葬儀費用の全国的な相場と葬儀費用の内訳や形式ごとの費用を紹介!
公開日 : 2020/2/19
更新日 : 2020/9/10
葬儀費用の全国的な平均を紹介します。また葬儀費用の内訳や、それらの項目ごとに値段の最安値や相場なども併せてお伝えします。これから葬儀の計画を立てようと思っている人や、今すぐにでも検討しなければならない人にとって、とてもためになる情報をお伝えします。
公開日 : 2020/2/19
更新日 : 2020/9/10
目次
葬儀費用の全国平均と相場
現代の葬儀費用の相場は約200万円と言われています。一般財団法人・日本消費者協会の葬儀についてのアンケート調査報告書(2017)では平均費用1,957,000円と報告されています。葬儀費用は葬儀一式料金とお布施や飲食接待費などを含めた合計金額を指しています。
全国の葬儀社紹介や見積もりを行っている安心葬儀が2019年に調査した費用平均は1,431,285円となっており、2017年の日本消費者協会のアンケート結果よりも多少安くなっています。相場グラフの中央値は1,300,000円という結果でした。
東日本と西日本の葬儀費用の相場
葬儀費用の相場は東日本と西日本とで多少の差があります。東日本のほうが西日本よりも相場が高額になる傾向にあります。地域的習慣がその理由の一つと言えるでしょう。
例えば、納骨の際、東日本ではすべての骨を入れますが、西日本では骨の人部分のみを納骨することが多いのです。骨の数や大きさによって骨壺のサイズが変わるので、そのような違いから費用にも差が生まれます。
東日本の費用相場は約1,519,424円、西日本の費用相場は約1,338,208円となっています。
葬儀費用の内訳4種類
葬儀費用は大きく分けて4つの費用に分類されます。1つ目に葬儀を行うために必要な会場費です。斎場やお通夜・告別式の式場費などが挙げられます。2つ目に儀式に必要な備品の購入またはレンタル料や人件費です。
一般的には儀式の施行費として基本料金の中に含まれています。3つ目は飲食接待費です。飲食費用はお通夜や告別式で必要になります。参列者への返礼品や香典返しもその一つです。4つ目は宗教者へのお礼です。宗教者にはお布施や心付の出費が必要です。
斎場や式場の使用料金
斎場の使用料金は種類によって異なります。民間法人が運営するセレモニーホールを利用する場合、料金相場は100,000~200,000円です。公営の斎場はセレモニーホールに比べて安価な相場です。寺院や教会などの宗教施設はそれぞれで値段に差があります。
基本的には民間の斎場と近い値段で、だいたい200,000~300,000円が相場です。斎場を選ぶ際は火葬場が併設されているかどうかも確認しましょう。火葬場併設斎場であれば、移動費用が掛からないので、余分な費用は抑えることができます。
安置施設の使用料金
火葬のルールとして、「亡くなってから24時間はご遺体を火葬してはいけない」という法律があります。ご遺体の安置方法は自宅安置、斎場や葬儀社の安置施設、民間の遺体保管所を選ぶことができます。
自宅で安置する場合はご遺体の周りにドライアイスをおき、寝かせておくというのが一般的です。斎場・葬儀社の安置施設のメリットは葬儀の際にご遺体を移動させる必要がないということです。安置施設利用料は5,000円~30,000円の相場です。
民間の遺体保管所は10,000円ほどで利用できますが、長期の安置には向いていません。
火葬料金
火葬料金には火葬料、ご遺体の移動費、待合室使用料、骨壺量などが含まれます。火葬料自体は利用する施設によって料金が変わります。公営の火葬場を利用する場合、0~50,000円の相場です。待合室や骨壺の料金を含んでも、最高で64,000円程度です。
民営の火葬場は48,500~150,000円ほどの相場となっており、公営と比べて割高です。待合室料金と骨壺料金は合わせてだいたい32,000円で、火葬料も合わせると最高でだいたい182,000円です。高額ではありますが、その分サービスの質はいいです。
葬儀に必要な基本セットの費用
葬儀の場所と火葬場の用意ができても、それだけでは葬儀を行うことができません。葬儀場に手配してもらわなければならない備品や自分で準備しなければならないものもあります。そこでさらに出費が必要となるので、細部まで何が必要か確認することが大切です。
民間の葬儀社ではこのような葬儀に必要となる細々したものを付属の基本セットとして提供しています。中には割安な方法を選ぶこともできるので、基本セットに含まれている内容に関してもしっかり確認しましょう。
祭壇
祭壇は種類やランクによって料金が変わります。祭壇とは個人の遺影や供物を飾り供養するために設置される壇です。仏教、キリスト教、神道など宗教別に違ったスタイルの祭壇が必要です。
白木祭壇は一般的な仏式祭壇です。白木祭壇は斎場に常に用意してあり、使用する際はレンタルという形になります。料金はサイズや質によってかなり差があり、100,000~1,200,000円という相場です。
