【マナー】香典返しの挨拶状の注意点・押さえたいポイント・宗教
公開日 : 2020/2/20
更新日 : 2020/9/10
葬儀に参列していただいた方や香典を頂いた方への感謝の気持ち、無事に法要を終える事ができたという報告をかねたものが香典返しのお礼状です。色々と忙しいですが、これも大切な事です。気を付けたい点やマナーを解説していますので参考にしてみて下さい。
公開日 : 2020/2/20
更新日 : 2020/9/10
目次
香典返しの挨拶状とは?
故人の弔事が滞りなく終えられたら、その報告と会葬などでお世話になった方々に挨拶状を添えて香典返しを送るのが一般的です。香典返しの挨拶状ではどのような事を書いたら良いのかや注意したい点、マナーなどを紹介します。
香典返しの挨拶状とはどんなものか
本来、仏教では49日の忌明け後に香典返しをするのがしきたりとなっています。正式な香典返しは直接伺って渡すものですが、それが難しい場合は書面に感謝の気持ちを書き、品物に添えて贈ります。この事を香典返しの挨拶状と言います。
この挨拶状は忌中が明けたことを報告するものでもあり、忌中は遺族は原則とし慶事に参加できないので周りの人もお祝い事に招くことを控える期間です。挨拶状ではその期間が終了したという事も知らせます。香典返しをしない場合でも、お礼状は送る事がマナーです。
香典返しを贈る流れを把握する
故人が亡くなった事を親族や近親者に伝えます。初七日は葬儀の日に行う事も多いです。二七日、三七日、四七日、五七日、七七日が終われば忌明けになるので香典返しを贈ります。その後は百ヶ日法要、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌~と続きます。
- (喪主の決定をします。)喪主は故人に一番近い血縁者が務めるのが基本です。
-
(寺院へ連絡します。)先祖代々のお墓があるお寺へ連絡します。菩提寺がないなどの場合は葬儀社へ相談しましょう。
- 葬儀社へ連絡します。
- .(僧侶や葬儀社との打合せをします。)通夜や葬儀・告別式の日程などの具体的な内容を決めます。
- (法要を行います。)お通夜は亡くなった当日か翌日の夜に遺族や親族などの近親者で行い、その後にお葬式や葬儀を行います。
香典返しの挨拶状の押さえておきたいポイント
香典返しの挨拶状を書く時の押さえておきたいポイントを解説します。香典返しの挨拶状の構成や注意点、句読点、重ね言葉や宗教や宗派による言葉の違いなどを紹介しています。しっかり確認して失礼のないようにしましょう。
香典返しの挨拶状の構成
一般的な香典返しの挨拶状の構成を紹介します。
- 「亡~~儀葬儀に関しましては~」のように、最初に故人と喪主との続柄と故人の姓名(俗名)を書きます。
- 本文には会葬や香典へのお礼や四十九日法要が無事に終了した事を伝えます。戒名(法名)を入れる場合は「本日~院~居士 四十九日法要を営みました」などと書きます。香典返しと同封する場合はその事をお伝えします。生前のお付き合いのお礼と今後のご支援へのお願いをしてお礼状が略儀であることへのおわびも書きます。
- 日付と喪主名を書き、横に「親族一同」も書きます。
故人の名前や句読点について
故人の名前は「亡父」や「亡祖父~や故~」、「弊社社長~儀」などの書き方があります。季節の挨拶はいりません。頭語と結語は必ずいるのではなく両方入れるか入れないようにしましょう。一般的に挨拶状に句読点はあまり使いません。
葬儀や法事が滞りなく済むようにという意味から文章が途切れる句読点を使わないなどの理由があります。 句読点を付けても問題ないですが、なるべく避けましょう。自分で印刷する時には印刷する前にもう一度、よく確認しましょう。
重ね言葉などについて
弔事のお礼状では「重ね重ね」や「ますます」、「たびたび」などの重ね言葉は不幸が繰り返されることを連想させるものなので使わないので注意しましょう。香典返しの挨拶状で避けた方が良い言葉の例を紹介します。
「いよいよ」・「かえすがえす」・「重々」・「くれぐれ」・「ふたたび」・「続く」・「引き続き」・「次に」・「また」・「なお」・「死亡」・「急死」・「生きる」等です。他にも重ね言葉と同じように重なるは弔事ではマナー違反です。
挨拶状は1枚に収めて封筒も1重の白無地を使います。手書きの場合は縦書きが基本です。墨は薄墨でも濃い墨でもどちらでも良いですが、通例では己明け後に送るお礼状は濃い墨を使います。地域によっては薄墨で書く所もあるので、親戚や年配の方に聞いておきましょう。
宗教や宗派などに応じた言葉
