厨子(ずし)とは?役割や仏壇との違い、価格帯などを詳しく解説!

公開日 : 2020/5/13

更新日 : 2020/9/10

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厨子(ずし)とは、ご本尊やお位牌などを納める仏具のことをいいます。美しい装飾がされている伝統的なものだけでなく、近年では家庭に馴染みやすいコンパクトなデザインのものが注目されています。今回の記事では、厨子の役割や仏壇との違い、価格帯など、厨子について詳しく解説します。

公開日 : 2020/5/13

更新日 : 2020/9/10

目次

厨子とは

厨子(ずし)とは、正面に両開きの扉がつき、その中に仏像や仏舎利、位牌、教典などを安置する仏具のことをいいます。

 

厨子の形は長方形の箱型が一般的で、円筒や家屋のような形状のものもあります。手のひらサイズの小さなものからモダンでオシャレなデザインのものまで、様々な種類があります。

厨子の歴史

現存する厨子で最も古いのが、法隆寺大宝蔵院に保管されている「玉虫厨子」です。その歴史は飛鳥時代にまでさかのぼり、現在は国宝として大切に保管されています。

 

玉虫厨子の特徴は、仏堂をそのまま小さくして台座にのせたかのような宮殿の形をしている点です。装飾に玉虫の羽を使っていることから、玉虫厨子と名付けられたとされています。

 

厨子の中には、以前本尊仏像である三尊仏像が納められていました。しかし13世紀ごろに盗まれてしまったことから、現在では金銅観音像が納められています。

厨子の役割

厨子のはじまりは、宗教への信仰心から、仏像を崇めるために綺麗なところに安置し、日々見守られていることを実感したいという思いから誕生したと考えられています。

 

現代の厨子は、仏像などの大切なものをホコリや汚れから守ったり、太陽の光を遮ったりすることで、綺麗な状態をキープするために大切な役割を果たしています。

 

また、ご先祖様を供養したり、対面したりできる空間としても使われます。人は亡くなってから33回忌を迎えるまで、何度もこの世を訪れて、遺族に会いにくると考えられています。

 

大切な人を失った遺族は深い悲しみに包まれ、受け止めるまで時間がかかることが多いです。しかし厨子があることによって故人を思い出し、手を合わせることによって故人と通じ合うことができると考えられています。

 

それだけではなく、宗教や宗派にとらわれない厨子は、自分の大切にしているものを納めることで、心の安らぎやよりどころとなる役割も担っています。

 

現在はインテリアとして部屋に置いておけるような、オシャレでコンパクトなデザインも販売されており、家庭に取り入れやすい厨子が増えています。

厨子と仏壇の違い

厨子と仏壇は見た目や用途がよく似ており、その違いについて知らない方も多いのではないでしょうか。

 

厨子と仏壇には、特別な違いはほとんどありません。仏壇も厨子のひとつとされており、家庭でよく目にする仏壇は「厨子型仏壇」と言われています。

 

異なる点としては、仏壇は「家の中にあるお寺」と考えられているため、仏様をお祀りする場所とされています。

 

一方で、厨子には特別な決まりがありません。ご本尊やご先祖様のお位牌をお納めできるだけでなく、大切な人の形見やお守りを納めることが可能です。それぞれが自由に大切なものを納めておけるのが、厨子の特徴といえるでしょう。

厨子を購入するとき気を付けること

厨子には形状や色、デザインなど様々な種類があり、その価格帯も異なります。ここからは厨子を購入する際、おさえておくべきポイントを紹介します。

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サイズ

厨子の購入で最も重要なのが、サイズです。総丈や奥行、扉幅などしっかりと採寸し、購入する大きさを明確にしましょう。厨子は一度購入すると生涯をともにする大切な仏具です。購入するときには家のどこに置くのか、何を納めるのかも考えておきましょう。

 

ネット通販などで購入する場合は、実際のサイズ感が分かりにくいため、とくに注意が必要です。壁やタンスなどで正面の扉が開きにくいこともあるので気を付けましょう。

仕様

厨子には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。シンプルな箱型のものから照明や地震耐性がついているものなど様々です。中には扉が電動で動くなどの最新式のものもあります。

 

購入する場合は厨子にどのような仕様がついているのか、しっかりと確認しましょう。

デザイン

厨子には様々なデザインがあります。円形のものや長方形のものなど形状が異なるだけでなく、華やかな装飾が施されているものから、木箱のようなシンプルなデザインまで様々です。

 

自分の部屋の雰囲気やインテリアを考え、違和感のないものを見つけてみてください。

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金額

厨子は価格の幅が非常に広いです。手のひらサイズのコンパクトな厨子だと約5000円で購入できます。一方で高価なものだと100万円近くする厨子もあります。サイズが大きいほど金額が上がる傾向にあります。

 

場合によっては大きな買い物になるかもしれません。サイズやデザインだけでなく、どれくらいの価格帯で購入するかもしっかりと考えることが必要です。

おすすめの厨子

ここまでお話ししたとおり、厨子は宗派は問わない自由さがあり種類も豊富なことから、選択肢の幅が広い特徴があります。ここからは購入を検討している方向けに、おすすめの厨子をご紹介します。

一般的な「丸厨子」

各家庭で一般的に使われているのが「丸厨子」です。屋根の部分が丸くなっており、シンプルなシルエットが特徴です。黒や朱色の漆塗りが美しく、金具細工の装飾が上品さを感じるデザインになっています。

 

丸厨子は小さいサイズだと、2万円くらいからが相場になっています。比較的手の届きやすい価格帯になっていることも、一般的に使われている理由のひとつと言えるでしょう。

高級感のある「木瓜形厨子」

高級感のある厨子を希望している場合は「木瓜厨子」がおすすめです。屋根の部分が横に広がった、社のようなシルエットが特徴です。日本の和を感じさせるような、趣のあるデザインになっています。

 

厨子の中でもサイズが大きいため、存在感のある厨子をお探しの方にぴったりです。価格は10万円くらいからが相場となっています。

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デザイン厨子

近年では、これまでの厨子の形にとらわれない、新しいデザインの厨子が販売されています。

 

木箱のようなシンプルなデザインの厨子や、マンションやワンルームに住む方向けの手のひらサイズの厨子など、家の広さを気にしないコンパクトな厨子が人気です。すでにあるインテリアの印象を崩さないという利点もあります。

 

小さいサイズの厨子は数千円から購入できるため、手に入れやすい特徴もあります。

厨子についてのまとめ

今回の記事では厨子の歴史や役割、おすすめの厨子などを紹介しました。

 

厨子は歴史が長く、大切なご本尊やお位牌などを納める厳かな仏具です。しかし近年は、親しみやすいデザインのものも多く販売されています。ぜひお気に入りの厨子を見つけてみてください。

 

また、それぞれの宗教や宗派、家庭によって厨子や飾り付けが決められていることがあります。厨子を購入する前には、事前に自分の宗派を調べておくことも大切です。