お通夜の流れやマナー、準備していく持ち物についてまとめました!
公開日 : 2020/2/12
更新日 : 2020/9/10
故人との別れの儀式は、大きく分けて「お通夜、葬儀、告別式」の3つです。今回は、葬儀の前に行われるお通夜について分かりやすくまとめました。参列した際に困ることがないよう、マナーや服装、当日の流れについてぜひご確認ください。
公開日 : 2020/2/12
更新日 : 2020/9/10
目次
お通夜とは?
お通夜や告別式、お葬式はみなさんご存じのことでしょう。しかし、それぞれの違いや意味をお分かりですか?今回の記事は、告別式やお葬式との違いにも触れながらお通夜について詳しくまとめていきます。 また、服装やマナーを知らないまま参列してしまった際、失礼にあたる場合もあるため、入念に確認してから参列するようにしてください。
お通夜とは、葬儀の前に行う儀式
お通夜とは、亡くなった翌日の夜に行われる儀式です。集まるのは、家族や、故人と親しかった人です。つまり、告別式やお葬式の前に行われます。 お通夜は、夜通し灯りを消さずに、故人を見守る儀式です。遺族は灯りや線香の火を絶やさないようにします。本来は、身内だけで過ごすお別れの夜のことを指しましたが、 現在では、「半通夜」が増え、1~2時間ほどで終わることが多くなっています。 また、告別式やお葬式は日中や平日で参加できない方も多いため、一般の方も参列をするお通夜も増えています。時間帯も18時から19時頃と、仕事帰りの会社員も駆けつけやすい時間となっています。
お通夜の背景
なぜ、お通夜という儀式が必要になるのでしょうか? それは、死後24時間以上経過した後でなければ、火葬や埋葬は行ってはならないと法律で定められているからです。火葬を行うまでに、ご遺体を安置する必要があるのです。火葬は通常、告別式やお葬式の日に行われます。
葬儀/告別式/お葬式
亡くなった翌日の夜に行われるお通夜の後に、葬儀と告別式が行われます。「お通夜」「葬儀」「告別式」は、故人の冥福を祈ってお別れをする儀式で違いはありませんが、日程や集まる人によって呼び方が変わります。 【葬儀】 一般的に、葬儀は2日間にわたり行われます。 葬儀は、家族や親族などが故人の冥福を祈るための儀式です。僧侶の読経や焼香に始まり、納棺をしてから火葬を行ないます。 【告別式】 一般的に、告別式はお通夜の翌日の午前中に行われます。 告別式は、知人や友人などの一般の参列者も参列して、故人に最後のお別れを告げる儀式です。 【お葬式】 よく聞く言葉ですが、葬儀とは少し意味が違います。 お葬式とは、葬儀と告別式を合わせた意味をもちます。つまり、通夜の翌日から火葬前までの儀式を指す言葉です。 近年は、さまざまな儀式の形があります。現在では葬儀と告別式を同時に行うことが多いため、お葬式とよく聞くようになりました。
お通夜の歴史
【起源】 紀元前、釈迦の入滅後に弟子たちが遺体を見守りながら、死後7日間、釈迦が生涯をかけて説いた説法を夜通しお互い聞き合ったという故事が起源とされています。 【歴史】 昔は現代と違って、人の死亡を完全に確認するのは非常に困難でした。確認作業のために時間をかける必要があったため、お通夜と言う儀式が成り立ったとされています。 【本来のお通夜】 通夜は古来、死者を葬る前夜に、親族や知人が夜通しで鳥獣や悪霊から死者を守ることを意味していました。 遺族や親族は朝までロウソクや線香を絶やさずに、故人と最後の夜を過ごしていました。 そのことから昔はお通夜ではなく、「夜伽(よとぎ):夜寝ないで付き添う」、「伴夜(ばんや):夜をともにする」と呼ばれていました。通夜という言葉の由来は、「夜通し」の意味からきているようです。
お通夜と宗教
宗教によって、お通夜の呼び方やスタイルは異なります。また、仏教では、宗派によって通夜の儀式も変わります。 【仏教】 仏教には宗派があり、宗派によってお通夜の内容が少し変わります。読経や焼香など、基本的な内容は変わりません。 宗派には、真言宗、浄土宗、禅宗、日蓮宗に大きく分けられます。真言宗、浄土宗は「枕づとめ」があります。これは、通夜の間中に灯明と線香を絶やさないようにする儀式です。また、日蓮宗では全員で経を唱える儀式があります。 【キリスト教】 キリスト教のお通夜は、「前夜祭」と呼ばれます。賛美歌や聖歌の斉唱、神父の説教、献花などが行なわれます。前夜祭では、参列者が故人のために聖歌を歌います。 