曹洞宗の仏壇の飾り方や解説!ぴったりな仏壇から仏具も説明

公開日 : 2020/12/16

更新日 : 2020/12/16

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曹洞宗は禅宗の1つで信者の数も多い宗派です。今回、曹洞宗の仏壇の飾り方やふさわしい仏壇などについて解説してまいります。併せて設置方法や必要な仏具もご紹介しますので曹洞宗の方で仏壇の購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。

公開日 : 2020/12/16

更新日 : 2020/12/16

目次

曹洞宗にふさわしい仏壇を

仏壇には各宗派に合った仏壇や必要な仏具などがあります。今回、曹洞宗の方にはぜひ知っておいていただきたい曹洞宗にふさわしい仏壇や仏具、飾り方などをご説明してまいります。購入をお考えの方はぜひ参考にしてください。

仏壇とは?

曹洞宗では仏壇の中は仏様がいる世界である須弥山(しゅみせん)を表したものとし、中心にご本尊をまつるための家庭の中にあるお寺と考えています。そのため、仏壇の持つ目的はその信仰の対象であるご本尊の仏像や掛け軸を祀ることとしています。

 

現代では仏壇を設置することは自分の宗派の信仰という意味に加え、ご先祖に手を合わせて日常の出来事を報告するという心のよりどころとしての役目も果たしています。そのため仏壇はご先祖を祀る家の中の小さなお寺、ご本尊や先祖の家としてとらえられています。

曹洞宗の仏壇はどれ?

仏壇には黒檀や紫檀の木目を生かした唐木仏壇、仏壇の内部に金箔を施した金仏壇、インテリア性が高いモダン仏壇の3種類があります。これらのうち金仏壇は曹洞宗ではあまり選ばれることがなく、伝統的な唐木仏壇かモダン仏壇を使用するのが一般的とされています。

 

置き方によっても仏壇のタイプはいろいろあります。専用の台と一体で上台と下台とセパレートタイプの台付き型仏壇、タンスや棚の上に据え付けるタイプの上置き型仏壇、写真のフレームのように壁に掛ける壁掛け型仏壇などがあります。

 

曹洞宗では特にこの仏壇が良いという指定や決まりはありません。それぞれの家庭で仏壇を設置するスペースに合う大きさのものを選んだり、部屋の雰囲気やお手持ちの家具に合わせるなど自由に選びましょう。

曹洞宗の仏壇を飾る際に必要なものとは

仏壇を飾る際には必要となるものがいくつかあります。曹洞宗の仏壇を飾るのに必要な仏具などについてご説明します。

必ず揃えるべきもの

曹洞宗の仏壇を飾る際になくてはならない必須の仏具についてご紹介します。揃えるべき仏具は仏壇のサイズにもよりますが最低限これらだけは揃えるようにしましょう。

ご本尊

仏壇とはその宗派の信仰の対象であるご本尊の仏像や掛け軸を祀るためのものとされているのでまずはご本尊は各宗派においても必須のものです。

 

ご本尊は曹洞宗では厳格な決まりはありませんが一般的には釈迦牟尼仏とされています。ただし各寺の由緒によっても異なり、阿弥陀如来や観世音菩薩、地蔵菩薩である場合もあるので購入の前に菩提寺に確認しておくことをおすすめします。

 

ご本尊には仏像を据えるのが一般的ですが、釈迦牟尼仏釈迦の描かれた掛け軸を用いることもあります。仏像は木彫りや鋳造物が一般的です。ご本尊は仏壇の最上段の中央に配します。大きさは仏壇のサイズに合わせて選びましょう。

 

脇侍

脇侍(わきじ)とは仏像や掛け軸ご本尊の両脇に控えご本尊をサポートする役目の仏のことです。曹洞宗における脇侍は中国から教えを日本に持ち込んだ道元禅師と日本中に広めた瑩山禅師です。ご本尊の向かって右に道元禅師、左に瑩山禅師の掛け軸を祀ります。

 

 

また、道元禅師は承陽大師、瑩山禅師は常済大師とも呼ばれています。曹洞宗においては脇侍をどうしても祀らなくてはならないという厳格な決まりがないのでご本尊だけをお祀りしても構いません。

位牌

位牌とは亡くなった方の象徴となるもので、戒名、没年月日、生前の名前である俗名が書かれています。位牌もお祀りする際に必要なものです。

 

位牌はご本尊の左右に設置するか、もしくはご本尊が隠れないようご本尊の一段下の右側に設置します。古い位牌は向かって右に、新しいものは左に置きます。位牌が増えて仏壇が狭くなってしまったら「合同牌」としてまとめることができます。

 

曹洞宗では特に位牌の種類に決まりはありません。位牌には漆塗りに金粉等で飾った塗位牌、黒檀や紫檀を用いた唐木位牌などがあり自由に選べます。ただし位牌の方がご本尊よりも高くならないサイズにしましょう。悩んだら菩提寺にお尋ねになるのも良いでしょう。