キリスト教の祭壇は教会で葬儀を行う場合は出費も少なく済みますが、式場をおさえて行う場合は300,000円程度の相場となります。
お棺
ご遺体を納める棺は木製が一般的です。棺もさまざまな種類から選択でき、料金相場もそれによって異なります。
合板でできた組み立て式棺は人気もあり、20,000円から購入できます。高級木材などを使用した棺は高額なものが多く、だいたい数万円から百万円が相場となっています。その他にも、布棺、エンバー棺、エコ棺などの種類があります。
棺はゆとりを持ってご遺体の身長より10~15cmほど大きいものを選ぶことをおすすめします。火葬場によっては棺のサイズがあらかじめ決まっている場合もあるのでよく確認しましょう。
遺影写真
遺影写真の準備は額を含めてだいたい10,000円で準備ができます。一般的には個人が生前元気だった姿の写真を選び、それを葬儀社に加工してもらいます。写真を引きのばしたり、背景を加工したりして、祭壇へ飾ります。
最近は終活を通してあらかじめ遺影を撮影しておくという人も増えています。遺影撮影を承っている写真館などもあります。葬儀社に遺影の加工を頼むより、自身で加工して用意しておけば余分な出費も抑えることができます。
葬儀スタッフ
葬儀社が提供する葬儀の基本プランには葬儀スタッフへの人件費も含まれています。葬儀スタッフの役割は、受付、会場設営、運転手などさまざまです。葬儀の規模によって必要なスタッフの数は多少の変化があるので、大きければ大きいほど人件費はかさむでしょう。
ただしちょっとした準備などはスタッフを利用せず、自分たちでできることもあります。送迎など必ずしも必要ではない業務は削減してコストをかけないようにするのもコツです。
マイクロバス
喪主、親族、参列者などの送迎が必要であれば、マイクロバスのレンタルをおすすめします。バスの運賃や料金相場は国土交通省で決められた料金設定が基準になっており、各事業所によって料金が異なります。
料金は運行開始から終了までの走行距離に1kmあたりの運賃(キロ制運賃)と運行開始・終了までの運行時間と点検などにかかる時間あたりの運賃(時間制運賃)を足したものになります。
マイクロバスは20人前後が乗り込むことができます。タクシーを使うよりもかなり効率的です。
斎場や式場外に必要な葬儀道具
必要な準備は斎場の中だけではありません。斎場、式場外の準備も忘れてはいけません。斎場入り口には家紋を入れた提灯や高張等の装飾を用意する必要があります。屋外に受付スペースを設置する際にはテントの設営も必要です。
案内看板は参列者案内用に捨看板や斎場前にそなえつける故人名看板が必要です。冬場はストーブも必要となるでしょう。これらの装飾料は基本料金に含まれていることが多いです。もしくは別途オプション料金として請求されます。
飲食費
一般葬でお通夜や告別式を開く場合は飲食の準備が欠かせません。通夜料理では、家族や親族だけの葬儀であれば、その人数分の料理、または一般的な葬儀で故人が生前交友のあった方々も含むのであれば会葬者の半分以上の料理を用意します。料金はだいたい1人5,000円が相場です。
告別料理は一般的に会席膳を利用します。通夜料理と同じくだいたい1人5,000円が相場です。告別料理は火葬中にいただく場合と火葬後に斎場に戻って告別料理をいただく場合があります。
返礼品や香典返し
返礼品はお茶やお菓子、カタログギフトの商品を用意することが多いです。返礼品の相場はだいたい1,000~3,000円になります。例えば、20名の参列者で、3,000円の返礼品の場合、60,000円の出費です。
返礼品は「残らない」消耗品を選ぶのがベストです。香典でいただいた金額によって返礼品を変えられるように数種類の品物を用意しておくと便利です。必ずお礼状を添えて、忌明け後の1週間以内に贈りましょう。
宗教者へのお布施
宗教者へのお布施も忘れてはいけません。仏教ではお布施と言いますが、神道ではご神饌料、キリスト教では献金と呼び方が変わります。宗教者へのお礼は葬儀社が提供する葬儀プランには含まれませんので、ご自身での現金の用意が必要です。
日本消費者協会が実施したアンケート「全国のお布施平均額」では全国平均は446,000円となっています。地域や宗教者によってその相場は変わりますが、だいたい150,000~500,000円が相場です。お布施を渡すのは通常、通夜、葬儀、告別式です。
葬儀費用を安く抑えるために知っておきたいこと
現代の葬儀は200万円必要だと言われています。しかし、誰もが簡単に用意できるような金額ではないことも確かです。すべての葬儀スタイルに約200万円がかかるわけではありません。プランや諸経費を細かく見直すことによってコストを下げることもできます。
お香典、市民葬・区民葬、補助や扶助制度、葬儀保険等、生前予約申し込み、遺産相続などの要素を見直し、活用することでさらに費用を安く済ませることができます。
葬儀費用を払うのはだれ?
