位牌はいくらで買える?種類ごとの費用相場や選び方をご紹介
公開日 : 2020/9/12
更新日 : 2020/9/12
位牌は故人様の魂が宿るとされ、普段のお参りのよりどころとなる仏具です。長く使うものなので質の良いものを選びたいですが、かかる費用も気になるところです。位牌の種類ごとの費用相場や購入時以外にかかる費用、選ぶ際の注意点をご紹介します。
公開日 : 2020/9/12
更新日 : 2020/9/12
目次
位牌とは
位牌は故人の戒名なくても可)、没年月日、俗名、行年(享年)などを記した木製の札で、仏教では故人の魂が宿るものとして仏壇に祀ります。
ただし浄土真宗は例外で、仏壇に位牌を祭ることはありません。浄土真宗には「往生即成仏」という考えがあります。これは、亡くなると阿弥陀如来のお導きにより、魂が冥土をさまようことなくすぐに仏になり、極楽浄土へ行くという考え方です。そのため、魂のよりどころとなる位牌は不要なのです。
浄土真宗では位牌の代わりに「法名軸」や「過去帳」を見台の上に乗せて祀ります。ですが、現在では他の宗派と合わせて位牌を祭る家庭も増えています。浄土真宗の方で位牌を置くかどうか迷った場合は、菩提寺の住職に相談すると良いでしょう。
位牌には大きく分けて「白木位牌」と「本位牌」があり、白木位牌は葬儀から四十九日法要までの間に本位牌の代わりとして祭る白木の位牌です。四十九日の法要を済ませた忌上げ後に本位牌を祀ります。
白木位牌は葬儀を依頼した業者が準備してくれ、料金も葬儀費用に含まれていることがほとんどです。今回の記事では、本位牌の種類や種類ごとの相場、選び方についてご紹介します。
【種類別】位牌の価格相場
位牌(本位牌)の価格は素材や製造工程の複雑さによって決まります。希少な素材を用いている、伝統技法や細かい彫刻が施されているといった場合は高価になります。しかし、高価であればあるほど良いというわけではありません。適切な相場を知り、法外な価格の位牌を買わないように気をつけましょう。位牌の種類と、種類別の価格相場をご紹介します。
塗り位牌
塗り位牌は白木に漆を塗り重ね、金や蒔絵で装飾を施したもので、多くの宗派で用いられています。本漆で塗装したものが最も高価で、相場は4~10万円程度、高級品では30万円を超えるものもあります。
カシューナッツの殻から抽出した成分から作られた合成樹脂塗料で塗られた「カシュー塗り」ならかなり費用が抑えられ、1万円程度で購入できます。本漆と比べると品質が低いのではないかと思われるかもしれませんが、カシュー塗りは熱やアルコール、紫外線に強いというメリットがあります。好みや予算に合わせて選ぶと良いでしょう。
唐木位牌
唐木(からき)位牌は唐木仏壇にも使われる高級木材から作られた位牌で、曹洞宗や臨済宗といった禅宗で好んで用いられる傾向にあります。木目が美しく重量感があり、耐久性に優れているのが特長です。
唐木位牌の代表としてあげられるのは「黒檀」で、黒くつややかな木肌に木目が浮き出した様は「木のダイヤモンド」とも呼ばれています。他にも赤茶がかった「紫檀」や深い焦げ茶色の「鉄刀木(たがやさん)」など、様々な種類があります。
唐木位牌の価格は木材の種類や彫刻によって変わりますが、相場は2~5万円程度です。精巧な彫刻が施されているなど高級なものは塗り位牌と同じく30万円程度になります。
モダン位牌
生活の洋式化により仏間がない家庭が増えていることから、洋間にも合うシンプルな出残のモダン仏壇が選ばれることも増えています。それに合わせた位牌がダン位牌です。木材やクリスタル、金属、陶器など、好きな素材や色、デザインから自由に選ぶことができます。相場は1~10万円程度です。
回出位牌
回出(くりだし)位牌とは、10枚程度の札を位牌の中に収納できる位牌です。札の一枚一枚が位牌になっており、位牌をまとめることができます。
特に三十三回忌や五十回忌などの節目を迎えた際に、ご先祖様の位牌をまとめるために用いられることが多いです。塗り、唐木、モダンな様々な種類があり、相場は2~6万円程度です。
その他位牌に関係する費用
