墓石選びの基礎知識|価格を決める要素や必要な費用の内訳をご紹介

公開日 : 2021/1/26

更新日 : 2021/8/14

墓石選びの基礎知識|価格を決める要素や必要な費用の内訳をご紹介のサムネイル画像

墓石を建てる時には霊園や墓地の選定、墓石の形や素材など、決めなくてはならないことがたくさんあります。選び方によっては費用がかさみ、予算オーバーになってしまうかもしれません。墓石の相場や価格を決める要素、必要な費用の内訳をご説明しましょう。

公開日 : 2021/1/26

更新日 : 2021/8/14

目次

墓石の相場

墓石の価格は後ほどご紹介する要素で大きく変わりますが、相場は120~150万円程度です。これはあくまで墓石購入に必要な金額です。他に墓地代や墓石の附属品、お布施といった諸費用が最低100万円はかかると考えておいた方が良いでしょう。それを加えて考えると、220~250万円程度はかかるということになります。

 

しかし、これはあくまで相場であり、条件によっては100万円以下でお墓を建てることもできますし、墓石の質や大きさ、立地などにこだわるのであれば1000万円を超えることもあります。

墓石の価格を決める要素

先ほどご紹介した通り、さまざまな要素でお墓を建てるために必要な費用は大きく変わります。全てにおいて自分の希望通りにしようとすると、思わぬ出費になる場合もあります。墓石の価格が決まる要素を知り、自分なりの墓石選びの基準を決めておきましょう。

石の種類と大きさ

墓石自体の費用は、石の大きさと種類でほぼ決まるといっても過言ではありません。石が大きければ大きいほど、また高価な石を選べば選ぶほど、費用が高くなります。

 

注意したいのがこの「石の大きさ」というのは、墓石そのものの大きさではなく、加工前の原石の大きさであるという点です。例えば半円形のお墓を建てたい、という場合、円の部分を大きく削る必要があります。そのため、できあがった墓石の大きさの割には石材費が高いと感じるかもしれません。

 

石の種類によっても費用は大きく変わります。例えば大島石や小松石といったブランド石材は石材費だけで200~300万円かかることがありますが、中国産やインド産の安価な石材であれば50~70万円程度に費用を抑えることができます。

 

安価な石材は質が悪いのでは、と心配になるかもしれませんが、石の価格は質だけではなくブランド力や人気など、さまざまな要素が絡み合って決まります。価格だけに目を向けるのではなく、自分でこれだと思う基準を決めて選びましょう。

 

例えば主要道路や鉄道のそばに墓地がある場合は振動に強い石、雨の多い地域では特に水を吸いにくい石というように環境で選んだり、また故人様の故郷の石や好きな色の石を選んだりするのも良いでしょう。

デザインや加工の程度

墓石のデザインをスタンダードな和型や洋型にするか、完全オリジナルのデザインにするかで墓石の価格は変わります。オリジナルの墓石はスタンダードなものと比較すると50万円程度高くなります。もちろんこれは平均的な相場であり、有名なデザイナーがデザインしたり、製作期間が長くなったりするとそれだけ高価になります。

 

また、加工の程度も価格に影響します。墓石の彫刻には「グラデーション彫り」や「透かし彫り」といったさまざまな技法があり、難易度の高い彫刻を施すとそれだけ費用は上がります。

 

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

指定石材店の有無

見落としがちなポイントですが、指定石材店があるかどうかでお墓を建てる費用や墓石の価格は変わります。霊園や墓地によっては、石材店が指定されている場合があります。指定石材店がない方が、複数の石材店を比較検討できるため、安価に抑えられる傾向にあります。

 

基本的に民営霊園は石材店が指定されていることがほとんどです。また寺院墓地は指定石材店がある場合とない場合があります。公営の霊園や墓地では石材店を自由に選べます。後述しますが、公営と民営ではお墓を建てた後の費用も違う場合があります。お墓を建てる場所を選ぶ際には、費用の面も考慮することが必要です。

墓地の立地

墓地の立地により、墓石を設置する際にかかる工事費が変わります。具体的にご紹介すると、町中の整備された環境にある墓地と、山間部にある墓地では工事費が大きく違ってきます。

 

整備された場所にある墓地であれば、墓石や工事に必要な機材の運搬は比較的簡単です。しかし、山間部の場合はトラックや車の乗り入れが難しく、運搬に手間がかかります。そのような理由から、山間部の方が整備された墓地より工事費が高くなります。「工事の難易度」が費用に反映されるというわけです。