葬儀費用は葬儀の主宰者である喪主が支払います。法律的に必ず喪主が払わなければならないという決まりはありませんが、一般的に故人の長男や長女、または配偶者が払うことが多いです。
喪主となる人が全額負担するのが難しい時は施主(葬儀の世話役)を立てて、支払いを代わってもらうことも可能です。もしくは兄弟や姉妹、親戚など複数の相続人で葬儀費用を分担することもできます。相続人であれば個人の相続財産を引き継ぐことができるので、そこから出費することもできるでしょう。
葬儀費用を払えない場合はどうすればいい?
葬儀費用を払えない場合の解決策として、葬祭扶助制度、ローン、遺産・保険金という方法があります。葬儀料金の相場が割高な現代、立派なお葬式をしてあげたくてもなかなか容易なことではありません。
まず、遺族が生活に困窮している場合、葬祭扶助制度が利用できます。これは国が葬儀の負担をしてくれます。次に、ローンで費用を払う場合には葬儀社に申請する必要があります。審査に通れば一括払いやクレジットカードの有無についての心配はなくなります。そして、個人の遺産や保険金を利用することも有効な方法です。
形式別で異なる葬儀費用の相場
現代の葬儀の形は何通りもあります。あなたがどの形式を選ぶかで料金も変わります。形式ごとに料金の相場は違いがあり、自分の希望に合わせて選びやすくなっています。
大勢の参列者を招くのであれば一般葬が基本ですが、お葬式の規模が大きくなればなるほどもちろん経費もかさみます。家族や親戚だけの小さなお葬式を希望する方には家族葬や一日葬も人気です。
もしくは、さらに経費や時間、従来の葬儀の慣習などを削減、簡略化したいのであれば、直葬という選択肢もあります。
一般葬
多くの参列者を招く方におすすめなのは一般葬です。その名の通り、一般的に考えられるお葬式のスタイルです。参列者は家族や親戚だけでなく、生前故人と交流のあった友人や知人、会社関係の人なども含みます。
お通夜や告別式、もろもろの儀式をすべて行うのでそのための会場費や飲食接待費も必要となります。参列者の数だけ飲食費や返礼品も用意しなければなりません。参列者が多いため葬儀費用も他と比べて割高で、200万円前後が相場となります。
家族葬
家族葬は家族や親族のみ、または故人と近しい友人のみで執り行う葬儀です。一般葬と同じくお通夜や告別式など一通りの儀式を行いますが、参列は少ないので費用を抑えながらもしっかりとした葬儀を行うことができます。
香典返しをあまり気にしなくてもいいというのもメリットです。家族葬の相場は600,000~1500,000円程度です。一般葬に比べるとかなり負担を減らすことができます。ただし、家族葬のような自由なスタイルを利用してオプションをつけることを勧める葬儀社もいるので注意してください。
一日葬
一日葬は告別式と火葬のみの葬儀です。家族葬同様、少ない人数の参列者でコストを軽減することができ、その名の通り2日で終えられるようなプランになっています。料金相場は600,000円程度とかなり安いですが、きちんと故人とのお別れができる仕組みになっているのが魅力です。
お通夜を含まないため、家族や親戚以外の参列者を招きたいと考えている方には向きません。2日間で行われる葬儀の場合は、それぞれが都合をつけて参列することも可能ですが、1日で終わる葬儀だとそれが難しくなります。コストは抑えられますが大規模葬儀向けではありません。
直葬
直葬は火葬のみをとり行い、通夜や告別式などの儀式を省略した葬儀です。お通夜や告別式にかかる費用を節約できるので大幅にコストを削減することができます。一般的な葬儀と比較してもかなり安く、20,000~40,000円が料金相場となっています。
参列者が非常に少ないため、飲食接待費や香典返しなどの経費を節約することができます。また、火葬場が会場となるので会場費や参列者の送迎費などもかかりません。また、会場も葬儀場ではなく火葬場の火葬炉の前であるため、葬儀会場の費用も発生しません。
葬儀費用の相場を理解して葬儀を行うことが重要
近年、全体を通しての葬儀費用相場はかなり高額です。立派な葬儀を行うことは価値あることではありますが、故人を尊ぶ形は高価であればいいというわけではありません。残された家族に負担なく、故人との別れを行うことのできるスタイルがベストです。
そのスタイルは決して一通りだけではなく、選べるスタイルはいくつもあります。自身の希望に最も近いスタイルを内容や料金相場などをじっくり吟味して選択して、葬儀を行うことが重要です。
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