仏飯器とは?その意味や読み方、置き方や盛り方を解説します

公開日 : 2020/8/19

更新日 : 2020/9/9

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仏飯器と聞いてそれが何なのかすぐわかる人はあまりいないと思いますが、仏壇で使う重要な仏具なのです。仏飯器は故人を供養するのに必須の仏具で、知っておくべきことが色々とあります。この記事を読んで使い方をしっかり押さえておきましょう。

公開日 : 2020/8/19

更新日 : 2020/9/9

目次

仏飯器って何?

仏飯器の読み方は「ぶっぱんき」と読みます。その名前を聞いても何に使う物なのかわかる人は少ないかもしれませんね。この記事では仏飯器の意味や使い方について解説します。

仏飯器は仏様にご飯をお供えする器

仏飯器とは仏様にお供えするご飯を盛る器のことです。毎日、炊いたご飯をこれに盛って、仏壇の前にお供えして食べて頂きます。もちろん仏様が本当にご飯を食べるわけではありませんが、故人を供養するためにご飯をお供えするのです。

 

仏飯器はお茶碗とは全く違う形状をしていて、丸みを帯びた小さな器に高い脚がついています。脚が高いのは仏さまを敬う心の現れと言われています。またサイズはお茶碗よりずっと小さくなっています。なお真宗大谷派では仏飯器を仏器(ぶっき)と呼びます。

仏飯器以外の飲食供養具

仏様には仏飯器で米のご飯だけをお供えするのではなく、お茶やお水、お菓子もお供えします。お茶かお水を入れるのは茶湯器で、ち ゃ とう き、もしくはさ とう きと読みます。形は湯飲みをそのまま小さくした感じですが、様々なデザインがあります。

 

ただし浄土真宗では仏壇には華瓶(け びょう)をお供えするので茶湯器は使用しません。華瓶には水を入れて、樒(しきみ)か香木を指して香水として使用します。華瓶は金銅・真鍮製で、左右一対で二つ配置します。

 

それ以外にはお菓子を盛る高坏(たか つき)もあります。これも仏飯器のように脚が長い器です。そしてこれらの器は仏器台(ぶっ き だい)に乗せてお供えします。なお浄土真宗本願寺派では供飯台と呼びます。

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飲食供養について

仏飯器などで仏様に食べ物をお供えをする風習は飲食供養(おん じき く よう)と言われます。他には香供養、花供養、灯供養などがあります。飲食供養の道具には上で紹介したもの以外にも、餅や菓子を備える供笥(くげ)、色々な物を供える段盛(だんもり)があります。

 

飲食供養でお供えする食べ物と器は華足(け そく)と総称されます。初七日から四十九日の間や、命日・お彼岸には、4つの椀と高坏、箸を仏前に並べる御霊供膳(お れい ぐ ぜん)をお供えするのが通例です。

 

お彼岸にお供えするおはぎも飲食供養の一つです。おはぎの材料の小豆は邪気を払う効果があるとされるので、使用されます。

仏飯器の使い方は?

仏飯器がどのようなものかわかってきましたが、では使い方はどのようにすればよいのでしょうか。

仏飯器の置き方

仏飯器は仏壇に置くものです。宗派にもよるのですが、基本的に仏壇は中央最上段にご本尊、その両脇に宗祖名号が書かれた掛け軸を飾ります。その下の段に位牌を配置し、仏飯器などはさらにその下の段に置きます。

 

仏壇下段の中央に仏器台を置き、その上に仏飯器、茶湯器を置くのです。その左右には高坏を配置しましょう。なお仏飯は位牌でなくご本尊にお供えするものであることを押さえておいてください。

 

大型の仏壇の場合は両側の掛け軸の前にも仏飯をお供えします。なお仏壇の中でなく、その前に卓を置いてその上に仏飯をお供えしても構いません。

仏飯器の盛り方

仏飯器の盛り方は宗派によって違いがあります。浄土真宗本願寺派では盛糟(もっ そう)と呼ばれる道具を使い、蓮のツボミのような形にご飯を盛ります。真宗大谷派でも盛糟を使用し、円筒形に盛るのが正しい作法とされます。

 

なお仏飯器にご飯を盛る道具やしゃもじは、水に濡らしておくと綺麗に盛ることが出来ます。

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仏飯器をお供えする時と下げる時

仏飯器をお供えする時と下げる時のタイミングはいつが良いのでしょうか。仏飯は毎朝、ご飯を炊いたらすぐにお供えしましょう。そしてお供えは午前中の間に下げるようにします。その後はおさがりとして家族で頂きましょう。

 

仏飯は仏様に召し上がって頂くだけのものではなく、日々食事をできることの感謝の気持ちを仏様に示す意味もあります。そのためずっとお供えしたままにして腐らせてしまうのは、供養にはなりません。

 

もし用事があってお昼前にお供えを下げることが出来ない場合は、お供えしてからすぐに下げてしまってもかまいません。特に気温の高い夏は毎日そうしても良いでしょう。

 

 

仏飯器にはどんな種類があるの?

