神棚の扉は開けっ放し・閉じる・半開き、どれが正解?|正しい祀り方

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/5/22

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家庭や職場に飾られていることの多い神棚ですが、そこについている宮形の扉は、普段開けっ放しでもいいのか?それとも閉めておくべきなのか?半開きでもいいのか?という正しい知識をご存知でしょうか。今回は理由や祀り方も合わせて、こちらの疑問について解説していきます。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/5/22

目次

神棚を飾る意味とは

そもそも神棚とはどのような用途で用いられているものなのでしょうか?こちらでは最低限の知識を身に着けておくために、神棚の役割や歴史について分かりやすく解説します。

神棚の役割

神棚の役割は、神社でいただいたお札を納めるための場所です。正確に言うと、神社でいただいてきた大切なお札を、家の中で大切にお祀りするために設けられています。他にも神道の神を祀るための祭壇としての役割を果たします。

 

お米・お水・お酒・塩・榊などといったものを供えることで、日々の健康や安全を祈り、身近な場所で自分たちを守ってくださっている神様に対して、感謝の意を伝えることができます。

 

また、新年を迎える際には、大晦日が終わる前にしめ縄・門松・鏡餅をお供えし、古くなったものは新しいものに変えてから新年を迎えます。

神棚の歴史

神道は日本古来の宗教であり、江戸時代中期以降に神棚が家庭に設置されるようになりました。ある時、伊勢神宮の御師がお札を参拝する人たちに配布したことがきっかけとなり、家庭内でも伊勢神宮のお札を祀れるようにと神棚が一般家庭に広まる形となりました。

 

このように当時は伊勢神宮のお札を祀るためだけの神棚でしたが、現在では近所でいただいたお札も祀るなど、とても一般化しています。ほとんどの家庭がこのような用途で神棚を設置しています。

神棚の扉は開けっ放し?閉めるべき?半開きはOK?

ここでは、実際のところ神棚の扉は開けっ放しにしておくのか・閉めておくべきなのか・半開きがちょうどいいのか、という疑問に対して一般的な回答を述べていきます。ぜひ参考にしてみてください。

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普段は閉じ、特別な日に開ける

結論から言うと、開けても閉じても半開きでも問題ありません。「問題がない」というだけで、もちろん正しい作法はあります。普段は神棚の扉を閉じておき、お正月などの特別な日には開けるというのが一般的です。また、地域によっては、閉じている間も少しだけ開けておく半開きの状態にしておく祀り方もあります。

 

具体的にこの扉を開けるべき時期としては、正月の三が日や慶事、お参りする際などがあります。また、お札を交換する際にももちろんこの神棚の扉を開ける必要があります。

 

毎月1日・15日には神棚を清掃するために開けておくというご家庭も多いようです。年末には神棚を掃除し、御神札を変えますが12月29日と31日は避けた方がよいといわれています。

閉じておく理由

普段神棚の扉を閉めておくべき理由は、神道は神様に対してあまりにも尊く恐れ多いという考えを持っているためです。神棚は小さな神社であるとも言えます。そこにいる尊い神様を直接拝むことは失礼なのでは、という風習があります。

 

つまり、神棚の御扉を閉めることは神様への尊敬による配慮であり、普段は隠しておくべき存在として認識されているのです。

 

仏教は面と向かってお会いすることで恩恵を受けますが、神道ではこのように尊敬の念をこめることでその恩恵を受けることができます。

地域によって違いもある

ただし、こういった一般的な風習はあるものの、実際のところは地域や家庭によって異なる場合もあります。環境によって見識が変わってくるため、住んでいる地域で違った慣習がある場合はそれに従いましょう。もしくは、ご家庭で長く行われている慣習で祀るようにしましょう。

神棚の正しい祀り方

扉の開け閉めについては先述したとおりですが、そのほか普段の祀り方や、特別な日の祀り方も知っておくと良いでしょう。

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神棚を置く場所は?

神棚を置く配置としては、目線より高い場所が好ましいです。家族が拝みやすいリビングや、和室にも合います。注意点としては、トイレ・ドアの上などは避けましょう。また、仏壇と向かい合わせになる場所は参拝時にどちらかにお尻を向けてしまい、失礼にあたります。

神棚の扉の数による祀り方の違い

神棚の扉には大きく分けて2種類があり、1つが「一社造り」もう1つが「三社造り」です。この造りによって祀り方が異なります。

一社造り

一社造りの御扉の場合は、神棚に祀るお札を重ねて置きます。この際お札が来る順番としては、手前から「神宮大麻(じんぐうたいま)→氏神様(うじがみさま)のお神札→崇敬神社(すうけいじんじゃ)のお神札」というように祀ります。

 

三重県伊勢市にある伊勢神宮では「天照大御神様」をお祀りしています。天照大御神様は日本人の総氏神様であり、神宮のお神札を「神宮大麻」と呼んでいます。氏神様は土地やそこに住む人々をお守りくださる神様のことで、古くは氏性が同じ一族に縁の深い神様を氏神様と呼び、氏神様を祀る神社のお神札を「氏神大麻」といいます。

 

崇敬神社のお守りは何枚あっても大丈夫なので、重ねて置いたり、横に立てかけて置いたりしましょう。

三社造り

三社造りは、中央の扉に「神宮大麻」向かって右側に「氏神様」左に「崇敬神社」という風に置いてお祀りします。こちらも崇敬神社のお札は何枚あっても大丈夫なので、同じく左の扉に重ねておいたり、横に立てかけて置いたりすると良いでしょう。

神具の設置について

神棚の中に入れるものとして、水玉(1個)・皿(2枚)・榊立て(1対)・瓶子(1対)・神鏡(1個)を揃えるのが一般的です。特にこの神鏡が重要で、神棚の前に設置します。

 

古くから鏡は神様と縁が深いものであり、神そのものや神が居座る場所として扱われています。そのため、「神様への目印」「自分を見つめるもの」「心を清めて神に相対する」という意味を込めて祀ります。定期的に掃除することでより丁寧になります。

 

他にも、丁寧にお供えするために八足台や三宝に神具を乗せてお供えする場合もあります。真榊(まさかき)・かがり火・灯篭(とうろう)などを設置するとより丁寧になりますので、こちらも試してみると良いでしょう。

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お供え物について

お供え物については、榊立て(榊を入れる)・瓶子(お神酒を入れる)・水玉(お水を入れる)・皿(左にお米、右にお塩を入れる)を用意します。水・米・塩・お神酒は毎日新しいものに取り換えましょう。
 
 
榊は毎月の1日・15日に新しいものに取り換えるのが一般的とされています。お正月などの時には、お酒や初物(海、山の幸)なども供えることでより丁寧になります。
 

作法について

神棚はご家庭に神社があるのと同じです。神棚に拝する際の作法も神社での参拝と同じく、「二拝二拍手一拝」が基本の作法です。地域によっては「二礼二拍手一礼」とも言われます。

 

具体的な作法としては、まず神棚に拝する前に手や口を清め、姿勢を正します。次に、神棚に深いお辞儀を2回行います。続けて、柏手を2回打ちます。最後に、神様に感謝したあと、深いお辞儀を1回します。

神棚の扉も含め、丁寧に祀りましょう

神棚の祀り方や扉の開け閉めについては一般的に定義されてはいますが、やはり地域・環境・家庭によりやや異なる場合が多いので、古くから行われている作法で祀るのが良いでしょう。

 

なかなか難しいところもありますが、しっかりと祀ることで神様に感謝の意を伝え、健康と安全を守ってもらえるように行いましょう。