お墓に造花を供えても大丈夫?造花を供えるメリットや費用相場を解説
公開日 : 2021/3/17
更新日 : 2021/3/17
お墓にはお花を供えるのが習わしとなっていますが、生花ではなく造花を供えることは問題ないのでしょうか。そこで今回は、お墓に供えるお花として造花を供えることのメリットや造花の費用相場をご紹介します。また、供える際の注意点などについて解説していきます。
公開日 : 2021/3/17
更新日 : 2021/3/17
目次
お墓に造花を供えても良い?
お墓参りに訪れる際には、お花を供える場合に造花でも良いんだろうかと疑問に思うことはないでしょうか。お墓参りに訪れる前にお花を購入してからお墓に来るということも方も多いかもしれません。
しかし生花ではなく、造花をお墓に供えることは問題ないのかと疑問に思うこともあると考えられます。そこで今回は、お墓に造花を供えても良いのかについて解説していきます。
造花でもマナー違反ではない
まず、お墓に供えるお花は造花であってもマナー違反というわけではありません。生花でなければいけないと決まっているわけではないのです。造花であっても、ご先祖様を供養する気持ちさえあるなら問題ないでしょう。
昔であれば、庭に咲いているお花を摘んでお供えしたりしていましたが、今では購入したお花を供える方がほとんどです。また、頻繁に墓参りができない方も多いため、枯れない造花にもスポットが当たるようになりました。
生花を模した仏具も使用されている
仏教の寺院には、『常花(じょうか)』というお供えの仏具が存在します。お寺の本堂にある大きな花立てに差されている、金箔あるいは彩色により彩られた蓮花が常花です。常花というのは、“生花を模したもの”としては造花と同じ意味になるのです。
また、花びらを模した『散華(さんげ)』というものがあります。こちらは楕円形の紙に絵を描いたものであり、葬儀や法要の際に僧侶が辺りに撒くのです。これについても、本来なら本物の花びらを散らすものなのです。このように、仏教の寺院であっても生花を使わない場合もあります。
お墓に造花を供える理由
造花をお墓に供えることは、心がこもっていないと見る向きもあります。ではなぜ、生花ではなく造花をお墓に供えるのでしょうか。続いては、お墓に造花を供える理由について説明いたします。
ここでは、お墓に造花を供える理由について説明します。造花を供えるのは、実はさまざまな理由があるのです。生花か造花か悩んでいる方は、参考にしてみてください。
お花は枯らさないようにするべきという考え
お墓に供えるお花はいつでも枯らすことのないようにするべきですが、生花の場合は難しいです。お墓は屋外にありますし、日光あるいは風雨に晒されることからすぐに枯れてしまうのです。
お墓が近くにない場合や、忙しくなかなかお墓参りに行けないこともあります。毎日お水を取り替えることも難しく枯れた状態のお花を残しておくことは、物寂しさを周囲に感じさせる可能性があります。
造花であれば、いつでもお花を絶やさずに供えておくことが可能です。忙しくなかなかお墓に行けなくても、造花なら枯れずに咲き続けていてくれます。
造花は長持ちする
造花であれば、生花に比べて格段に長持ちします。天候もしくは環境次第ではあるものの、おおよそ1年程度は保つことができます。中には、水洗いができるものもあるため、洗って綺麗にすれば再度使用することも可能です。
それだけでなく、生花だと枯れてしまうと徐々に虫がわいてしまうことや腐ってしまうこともあります。造花ではそうした心配もなく、いつでも綺麗な花を供えておくことができるのです。
なぜお墓にお花を供えるの?
日本人にとっては、お墓にお花を供えるというのは当然のようになっているかもしれません。そもそも、なぜお墓にお花を供えるのだろうと疑問に思う方もいることも考えられます。続いては、お墓にお花を供える理由についてご紹介していきます。
ここで、お墓にお花を供える意味について知っておいてください。そうすると、お墓参りの際にも、違った気持ちでお花を供えることができます。
お釈迦様の時代に遡る由来
お墓にお花を供える理由は、はるか昔のお釈迦様の時代に由来があります。お釈迦様が仏になる前に、燃灯仏(ねんとうぶつ)という仏様に会ったとされています。そして、お釈迦様は何か供養をしたいと考えたものの、持ち合わせの物がありませんでした。
そこでお釈迦様は、青蓮華(しょうれんげ)という花を購入して供養をしたという逸話が、お経の中に登場するのです。この逸話が、お墓にお花を供えるようになった始まりであるとされています。
供花は修行の一環
仏教における供花は、修行の一環であるという話もあります。厳しい自然の中で耐えながら咲いている花を、修行の誓いとして日々供えるというものです。お墓にお花を供える際には、ご先祖様のことを大事に考えて、花が枯れないようにする必要があります。
しかし、お墓が遠くてなかなか訪れることができない人もいます。そのようなときに用いられるようになったのが造花です。
造花を供えるメリットはある?