仏飯器の使い方がわかりましたが、では仏飯器にはどのような種類があるのでしょうか。実は様々なデザインがあるのです。

 

仏飯器のデザイン

仏飯器には様々な大きさ・形・色・素材のものがあります。木製のものや、陶器やガラスだけでなく、銅や真鍮、ステンレスといった金属製のものもあるのです。ガラス製や陶器の仏飯器は一体型ですが、木製や真鍮製はご飯を盛る部分が取り外し可能のものもあります。

 

色も豊富で、ブラウンやワインレッドの落ち着いた色から、ピンクやイエローやブルーといったカラフルなものもあります。ガラス製でもクリアタイプや曇りガラスといったバリエーションが色々とあります。

 

仏壇自体にモダンなデザインの物が出て来ていて、それに合わせて仏飯器もおしゃれな物が増えてきているのです。また仏飯器は脚が高いものが普通ですが、短いものも出て来ています。小さな仏壇にはミニサイズが合うでしょう。

仏飯器の宗紋

仏飯器には宗派の紋を入れる場合があります。それを見れば自分の宗派がわかります。また間違った宗派の紋が入っていてはならないので、仏飯器を買う時にはよく確認しましょう。これから主な宗派の紋について説明します。

 

浄土真宗・本願寺派の宗紋は、藤の花をデザインした下り藤です。五七の桐という宗紋を使用する場合もあります。真宗・大谷派の宗紋は抱き牡丹と八つ藤紋の拝の2種類です。日蓮宗の宗紋は井桁に橘です。これは日蓮聖人の出自の井伊家の家紋と同じになっています。

仏飯器についての疑問

仏飯器について基本的なことはわかって頂けたと思いますが、まだわからないことがある人もいるでしょう。ここではそういった疑問にお答えします。

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仏飯を午前中にお供えする理由は?

仏飯はなぜ午前中にお供えするのでしょうか。それはお釈迦様が毎日午前中に一食だけ食事をしたことに由来しているとされます。また仏飯を午後になる前に下げるのは、厳しい戒律を守る出家僧の比丘(びく)の食生活が元になっています。

 

仏教では食事は午前中だけで済ませることが理想とされるため、お供えの時間もそれに倣っているということですね。

仏飯器に盛ってよいのは米飯だけ?

仏飯器に盛って良い食べ物はお米のご飯だけなのでしょうか。実はそんな決まりはありません。パンや麺など、お米のご飯以外の物を盛っても良いのです。特に個人がパンや蕎麦やパスタが好きだった場合は、好物をお供えしてあげましょう。

 

なおパンは一口サイズに切り、麺も仏飯器に盛れるように切って盛り付けましょう。お供えは故人が一番喜ぶものを選ぶのが一番なので、是非お米以外もお供えしてあげてください。

 

また茶湯器に入れるのは水とお茶どちらが良いのか迷う人がいるようですが、どちらでもかまいません。毎日お茶を用意するのが大変であれば、水でもかまわないのです。

 

仏飯器はどこで買える?

仏飯器はどこで購入できるのでしょうか。その答えとしては、仏飯器は仏具店やホームセンター、ネット通販で購入できます。ところが実は、ダイソーのような100均ショップでも買うことができるのです。

 

このように仏飯器は手軽に買えるので、ご先祖様の供養のためにも是非購入して、毎日ご飯をお供えしてあげましょう。

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仏飯器の相場は?

仏飯器はどのくらいの価格で購入できるのでしょうか。仏飯器の値段は、主に素材と大きさ、デザインの意匠で決まります。陶器は比較的安く、金属製は高くなります。

 

陶器の仏飯器なら千円から二千円、シンプルな真鍮製は五千円程度、洗練されたデザインの金属製や、彫りが入ったものは一万円くらいの値が付きます。また陶器でも九谷焼の物などは一万円を超えます。

 

また非常に凝った複雑なデザインで金メッキが施されている高級品は、五万円にもなります。このように仏飯器の値段はピンキリですが、仏壇の豪華さにあったものを購入すると良いでしょう。

仏飯器のまとめ

仏飯器について説明しましたが、ご理解を頂けましたでしょうか。仏様の毎日のお供えには仏飯器などの飲食供養具は欠かせません。現代では今風のデザインの仏飯器もありますが、楽しみながらお供えをするのも今の時代のスタイルと言えるかもしれませんね。