香典を入れるふくさの種類や包み方【ふくさがない時のマナーも】

公開日 : 2021/3/21

更新日 : 2021/3/21

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葬儀に参列した際、香典をふくさに包んでいる方をご覧になったこともあるでしょう。弔事で使うふくさの色は青色や緑色など寒色系を使いますが、急なことでふくさがない時もあるでしょう。そこで、今回はふくさの種類や色、包み方などからふくさがない時のマナーもご紹介します。

公開日 : 2021/3/21

更新日 : 2021/3/21

目次

そもそもふくさ(袱紗)とは?

ふくさは、贈り物で金品など大事なものを覆うための絹やちりめん(縮緬)などで作られた小さな布のことを言います。ふくさとは「ものを柔らかく包む、ふんわりと折りたたむ」などの意味を持つふくさめるが由来です。

 

元来、貴重品などの箱の上にかけられていた風呂敷が、贈答品を運ぶ際に日に当たるのを防ぐのが始まりと言われています。現代では、冠婚葬祭の際に祝儀・不祝儀袋を包むのに使われ、弔事の葬儀では香典袋を包むのに使われているのがふくさです。

 

しかし、急に訪れる弔事の際に、正しいふくさのマナーがわからず焦ってしまう方もいらっしゃるでしょう。そこで、今回はふくさの種類や色、包み方、渡し方、香典袋の表書きの書き方などをご紹介します。

ふくさの種類や色

弔事などのふくさを探す際、さまざまな種類や色などがあり、どれを選べばいいのか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。ふくさは自分の好みの色から選んで良いのでしょうか?

ふくさの色は紫が一般的

ふくさを選ぶ際、慶事と弔事では使う色が違います。慶事用では明るい暖色系の赤色やオレンジ色、朱色、ピンク色などを使います。反対に、弔事用では落ち着いた寒色系の青色や緑色、紺色、灰色、うぐいす色などを選びます。

 

また、ふくさの色で慶弔時のどちらでも使える上に、男女兼用で使えるのは紫色です。紫色でも濃い色と淡い色がありますが、弔事の際は濃い紫色が最適です。そして、紫色は慶事でも使えますので、はじめてふくさを購入する時は濃い紫色を選ぶと便利に使えるでしょう。

 

ただし、ふくさの開き方は慶事と弔事の際で違うので、刺繍や模様が入ったものは絵柄が逆さになってしまう場合もあります。そのため、上下の柄がはっきりわかるふくさは、慶弔兼用としては不向きなので注意しましょう。

黒のリバーシブルも便利

黒のリバーシブルのふくさも便利ですが、黒色は弔事を連想するため慶事には不向きです。しかし、表側が黒色でも裏側が暖色系のリバーシブルのふくさを選ぶと、1枚あれば慶弔どちらでも使えるので便利です。

 

ふくさを選ぶ際は、慶弔のどちらでも使える色のリバーシブルも候補に入れても良いでしょう。

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柄物のふくさは使っても大丈夫?

争議などの弔事の際は、無地のふくさを使います。最近では花柄などのかわいいものもありますが、柄付きや金色の刺繍が入ったもの、桜や鶴などおめでたい柄物は、結婚式などの慶事の時だけ使えます。

 

また、柄や刺繍が入ったものは逆さに包めないため、弔事では使えません。そのため、かわいい柄や花柄などが入ったふくさは、お祝い事の際に使いましょう。

小物入れ付きのポケットタイプ

ふくさの形には、昔ながらの風呂敷タイプとブックカバーのようなポケットタイプがあります。人気のタイプは、たたむ必要がないポケットタイプです。

 

冠婚葬祭では慶事は「右包み」、弔事は「左包み」となるため、左開きが弔事用です。また、慶弔事両用タイプは上下の区別がなく、慶事の際は右開き、弔事では左開きができるよう上下を逆にして使えます。

 

そして、弔事用のふくさの中でおすすめなのが、ポケットタイプで香典を入れるポケットとファスナーで開け閉めできる小物入れが付いたタイプです。この小物入れには葬儀で必要な数珠や香典菓子の引換券やお清めの塩などの小物を収納できて便利です。

包む金額によって種類を選ぶ

ふくさの種類は、香典に包む金額によって違いがあります。ふくさの包み方でもご紹介しますが、ふくさの種類には金封ふくさや爪付きふくさ、台付きふくさがあります。金封ふくさは金封を入れやすい袋状になっていて、1~3万円を包む時に最適です。

 

また、爪付きふくさは3種類の中でも一番シンプルな四角の布状で、香典に3万円以上を包む際に使います。そして、台付きふくさも3万円以上の香典の際に最適で、簡易の切手盆が付いているのが特徴です。

 

ふくさを選ぶ際は、香典に包む金額も考慮して選ぶ必要があります。そのため、紫が慶事でも弔事でも使えて、金封ふくさ略式タイプなのを踏まえて、1つだけふくさを用意しておきたい方は紫の台付きふくさを選ぶのがベストでしょう。

ふくさの包み方は?