宗教や宗派により使われる言葉も変わります。仏教では「四十九日法要」や「忌明法要」が使われます。同じ仏教でも西日本では「満中陰法要」と呼ぶ地域もあるので地域によっても違います。神教や天理教で仏教の四十九日法要に相当するのは「五十日祭」です。
キリスト教ではカトリックでは「追悼ミサ」と呼び、プロテスタントでは「記念集会」と呼びます。それぞれの宗教や宗派、地域に合わせた言葉を使いましょう。葬儀などに参列する場合には宗教や宗派を確認しておくようにしましょう。
香典返しの挨拶状のポイント
香典返しの挨拶状の書き方やポイントにはどういった点に注意したら良いのでしょうか。初めて香典返しを行う場合もあると思うので、よく確認して失礼の無いようにしましょう。仏教やキリスト教、無宗教について詳しく見てみましょう。
挨拶状の流れ
まずは、挨拶状の流れを確認しましょう。
- 頭語(謹啓・拝啓など)を書きます。
- 会葬や香典に対するお礼を書きます。
- 忌明けの法要が滞り無く終わったことの報告を書きます。
- 香典返しの品物を贈る事のお知らせを書きます。
- 略儀で済ませることへのお詫びの言葉を書きます。
- 結語(敬白・敬具など)を書きます。
- 日付・差出人の名前を書き完了です。
仏教の場合
香典返しの挨拶状は仏教の場合、四十九日を過ぎた頃に相手に届くように準備をします。どうしても忌明けの後から1か月以上も香典返しを送れない場合には、お詫びのメッセージを添えるようにしましょう。
仏教でも宗派により違いがあります。仏教の宗派の1つの浄土真宗は、親鸞というお坊さんが積極的に広めた教えです。浄土真宗の場合には四十九日ではなく、初七日から数えて1か月以内に香典返しを行うのが基本です。
他の宗派では人が亡くなった後は霊になり、試練を経て四十九日には仏様になると考えられていますが、浄土真宗の場合には亡くなった後にすぐに極楽浄土へ行って仏様になるという教えなので故人を偲ぶ期間である忌中はありません。香典返しも早く送る場合が多いです。
キリスト教の場合
キリスト教には香典や香典返しという習わしはありませんが、「御花料」などのお返しをすることが多いです。カトリックでは亡くなられてから30日目の追悼ミサの後、プロテスタントでは1ヶ月後の昇天記念日の後に贈ります。
キリスト教でも宗派が違うと言葉の選び方も違うので注意しましょう。のしが付いていない無地の掛け紙を選んで水引は黒白か黄白の結び切りにしましょう。表書きはのしの上には「偲び草」や「志」と書き、のしの下には喪主の名字かフルネームを書きます。
無宗教の場合
最近では無宗教で葬儀を行う事も増えています。形式ばった葬儀より自由な葬儀の方が良い方や少しでも葬儀費用を抑えたい方など、故人や家族の意思などにより無宗教を選ばれています。
無宗教の場合には仏式や神式、キリスト教式などの特定の宗教や宗派にとらわれずに自由な形式で葬儀ができる特徴がああります。僧侶や神官、牧師、神父もいないので通常とは進行や流れが異なるので葬儀会社に相談して決めるようにしましょう。
無宗教の葬儀の場合には四十九日や一周忌等の行事はその後もないですが、 同じような時期に故人を偲ぶために遺族が集まり食事をするケースも多いです。挨拶状の書き方は大体同じですが「所持万端滞りなく済ませることができました」というように書きましょう。
香典返しを送る時期
香典返しを送る時期は四十九日が過ぎてから送る「後返し」とお通夜やお葬儀の当日にお返しものを渡す「当日返し」があります。それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。自分のやりやすい方法で香典返しをしましょう。
四十九日を過ぎてから送る後返し
本来、香典返しは亡くなられてから四十九日法要までの間に頂いた香典に対してお贈りする物です。四十九日までの法要を無事に終えたという報告の意味合いもあるので、一般的に贈る時期も四十九日を過ぎてからの後返しが多かったです。
後返しのメリット・デメリット
後返しのメリットは頂いた香典の額に合わせて香典返しを選ぶ事ができます。四十九日まで時間もあるので、個人にゆかりのある品を選ぶ事もできて心遣いをする余裕もあります。それに昔ながらの贈り方なので、きちんとした印象になります。
デメリットは葬儀の後に手間のかかる事が増える事です。葬儀の前後に遺族はやらなければならないことが多いため慌ただしいです。後返しの手配もしなければならないと他の事に手が回らなくなる場合もあります。どちらにするかは慎重に選ぶようにしましょう。
当日返し
昔ならお通夜や葬儀に参列する人は近所に住んでいる事が多く、一般的に四十九日の法要に参列される方も多かったです。今では親族でも離れた場所に住んでいるケースが増えてお通夜やお葬式に出席しても、四十九日法要には参列しない事も増えました。