お墓に造花を供える方が増えてきていますが、生花ではなく造花を供えることは、どのような良い点があるのでしょうか。負担を軽減することができるという点に着目して、造花を供えるメリットについて解説していきます。
お墓が汚れない
造花を供えることは、お墓が汚れる心配がないという点が大きなメリットです。お墓参りの頻度としては、毎月訪れる方や年に一度という方もいます。お墓に訪れる頻度は、人によって様々なのです。
お墓参りの際に供えたお花をそのまま放置しておくと、次に訪れる機会まで花立てに入れたままになってしまいます。枯れた花を処分してくれる墓地もあると考えられますが、そこまで手入れが行き届かないところもあります。
夏場であるお盆などの後には、暑いですし茎が腐ってしまい水が臭ってきて淀んでしまう可能性があります。造花にすると、こうした問題も起きることがありません。
費用面での負担がなくなる
お墓参りの度にお花を購入していくことを、金銭的な負担に感じている方もいるかもしれません。安く購入できたとしても、仏花は1束で300円から500円程度必要です。これを対で購入しなければいけませんし、複数のお墓に供える必要のある方もいます。
お盆やお彼岸といったお墓参りシーズンは、全体としてお花の相場も高騰するものです。造花であれば、一度購入すれば数年程度は維持ができるため、金銭的な負担が抑えられます。
造花の値段はどの程度の相場?
お墓に造花を供える場合の、費用相場が気になるという方もいるでしょう。造花は生花よりも金銭的な負担を抑えられるとお伝えしましたが、造花を供えるとしたらどの程度の相場になるのでしょうか。
続いては、造花をお墓に供える際の費用面での相場について解説いたします。下記を目安として造花を購入するのも一案です。
平均は3千円前後
造花は、大型スーパーやホームセンター、あるいは仏具店でも購入可能です。ただ、お墓に供える造花には値段に幅があります。大きさにもよりますが、千円台から1万円以上となる高価なものまであります。
平均的にみると、一対で3千円程度が相場です。高価な造花になれば、それだけ自然な雰囲気になっていてボリュームの増したお花が取り入れられています。
100円均一でも購入可能
造花は、100円均一の店舗でも購入できます。色々な商品が揃っている100円均一ショップですが、造花も各種販売しているのです。100円均一の造花であっても、選ぶお花や組み合わせの方法によっては、お墓に供えられる造花を作り上げることも可能です。
大切なのはご先祖様を供養する心であり、値段が高ければそれで良いというものでもありません。100円均一の店舗でお花を選び、綺麗な造花を組むことも一案です。
通販でも買える
この頃では、インターネット通販でも造花が販売されています。価格次第では、生花とも遜色ないほどの品質である造花もあります。例えば、蓮の仏花が2本組で1,870円という造花もあり、素材はポリエチレンやポリエステルでできています。
また、白百合や2種類の蓮など6種類が組み合わされた造花は、1対で3,300円です。お墓に合う造花をセレクトした点がポイントです。この様に、手軽にインターネット通販を通して造花を購入することもできます。
造花を選ぶ際のポイント
お墓に供える造花を選ぼうを考えても、どの様にして選べば良いか悩んでしまうこともあるかもしれません。そこで、悩んでしまうという方のために、造花を選ぶ際に気を付けるべきポイントをご説明いたします。
大事な点を、ぜひ造花購入の際の参考にしてみてください。お花を供えると、ご先祖様も喜ぶと考えられます。
色どりのまとまりをチェックする
造花を購入する際には、複数組を購入する必要があるため色合いのまとまり具合にも注意をする必要があります。お花は、一対ずつ供えることになるため、複数組必要なのです。色のまとまりに関しても、一対であってもそれぞれに色合いが異なると見栄えが良くないでしょう。
さらに、造花にボリュームが欠けているようであれば、複数組を供える方法もあります。造花を花立てに入れる際に、造花にボリュームがあれば1組でも十分ですが、そうでなければ中に空きができてしまい寂しく見えてしまいます。
生花でも造花でも同様ですが、お花同士の色合いのまとまりや、大きさのバランスに気を付けて適度に納まるように供えることがポイントです。
宗教や地域性をチェックする
造花は控えた方が良いとしている宗教はないものの、生花を供えないことに対して非難の声を上げるお寺の僧侶もいます。また、寺院墓地あるいは自治会の共同墓地などの地域に密着した墓地においては、周囲の目が気になるということもあると考えられます。
宗教面や地域性が気になるという場合には、事前にお寺の僧侶に相談する方法もあります。
造花を使用する際の注意点とは?