ふくさの包み方は、それぞれの種類によって違います。そこで、金封ふくさと爪付きふくさ、台付きふくさ、ふろしきタイプのそれぞれの包み方をご説明します。

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金封ふくさ

金封ふくさは香典袋が入りやすいよう、袋状になっています。ふろしきなどの布状のふくさと比べると、芯が入っているので型崩れなく香典袋を入れられ、お財布のように使えて便利です。金封ふくさは略式とされていますが、難しい包み方を覚える必要がないため、最近では人気があります。

 

また、葬儀会場まで距離があったり、混雑する電車に乗る必要があったりする際は、しわや汚れから香典袋を守れて便利です。しかし、包む金額によってふくさの種類が違うことをご説明しましたが、目上の方や3万円以上を包む際は略式と言われる金封ふくさは向いていません。

 

そして、金封ふくさの包み方は、左開きになることを意識します。つまり、左手でふくさを開けた時に表書きが正しく読めるように入れましょう。金封ふくさの袋状になっている部分が、右側に来るよう包みます。葬儀の際は、右開きと左開きを間違いないようにしてください。

爪付きふくさ

爪付きふくさは、最も一般的な四角い布状のものを言います。ふくさがほどけないよう、爪状の留め具が付いた爪付きふくさもあります。

 

香典袋を包む時は、爪付きふくさがひし形になるよう広げて置きましょう。次に、香典袋を少し右側に表書きが見えるように置きます。そして、右、下、上、左の順にふくさの角を折り曲げて、左から開けられるように包んでください。

 

また、慶事の際は弔事と逆で左側に香典袋を置き、左、上、下、右の順に包みます。弔事は左開き、慶事は右開きと覚えておくと良いでしょう。

台付きふくさ

台付きふくさには、香典袋を乗せるのにぴったりな切手盆(小さなお盆)が付いています。切手盆はリバーシブルのものが多く、慶事ではオレンジ色側、弔事では黒色側を表にして使います。そして、切手盆の上に香典袋を乗せ、左開きになるように包みます。

 

また、お布施を渡す際にも切手盆が使えるため、1枚袱紗を用意したい方は台付きふくさがおすすめです。

ふくさに包んだ香典の渡し方のマナー

香典袋は、ふくさに包んだまま手渡せません。ふくさのまま香典を渡すことは不幸を渡すことと同じ意味だとされるため、香典の渡し方も知っておきましょう。

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受付で渡す場合

斎場で葬儀を行う場合は、受付で香典を管理します。受付で香典を渡す際は、表側を上にしてふくさを開いて、表書きの名前が相手が読めるように向けて差し出すのがマナーです。台付きのふくさを使う際は、切手盆の上に香典袋を置いて差し出します。

 

また、台付き以外のふくさの場合は、折りたたんだふくさを切手盆の代わりにして香典を手渡しましょう。

受付がない場合

通夜などで受付がない場合は、香典を祭壇に供えます。この際、香典袋の表書きを手前から読めるように置きましょう。また、香典は通夜と葬儀のどちらでも持参できますが、両方に出席する場合は通夜に持参するのが一般的なマナーです。

 

最近では家族葬を行う家庭も増えていて、受付がない場合があります。そして、家族葬は身内だけで行うため、香典を辞退する家も多いです。この場合でも、故人と親しくしていた方は、香典を渡したいと思われる方もいらっしゃるでしょう。その時は、控室などで手渡すと良いでしょう。

 

それから、葬儀が終わった後に、香典を家まで直接持って行くこともあると思います。ご自宅を訪問して手渡す際も、弔事用のふくさに香典を包んで持って行くのがマナーです。

ふくさごと渡しても大丈夫なのか?

ご遺族に香典をふくさに包んだまま手渡すのは、マナー違反ですので絶対にしないでください。ふくさに包んだ香典の渡し方のマナーの冒頭でも触れましたが、香典をふくさごと手渡すことは、不幸を手渡すことを意味します。

 

通夜や葬儀の際に香典を手渡す場合は挨拶が終わった後、ご遺族の目の前でふくさから香典袋を取り出しましょう。また、台付きふくさを使う時は手渡しではなく、相手から読めるように切手盆に香典袋を乗せて、お盆か机の上に乗せて差し出します。

 

金封ふくさや爪付きふくさの場合は受付で渡す時と同様、ふくさを折りたたんで代替わりにして、香典袋をふくさの上に置きましょう。

男性がふくさを使う時の注意

普段、男性は小さなバッグを持ち歩くことが少ないため、ふくさをどう持って行けば良いのか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのままふくさを手で持って行くのは格好が悪いので、小さなバッグを持ち歩く方はその中に入れて行くのも良いです。

 

しかし、バッグを持っていない時もあるでしょうから、そういう時は上着の内ポケットに入れて持ち歩きましょう。上着の内ポケット以外の外ポケットやズボンのポケットにふくさを入れるのは、やめましょう。香典をふくさに入れるのは、しわや汚れがつかないようにしているので、ふくさを丁寧に扱ってください。

 

また、台付きふくさを使う際は上着の内ポケットに入れると邪魔になるため、切手盆を外してふくさだけで香典を包みましょう。そして、受付が混雑している際は、列に並んでいる間にふくさから香典袋を出して手渡せるようにしておくと良いでしょう。

ふくさがない時は?