お墓を建てる時にかかる費用

墓石を準備すれば「お墓」はそれでできあがるというわけではありません。新しくお墓を作るためには、まず墓地の選定や契約から始め、墓石の周りに設置するものの準備や、納骨に必要な段取りを行う必要があります。お墓を建てるには、墓石以外にどのような準備をすれば良いのか、またどれだけ費用がかかるのかをご紹介します。

永代使用料

永代使用料は、名前通り墓地・霊園を使用するために支払う費用で、基本的には契約時に一括で支払いを行います。永代使用料の相場には幅があり、墓地・霊園の立地や開発費用、地価などによって変動します。不動産と同じで、人気の高いエリアにある墓地や霊園の使用料は高くなる傾向にあります。価格にはかなり大きな幅がありますが、平均すると60~80万程度です。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

管理費

墓地や霊園にお墓を管理してもらうために支払う費用を管理費といいます。墓地や霊園の水道代や電気代、水汲み場やトイレといった共有スペースの維持管理に使われます。支払頻度は年に1回のこともあれば、数年~数十年単位の場合もあります。

 

管理費は立地や運営主体によって変わります。公営霊園は2000~1万円程度、民営霊園は5000~1万5000円が相場です。また、地域の共同墓地では管理費が町内会費に含まれていることもあり、無料または格安で利用できます。

入檀料

入檀料は、新たにお寺の檀家になる際に支払うお金のことです。お寺の墓地にお墓を建てる場合は、そのお寺の檀家になることが条件となっている場合が多く、入檀料の支払いが必要になる場合があります。お布施と同じく「お気持ち」のものなので明確に決められてはいませんが、10~30万円程度と考えておくと良いでしょう。

お布施

墓石を建てた時には開眼供養(かいげんほうよう)を行います。これは新しい墓石に魂を入れる儀式で、別名を「入魂式」「お根性入れ」「魂入れ」ともいいます。

 

また、浄土真宗は「お墓やお仏壇などに魂を入れる」という概念がありませんので、代わりに「入仏式」(浄土真宗西本願寺派)、「御移徙(おたまわし・ごいし)」(真宗大谷派)という儀式を行います。

 

こうした儀式の際には僧侶を読んでお経を上げてもらいます。お布施は3~5万円が相場です。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

オプション費用

お墓を建てる際には、墓石以外にも卒塔婆や灯篭など、さまざまなものを設置することもあります。どのようなものをいくつ設置するのかによって、費用は大きく変わります。

 

これらは必ず設置しなければならないというものではありませんので、予算や墓地の広さを考慮に入れながら、ご先祖様や故人様に合ったものを選ぶようにしましょう。以下に、お墓の主な設置物とその相場を列記します。

 

  • 卒塔婆立て:1~10万円
  • 灯籠:4~20万円
  • お地蔵様:5~15万円
  • 物置台:3~6万円

お墓を建てた後に必要な費用

お墓を建てる際に必要な費用の相場や内訳をご紹介してきました。それでは次は、お墓を建てた後に必要な費用についてご紹介します。

 

例えば、新たに納骨を行う場合の彫刻代やお墓をきれいにするための磨き直しや法要など、お墓を維持していくためにはさまざまな費用が必要です。

 

また、お墓を他の場所に移す(改葬)を行ったり、処分したりする場合も費用がかかります。具体的な内容と相場を見ていきましょう。

彫刻代

新しく墓石を建立する場合、家名や題目、建立者名、建立日などの彫刻にかかる費用は墓石代に含まれていることがほとんどです。しかし、建立後追加で彫刻を入れる場合は、別途費用が必要です。1名あたりの追加彫刻の相場は3~5万円程度です。

クリーニング

墓石は経年によりカビや苔、水垢、黒ずみなどの付着により汚れてしまいます。自分でクリーニングしようとすると墓石を傷つけてしまったり、不適切な洗剤の使用でシミを作ってしまう恐れもあります。プロの石材店や清掃員に任せれば安心です。

 

また、草取りや簡単な清掃なども併せてしてくれますので、墓所をきれいに保つことができます。墓石の状態や区画の広さによって変わりますが、相場は5~10万円程度です。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

その他メンテナンス

その他、墓石やその周りに設置しているものが痛んだり壊れたりした場合は、その都度修理を行う必要があります。相場は以下の通りです。

 

  • 石碑や外柵の再研磨:30~50万円
  • 目地の劣化を補修:3~5万円
  • 墓石の傾き修理:3~5万円
  • 墓石の組み直し:15~30万円

改葬費用

お墓の引っ越しや処分を行う場合は、撤去や処分、整地、法要のためのお布施などを合わせて30万円程度かかります。また、移転の場合は移転先で新たに墓地を取得しなくてはならないため、上記の永代使用料や管理料が必要になります。

