仏壇の処分方法はどうする?4種類の処分法と処分費用を解説
公開日 : 2020/5/13
更新日 : 2020/9/10
様々な理由から、仏壇の処分に迫られることがあります。しかし、仏壇の処分を経験している方は少なく、そのため処分方法の知識はそれほど一般的ではありません。ここでは、この仏壇処分について4種類の処分方法・処分費用・各処分方法のメリット・デメリットを中心に解説します。
公開日 : 2020/5/13
更新日 : 2020/9/10
目次
仏壇を処分する際の確認事項
仏壇を処分しようと考えている方は、ます初めにその仏壇が「開眼法要」を行ったどうかを確認する必要があります。
仏壇は初めから故人の魂が宿っている訳ではなく、開眼法要を行うことで初めて故人の魂が収められた信仰の対象となります。そのため、この仏壇を処分する場合は、開眼法要とは反対の閉眼法要を行い、個人の魂を仏壇から抜きとらなければなりません。
もしも、開眼法要を行った仏壇を閉眼法要をしないまま処分してしまえば、それは仏壇もろとも先祖の魂を処分してしまうことになってしまうのです。
仏壇の処分方法
閉眼法要で魂が抜き取られた仏壇は、本来の木製の箱に戻り処分することができます。処分方法は次のとおりです。
処分方法と費用相場①:お寺に引き取ってもらう
普段から寺院との関係がある方は、その寺院に閉眼法要を依頼して、そのまま仏壇を引き取って頂くことができます。
ただし、寺院であればどこでも仏壇を引き取ってくれるという訳ではありません。檀家の仏壇のみ引取りに応じてくれる、もしくは全く仏壇の引取りに対応していない寺院もありますので、まずは電話で確認することをおすすめします。
処分費用相場は1万円から10万円と非常に幅があります。また、寺院に処分を依頼する場合は、名目上処分費用ではなく、お布施としてお渡しするということを忘れてはいけません。
処分方法と処分費用相場②:仏具店に引き取ってもらう
仏具を専門的に販売している業者では、販売だけでなく仏壇の処分にも対応している場合がほとんどです。仏具店の中には、閉眼法要から仏壇の処分までを一括して行ってくれる業者もあります。
また新しく仏壇を購入する方には、古い仏壇を引き取って供養や処分を無料で行ってくれる仏具店もあり、仏壇を購入される方はこのサービスを利用しています。
処分費用相場は1万円から8万円となり、供養費用が含まれている場合が多いです。
処分方法と処分費用相場③:専門業者に引き取ってもらう
仏壇の処分を専門的に行っている業者もあり、この場合の専門業者とは、引っ越し業者や不用品買取業者、遺品整理業者が含まれます。
仏壇処分の専門業者の中には、宅急便で仏壇を送り処分してもらえる業者もあり、仏壇の運搬作業は業者が行ってくれるため、依頼者の手間が少なく非常に便利です。
ただし、これらの業者では閉眼供養を行ってくれることは非常にまれです。閉眼供養に関しては、ご自身で対応しなければならないと心得ましょう。
処分費用相場は処分費用相場は2万円から10万円となり、閉眼供養を行う場合は、別途供養代金が1万円から3万円ほどかかります。遺品整理業者の中には、仏壇の引取りを無料行っているところもあります。
処分方法と処分費用相場④:自身で粗大ごみとして処分する
仏壇はタンスや食器棚と同じく、各自治他の粗大ごみとして廃棄することも可能です。また、ご自身で自治体の処分方法に従って仏壇を解体して細かなパーツにわけることで、一般ゴミとして仏壇を処分することもできます。
費用面では、この方法が一番安価に仏壇を処分できますが、普段から家族を見守ってきた仏壇をご自身で解体するのは非常に心苦しい作業です。
処分費用相場は各自治体によっても異なりますが、100円程度から2000円程度です。
仏壇の処分方法別のメリットデメリット
先に説明した処分方法は、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは、ご自身の状況を踏まえて、最適な方法で仏壇を処分できるよう処分方法別のメリット・デメリットを解説します。
お寺に引き取ってもらう場合のメリット・デメリット