【神道】 神道とは、開祖や経典がなく、神話、八百万の神、自然や自然現象などにもとづくアニミズム的な民族宗教を指します。亡くなった方は守り神になると考えられています。 神道のお通夜は、「前夜祭」と呼ばれます。翌日に行われる「葬場祭」まで、遺族が棺の傍らで蝋燭の灯をともし続けます。 【無宗教】 無宗教とは、特定の宗旨・宗派を信仰しないという思想や立場をあらわします。無宗教のお通夜は、儀式や形式にとらわれず、自由なやり方で故人との別れを行います。 読経や説教はなく、故人の好きだった音楽をかけたり、故人の生思い出の写真をスライドショーで流すなど、その自由な形式から、「自由葬」と呼ばれることもあります。
お通夜の服装・持ち物
お通夜は、突然の訃報で仕事帰りに参列する方も多いため、「必ずこの服でなければだめ」というマナーはありません。ですが、お通夜に適していない服、場合によっては失礼にあたる服もあります。
男女共通
・ブラックフォーマル ・毛皮や革は避ける 殺生をイメージしてしまう動物由来の素材は着用しないようにしましょう。コート以外にも、靴やカバン、ファーなどの小物でも身に着けないようにしてください。
男女別
【男性】 ・黒一色のブラックスーツ、無地のダークスーツが一般的 ・ワイシャツは白色で無地のもの ・ネクタイ、靴、靴下は黒 ・靴下は、無地の黒色 【女性】 ・黒や紺色などのスーツやワンピースが一般的 ・肌の露出が目立つノースリーブは避ける ・レース地や透ける素材は避ける ・ストッキングはできれば黒色 ・靴は黒色でヒールの高すぎないもの 基本的には、黒、紺、グレーの暗色を選ぶようにしましょう。また、光るものも避けたいため、細かいようですが男性はネクタイピンをはずす、女性は靴の金具などに金属がないか確認が必要です。
お通夜の持ち物
【香典】 ご遺族にお渡しする香典です。香典は、ふくさに包んで持参します。お通夜時に用意できなかった場合は、翌日の告別式や葬儀時にお渡しします。そのような場合は、受付で記帳のみで済ませます。香典は、どの儀式でお渡ししても構いません。 【数珠】 数珠の持参は、仏教のお通夜では必要です。仏式のお通夜での数珠は、仏様との世界と繋がることができ、お守りとしての役割があるといわれているからです。数珠を持たずに参列をすると、失礼な行為になってしまいます。 数珠は、儀式の間中は左手首にかけ、床や椅子などに直接置いてはいけません。合掌するときは、両手の親指と人差し指の間に挟むように持ちます。 【その他 小物類】 ・ハンカチ ・手袋 ・傘 どれも、黒色か白色の落ち着いた色を選ぶようにします。色物、柄物はお通夜では目立ってしまいます。また、手袋は革製のものではなく布製のものが適しています。
お通夜の流れ
一般的なお通夜の流れを見ていきましょう。宗派や形式の違いによって内容は少し変わるかもしれませんが、大まかな流れは下記のようになります。
会場に到着したら受付へ
葬儀式場で受付 式場に到着したら受付をします。。深く一礼した後、芳名帳に記入します。また、香典を持参した場合は、ふくさから出して芳名帳に記入する前に受付に渡します。 ↓ ご遺族・親族・参列者の着席 受付を済ませたら、着席します。着席する場所については、一般的には祭壇に向かって右側が親族、左側に参列者が座ります。 ↓ 僧侶入場 僧侶をお迎えします。 ↓ 読経開始 僧侶が読経をはじめます。 ↓ 焼香開始 僧侶の読経中に、喪主、親族、一般参列者の順に焼香を行います。 ↓ 喪主の挨拶 参列者への感謝の気持ちや、故人への想いなどを述べます。 ↓ 閉式の言葉 喪主による閉式の言葉を述べられます。ここで式自体は終了となります。 ↓ 通夜ぶるまい 参列者への食事が振舞われます。忙しい方はお焼香だけすませて帰られる方もいます。
所要時間は長くて2時間
儀式自体は、1時間ほどです。お通夜は、参列者の数で時間が前後します。また、地域や最近の風習では通夜振る舞い行わないことも珍しくありません。 翌日の午前中には告別式もひかえているため、参列者は長居をしないのがマナーとされています。
お通夜でのマナー
参列マナー
お通夜は、誰もが経験するものではありません。子供のころに一度は経験したことがあるとは思いますが、社会人として参列するときとはまるで異なり、戸惑うこともあります。 基本的なマナーを押さえて、遺族や他の参列者に失礼にあたらないような振る舞いをしましょう。