それぞれが様々な場所で生活しているので集まる事が大変なのです。その為、葬儀当日に香典返しを用意する「当日返し」または「即返し」が徐々に定着してきました。「後返し」か「当日返し」にするかは、ご自身のやりやすい方法を選ぶと良いです。
当日返しのメリット・デメリット
後返しの場合には香典を頂いた方のリストを作り、香典の額を把握してそれに合わせて何種類かの香典返しを用意しなければなりません。四十九日法要に出席されない方には配送の手配もしなくてはいけないので、やらないといけない作業が多いです。
それに比べて当日返しは出席者数に合わせて同じ品を用意しておき、お通夜やお葬式で渡せるので手間が軽減されるところがメリットです。デメリットは当日返しの場合、香典の額がすぐに分からないので香典返しを贈り分けるといった事ができません。
高額な香典の場合には、後日あらためて追加の香典返しを用意するといった手間がいります。また、全員に同じ品を用意するので相手によってお品を変えられなく無難な品を用意しなくてはいけません。
香典返しをしない場合の挨拶状
香典返しをしない場合もありますが、基本的には香典返しを贈るのがマナーです。その為、事情も伝えずに香典返しを贈らない場合、相手から不信感を抱かれてしまう原因になります。香典返しをしない場合にはその理由を挨拶状に書き、送るようにしましょう。
香典を断った時や寄付した場合・子供が小さい場合
本来であれば香典を頂いた場合は忌明けである四十九日に香典返しと一緒に挨拶状を贈るのが基本です。故人の意向で香典は寄付をする場合や小さい子供がいて香典を返せないような時などの香典返しをしない場合は挨拶状のみを贈ります。
挨拶状では香典返しを辞退する理由以外にも伝えなければいけない言葉があり、その書き方にも注意が必要です。また、相手に香典返しをしない理由をきちんと理解してもらわなければいけません。
伝えなければいけない事は葬儀への参列や香典への感謝、忌明けの法要を終えたという報告、香典返しをなぜ辞退するのか、直接伺えなく挨拶状での伝達となってしまったという事です。葬儀や法要での不備を連想させない為、句読点を使わないのが正しい書き方です。
香典返しの相場は?
香典返しの金額の相場は頂いた香典の2分の1から3分の1程度が目安です。ですが、2分の1と3分の1では贈り先の数が多い時にはかなりの差が出てしまいます。香典返しの相場や考え方、金額の決め方などについて解説します。
香典返しの由来や考え方
香典返しの金額は、一般的に頂いた香典の半分程度を返す「半返し」です。昔は葬儀を終えると頂いた香典の半分程度が残ったので、お世話になった方にお返ししたり菩提寺に寄進したりしたのが半返しの由来です。
ひと昔前は葬儀や通夜の参列者は近隣の人たちのみで行われていて関東では「半返し」、関西では「3分の1返し」が一般的とされていました。しかし、今では親族も各地にいる方も多くて半返しの考え方が全国的に広まっています。基本的には半返しと考えて問題ないです。
香典返しが3分の1や無しで良い場合
香典を頂く側になることもあれば差し上げる側になる場合もあります。そのため、香典返しはマナーを守り香典を頂いた相手にお礼や感謝の気持ちを伝えることが何よりも大切です。地域や親族内の決まりもあるので地元の家族や親戚などに確認しておくようにしましょう。
一家の働き手が亡くなったり未成年の子供がいる場合には香典返しは3分の1かしなくても良いです。香典が5万~10万という高額な場合には3/1~4/1程度の品を贈りましょう。また、香典返しの挨拶状は無料でしてくれるお店もあるので、色々な所で確認してみましょう。
大変な方は業者に頼むのも一つ
香典返しにはインターネットの通販で手軽に用意できるものもあるので、忙しい方にはそちらがおすすめです。購入した品物に挨拶状を付けてくれるお店も多く、お願いすれば自宅に居ても全て対応してもらえるので便利です。
挨拶状はいくつかの定型文が用意されていて失礼のない文章で書かれています。宗教や故人の名前や年月、喪主の名前などを伝えれば個別の内容で作成してくれる場合もあるので手間を減らす事ができます。
葬儀や片づけなどで忙しい方は少しでも手間を減らせると負担も減ります。香典返しの通販ショップなら送り先ごとにきちんと品物にのしやお礼状を付けて、包装紙で包んで発送してくれるので安心して任せられます。
お返しの品と一緒に気持ちを包む
香典返しのお挨拶状はお返しの品と一緒に頂いた方へのお礼の気持ちや今後ともよろしくお願いしますという気持ちも包んでいます。その為、相手を敬う気持ちで挨拶状も書くようにしましょう。
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