 

移転先の墓地の許可があれば墓石そのものを移設することも可能です。移転費用は墓石の大きさや移転距離、交通手段などによって大きく変わります。

墓石処分費用

墓石の処分後、原則として墓所は更地にして返還しなくてはなりません。相場は1平方メートル当たり10~12万円程度です。平均的な墓所の面積が1.5平方メートルと考えると、15~18万円程度と見ておくと良いでしょう。なお、墓石を撤去し、墓地との契約を終了させても、永代使用料は返還されません。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

離檀料

お寺の墓地からお墓の引っ越しを行う場合、離檀料が発生する場合があります。入檀料と同じく明確な決まりはありませんが、20~50万円程度かかると考えておくと良いでしょう。お寺の場合も同じく、永代使用料は返還されません。

墓石代を抑えるには

先ほどご紹介したように、お墓を建てるには墓石代だけではなくさまざまな費用がかかり、数百万円単位の大きな出費となることも少なくありません。

 

もちろん代々受け継いでいく大切な物ですからこだわって選びたいところですが、やはり出費の面は気になるところです。墓石やそれを建てるための費用を抑えるにはどうすれば良いのでしょうか。

比較検討する

どのような場合もそうですが、一つのところに絞るのではなく、比較検討することは費用を抑えるのに有効な手段です。お墓の場合はまず「どこに建てるか」というところから比較検討しましょう。

 

運営主体や立地によって指定石材店の有無や工事費、永代使用料や管理料が大きく違ってきます。もちろん価格だけではなく、アクセスのしやすさや周辺の環境なども重要な選択基準です。

 

また、石材店を指定できる場合は、複数の石材店から見積もりを取って比べると相場が分かりやすいです。こちらもただ安さだけではなく、担当者の対応や施工の内容、メンテナンスや追加工事を請け負ってくれるかといった要素も考慮して選びましょう。

安価な墓石を選ぶ

先ほどご紹介した通り、石の大きさや種類、加工の程度によって墓石の費用は大きく変わります。安価に抑えたい場合はスタンダードなデザインのお墓を、中国産などの安い石で作ると良いでしょう。

 

また、既製品で傷がついている墓石などをアウトレット品として販売している石材店もあります。相場より安く墓石が購入できるというメリットがありますが、傷の状態は良く確認しておきましょう。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

生前にお墓を建てる

死後にお墓を建てると相続税がかかりますが、生前に建てると相続税を支払う必要はありません。また、亡くなってから慌ててお墓を建てるより、生前に比較検討しながらじっくり選べるので費用を安く抑えられる、自分の意見を反映させられるというのも大きなメリットです。

墓石にこだわらない埋葬法を選択する

現在では墓石にこだわらない埋葬法も増えています。特に少子高齢化が進み、お墓の管理をする人がいないという場合は、墓石以外の埋葬法を選択するというのも一つの方法です。

 

そうした埋葬法は一般的なお墓よりも費用を抑えられるというメリットがあります。例えば墓石の代わりに木を植える「樹木葬」なら20万円程度、納骨堂にお骨を収めるのであれば30~70万円程度と、墓石より安価である場合がほとんどです。

 

まだ一般的な埋葬法とはいえないため、定義が霊園や墓地によって違う、親戚の理解を得られないというデメリットもあります。そうした埋葬法を選択する場合は、管理方法や改葬の可否など、内容を慎重に確認すること、周りの人にその埋葬法を選択した理由を説明し、理解を得ることが重要です。

まとめ

墓石を建てるときにかかる費用やその相場についてご紹介しました。一口に墓石といっても、石の大きさや質、デザインによって全く違う墓石になり、またその費用も大きく変わります。

 

また、「お墓」として完成させるには墓石だけではなく、墓地の確保やお墓の設置物、お墓を建てる際の儀式など多種多様の手続きや準備、費用が必要になります。

 

もちろん代々大切に受け継いでいくものですから、後悔のないようにしたいところですが、やはり費用上の制約があるのは事実です。どの点に凝りたいか、またどの点で費用を抑えるか、自分自身で基準を決め、慎重に考えて選ぶようにしましょう。

 

どんなお墓でも、「建てて良かった。これでご先祖様も故人様も喜んでくださるだろう」と思えるものが建てられたのなら大成功です。ぜひ、今回の記事を参考に、素敵なお墓選びをしてください。