書き、結び目の下にフルネームで名前を書きます。親族のみで集まる場合にも、表に名前を書きます。遺族が後で香典返しやお礼状を送るのできちんと書くようにしましょう。
夫婦で参加する場合には夫の名前のみ書くのが一般的です。夫婦ともに故人と生前、よく親交があった場合には妻の名前を夫の名前の左横に書きましょう。香典袋は連名で包めるのは3名までです。
4名以上で香典を包む場合には香典袋を分けるか、名前を「一同」などと書いて中袋の中に香典を包んだ方の名前と住所、金額を書くようにします。1人当たり3000円程度の場合には香典返しを辞退する方が遺族の負担を減らせます。
中袋の書き方
中袋にはお金を入れます。不祝儀袋の中には中袋が付いていないタイプもあるのでよく確認して選びましょう。中袋には香典を出される方の住所と名前、包んだ金額を書きます。書く欄があらかじめ印刷されているものや横書きのものも中にはあります。
その場合には、それに従いましょう。何も書かれていない場合には名前と住所は中袋の裏面の左下に書き、金額は中袋の表面の真ん中か裏面の右上に書きます。金額は難しい大字で書きます。大字を紹介します。
1は壱、2は弐、3は参、5は伍、10は拾、千は仟、万は萬、円は圓です。1万円を包む場合には「金壱萬圓や金壱万円」と書きます。表書きにも名前を書いていますが、中袋にもきちんと名前をフルネームで記入しましょう。
何で書くのか
初盆の香典では表書きを薄墨で書きます。故人が亡くなられて悲しくて涙で墨が薄まってしまった事を表すために薄墨が使用されます。墨の用意が難しい場合には筆ペンや薄墨の筆ペンも販売されているのでそれを使用しましょう。
薄墨を用意する事が難しい場合には普通の筆ペンなどで代用も可能ですが、あまり良く思われない方もいるのでなるべく薄墨で書くようにしましょう。また、市販の香典袋の場合、御仏前や御佛前などが印刷されています。
この場合も、名前の部分は薄墨を使用して書くようにするのがマナーです。なるべくサインペンやボールペンは使用しないようにしましょう。いざという時の為に薄墨の筆ペンなどを用意しておくと安心です。
選ぶお札や入れ方
香典に入れるお札は新札を避けるようにします。これはお葬式などでも注意しなくてはいけませんが、新札を入れると不幸を予想していたように感じられてしまうのでマナー違反です。新札しか無い場合には折り目をつけるようにしましょう。
また、あまりにも破れているものや汚れが酷いものは使用しないようにしましょう。複数のお札を入れる時には、向きを揃えておくようにしましょう。お札の向きが別々にならないようにするのは気を付けたいマナーです。
香典の渡し方
香典を渡す時には必ず、小さめの風呂敷や袱紗に包み持参するのがマナーです。袱紗は弔事や慶事でも使用するので1枚は準備しておきましょう。袱紗が無い方は弔事や慶事の両方で使用できる紫色の袱紗を準備すると良いです。
お渡しする際には遺族に挨拶をして袱紗から香典を出して「心ばかりですがこちらご仏前にお供えして下さい。」などとお伝えしてお渡しします。勝手にご仏壇に供えるなどそういった事は絶対にやめましょう。
初盆のお布施について
初盆の法要を行う場合には遺族側は僧侶を招きお経をあげていただかなくてはいけないので、お布施が必要です。お盆の時期は僧侶も忙しいので、なかなか時間や日程の調整が難しいですが、早めに相談しましょう。お布施について詳しく見てみましょう。
初盆のお布施の相場
初盆の法要で僧侶にお渡しするお布施ははっきりと決まっているわけではなく、お寺に問い合わせても「お気持ちで」と言われる事が多いです。ですが、初めて初盆を迎える方の場合にはどの程度包めば良いのか悩む方も多いです。
相場は宗派や地域、その家の慣わしにより異なりますが一般的な相場を紹介します。通常のお盆の場合のお布施の相場は5000円~2万円です。初盆の場合のお布施の相場は3万円~5万円が多いです。
普通のお盆より相場の金額が高いのですが、故人が初めて家に戻られると考えられており、親族や故人と生前親交の深かった友人、知人などを招き盛大に行う事が多く僧侶にも手間が必要になるため、このような相場になります。
お布施以外も忘れない
お布施は法要で僧侶が読経をあげるなどの儀式を執り行って頂く事へのお礼のお金です。こちらの他にお車代や御膳料が必用な場合もあります。この場合も忘れずに用意してそれぞれを別々に包むようにします。
御車代はお寺以外の場所で法要を行う際の交通費としてお渡しします。どのような交通手段で来られるのかをあらかじめ確認しておきましょう。タクシーを使用される場合にはタクシーの手配を遺族がして支払いも済ませておくようにします。
御膳料は法要の後の会食を欠席される時にお渡しするのですが、お盆の時期には僧侶は特に忙しいので会食は欠席される場合が多いです。食事の用意などもあるので早めに会食に参加されるのかを確認しておきましょう。
お布施の書き方
お布施用ののし袋があるのでそちらを使用します。普通の白封筒を使う場合には封筒の内側に袋が付いていて2重の封筒は避けます。お布施を包む袋には中袋と外袋があり、書き方のマナーがあります。お札は新札を避けて表側が上になるように入れます。
新札しか無い時には折り目をつけて入れます。書き方は表側の中心に「お布施か御布施」と黒い墨で書きます。中袋は表面の中心に縦に金額を書き、裏面の左側に住所とフルネームを縦に書きます。5万円を包む場合には金額は大字で「金伍萬圓」などと書きます。
お布施の渡し方
お布施の渡し方を紹介します。お布施を袱紗で包み切手盆に乗せておくのは事前に用意しましょう。お車代や御膳料を一緒にお渡しする時には、別々で包み上からお布施、お車代、御膳料の順になるように準備してお盆に乗せておきましょう。
- お布施を弔事用の袱紗で包みます。黒い切手盆か小さいお盆に乗せて自分の右横に置きます。
- 「本日は~の初盆のために、心のこもったお勤めをしていただき誠にあがとうございました。こちらは些細ではありますが、お礼でございますので、どうぞお納めください。今後とも宜しくお願いいたします。」などとお礼を述べます。
- 切手盆を差し出して封筒に書いたお布施が僧侶の方に向くようにして切手盆に乗せてお渡しします。袱紗の場合には袱紗を両手の平に乗せて封筒に書いたお布施が僧侶の方に向くようにして僧侶にお渡しします。
初盆の相場を参考にして早めに用意する
初盆に参加する場合には、宗教や地域、家の慣わしにより金額も異なるので分からない場合には周りの同じような立場の方に香典の相場を確認しておきましょう。香典は初盆の案内がきたらすぐに用意しておくと当日に安心して参加できますので早めに用意しましょう。
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