三具足

基本の仏具と言えば三具足(みつぐそく-さんぐそく)と呼ばれる仏具です。仏前に花を供える花瓶の花立(はなたて)、ロウソク立てである火立(ひたて)、炊いた線香を建てるための道具である香炉の3種類です。

 

これら三具足はどのような宗派においても必須の仏具とされているので必ず揃えましょう。三具足は位牌の段よりさらに一つ下の段に並べます。中央には香炉を置き、向かって右側には火立、左側には花立を配置します。

 

 

 

五具足

五具足とは三具足に灯立と花立を一つずつプラスした合計5点のことを言います。飾り方はご本尊や位牌よりも低い段の中央に香炉を置いてその両脇に火立てを置き、さらにその両サイドに花立を配します。

 

五具足は三具足よりもより丁寧な飾り方とされていますが仏壇のサイズによっては五具足にすると置ききれない場合もあります。その際は三具足でもいっこうに構いません。

その他に揃えたいもの

ご本尊、脇侍、位牌、三具足、五具足の他に仏壇のスペースに余裕があれば揃えていただきたい仏具をご紹介します。大きめの仏壇をお持ちのお宅は購入を検討されてみてはいかがでしょうか。

仏飯器-茶湯器

炊いたご飯を入れて仏壇にお供えするための器を仏飯器(ぶっぱんき)といいます。またお茶や水を供えるために使う器を茶湯器(ちゃとうき・さとうき)といいます。五具足に仏飯器と茶湯器を加えたものを七具足と呼びます。これらは中段の中央にお供えします。

 

線香の香り、花、灯明、水、ご飯や果物、菓子など食べ物の5つは基本のお供えでこの供養のことを「五供(ごくう)」といいます。ご本尊やご先祖、故人がこの世にいるかのようにお供えするための大切なものです。仏飯器や茶湯器は飲食をお供えするための仏具です。

高坏

高杯(たかつき)は高月とも書きます。これはお菓子や果物を盛ってお供えするための器で、お皿に一本脚がついたような形状のものです。故人の好物をお供えするときにも用います。お供えした物はおさがりを分け合っていただくことが良いとされています。

 

高杯の脚が高いのは仏様を敬う心を表したものとされています。高杯の置き場所は茶湯器の左右か仏飯器や茶湯器より下段に置くのが一般的です。素材は木製で漆塗りが施されたものや、金箔を施したものなどさまざまな種類があります。

リンとリン棒

リンはおりんとも呼ばれ、お椀のような形状の音を出す仏具で、リン棒はそのリンを鳴らすための棒です。リンの澄んだ音色は現世の人々の邪念を払ってくれ、極楽浄土の仏まで祈りや供養を届けてくれるとされています。

 

リンはサイズもさまざまで大きいほど低く伸びる音がします。また素材によっても音色は変わります。リンは一般的には仏壇に直接置かないでリン台にのせておきます。またリン台とリンの間にリン布団という小型の座布団を敷くのでリンと一緒に揃えるのもおすすめです。

線香差し-マッチ消し

線香差しは名前からもわかるように線香を差しておくもので、ここから線香を取り出して供えます。プラスティック製や真鍮製、銅製、木製や九谷焼のもの、無地や蓮の花の柄が入ったものなどでありバラエティに富んでいます。

 

マッチで線香に火を着けたら使い終わったマッチの軸は香炉の中に入れずにマッチ消しに入れるのが基本とされています。こちらも鉄製や真鍮製などさまざまな種類があります。

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揃えるとより本格的になるもの

ご紹介してまいりました物の他にも仏具はあります。さらに本格的な仏壇の飾り方をされたい方におすすめの仏具をご紹介いたします。

過去帳-見台

過去帳とは故人の生前の名前の俗名、死後の名前の戒名、亡くなった年月日の没年月日、亡くなった年齢の享年など故人の情報を書き記した系譜帳です。過去帳には先祖の情報も記されているので過去帳を見れば法要の予定を立てやすく便利です。

 

見台とは過去帳を広げておくための台です。過去帳は普段、仏壇上に直接のせたり引き出しなどに保管しておきますが、故人の月命日などには見台に載せて飾るのが一般的です。

灯篭-瓔珞

灯篭(とうろう)や瓔珞(ようらく)は、ご本尊を荘厳するため、つまりは美しく厳かに飾るために用いるもので、どちらも仏壇の上部に対で吊るします。灯篭は豆電球かLEDで仏壇を明るく照らします。瓔珞は金色に輝く塔状の飾りもので仏壇を華やかにしてくれます。