遅刻は極力しないようにしましょう。ただし、30分くらいまでの遅刻でしたら、式はまだ終わっていないため問題ありません。後ろの方の席に座り、焼香の順番を待ちます。1時間以上遅れてしまった場合は、ご遺族にお詫びをして、焼香だけさせていただきましょう。 ですが、大幅に遅れる場合は、ご遺族に迷惑がかかることがありますので、配慮が必要です。通夜ぶるまいしている20~21時くらいまでなら、遅れて駆けつけてもご遺族の負担になりくいです。 また、お通夜は自宅で行うことも多いため、あまり早すぎてもご遺族の負担となってしまいます。受付は、お通夜開始の30分~1時間前に始まりますので、時間に合わせて会場に向かうようにしましょう。 そして会場に入る前に、携帯電話は電源を切るかマナーモードに設定しましょう。
服飾品マナー
【アクセサリー】 金属のアクセサリーや腕時計は、外したほうが良いです。 ただし、結婚指輪ば着けていても問題はありません。 女性の場合、涙を連想する白のパールが基本で、一連のネックレスかシンプルな一粒イヤリングなどを選ぶのがよいとされます。二連のネックレスは「不幸が重なる」という意味から、厳禁です。 【ネイル】 目立たないものであれば問題ありません。透明な色、ベージュはつけていても目立ちません。簡単にはがすことができない、最近人気のジェルネイルを施してある場合は、葬儀用の手袋をはめましょう。 【ヘアスタイル】 ロングヘアは黒色のゴムでまとめます。髪飾りをつける場合は、暗色のリボンやバレッタでとめます。 【香水】 お通夜は、お香のにおいが立ち込める儀式であるため、香水の香りはふさわしくありません。どうしてもつけたい方は、軽くオーデコロンをつけるくらいでしたら問題ないでしょう。
お悔やみの言葉
遺族や受付時に伝えるお悔やみの言葉は、数多くあります。それぞれ違った意味がありますので、場面に合ったお悔やみの言葉を伝えるようにしましょう。 お悔やみの言葉を伝える際は、頭を深く下げながら述べ、相手を悼む気持ちを表わします。 【ご愁傷様】 ・この度はご愁傷様です。 ・このたびはまことにご愁傷様でございました。 ・この度はご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます。 ご愁傷様とは、相手を気の毒に思う気持ちを述べる時に使います。 【お気の毒様】 ・このたびはまことにお気の毒様でございました。 ・このたびはまことにお気の毒様でございます お気の毒様とは、相手の不幸に同情する気持ちを表わす時に述べます。 【ご冥福を】 ・この度はまことにご愁傷様です。心からご冥福をお祈り申し上げます。 ・このたびはまことに突然のことで。ご冥福をお祈り申し上げます。 ご冥福をというのは、仏教にだけ使えるお悔やみの言葉です。
忌み言葉・失礼にあたる言葉
日本には、古くから「言霊」という言葉が信じられています。言霊とは、発した言葉が魂をもち、その言葉のきっかけで現実に何かしらの影響を与えるといものです。それが派生し、言葉を口に出すとそれが実現するということが信じられてきました。 そのため、特にお通夜のような場では、ふさわしくない言葉は「忌み言葉」とされて用いるべきではない言葉が多くあるのです。 【縁起が悪い言葉】 ・数字の4、9 ・落ちる ・消える ・苦しむ ・滅びる ・大変 ・とんでもない 【重ね言葉】 ・重ね重ね ・度々 ・いよいよ ・いろいろ ・またまた 【生死を意味する言葉】 ・死ぬ ・病死 ・急死 ・ご存命中 ・生きる 【失礼にあたる言葉】 ・がんばってね ・いつまでも悲しまないでね ・元気出してね 励ましのつもりで言った言葉も、遺族にとっては辛いと感じてしまうものもあります。 重ね言葉は、不幸が続くことを連想させてしまうため、お通夜では使わないようにしましょう。 また、遺族から伝えられるまでは、死因については触れないようにします。
まとめ
お通夜は、古くからある伝統的な儀式です。ですが、その形は時代とともに大きく変わってきています。最近では、お通夜をせずに告別式と葬儀を一緒に執り行う「一日葬」や、遺族との時間を大切にする「家族葬」など、さまざまなお通夜やお葬式の形があります。 どんな形であれ、ご遺族の深い悲しみの中で行われる儀式ですので、服装やマナーに十分配慮して参列するように心がけてください。
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