【葬儀】キリスト教の香典の相場・書き方やマナー・弔電について
公開日 : 2020/2/19
更新日 : 2020/9/10
キリスト教の香典はどのように用意したら良いのでしょうか?仏式などの葬儀に参列されるより、キリスト教の葬儀に参列する回数の方が少ないと思います。キリスト教の葬儀に参列する場合の香典の相場や書き方、マナー、弔電等について詳しく解説しています。参考にしてみて下さい。
公開日 : 2020/2/19
更新日 : 2020/9/10
目次
キリスト教の葬儀などの香典とは
故人がキリスト教の場合、どのようなマナーや注意点があるのでしょうか?キリストの葬儀に初めて参加する方は不安に思う方も多いです。今回は、キリスト教の葬儀に参列する際の香典の書き方やマナー、注意点について詳しく解説しています。
キリスト教の香典は他の宗教とは異なる
キリスト教には幼稚園や大学など多くの学校があります。結婚式ではチャペルに行かれた事がある方も多いのではないでしょうか。日本にはキリスト教の信者は全体の1%です。その為、キリスト教の葬儀に参列する事は少ないです。
もし、参加する事になった場合にはどのようなマナーや注意点があるのでしょうか。参列する事になった時に初めて故人がキリスト教徒だった事が分かる場合もあります。実際のキリスト教の葬儀では、賛美歌の歌詞などが配られて皆で祈り、歌うようになっています。
ですが、香典やマナーなどは事前の調べておかなくては失礼です。キリスト教の葬儀について分からない方も多いと思います。今回はキリスト教の香典についてやマナー、注意点、弔電などについて詳しく解説していますので参考にしてみて下さい。
キリスト教の香典袋の書き方
キリスト教の方のお通夜や葬儀に香典を持参する際、どのようなマナーがあるのでしょうか。キリスト教と他の宗教では香典のマナーや書き方が異なるので、よく確認しておきましょう。入れる袋なども違うので余裕を持って準備しましょう。
【キリスト教の香典】香典袋の選び方
香典はお香などの代わりに供える意味で用意されますが、キリスト教ではお香は炊かなため香典とは言いません。ですが、香典と同じようなものがあります。キリスト教には色々な宗派があり、それぞれで表書きの言葉も変わります。
袋は仏式などで使用するの水引が入った不祝儀袋は使用せず、白い無地の封筒を選ぶので注意しましょう。他には聖母マリア様を象徴したユリの花や十字架が入った香典袋も使用できます。
この際も仏教のシンボルの蓮の花がデザインされている袋は仏式のみで使用する香典袋なので気を付けましょう。白い封筒に見えても薄く蓮の花がイラストされている物もあるのでよく見て確認しましょう。
【キリスト教の香典】表書きの書き方
袋の表書きは宗派により書き方が異なります。カトリックの場合の表書は「お花料」や「御花料」、「お花代」、「御花代」、「献花料」です。これらの表書きはプロテスタントでも使用できます。他には、カトリック独特の書き方で「御ミサ料」があります。
「ミサ」は礼拝の意味です。仏式や神式の葬儀でも使用される「御霊前」、「ご霊前」もカトリックでは使用できます。プロテスタントの表書きは「御花料」「お花料」、「御花代」、「お花代」、「献花料」はカトリックと同様に使用できます。
プロテスタントの独特の表書きには「忌慰料」(きいりょう)があります。「御霊前」はプロテスタントでは否定されているので使用しないように注意しましょう。また、プロテスタントではミサが行われないので「御ミサ料」は使用しません。
【キリスト教の香典】連名の場合
香典の名前の書き方や連名の書き方に関しては、キリスト教で特別な決まりはありません。夫婦で香典を包む場合は中央に夫を書き、左に妻の名前を夫の名前の横に書きます。妻が夫の代わりに参列する場合には、夫の名前を中央に書いて左に「内」と小さく書きます。
夫婦共に故人と親しかった場合には、夫のフルネームを中央に書き、左に妻の名前を夫の名前の横に書きます。妻が夫の代わりに参列する場合は、先程と同様に夫の名前を中央に書きいて左に「内」と小さく書きます。
2~3人御花料を包む場合は人数分の名前を中央に並べて書きます。4人以上の場合に代表者名をフルネームで書いて「外一同」と書きます。中に他の方の名前や住所、金額を書いて入れておきます。
【キリスト教の香典】中袋の書き方
中袋の書き方はキリスト教で独自のルールはありません。表に金額を書き、裏に住所と氏名を書きます。人数が多い場合は別の紙に名前と住所、金額を書いて中袋へ入れます。住所や金額などを書く場所を指定している袋もあるので、その場合は指定通りに書きます。
中袋は濃いペンで見やすく書きます。金額は大字で書きます。大字を紹介します。1は壱、2は弐、3は参、5は伍、10は拾、千は仟、万は萬、円は圓です。「金~圓」と書きます。普段、使用しない書き方なので間違えないように注意しましょう。
キリスト教の香典の相場やマナー
キリスト教の香典には相場やマナーなどの注意点はどういったポイントなんでしょうか。キリスト教の葬儀に参加する機会は少ないと思うので、よく確認して準備しましょう。それでは、キリスト教の香典やマナーなどについて詳しく見てみましょう。
キリスト教の香典の相場は?
