粗供養の相場とは?最低限のマナーと喜ばれる品物を徹底解説!
公開日 : 2020/2/27
更新日 : 2020/9/10
あまり聞きなれない方もいる「粗供養」という言葉。もしかしたら、聞きなれないというだけでお住いの地域では常識かもしれません。粗供養はどのくらいの費用がかかり、どんなマナーがあるのでしょうか?喜ばれるおすすめの品物と一緒に解説いたします。
公開日 : 2020/2/27
更新日 : 2020/9/10
目次
粗供養とは?
粗供養(そくよう)とは、葬儀の際に供養していただいたことに感謝の気持ちを込めて粗品などでお返しをすることです。お渡しする物を「粗供養品(そくようひん)」と呼びます。地域によって呼び方が代わるので、聞きなれないという方もいらっしゃることでしょう。
しかし、粗供養品は葬儀において重要な役割を果たすものです。粗供養の相場やマナーを知っておくのは非常に大切です。こちらの記事では、粗供養の一般的な相場やマナーについて解説を致しますので是非とも参考にしてください。
粗供養の一般的な相場とは?
粗供養品は贈る品物やお返しの仕方によって金額が変わってきます。お通夜や葬儀、法要に参列をして下さった方へお渡しをする場合には、1000円~1500円ほどの品物が一般的な相場です。その他に、香典返しと一緒に渡す場合は2000円~3000円が一般的です。
しかし、急な不幸の場合には粗供養以外にもするべきことが山ほどあります。なかなか時間をかけて選ぶ余裕がないのも事実でしょう。このケースの場合、葬儀屋でカタログを用意してくれることが多く、金額も500円~3000円と幅広い選択をすることが可能です。
しかし、住んでいる地域の風習もあるため、事前に周囲の方に相談をして探しておくと良いでしょう。もし、相談する方が近くにいない場合は葬儀屋に早めに聞いておくことをおすすめします。
粗供養は誰が送れば良いの?
粗供養を誰が送れば良いのか分からないという方もいるかと思いますので解説を致します。
粗供養は葬儀や法要で供養をして下さった方に贈る品物ということもあり、喪主の方から贈るのが一般的とされています。しかし、地域によっては兄弟など喪主以外の親族も粗供養を用意して参列者にお渡しするという風習の場所もあります。
ご自身の地域がどの様な習慣で粗供養をお渡ししているのかを、事前に親族や葬儀屋さんに確認しておいた方が何かあっても失敗をすることはないでしょう。
粗供養と満中陰志と香典返しの違いは?
粗供養で勘違いをしてしまいやすいのが、「満中陰志」と「香典返し」です。「粗供養」と「満中陰志」と「香典返し」は意味が違いますので理解しておいた方が良いでしょう。
満中陰志とは?
満中陰志とは忌明けを意味する言葉であり、西日本で四十九日法要の忌明けに香典返しをおくる時期でもあります。関東地方に在住の方はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、満中陰志は表書きに記す言葉で関西地方で主に使われています。
満中陰志法要は非常に大切な法要でもあり、家族や親戚が一同に集まって行われることが多いです。満中陰志とは仏式で香典返しと呼ばれています。お返しの品物にお礼状を一緒に備えて香典を頂いた方へ四十九日の法要が滞りなく終わったことを伝えるものです。
香典返しとは?
香典が家氏とは、お通夜や葬儀に参列してくださって御供えを頂いた金品へのお返しをするものです。満中陰志と同じく弔事が無事に終わったことにお礼の気持ちを伝える物です。基本的な考えとしては、満中陰志が「西日本」で香典返しは「東日本」で使われる言葉です。
「粗供養」は法要で頂いている御供えや仏前のお返しという考えで、香典返しや満中陰志とは意味が違います。
粗供養にのし紙はつけるの?
粗供養にはのし紙をつけるかどうか悩んでしまう方もいらっしゃるかと思います。結論から申し上げますと、「のし紙を付けて相手にお渡しするのが正式なマナー」です。
のし紙にはたくさんの種類がありますが、粗供養品には「白黒」の結びきりの水引を選ぶようにしましょう。
全国的に白黒の水引が主流となっていますので、特別な風習がなければ白黒で大丈夫と考えて良いでしょう。しかし、水引も地域によって変わってきて、関西地方や中国、四国地方のごく一部の地域では黄白の水引が一般的な地域もあります。
また、水切りの種類もあり弔辞は何度も繰り返し行いたくない行事でもあるため、一度結んだらほどけないという意味合いも込めて「結び切」の水引を使用するのが一般的です。
のし紙の表書きとは?
