お墓参りで供える花の選び方|マナーやタブー・おすすめの花を紹介
公開日 : 2021/3/22
更新日 : 2021/3/22
お墓参りで供える花を選ぶ際は、常識が問われるため注意が必要です。お墓に備えてはいけない花などのタブーを知った上で選びましょう。そこで今回は、お墓参りに持って行くお供え用の花を選び方や、マナーやタブー、お墓参りで供えるおすすめの花をご紹介します。
公開日 : 2021/3/22
更新日 : 2021/3/22
目次
お墓参りで供える花
お墓参りに行く際に欠かせないものの1つが花です。故人やご先祖さまとこの世にいる私たちとを繋いでくれる大切な花ですが、みなさんはお墓参りの花をどのように選んでいますか。
「自分が選んだ花はお墓参りに適した花なのだろうか」と、不安を感じながら選んでいる人もいるでしょう。また、マナーやタブーが気になってお供えの花の選び方がわからないと困る方もいますよね。
お供えする花についてのマナーやタブーを知らなければ、いざというときに慌ててしまいます。そこで今回は、お墓参りに持って行くお供え用の花の選び方や、マナーやタブー、おすすめの花をご紹介します。
お墓参りで供える花のマナー
お墓参りで供える花にもマナーがあります。近頃はマナーよりも、お墓参りをすることに重点が置かれている傾向はありますが、できる限りマナーに沿った花を準備しましょう。
本数は奇数が良い
お墓参りでお供えする花の本数は奇数が良いとされています。3本・5本・7本がおすすめです。また、花立にちょうど入るくらいの数にしましょう。花立に入れる本数が多すぎれば、花の茎の部分が圧迫されて傷みやすくなります。また、少なすぎれば花が安定しません。
花立の種類やサイズによって異なりますが、一般的な花立のサイズを考慮すると3本では少なく、7本だと多い傾向があります。そのため5本程度がお墓参りに最適な数となります。
花の色
お墓参りで供える花は明るくない方が良いと考える人は多いです。しかし、お墓参りで供える花は、カラフルで明るく華やか色の組み合わせが好まれます。
好まれる色は、3色であれば「白・黄・紫」、4色であれば「白・赤・黄・紫」、5色であれば「白・赤・黄・紫・ピンク」の組み合わせが一般的です。
しかし、納骨式や故人が亡くなってから日が浅い場合などは、あまり鮮やかな色を選ばず、白や紫などの落ち着いた色味を中心とした花を準備することがマナーです。
左右対称に供える
お墓参りで花を供える場合は、左右対称になるように花を供えましょう。これは、極楽浄土をイメージしています。また、左右対称にすることでバランスが取れて見栄えが良くなります。
花を購入する際は、左右対称で飾れるように考えて購入すると良いでしょう。花束として売られているものを購入するのであれば、2束を購入すると良いでしょう。
目上の人より高価な花は買わない
お墓参りに一緒に行く人がいる場合は注意が必要です。その人が自分よりも目上の人であれば、その人が購入した花よりも高価な花は買わないようにしましょう。目上の人よりも高価な花を購入して持参した場合、相手の気分を害することがあります。
意見が分かれる造花と生花
お墓参りでお供えする花は、造花でも良いとされる場合があったり、造花は好ましくないとされる場合があったりと意見が分かれます。良いとする意見では、造花であればきれいな状態を長く保つことができ、虫なども寄り付かないという点が適しているとされています。
好ましくないという意見では、造花を使用することでお墓参りに行く機会が少なくなり手抜きと捉えられるというものです。また、造花は仏教の教えに反すると考える人もいます。トラブルを避けるには、普段は造花を使用したとしても、お盆やお正月には生花をおすすめします。
造花についてどのような意見であるのかは、宗派によっても異なる部分が大きいと言えます。そのため、造花にするか生花にするかは、年長者や家族に相談して決めると良いでしょう。
後のことを考えて持ち帰る
霊園や墓地など管理人のいる場所では、供えたものはすべて持ち帰るというルールが定められている場合があります。それは、お墓周りを汚れを防ぐためと衛生面の観点からです。食べ物だけではなく、花など食品以外も含まれる場合もあります。
持ち帰るタイミングは、お墓参りに訪れた人が全員のお参りが終わってからです。お参り後に花立から外して、持ち帰りましょう。