位牌は購入してすぐに仏壇に置けば良いというものではありません。故人様の魂が宿る場所として祀るには様々な準備が必要となり、それによって費用がかかることもあります。位牌に関わる費用と注意点をご紹介します。
文字料金
先ほどご紹介した通り、位牌には戒名や没年月日などを入れます。位牌の料金に入っている場合もありますが、別料金のこともあります。文字を書くか彫るか、何文字入れるか、夫婦連名かどうかなど、様々な要因で費用が変わります。購入店に良く確認しましょう。
文字入れを依頼してから仕上がるまでに1~2週間程度かかります。四十九日の法要の際に合わせて本位牌にする場合は、間に合うように早めに依頼しておきましょう。
魂入れのお布施
本位牌を仏壇に祀る際には、まず白木位牌から魂を抜き、本位牌に魂を入れる儀式をおこないます。このように位牌や仏壇、募石に魂を入れる儀式を「魂入れ」といいます。開眼供養、性根入れと呼ばれることもあります。
魂入れでは菩提寺の住職を呼んでお経を上げてもらうため、お布施が必要です。相場ははっきり決まっていませんが、5000円程度と考えておくと良いでしょう。
位牌を選ぶ際のポイント
最後に、位牌を選ぶ際のポイントをお話します。素材やデザインだけではなく、大きさや価格にも考えて選ぶようにしましょう。また、位牌を安く購入するコツも併せてご説明します。
位牌の大きさに注意
位牌を選ぶ際には、大きさにも注意しましょう。位牌の大きさは「寸」で表され、4~4.5寸のものが一般的です。しかし、この寸法は位牌の札の高さであり、台座などは含まれていませんので気をつけましょう。
先祖位牌がある場合は、個人位牌はそれより小さめのものを選びます。ただし、大きな功績を残した人の場合は、大きい位牌を祀ることもあります。また、仏壇のサイズにあった位牌を選ぶことも大切です。基本的に位牌は仏壇の上から2段目に置きますので、そこの高さを計って適切なサイズを選ぶようにしましょう。
安過ぎる位牌はNG
先ほどご紹介した通り、位牌の価格は素材や製造工程によって変わります。あまりにも安過ぎる位牌は素材が粗悪だったり、イミテーションの金を使っていたり、彫刻が粗雑だったりと何らかの粗があることがあります。位牌は故人様の魂が宿る場所として長く大切に使うものです。明確な理由もなく安過ぎる位牌は避けた方が良いでしょう。
【安く抑える方法】オンラインショップで購入する
安過ぎる位牌は良くないとはいっても、やはりある程度は費用を抑えたいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。位牌を安く手に入れたい場合は、オンラインショップで位牌を探してみるのも一つの手です。
オンラインショップは実店舗がない分、運営費を安く抑えることができるため、同質のものでも安く販売できるという強みがあります。手にとって選べないためサイズや材質、注意事項などの情報はしっかり調べるようにしましょう。
【安く抑える方法】外国産のものを購入する
価格重視で位牌を手に入れるなら、外国産のものを選ぶのも良いでしょう。現代では中国、ベトナム、インドネシアなどの外国産の位牌が増えています。昔は粗悪品も多かったのですが、現在では日本人スタッフが製造過程を管理していることもあり、国産と比べても遜色がないほど質が良くなっています。
「日本産だから良い、外国産だから良くない」と決め付けず、価格と品質がつりあったものを選ぶようにしましょう。
位牌の相場についてまとめ
位牌は材質や彫刻、製造工程の複雑さなどでかなり価格に開きが出ます。高ければ良いというわけでもありませんが、安過ぎる位牌には何らかの問題があるかもしれません。素材ごとの相場を把握し、品質と価格のバランスが取れた位牌を選ぶようにしましょう。
位牌は故人様やご先祖様の魂が宿る場所であり、お参りのよりどころとなるものです。仏壇に合った位牌を選び、故人様やご先祖様への敬意を表すとともに、毎日のお参りをより良いものにしましょう。
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