粗供養品には、必ずのしをかける必要があります。のし紙の表書きを見て、受け取る側が品物に込められている意味を知ることが出来ます。しかし、地域によって言い方の違いがありますので、ご自身の地域がどの様な表書きであるかを理解しておく必要があります。
ここでは、地域ごとに分けて説明をしていきますので参考にして下さい。
東日本と西日本の表書きの違いとは?
のし紙の上(水引の上)に贈る目的を書く必要があります。この部分を表書き(おもてがき)と呼びます。
関東地方などの東日本では昔から「志」と書くのが一般的とされています。志は香典返しの表書きとしても使われるものです。志は「粗供養(祖供養)」の表現として使われることがあるため、葬儀会社に勤めている人でも地方によっては「志という表現はあまり聞かない。」というケースもあります。
関東地方に対し、西日本側では表書きに「粗供養」と書かれることが一般的です。主に(関西、四国、九州、中国)で葬儀屋法要の返礼品において使われております。
四十九日法要のお返しの方法とは?
四十九日の法要の場合、亡くなった方が翌日から四十九日に忌明けをしたことを意味する非常に大切な法要です。
四十九日の法要時に、香典返しをくださった方や法要に参加してくださった方への返礼品を渡す必要があり、地域ごとに品物にかける「熨斗(のし)の表書き」に違いがあります。
東日本では「志」と書く
「志」は主に東日本で使用されています。しかし、香典返しでも「志」は使用されていることが多いため、四十九日法要が香典返しと一緒になると分かりにくいというデメリットもあります。
もし、分かりにくいと感じた場合は香典返しと四十九日法要で熨斗書きを変えることがあります。
1・四十九日法要の返礼品⇒「志」
2・香典返しの品物の場合⇒「忌明志」
2つとも「志」にしてしまうと、受け取って下さった相手が何の返礼であるのか分からずに迷ってしまうことがあります。上記のように分けておくと相手側も分かりやすいので香典返しと四十九日法要が一緒になった場合は、書き方を変えるようにしましょう。
西日本では「粗供養」と書く
関西から西側の地域では、四十九日法要に来てくださった方々へのお礼品に「粗供養」と表書きをします。これは「志」と全く同じ意味合いで、あくまでも法要に参列してくださった方に対するお礼品となるので、香典返しとも違った品物にです。
ただし、四十九日法要のときに香典返しを渡す場合は東日本と同じように熨斗を変える必要性があります。
1・四十九日法要の返礼品⇒「粗供養」
2・香典返しの品物の場合⇒「志」もしくは「満中陰志」
西日本の一部地域では四十九法要当日の返礼品の表書きを「満中陰志」とする場合があります。
四十九日法要の「のし紙の包み方」とは
のし紙のかけ方は、外のしと内のしの二種類が使われます。外のしは品物を包んで、その外側にのし紙をかける方法です。対して、内のしは品物に直接のし紙をかけた上から放送をする方法です。
地域ごとに習わしがあるため、外のし、内のしのどちらが正しいかとは言えません。しかし、直接手渡しをする場合は外のし、郵送をする必要がある場合は配送中の衝撃で破れてしまう可能性があるので、内のしが選ばれるケースが多いです。
粗供養の品物で選ばれているおすすめの品物とは?
粗供養の品物を選ぶときに相手が頂いて嬉しいと思われるものを贈りたいものです。では、粗供養の品物はどのようなものを贈れば喜ばれるのでしょうか?ここでは、粗供養の品物で選ばれているおすすめのものを紹介いたします。
現時点で、何を選べば良いのか迷っている方は是非参考にしてください。
粗供養で選ばれるおすすめの品物
粗供養は、お祝い事ではありませんので不祝儀という意味合いです。ですので、贈る場合は形として残らない「消え物」を渡すのが一般的です。タオルや手ぬぐいなど悲しみを拭い去ってくれるという意味で贈られるケースもあります。
しかし、定番としては食べ物を贈る場合が多いでしょう。その中でも特に選ばれているのが、海苔やコーヒーの詰め合わせセット、包装されたお菓子、お茶類が人気です。
沢山の品物があり選ぶときに悩んでしまうこともあるでしょう。どうしても決めかねてしまう場合の選ぶポイントは、軽くて持ち運びがしやすく、好みが分かれにくい消え物を選ぶと失敗も少ないでしょう。
粗供養で相応しくない品物とは?