お墓参りで供えた花を持ち帰った場合、仏壇にはお供えせずに自宅のリビングや床の間などの飾り用として活けるようにしましょう。また、納骨堂では、生花そのものを飾ることが禁止されていることも珍しくありません。
お墓参りにおすすめの花
お墓参りの際の定番の花や、宗教ごとのおすすめの花をご紹介します。どのような花をお墓参りで供えれば良いのか悩んでいる人は、以下を参考にしてください。
菊
お墓参りに供える花としてポピュラーなのは菊です。お墓参りだけでなく、通夜や葬式の際の代表的な花も、浄土に咲いているとされる菊の花が多く使用されます。菊は日持ちが良く、枯れても花びらが散乱しないため、お墓参りにも向いています。
また、菊は年間を通して購入することができるため手に入れやすい点や、皇室の紋であることから高貴なイメージがあることも好まれる理由の一つです。
フランスでは11月1日は「トゥーサン」と呼ばれ、この日にお墓参りをする習慣があります。その際の花として菊が選ばれます。この時期に咲く花が菊であるということと、墓地に置いていても寒さに耐えられる花だからという理由があるからです。
百合
百合は高貴な花とされており、華やかでおすすめです。しかし、百合には墓石や服などにつくとシミになって落ちない花粉が付いています。必ず花粉を取り除いて供えるようにしましょう。また、百合は匂いが強いと感じる人もいるため、お墓参りで供える花として不向きだと考える人もいるので注意が必要です。
白い百合は聖母マリアを象徴する花とされています。キリスト教式での献花としても使用されているため、宗教を気にせず供えられる花でもあります。
カーネーション
春や母の日などのお墓参りでの花として、カーネーションはおすすめです。花の色の種類も多いです。白いカーネーションは清潔で厳かな雰囲気があり、ピンクのカーネーションは、上品で温かな雰囲気があります。スプレー咲きのタイプは、アクセントにもなります。
スターチス
スターチスはドライフラワーにもされることが多いことからも分かるように、花持ちが良くおすすめです。主役の花というよりは、引き立て役の花です。花の色は、白、紫、ピンクなどがあります。メインとなる花の色を決めてからスターチスの色を選ぶと良いでしょう。
アルストロメリア
アルストロメリアは花持ちも良く1本の茎の先に数個の花が付いているため、ボリュームがあります。花の色は、白、ピンク、紫などです。昭和の始めに渡来した際にはあまり普及しなかった花ですが、近頃は人気があるため取り扱っている花屋も多いです。
トルコキキョウ
トルコキキョウは、花持ちが良いことから仏花として人気があります。年間を通して流通していることから、どの季節でも手に入れやすいでしょう。旬は6月から8月のため、特にお盆の時期のお墓参りにおすすめの花です。
リンドウ
秋の花であるリンドウは、落ち着いた美しい青い色が印象的な花で、アレンジのアクセントになってくれるためおすすめです。「正義」や「誠実」の花言葉で、リンドウを飾り故人の人柄を表すのも良いでしょう。
ひまわり
太陽に方向へと咲く明るいイメージのひまわりは、仏様とは縁遠いようなイメージですが、黄色い色が明るくてきれいなため、お墓参りの花として人気があります。大輪のひまわりよりは、小ぶりのひまわりが取り扱いやすいのでおすすめです。
榊
お墓参りをするお墓が神式であれば、榊をお供えしましょう。榊は文字通り、神様に捧げる枝であり、古来より日本では植物には神様の力が宿ると考えら考えられていました。そのため、神聖な植物とされた榊の枝葉は神事や神式のお墓では定番とされています。
常に生い茂っているツバキ科の常緑樹であるため、年間を通して購入できます。しかし、温暖な地域以外では榊の生育が悪く、樫や松で代用する場合もあります。また、椿や山茶花を榊と呼ぶ地域もあるようです。
タブーとされるお墓には供えてはいけない花
お墓参りで供える花でタブーとされるのは、バラのようにトゲがある花や、匂いが強すぎる花です。また、朝顔などのツル性の花やキョウチクトウや彼岸花、水仙やスズランなどの毒を持つ花もタブーとされています。
お墓参りで供える花選びに自信が無い人は、花屋やスーパーなどで「供花」として販売されている花束を選びましょう。供花として販売されている花束であれば、タブーとされる花が含まれていないため安心です。
