数珠は宗派によって形が違う!どんな種類があるのか詳しく解説

公開日 : 2020/9/6

更新日 : 2020/9/10

数珠は宗派によって形が違う!どんな種類があるのか詳しく解説のサムネイル画像

葬式や法事で使う数珠は仏具のひとつで、厄除けやお守りの役割があります。宗派によって数珠の形が異なるだけでなく持ち方も違うため、数珠の種類を知っておくことが大切です。どんな種類があるのか、葬式ではどのように使うのかをみていきましょう。

公開日 : 2020/9/6

更新日 : 2020/9/10

目次

数珠は仏具のひとつ

葬式や法事の際に使われることが多い数珠ですが、数珠を持つ意味やどんな種類があるのかご存知でしょうか。発祥はインドだといわれており、本来はお経を読む回数を数えるためのものでした。

 

現在は厄除けやお守りの役割を持ち、人間の持つ煩悩を引き受けてくれる効果もあります。どんな種類があるのかや、葬式のどのようなタイミングで使うのかを詳しくみていきましょう。

 

数珠の構成

数珠の玉には名前がついていて、それぞれに意味があります。玉の名称や意味についてご紹介します。また、数珠の房の種類もみていきましょう。

数珠玉について

数珠は、主玉・親玉・四天玉・弟子玉・露玉・浄明玉により構成されています。主玉とは108の玉のことで、表しているのは百八尊や百八煩悩。親玉は房がついている数珠の中心部の玉です。

 

釈迦如来や阿弥陀如来を表します。四天玉は主玉と主玉の間にある4つの玉のことを指し、弟子玉は房部分についている20個の玉のことをいいます。それぞれ表しているのは、四天王・四菩薩、十大弟子と十波羅密・十大弟子と 十菩薩四天王です。

 

露玉は弟子玉の下側についていて、露の形をしています。浄明玉は房の一番上についているものです。玉同士を結んでいる紐は、中通しの紐と呼ばれます。

数珠の房について

数珠の房にも種類がありますが、宗派によって明確な決まりがあるわけではありません。種類は、切り房・梵天房・頭付房・紐房の4種類。好みのものを選びましょう。ただし、房の形が決まっている宗派も存在するため、確認が必要です。

数珠の種類

数珠は本式数珠と略式数珠にわけられます。本式数珠はさらに宗派によって細かくわけられているので、自身の宗派に合わせて数珠を用意しなくてはなりません。どんな種類があるのかご紹介します。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

本式数珠

本式数珠は宗派によって作りが違う数珠のことを指し、玉の数は108あります。108は人間の煩悩の数を表すとされています。主な宗派として挙げられるのは、天台宗・浄土宗・真言宗・浄土真宗・日蓮宗・曹洞宗・臨済宗。それぞれの数珠の特徴をみていきましょう。

天台宗

天台宗は最澄を宗祖に持つ宗派で、人だけでなく動物や草木も成仏できると説いています。数珠は扁平な平玉が特徴的。主玉は108個・親玉1個・四天玉4個で構成されています。持ち方は、房を下にして人差し指と中指の間に数珠をかけ合掌する形です。

浄土宗

浄土宗の宗祖は法然で、念仏を唱えることで極楽往生できると説いています。数珠は、2つの輪を1つにつないだ形状です。僧侶が儀式で使うものは108個の水晶の玉で作られており、荘厳数珠と呼ばれます。

 

合掌した手の親指に数珠をかけて、房を下に垂らすように持ちます。

真言宗

真言宗は空海を宗祖とし、修行を積めば即身成仏が可能だと説く宗派です。真言宗では数珠を大切にしていて、主玉は108個・親玉2個・四天玉4個に梵天房をプラスした形をしています。

 

両手の中指に数珠をかけて合掌し、房は自然に垂らすように持ちます。

浄土真宗

浄土真宗の宗祖は親鸞で、信じて念仏を唱えれば極楽往生できると説きます。本願寺派と大谷派にわかれていて、同じ宗派でも数珠の持ち方が異なるのが特徴です。主玉108個・親玉2個・四天玉4個で構成されており、長い数珠を二重にして使います。

 

本願寺派は二重にした数珠を合掌した手にかけて房を下に垂らす一方、大谷派は二重にした数珠を親指と人差し指の間にかけて房は左側に垂らします。

日蓮宗

日蓮宗は日蓮を宗祖とし、南無妙法蓮華経を唱えればすべての人は成仏できると説きます。数珠の玉一つひとつに意味があるとする珠数曼陀羅を説き、一連の玉数に41個の下がり玉がついた菊房が一般的。