キリスト教でも香典の金額は他の宗教と変わりません。故人との関係や自身の年齢、立場、地域などにより変わります。それでは、香典の相場を見てみましょう。いくら包めば良いのか分からない場合には親戚や周りの方に相談しましょう。
- 故人が両親の場合、20代30代は5万円・40代50代以上は10万円です。
- 兄弟や姉妹の場合は20代は3万円・30代~50代以上は5万円です。
- 親族の場合はどの世代も1万円です。
- 知人や友人は20代~40代は5000円・50代以上は1万円です。
- 上司や先輩は20代~40代は5000円・50代以上は1万円です。
- 部下や後輩は20代は5000円・30代~50代以上は1万円です。
【キリスト教の香典】マナー
キリスト教の葬儀に参列する際にはマナーに気を付けなくては、良かれと思いかけた言葉でも相手にとっては良くない言葉の場合もあるので注意しなくてはいけません。香典を渡すタイミングや遺族にかける言葉などについて詳しく見てみましょう。
【キリスト教の香典】渡すタイミング
香典を渡すタイミングはいつが良いのでしょうか?香典はお通夜における通夜式や前夜式、葬儀告別式の代わりに追悼ミサが行われる場合があり、それのいずれかに持参します。受付がある場合には、受け付けの時に香典をお渡します。
自宅でのお通夜などで、受け付けが特に設けられていない場合にはご遺族に直接お渡します。故人が何の宗教に入っているのかが分からない場合も多いです。故人が亡くなられて連絡を受けた時には宗教や宗派の確認もしておくと安心です。
【キリスト教の香典】薄墨で書く
キリスト教の場合でも香典の表書きは薄墨で書きます。悲しみのあまり涙で文字が滲んだという事を表現しています。墨が良いですが、墨の用意が難しい場合には筆ペンを使用しても構わないです。その場合も薄墨用のものを選びましょう。
ですが、御花料などがあらかじめ濃い文字で印刷されている場合があるので、その場合はそのまま使用しても構いません。中袋を書く際には薄墨を使用せず、読みやすいように濃い墨で書きます。
ご遺族が後でお返しを用意される時に、住所や金額が読み取れなくては面倒をかけてしまうので丁寧に見やすい字で書きましょう。楷書で書くのが見やすいです。中袋は見やすいように薄墨で書くのは避けましょう。
【キリスト教の香典】気を付ける言葉
キリスト教の場合、伝える言葉はお悔やみの言葉ではありません。キリスト教では死は肉体の終わりというだけであり、魂は永遠のもので死には希望があると考えられています。なので、キリスト教の場合にはお悔やみの言葉ではないのです。
仏式などでは遺族や受付の時に「この度は御愁傷さまです。お悔やみ申し上げます。」などと声をかけますが、これらは仏教の思想による言葉です。ですが、キリスト教の場合でも故人を失い悲しいのは同じです。
その為、遺族に寄り添いながら魂に希望をこめた言葉をかける事が大切です。受け付けの場合は、「ご連絡頂き、ありがとうございます。」などとお礼を伝え、ご遺族には「天に召された~が心安らかにお休みできますように」などと声をかけましょう。
キリスト教の葬儀の進行
キリスト教ではどのような流れで葬儀が進むのでしょうか?参列する前に知っておく事で戸惑う事なく参加できます。キリスト教にはお通夜というものはありませんが、日本に合わせてカトリックでは「通夜の祈り」、プロテスタントでは「前夜式」が行われます。
葬儀の進行のやり方はカトリックとプロテスタントでは異なります。それぞれの違いや進行の仕方について理解しておけば、どちらの場合でも落ち着いて対応できます。それでは、キリスト教の葬儀の流れについてカトリックとプロテスタントをそれぞれ見てみましょう。
【キリスト教の葬儀】カトリックの場合
カトリックの場合の葬儀の流れを紹介します。カトリックでは「死」は永遠の命への旅立ちと考えられます。葬儀の場では生前の罪の赦しを請い、安らかに眠れることを祈ります。カトリックの葬儀では告別式と区別されてミサが中心です。
教会でミサを行います。カトリックの告別式は喪主が進行する場合が多いです。告別式ではキリスト教の信者以外の一般の方も参列されます。それでは、実際の葬儀の流れを見てみましょう。
- 入堂して入祭の言葉を聞きます。
- 言葉の典礼もしくはミサ聖祭を受け、感謝の典礼を聞きます。