お墓に造花を供える際には、ただ単に供えれば良いというものでもありません。注意しなければいけない点を知って供える必要があります。続いては、お墓に造花を供える際の知っておくべき注意点について解説いたします。
後になって後悔をすることがないように、今のうちに覚えておくようにするのがポイントです。今後のご参考にしてください。
生花にこだわる人もいるためトラブルに注意
造花をお墓に供えた場合には、思ってもいなかったトラブルが起きる可能性があります。造花を使用する傾向が高まってはきていますが、中には生花でなければいけないと拘りを持つ方もいます。
造花を供えたことで親族に叱られてしまい、トラブルに発展したということもあるのです。このケースでは、造花を使ったことでお墓にも頻繁に訪れることがなくなり、手を抜いていると見なされてしまったと考えられます。
その他にも、仏教の教えに背いているのではないかと考える方もいるでしょう。最初に家族に相談してから、年長者あるいは本家の意向に沿う形にすることが大事です。
お盆やお正月は生花が適している
お盆あるいは正月は、生花を供えることがおすすめです。お姑に叱られるなどのトラブルを回避するためにも、普段は造花を供えておいてもお盆などの親戚がお墓参りをする機会には、生花を供えるのが無難です。
使用する時期もしくはお墓に訪れる頻度によって、造花と生花を使い分ける方法を取るとトラブルを避けることができます。
飛ばされないようにする
造花を供えたなら、飛ばされないようにする必要があります。造花は長期間にわたり供えておくことができるものの、生花とは異なり軽量になっている製品もあるのです。そのため、供えたままにしておくと風に飛ばされてしまう可能性もあります。
もしできるのであれば、茎の部分におもりになるような物を付けてから造花を供える方法もあります。
造花を変えるタイミングとは?
造花を供えることも問題がありませんが、造花を供えるとしたらいつ取り替えればいいのか分からないという方もいます。最後に、造花を取り替えるタイミングについて解説します。造花を供えるなら、適切なタイミングで取り替えることが大事です。
そうすれば、きっとご先祖様も気持ちよく眠ることができると考えられます。適切な取り替えの時機というのは、一体いつなのでしょうか。
色褪せの度合いで判断する
造花の取り換えに関しては、取り立てて決まった時機があるわけではありません。造花を見てみて、そろそろ替えた方が良いのではないかと感じた時がタイミングでしょう。日常的に日光を浴びていますので、造花も色が褪せていることが考えられます。
また、表面が劣化してしまい割れることや破れてしまう部分もあるものです。毎年の故人の命日やお盆、正月などを、造花の交換のタイミングに決める方法もあります。
造花を長持ちさせる方法
造花をできるだけ長持ちさせたいと思う方もいるかもしれません。しかし、造花を長持ちさせる方法はないと考えられます。造花は供えたならそのままになりますし、風雨に晒されることや日光にも当たるため、時を経て劣化していく消耗品なのです。
とはいえ、お墓を訪れたならその度に湿らせたタオルを使い、造花の表面の埃などを拭き取るなどをすることで、綺麗な状態を保つことができるのです。
お墓に供えるお花は造花でも問題はない
お墓に造花を供えることに、躊躇いを感じる方もいます。しかし、造花を供えることはいけないというわけではありません。もし造花を供えるなら、1対の色合いを考えることなどが大事です。
また、お盆や正月は生花を供えるようにして、それ以外に造花を供えるという手段もあるでしょう。生花と造花を上手に活用して、お墓に供えるのがポイントです。
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