メリット:閉眼供養を行ったあとに、そのまま仏壇を引き取ってもらえるため、処分業者を改めて探す手間・仏壇を運搬する手間が省ける
デメリット:決まった処分費用が設定されている訳ではなく、お布施として寺院に納めるため、料金の相場が分かりづらい。また、お寺によってもお布施相場の異なり高額となる場合もある。
仏具店に引き取ってもらう際のメリット・デメリット
メリット:多くの仏具店では、仏壇の運搬を仏具店スタッフが行ってくれるため、人手がない方・高齢者でも仏壇処分の手間がかからなない。また、宗教・宗派の制限がないため、どんな宗教の仏壇であっても処分することができる。
デメリット:比較的、処分費用が高額となる場合が多い。
専門業者に引き取ってもらう際のメリット・デメリット
メリット:運搬に関しては、仏具店同様に業者が行ってくれるため仏壇移動の手間はかからない。また、事前予約を行うことで、ご自身の都合の良い日に仏壇を処分することができ、仕事を休む必要がない。
デメリット:地域によっては、これらの業者がない地域もあり遠方の業者に依頼しなければならない場合もある。その際には、移動費を請求されるため相場より処分費用が高額となる場合もある。
また、遺品整理業者の中には、違法な追加費用を請求する悪徳業者もあり、業者の選別は慎重に行わなければならない。
ご自身で粗大ごみとして処分する際のメリット・デメリット
メリット:ご自身で仏壇を解体することができれば、一般ゴミとして仏壇を処分することも可能なため、処分費用が非常に安価に抑えることができる。また、粗大ごみとして仏壇を処分する際にも、費用は数千円程度である。
デメリット:自治体の中には、仏壇を収集できない地域もある。また、仏壇を一般ゴミとして廃棄した場合、周囲の反感を買ってしまう場合がある。
仏壇を処分する際の注意点
仏壇を処分するする際には、つい見落としてしまうポイントがいくつかあります。ここでは、仏壇処分の注意点を解説します。
注意点①:仏壇の引き出しを確認する
仏壇の引き出しはそれほど頻繫に開ける機会がないため、処分する際にもつい見落としてしまうものです。
仏壇の引き出しには、先祖の思い出の品や家の家系図などその家にとって重要な物が保管されている場合もあります。
新しく仏壇を購入するなどして、業者が仏壇を引取りにくる場合は、業者が引き出しを確認してくれますが、仏壇の運搬をご自身で行う場合などは、事前の引き出しの確認は必ず行いましょう。
注意点②:遺影の処分方法
仏壇を処分する際には、仏壇の近くに飾られている遺影の処分をする場合もあります。しかし、仏壇と同様にこの遺影を簡単に処分することは心理的に難しいものです。
本来、この遺影には宗教的な意味合いはありません。そのため、通常の廃棄物として処分する事も可能ですが、長年にわたり家族を見守ってくれた遺影をぞんざいに扱うことはできないでしょう。
そのため、仏壇の閉眼供養を行う時には、この遺影もあわせて閉眼供養を行い先祖の魂を抜き取りただの写真に戻したのちに、焚き上げを行い処分するのが一般的です。
中には、仏壇は処分しても遺影だけを残す方もいます。あえて処分する理由がなければ、遺影のみを飾り続けることは宗教上なんの問題もありません。
仏壇処分の流れを解説
仏壇の処分は、次にあげる6つの工程にわけることで効率よく行うことが可能です。仏壇を処分するさいの目安としてご活用ください。
- その仏壇が閉眼法要を行ったのかを確認します
- 仏壇の大きさを採寸します(高さ・横幅・奥行)
- 菩提寺があれば連絡をとり閉眼法要を依頼します
- 引取りに業者を依頼した場合では仏壇の梱包作業を行います
- 仏壇を運搬して処分場所もしくは処分業者の店舗まで移動します
- 各処分方法に従って仏壇が処分されます
まとめ
仏壇の処分方法について解説してまいりました。仏壇処分で一番重要となるのは、その仏壇が閉眼法要を行った仏壇かどうかです。これまで、家族を見守ってくれ先祖の魂を丁重に扱い、仏壇を本来の木製の箱に戻したのちに処分するように心がけましょう。
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