木魚

木魚はお寺でよく目にすることが多いと思いますが主に禅宗のお寺で読経の際に叩いて使います。形状は丸く、音が響くように中が空洞になっています。木魚と木魚を叩くための木魚撥、木魚の下に敷く丸フトンがセットです。

 

使われる材質は楠、桑、栓、欅などです。サイズもいろいろありますが、家庭用の木魚は約15cmのものが一般的です。

仏膳椀

仏膳椀は供養膳、霊供膳とも言い、霊前にお供えする精進料理のお膳のことを言います。仏膳椀は毎日のお参りに使うものではなく、お盆や祥月命日、法要など特別な日のおそなえとして使います。

 

お椀は合計5つあり、ご飯、みそ汁、煮物、あえ物、漬物などを盛りつけます。仏膳椀はお手入れも簡単なプラスティック製や、高級感たあ幼木製や漆器製のものもあります。プラスティックのものならお値段もお手頃です。

経机

経机(きょうづくえ)とは、高さ20~30cmほどの仏壇の一番前に置く小さな机です。本来は経本を読むときのためのものですが、線香差しや香炉、マッチ消し、リンや過去帳などお参りのための仏具をのせる台としても使います。

 

引き出しが付いており、ロウソクなどのストックや数珠を入れておくこともでき収納のための机として便利なものです。また経机を使うと仏壇の中にスペースが生まれます。

曹洞宗の仏壇の飾り方は?

次に曹洞宗における仏壇の飾り方をご紹介します。例に挙げる飾り方は一般的な4段仏壇での飾り方でご説明してまいります。

1段目

仏壇の中心はご本尊にあるという考えから、最上段の真ん中にご本尊である釈迦牟尼仏を安置します。ご本尊は一般的には木彫りや鋳造の像ですが、釈迦牟尼仏の描かれた掛け軸や絵画、書もご本尊として祀られることもあります。

 

ご本尊の両脇には脇侍を配しますが、ご本尊の右側には道元禅師、左側に瑩山禅師の掛け軸を祀ります。その際ご本尊よりも脇侍が高くならないように気をつけたり、サイズがご本尊より大きくならないよう気を配りましょう。

 

一般的に位牌は2段目に祀りますが、ご本尊の左右に祀る場合もあります。その際はご本尊の左右に置きます。また古い位牌は右側に、新しい位牌は左側に祀ります。親類、縁者の位牌がある場合もこの順番でお祀りします。

2段目

ご本尊やご先祖に飲食をお供えするための仏飯器や茶湯器を2段目の中央に置きます。茶湯器が2つある場合は中央に仏飯機を配します。2段目に位牌を祀る場合は向かって右側に設置します。位牌でご本尊を隠すことがないように注意しましょう。

 

果物やお菓子などをのせた高杯は仏飯器と茶湯器の両サイドに配します。過去帳は毎日めくって見るので仏飯器と茶湯器の後ろの見やすいところに見台にのせて置いておきましょう。

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3段目

3段めにはご紹介した三具足を飾ります。向かって左側から花立て、香炉、火立の順になるよう香炉を中心として配置します。五具足にする場合、火立を香炉の左右に設置し、さらにその左右には花立を設置します。

 

香炉には表と裏があるので注意しましょう。香炉の足が3本の場合には、1本の足が手前に来るように置きます。

 

4段目

4段目には毎日のお参りのためのリン、リン棒、線香差しやマッチ消し、教本、数珠などの仏具を置きます。使いやすいようにリンは右側に、線香差しなどは中央に置きます。木魚がある場合にはリンを左、右側に木魚を置きます。

曹洞宗の仏壇の向きは?

仏壇を設置する際に適した方角があります。曹洞宗では仏壇を南に向けて設置するのが良いと言われています。これはお釈迦様が説法の際に南を向きに座っていたと言われているためです。仏壇を購入したらできれば南向きに置くと良いでしょう。

曹洞宗のおまいりの仕方

ご本尊-ご先祖へのおまいりは朝から始まります。洗面を終えたら朝食の前に仏壇にご飯や水、お茶などをお供えします。この時、供えているお花の水を替えることも忘れないようにしましょう。

 

おまいりはまず姿勢を正しご本尊を仰ぎ見、呼吸を整え心を穏やかにします。これは曹洞宗の修行の根幹である座禅にも通じる作法なので大切にしましょう。

 

次にロウソクに火を灯し線香に火をつけ供えます。線香は1本でかまいません。そしてリンを3回鳴らし合掌し一礼します。合掌のまま「南無釈迦牟尼仏」か「南無帰依仏、南無帰依法、南無帰依僧」と唱えます。終わったらリンを3回鳴らしたのち合掌したまま一礼します。

仏壇に手を合わせて心を豊かに

仏壇は亡き人とをつないでくれる架け橋のような役割もあります。どうぞ嬉しいときや哀しいときにも手を合わせてご先祖やご本尊に報告して心を豊かにお過ごしください。