しかし、近頃は故人が生前に好んでいた花であれば、タブーとされる花であっても供えても良いとされています。例えば、バラはトゲを取り除いてから供えると良いでしょう。ただし、故人が好んでいた花であっても自分の家のお墓ではないのであれば避けましょう。
お墓参りで供える花の相場
お墓参りで供える花は、「仏花」として数種類の花をバランスよく束ねて花屋やスーパーなどで売られています。相場は1束500円前後です。しかし、花はお墓の両端に飾る場合が多いため、2束購入する必要があります。そのため相場は1,000円前後だと言えるでしょう。
季節や花の種類によって値段は上下します。例えば、百合などを入れると豪華で美しいですが、値段は上がります。
お墓参りで花がいっぱいの場合
お彼岸やお盆・月命日など、同じタイミングでお墓参りに行く人は多いものです。その際、お墓参りに行くとすでに花がいっぱいの場合もあるでしょう。もし、お墓参りに行った際に花がいっぱいだった場合は、まずはお水を替えましょう
その際に、枯れかけている花が混じっていないかの確認をします。枯れている花があれば、持参した花と差し替えます。場合によっては持参した花が余ることもありますが、余った花は持ち帰り自宅や仏壇に飾ることもできます。
お墓参りに持参した花でも1度もお墓に供えていないのであれば、仏壇に飾っても良いとされています。
お墓参りの花の供え方
お墓参りの花の供え方は、お墓参りの後にすぐに持ち帰る場合には気にする必要はありません。しかし、残して帰る場合は、花が長持ちするように活ける必要があります。花立をきれいに掃除し、花立の汚れを落としておくと花のもちも良くなります。
花を活ける際には、葉の部分が水に浸からないようにしましょう。水に浸かる部分の葉は、取り除きます。葉が水に浸かると、その部分は腐りやすくなり、茎が腐ればおのずと花も腐りやすくなります。
また、花立の高さに合わせて花の茎をカットする際に、カットする部分を水に浸した状態でカットします。そうすることで、水の吸い上げが良くなり花が長持ちします。この際、良く切れるハサミを使用してカット面は斜めにすると良いです。
お墓参りの花をきれいに供える方法
お墓参りで花をきれいに供えるには、コツがあります。それは、花立に花を活ける際のバランスです。正面から見て逆三角形になるように活けるときれいに見えます。また、手前にくる花の背丈は低く、後ろにいくほど背丈を高くすると立体感が出て、バランスが良くなります。
お墓参りに花なしの場合も
事前に他の人が先にお墓参りをして花をお供えしていることが分かっている場合は、花を持参しない場合もあります。特に、お彼岸やお盆、月命日など、お墓参りのタイミングでは、親戚などと連絡を取って確認をすると良いでしょう。
霊園や墓地のルールでお供えしたものはすべて持ち帰るということが定められいる場合もあります。自分より先にお墓参りをした人がいたとしても、供え物や花はすべて持ち帰っていることが考えられるため、花は持参する必要があります。
また、花が準備出来なかった場合は「花が準備出来なかったからお墓参りには行けない」というのではなく、花をお供えするかどうかよりもお墓に手を合わせる供養の気持ちの方が大切です。
花を供えられない場合
お墓が遠くにある場合や、高齢、多忙であるなどの理由により、お墓参りに行き花を供えたくても供えられない場合もあるでしょう。そのような場合は、お墓参りの代行を行う業者へ依頼することも1つの方法です。
業者によっては、お墓の掃除とお墓参をセットで行うところもあります。定期的な依頼が出来る業者や単発的な依頼が出来る業者など、システムもさまざまです。自分に希望に合った業者を探すのも良いでしょう。
キリスト教でのお墓参りの花
キリスト教では、お墓参りは故人に対して敬意を払う行為とされています。そのため、故人に安らぎを与えられるように、故人の好きだった花を選ぶことが一般的です。花の色は白を基調にまとめられることが多いです。花束だけでなく、リング型にアレンジされることもあります。
思いやりを持った花選びを
今回は、お墓参りで供える花についてご紹介しました。お墓参りで供える花は、一般的な考えの他にも、宗教や宗派、地域、家族によっても異なります。どのような場合においても、思いやりを持った花選びをしましょう。
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