上記では粗供養でおすすめの品物を紹介いたしましたが、対して相応しくない品物も紹介致しますので特別な理由がない限りは選択をしないようにしましょう。
粗供養の品物として、お酒は避けるようにしましょう。また、お肉やお魚などの生食類は鮮度が一番なので避けておいた方が無難です。
その他に商品券など「お金」を連想させるものも避けます。また、「アワビ、栗、昆布」は「一に打ち鮑、二に勝栗、三に昆布」という言葉があり 「敵に打ち、勝ち、よろこんぶ」という意味があるので選択肢に入れないようにして下さい。
粗供養品の選び方とは?
粗供養品を選ぶときに悩んでしまう方が非常に多いかと思います。事前に選び方を知っておけば、忙しい中でも余裕を持って購入することができるでしょう。
品物のサイズやデザイン、購入時の季節など価格帯以外に選ぶポイントがありますので、参考にしていただければと存じます。
粗供養品の値段
粗供養の相場は、1000円~1500円が一般的とされています。この価格の場合は、定番のお菓子やカタログギフトを選ぶのがおすすめです。
最近では1000円代のカタログも販売されているので、ご自身の予算の範囲内で購入できるのであれば非常におすすめです。相手の方々にどのような品物を選べば良いのかどうしても分からない場合は初めからカタログ一本で選択しても良いでしょう。
季節で選ぶ
品物を選ぶときは季節毎に選ぶと良いでしょう。夏の場合は、素麺や水羊羹、冬場の場合は体が温まるうどん、そばのセットがおすすめです。
タオルや石鹸などは年間を通して利用ができるので迷ったときはおすすめの定番商品です。
サイズで選ぶ
粗供養品は会場で渡すことが多いので、参列してくださった方がお持ち帰りをしやすいサイズの物を選びましょう。
特に葬儀の受付後に粗供養品をお渡しする場合には、出来るだけかさばらないサイズに拘ることも大切です。
デザインで選ぶ
粗供養品は不祝儀でもあるので、出来るだけシンプルなデザインを選択しましょう。凝ったデザインである必要はなく、葬儀という場でもあるのでシンプルでスタンダードなデザインを選ぶ方が多いです。
粗供養品を渡すタイミングとは?
粗供養品を参列してくださった方へ渡す場合は、できるだけ相手が自然に受け取れるようなタイミングが理想的です。では、どんなタイミングで粗供養品を渡すと良いのでしょうか?
粗供養品を相手に受け取ってもらう方法は、一つではありません。参列してくださった方が自然と受け取れるタイミングを理解しておくことは非常に重要です。ここでは、粗供養品を渡すタイミングについて詳しく紹介を致します。
粗供養品を渡す2つのタイミング
粗供養品を渡す場合は、2つのタイミングに分類されます。
1・受付直後に渡すケース
参列してくださった方は葬儀場に到着をすると最初に受付をします。受付をしていただくタイミングで粗供養品を渡すことが可能です。
この場合は、葬儀中にかさばらないサイズで席まで持ち運びをしやすい品物を渡すのが一般的とされています。受付直後に渡す場合は、1000円前後のリーズナブルな価格帯から選ぶと良いでしょう。
2・帰り際に渡すケース
受付後に事前にチケットを渡しておき、帰り際にチケットと粗供養品を交換する方法があります。この場合は、受付直後とは違い品物のサイズが大きくても葬儀中にかさばらないので粗供養品の選択肢の幅が広がります。
帰り際に渡すケースの場合は、香典返しの意味合いも兼ねて渡すことになるため、受付直後に渡すときよりも2000円~3000円と高価なものを贈ります。
しかし、上記の場合は通夜や葬儀など即日で渡すケースなので四十九日、一周忌、三周忌などの法要のときは渡すタイミングが異なります。
例えば、「会食がある場合に会食会場から参列者が帰宅する場合」、「会食がない場合の法事に参列者が会場へ来られた場合」に渡すケースです。
もし、全ての方に渡せなかった場合は誰に渡せなかったのかを把握しておき後日郵送するようにしましょう。
粗供養の相場、マナーを理解して良い品物を選ぶことが大事
粗供養とは地域によって様々な風習があるためマナーも変わってきます。また、渡すときのタイミングによって相場も変わるため、自身がどのようなタイミングで渡すのかを事前に決めておきましょう。
粗供養品は葬儀や法要に参列してくださった方々への感謝の気持ちという意味もあります。贈るべき品物と贈らない方が良い品物をよく理解して、失礼にあたらないよいに渡すようにしましょう。
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