 

持ち方は数珠の輪を8の字にひねって中指にかけ、右手に2本の房、左手に3本の房がくるように持って合掌します。

曹洞宗・臨済宗

曹洞宗の宗祖は道元、臨済宗の宗祖は栄西でどちらも人の心と仏の心がひとつであると説いています。禅宗系と呼ばれており、念仏を唱えずに座禅を重んじるのが特徴です。主玉が108個なのは同じですが、曹洞宗の数珠には金属の輪がついています。

 

数珠を二連にしてかけて、房を下に垂らすように右手を合わせるのが持ち方です。

略式数珠

略式数珠は、宗派を問わずに使うことができます。本式数珠よりも寸法が小さいのが特徴で寸法が小さい分、玉自体は大きいです。片手数珠と呼ばれることもあり、玉の数は108の半分の54・3/1の36・4/1の27・6/1の18などがあります。

男女の数珠の違い

数珠は本式数珠と略式数珠にわけられますが、さらに男女で違いがあります。男性用のほうがひとつの玉が大きい特徴があり、女性用の玉は直径7~8ミリが主流です。混同して使うことはできないので、注意しましょう。

数珠に使われる主な素材

かつては木の実が使われていましたが、現在数珠に使われる素材はさまざまです。紫檀や黒檀などを使用した木製のもの、水晶や翡翠を使った天然石のものなどがあります。ほかに真珠や珊瑚、象牙を使用した高級品まで。

 

新しい天然石や、今まで使われることのなかった素材を利用した数珠はたくさん登場しています。どんな素材の数珠を選ぶかは人それぞれです。

数珠の葬式での使い方

葬式で使うことの多い数珠ですが、どんなタイミングで使うのでしょうか。具体的なタイミングや、合掌・お焼香の間の持ち方をご紹介します。マナーを守って葬式に臨みましょう。

数珠を使うタイミング

数珠を使うタイミングは、お経を唱えているときや仏様に礼拝するときなどです。使わない間は房を下にした状態で、左手で持ちます。席を離れる場合は椅子の上に置きっぱなしにせず、バッグやポケットの中にしまいましょう。

 

持って行けないときは、椅子の上にハンカチを敷いてから数珠を置けば問題ありません。仏式のお葬式では必需品の数珠ですが、神式やキリスト教式のお葬式には持って行かないよう気を付けてください。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

合掌

合掌の間の一般的な持ち方は、左手に数珠を持って右手を左手に添える方法です。両手に数珠をかけて、手を合わせる方法もあります。ただし宗派によって持ち方が異なるため、決まった宗派の葬式に参列する場合は注意が必要です。

お焼香

お焼香の際は数珠を左手に持った状態で、遺族に向かって一礼します。焼香台の前へ進んだら本尊・遺影・位牌に合掌して、右手で香をつまんで額まで持ち上げ、香炉にくべて再び合掌。

 

合掌を終えたら数珠を左手に持ち、遺族に一礼して席へ戻ります。お焼香の回数などは宗派によって違うため、それぞれの宗派に合う回数をおこなってください。

数珠を処分する方法

古くなった数珠や壊れてしまった数珠は処分しましょう。処分方法は、お寺に納めるか自分で処分するかの2種類挙げられます。それぞれの方法についてご紹介します。

お寺に納める

基本的には、自分の宗派のお寺に納めることが多いです。特定の宗派に属していない場合は、付き合いがあるお寺に納めるとよいでしょう。数珠には念が込められているため、可能ならばお寺に納める選択肢をとることをおすすめします。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

自分で処分

お寺に行く時間が取れない場合は、自分で処分をおこないます。数珠の素材にもよりますが、木製など燃えるものであればお経を唱えた後にお清めの塩を振り、庭で燃やしてください。

 

天然石など燃えない素材のものは、お経を唱えてお清めの塩を振った後にゴミへ出します。そのまま捨てるのではなく、紙袋などに入れるとよいでしょう。

数珠は種類が豊富

数珠には正式数珠と略式数珠があるので、特定の宗派に属していれば正式数珠、特定の宗派に属していなければ略式数珠を選びましょう。房の種類や素材にも違いがあるので、自分好みの素敵な数珠をみつけてくださいね。