お通夜や葬儀は急に起こることなので、すぐにふくさを用意できないこともあるでしょう。そういう時は、ハンカチや小さめの風呂敷でも代用できます。代用するハンカチなどの色は、できる限り紫色を使いましょう。また、しわがあるハンカチなどだと見栄えが悪いので、アイロンをかけてください。

 

香典を持って行く際は、必ずふくさが必要ではありません。しかし、ふくさを使って大切な香典を包んで持って行くことは、心遣いや気遣いが込められます。

 

ですから、弔事の際は故人の冥福を祈り、お悔やみを申し上げるものなので、丁寧な気持ちでふくさで香典を包んで持って行きたいものです。このことから、大人のマナーとして、ふくさは1枚必ず用意しておくのが良いでしょう。

宗教によってふくさの要・不要の違いはあるのか?

仏教以外のお通夜や葬儀に参列することもあるでしょう。仏教以外の宗教でも、香典をふくさに包む必要があるのでしょうか?ふくさは宗教に関わらず、慶弔時には必要なものです。ふくさには宗教的な意味はなく、日本の心遣いとして昔からあるもので宗教による違いはありません。

 

ふくさは香典袋を汚れないように丁寧に包むものですので、神道やキリスト教などの葬儀でも使います。宗教に問わず、ふくさの種類や色、包み方などはこれまで説明したものと同じです。

 

ふくさを購入できる場所は?

安価なふくさは、100円ショップでも販売しています。そのほかでは、百貨店や呉服店、大手スーパー、ロフト、東急ハンズなどの大型雑貨店、文具店、一部のコンビニエンスストアなどでも手に入ります。

 

こだわりがある方は百貨店や大手雑貨店などだと、品そろえも豊富ですのでチェックしてみてはいかがでしょうか。また、呉服店や百貨店では高価なふくさを取り扱ています。そして、ネット通販ではシンプルなものであれば1,000円前後で探せます。

ふくさに包む香典袋の表書きの書き方

ふくさに包む香典袋の表書きは、故人の宗教によって変わります。そこで、突然のことで焦らないためにも、香典袋の表書きの書き方も確認しておきましょう。

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故人の宗教による表書きの書き方

香典の表書きは「御香典」や「御霊前」と書くのが一般的ですが、故人の宗教によって違うため、事前に確認することが大切です。

 

「御霊前」は宗教を問わず、霊前にお供えする金品の表書きに使います。また、「御香典」は霊前に香の代わりにお供えする金包に用います。神式の葬儀では「御玉串料」、キリスト教の葬儀の場合は「御花料」を使います。そして、香典の表書きには、弔意を表す意味から薄墨を使うのがマナーです。

氏名の書き方(個人の場合)

香典袋の水引は黒と白、または銀色のものを使うのが一般的です。弔事の場合の水引の結び方は、「結び切り」を選びます。

 

そして、香典袋の表書きは水引の結び目の上側に、氏名は下側中央にフルネームで表書きよりも小さめに書き入れます。

氏名の書き方(連名の場合)

連名で香典を渡す際は、個人の場合と同様、香典袋の水引の結び目下に表書きより小さめに書きます。連名の場合は地位や年齢が上の人から順に、右から左へと書くのがマナーです。

 

また、連名の人数が3人以上になる場合は、表には「〇〇一同」など会社や学校のグループ名などと書いて、別紙に全員の氏名を書いて中袋に入れます。そして、中袋には包む金額や住所、氏名を書き忘れないようにしましょう。

 

香典袋の表書きは薄墨を使いますが、中袋には遺族の方が確認しやすいようにペンなどを使って見やすいようにしてください。

香典を包むふくさの種類や包み方などのまとめ

香典を包むふくさは弔事では濃いめの寒色系で、種類も金封ふくさや爪付きふくさ、台付きふくさなどさまざまな種類がありました。黒のリバーシブルは1枚持っておくと便利で、夫婦や家族で兼用するには、濃い紫色のふくさがあると慶弔や男女などの細かなことを考えずに済みます。

 

急なお通夜や葬儀への参列で焦らないためにも、今回ご紹介したふくさの種類や包み方などを参考にしてみてください。