- 祈祷式の後に告別式が開式されます。
- 故人の略歴を紹介して説教が始まります。
- 告別の祈りを行い、弔辞や弔電が披露されます。
- 献花を行い遺族の代表者の挨拶を聞いて終わります。
【キリスト教の葬儀】プロテスタント
プロテスタントの場合は亡くなられた後は天に召されて神に仕えると考えられます。その為、故人とのお別れという意識や儀式的な葬儀ではありません。プロテスタントの葬式は、神への礼拝が中心です。
葬儀と告別式は区別せずに一連の流れで執り行われます。プロテスタントは多数の宗派に分かれていて、それぞれの宗派により葬儀の考え方や式も異なります。一般的なプロテスタントの葬儀の流れを紹介します。
- 入堂して聖書の朗読と祈祷を行います。
- 個人の略歴を紹介して追悼し、説教を行い祈祷します。
- 賛美歌を斉唱して弔辞や弔電を拝読します。
- 祝祷と献花を行い、遺族の代表者が挨拶をして終了です。
キリスト教の葬儀で気を付けるポイント
キリスト教の葬儀ではどのようなポイントに注意したら良いのでしょうか?お供えの花の選び方や花を渡すタイミング、香典を入れる封筒の選び方など初めて参列する方は分からない事も多いと思います。それでは、キリスト教の注意点を確認しておきましょう。
お供えの花の選び方
キリスト教の葬儀の際、お供えの花は造花の花輪などは使用しません。知人や関係者がお花を贈る時には、故人の自宅にバスケットに入ったフラワーアレンジメントを贈ります。花は白いユリやカーネーション、胡蝶蘭などがよく選ばれて喜ばれやすいです。
自宅に贈られた花を協会に持参される場合もあるので小さくて持ち運びしやすいサイズを選ぶと遺族も運びやすいです。葬儀のミサへ贈る弔花はスタンド式かバスケットのフラワーアレンジメントを贈ります。また、名札を付けないので仏式とはそこが異なります。
お花と共にメッセージカードを付ける場合も多く、その際は仏式で使うような言葉は避けましょう。「~様の昇天の報せを受け、悲しみにくれております。安らかに眠られますようにお祈り申し上げます。」などのように送り、使用する言葉には注意しましょう。
お供えの花を渡すタイミング
お供えの花を送るタイミングは遅くても葬儀の前日までに贈るようにしましょう。直接、教会に贈る場合は必ず葬儀の当日の午前中の内に届くようにしましょう。通夜の集いやお通夜だけではなく自宅に贈るのが難しい時には弔花を持参しても構いません。
白い封筒を選ぶ時の注意点
キリスト教の葬儀に持参する香典袋は、基本的に白い封筒を選ぶのがマナーです。白い封筒を選ぶ時の注意点が無地で郵便番号を記入する枠などの余計なものが入っていないものを選ぶ事です。
郵便番号を記入する枠が入っていないものは、仏式の葬儀でお布施を包むための袋を選ぶ時にも同じ事が言えます。また、仏式などでよく使用される水引もキリスト教の葬儀では使用されませんので、間違えないように気を付けましょう。
キリスト教の方に弔電を送る際の注意点
キリスト教の葬式や葬儀の場合も仏式などと同じように式の途中で弔電を紹介する場面が持たれます。遠方で葬儀の参列が難しい場合には弔意を示す弔電という方法はとても良いですが、キリスト教なのでいくつか注意点があります。いくつか紹介します。
- 仏式の葬儀などと同じように縁起の悪い忌み言葉や重ね言葉は使用しないようにしましょう。
- キリスト教では死を悲しむ事とは考えていないのでお悔やみの言葉も避けます。
- 「供養や成仏、お悔やみ、ご愁傷様、冥福、浄土」といった言葉は仏式なので使用しません。
- 宗派により使用される言葉も異なります。死はカトリックでは「昇天」・プロテスタントでは「召天」です。聖職はカトリックのでは「神父」・プロテスタントでは「牧師」です。礼拝中の歌はカトリックでは「聖歌」・プロテスタントでは「讃美歌」と言われます。
キリスト教のマナーに注意して故人を偲ぶ
キリスト教には大きくわけてカトリックとプロテスタントがありますが、それぞれで香典や葬儀の違いがあります。それぞれのマナーや香典などについて確認しておけば安心です。故人を偲ぶ気持ちを大切に、心安らかに眠られるように祈りましょう。
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