仏壇の扉は閉じる?開ける?仏壇の扉に関する疑問にお答えします!

公開日 : 2020/5/23

更新日 : 2020/9/10

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毎日、朝夕とお参りをする仏壇ですが、仏壇の扉は開けたままで良いのでしょうか。お参りのたびに都度開け閉めするものなのでしょうか。また、法事の時は閉めるのが正しい作法という話も聞きます。今回は、仏壇の扉のいろいろな疑問について解説します!

公開日 : 2020/5/23

更新日 : 2020/9/10

目次

仏壇の扉とは?

通常、一般的な仏壇には、外側の「雨戸」という扉と内側の「障子」と呼ばれる二つの扉が存在します。もともと仏壇は、お寺の本堂を模したものです。お寺の本堂には、御本尊様を安置する神聖な場所である「内陣」とその外側の「外陣」があります。

 

この内陣と外陣の境界には巻障子があり、内陣には一般の人が入ることはできません。仏壇においても同様に障子をつけることで、仏様と私たちの間に境界を設け距離を置くことにより、仏様やご先祖様への敬意を表しています。

 

雨戸については、昔の日本家屋には障子と雨戸があったため、仏壇にも雨戸と呼ばれる外扉を設け扉を二重にすることにより、御本尊様やご先祖様が安らかに過ごせると考えらました。

仏壇の扉はいつ開ける?いつ閉じる?

仏壇の扉の開け閉めには、明確な決まりは存在しません。宗派や地域によっては、扉の開け閉めについて決まりがある場合がありますので、心配な方は菩提寺に確認させると良いでしょう。ここからは、仏壇の扉の開け閉めについて、いろいろなケースを見て行きましょう。

普段の生活

一般的に仏壇の扉は、朝起きたら開けて、夕方に閉じます。お寺や私たちの家も通常朝起きたら雨戸を開けて、夕方には雨戸を占めます。仏壇もこれと同じようにします。夜は、ご先祖様もゆっくり休んでいただけるようにするため、という考え方もあります。

 

ご家庭によっては、外出する際に扉を閉めたり、来客の際にお気遣いがないよう扉を閉じることもあるでしょう。各ご家庭で生活習慣にあった開け閉めの決まりを作ることが重要です。

お盆や法事

お盆期間、仏壇にお盆飾りをする場合は、仏壇の扉は開けたままにします。お盆にはなくなったご家族やご先祖さまの霊が帰って来られるためです。精霊棚(しょうりょうだな)を用意し、そちらに御本尊様や位牌等を安置する場合は扉を閉めても問題ありません。

 

法事の際も、親族の方が集まり、仏壇にお供えをし、手を合わせますので扉は開けたままにしておきましょう。

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お正月

お正月についてお正月飾りをし、お供え物をし、ご先祖様に手を合わせますので扉は開けたままにしておきます。お正月に仏壇の扉を閉める風習がある宗派や地域がありますが、本来仏壇はご先祖様を供養するものですので、閉めなくても良いでしょう。

葬儀

葬儀のとき、仏壇の扉を閉じておいたほうが良いという考えが少なからずあるようです。これは、死を穢れと考える神道の習わしと混同されているために行われているようです。神道では、神様に死の「穢れ」を近づけないようにするため、葬儀の前に神棚の正面に白い半紙を貼り封印します。

 

これを神棚封じと言いますが、仏壇もこの神棚封じと同様に扉をしめるという慣習が、広まってしまったと考えられます。仏教においては、死を穢れとはせず、故人が仏様のお力により成仏するという考えであるため、仏壇の扉は開けておくほうが自然です。

 

しかし、葬儀の際には何かと家の中が慌ただしくなるものです。そのような時に仏壇の扉を開けておくとご先祖様に失礼だという考え方もあるようです。ご家庭や地域の慣習により仏壇の扉を閉じる場合は、葬儀が終了したら忘れずに扉を開けましょう。

四十九日までは閉じる?

葬儀から四十九日までの間は、仏壇を閉じると考えられている方が多く、そのように遺族の方にお話する葬儀屋さんもおられるようです。これも神道の考え方によるところが大きいようですが以下のような理由もあるようです。

御本尊様・ご先祖様への敬意の表れ

四十九日までは、遺骨や位牌を安置しておくための祭壇(後飾り・中陰壇)を設けて供養を行います。この祭壇に手を合わせる時に背を向けることがあったり、祭壇の準備などで仏壇の前を横切ったりすると、御本尊様やご先祖様に失礼となりますので仏壇の扉は閉めておくという考えです。

故人の成仏のため

四十九日までは、故人が成仏するための大切な期間になります。この期間に故人のそばに仏壇があると、もう仏様のお近くにいると故人が思い、成仏ができないと言われるため、仏壇の扉を閉めておくという考えです。

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宗派による考え方の違い

仏壇の扉の開け閉めについて、各宗派によっても考え方が違います。浄土真宗・浄土宗・日蓮宗・日蓮正宗では、葬儀や四十九日までの間仏壇の扉は開けておきます。しかし真言宗・曹洞宗・臨済宗では、仏壇の扉を閉めます。

 

扉を開ける宗派は、仏壇に手を合わせることは「ご本尊様に手を合わせること」という考えが強い宗派です。扉を閉じる宗派は、葬儀や法事の慌ただしさの中、仏壇の前を横切ったり、御本尊様やご先祖様にお尻を向けることが失礼にあたるため閉じるという考え方のようです。

迷ったら菩提寺に相談しましょう

今回は、仏壇の扉について、意味や開け閉めのタイミングなどご紹介しました。

 

最近は、仏壇を置いている家庭は少なくなってきています。しかし、仏壇に手を合わせ御本尊様やご先祖様に感謝の気持ちを伝えたり、心の安寧を願ったり、命の尊さを感じたり、人が生きていく上で非常に大切なことです。

 

仏壇の扉の開け閉めには、これが正しいという明確な決まりはありません。ご家庭、地域、宗派により様々な慣習があるでしょう。大切なことは、御本尊様やご先祖様に日々手を合わせる気持ちそのものです。

 

仏壇の扉の開け閉めがわからず不安に感じる気持ちがあると、落ち着いて手を合わせることができません。迷っている方は、一度菩提寺に相談してみましょう。その上でご家庭での決まりを決めておけば、毎日安心して仏壇に手を合わせることができるでしょう。