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明治政府の方針から、屯田兵と呼ばれる開拓民によって開墾された経緯を持つ北海道ですが、冬場の厳しい自然環境や広大すぎる土地面積から、親族が全員集まる機会が限られるという事情があります。
そのため葬儀などの場であっても、親戚が一堂に会する数少ない機会を大切にしようとの考えから、祭壇を前に親族全員の集合写真を撮影する風習があります。
また、通常葬儀後に行われる法事法要である四十九日は、遠方からあらためて親族を呼ばなくてもいいよう、葬儀を終えた後に繰り上げて行う地域が多く存在します。その場合、本来の四十九日は、家族のみで小規模な法要が行われます。
この様に北海道の葬儀には、開拓民特有のおおらかさが起因する合理性、広大な土地や冬の厳しさが起因する移動制限などの事情が反映され、その土地ならではの風習やしきたりが数多く存在します。
北海道では前述の通り、四十九日法要が葬儀の後に繰り上げられて行われる、という特徴があります。また一部の地域では、東北地方によく見られる「前火葬」を行う地域も存在します。
この様に、地域色が強いと言える北海道の葬儀事情ですが、以下の流れで行われるのが一般的です。
ご臨終・葬儀業者へ依頼→遺体の安置・枕飾りを施す→葬儀業者との打ち合わせ→納棺の儀→通夜→葬儀・葬式→出棺→火葬→遺骨法要・四十九日繰り上げ法要→自宅にて遺骨安置→忌明け
先に触れたように、北海道の葬儀における一番の特徴と言えば、葬儀中でも祭壇の前に親族が一堂に会して、集合写真を撮るしきたりがあることです。
この場合、専門のカメラマンが手配されることもあり、お葬式を親族の思い出として捉える側面がある北海道の葬儀様式は、おおらかな北海道民の気質を反映した風習と言えます。
北海道の中でも、函館を中心とした道南地域では「前火葬」を行います。一般的には火葬は葬儀・お葬式を終えてから行われるものですが、前火葬では通常の葬儀進行と逆になり、火葬を行った後に葬儀・お葬式を行います。
この風習を知らずに北海道の葬儀に参列すると、故人と対面する事ができずに心残りがある葬儀となってしまします。北海道の葬儀に参列する方で、故人との対面を希望するのであれば、必ずこの前火葬について喪主、あるいは葬儀業者へ事前に確認する事をお勧めします。
仏式の葬儀において、通常は白色を基調として葬儀会場の雰囲気に配慮された供花ですが、北海道の葬儀においてはむしろカラフルな色の供花が好まれるという傾向があります。
具体的には、薄いピンク・黄色・薄紫の花が好まれ、北海道の葬儀会場には他県にはない華やかな色合いも多く、キリスト教式の葬儀に近い雰囲気があります。
しかし、いくら鮮やかな色の供花が好まれるとは言え、バラなどの派手過ぎる花やトゲのある花は供花として用いる事はありません。
北海道の葬儀会場では、受付の記帳がありません。受付で香典を手渡すと、その場で中身を開き金額を確認されます。その後、受付担当者から「香典代」として領収書が渡されます。
通常の葬儀会場の受付に慣れている方にとっては、何とも業務的で面食らうこの風習ですが、従来の考え方よりも本質的で合理性を重んじる、北海道特有の習慣が反映された風習といえます。
また香典返しはなく、葬儀会場で香典を渡した際には会葬御礼ハガキと粗品が手渡されます。粗品の内容は・砂糖・お茶・海苔などが一般的で1000円程度のものがほとんどです。
ただし、故人が生前深くお世話になった会社関係の方・親交が厚かった友人・親族などに対しては、後日改めて、お礼の品を送ります。
なお香典の額は・家族で5万円~10万円・親族で1万円~3万円・一般参列者で5000円程度が相場となっています。