【葬儀】誰かが亡くなった時の訃報はどう書けば良い?【連絡】
公開日 : 2020/1/23
更新日 : 2020/9/10
家族など誰かが亡くなった時に、その死を知らせるのが訃報の目的です。しかし、現在では葬儀に関するマナーもだんだんと変化してきており、訃報の書き方や出し方も変化しています。この記事では、訃報を出す目的や書き方などを詳しく解説しています。
公開日 : 2020/1/23
更新日 : 2020/9/10
目次
訃報とはどんなものか?
まず最初に、訃報とはどんなものでしょうか。意外と知っているようで知らないという人も多いかもしれません。誰かが亡くなったことを知らせることを訃報と言いますが、その訃報には多くの種類があります。
訃報とは?
訃報は「ふほう」と読み、誰かが亡くなった時にその死を周囲の人たちに知らせることを言います。通常、家族などが亡くなった時には親戚や親しい友人、知人などに知らせるのが一般的です。しかし、中には有名人が亡くなった場合や大きな会社の社長が亡くなった時のように、大勢の人に知らされることもあります。
訃報というのは、通常は葬儀に出席してもらう人に出すものです。そのため、通夜や葬儀の日付と場所や、喪主の名前などを合わせて記載します。訃報には誰かの死を知らせるという目的もありますが、周囲の人に葬儀に出席してもらう準備をしてもらうという意味合いもあります。
訃報は何で知らせる?
現在では葬儀のやり方も多様化してきているので、訃報には実は決まった形というのはありません。電話などで故人の死を知らせることも訃報と呼ばれています。新聞やインターネットの記事で誰かの死が知らされることもありますが、これも訃報の一種です。
しかし、一般的なやり方としては手紙や葉書などで故人の死を知らせることになります。訃報を書いた手紙や葉書は、そのまま訃報と呼ばれます。通常は家族や喪主が訃報を書き、親戚や故人と親交のあった友人らに訃報を送ることになるわけです。また、訃報はビジネス上の付き合いがあった人たちに送られることもあります。
訃報はいつ出せば良い?
訃報を出すタイミングというのは決まっています。両親や子供、兄弟など故人にとって重要な関りがあった人たちには、故人の死をすぐに知らせるようにしたほうが良いでしょう。昔はこういった場合には主に電話や電報などが使われていましたが、現在では電話やメールで知らせることが一般的となっています。
その他の人たち、親戚や友人などには、故人を自宅や葬儀場に安置した時点で知らせます。訃報から葬儀までの期間は間が短いことがほとんどですから、訃報を出すタイミングは早いほうが良いでしょう。葬儀に関する詳細などは追って知らせるという形にしてもOKです。
訃報を知らせる順番には決まりがある
訃報を出す順序はおおむね決まっています。両親や子供、兄弟などは電話やメールで故人の死を知ることが多いですが、その他大多数の人たちには故人の死はすぐには伝わりません。中には人づてで故人の死をすぐに聞くような場合もありますが、これは例外でしょう。
故人の死は訃報が来て明らかになるので、訃報を出す順番には気をつけなくてはいけません。まずは、親戚や親友などに訃報を出します。次に、それほど関りのなかった親戚や友人らに訃報を送ります。会社関係の人たちや取引先の人たち、町内会の人たち、それほど親しくなかった知人などには、最後に訃報を出します。
訃報を出す習慣は昔からあった?
故人の死を知らせるという習慣はもちろん昔からありました。しかし、訃報が現在のような形になったのは比較的近代になってからです。訃報は死亡記事とも呼ばれ、新聞が発達するにつれて有名人の訃報が書かれるようになりました。
身の回りの人たちに訃報を知らせる習慣は昔からあり、以前は町内会の回覧板などを使って故人の死が知らされていました。しかし、現在では親しい友人や親戚でも故人から遠く離れた場所に住んでいるケースが多いです。そのため、次第に電話や手紙などが使われるようになってきました。
電話やSNSで訃報を知らせても大丈夫?
訃報というのは、故人の死を知らせるという目的とともに、葬儀の日時などに関する詳細を知らせるという目的もあります。ですから、通常は手紙で出すのが一般的です。しかし、親しい友人や親戚などの場合には電話で一報を入れても良いでしょう。
また、最近ではSNSを使って訃報を出すことも増えてきています。とくに有名人や会社経営者の死などは、新聞やSNSなどで広く世間に知らされることも多いです。ですが、訃報では葬儀の詳細についても知らせなくてはいけませんから、こうした場合でも関係者には追って手紙や葉書で知らせるということが大切です。
訃報の書き方
訃報には、家族や親戚、友人・知人らに知らせる訃報、会社関係者に知らせる訃報など様々な種類があります。では、訃報とは具体的にどんな風に書けば良いものでしょうか。訃報の書き方にはルールやマナーがあるので、こちらで解説したいと思います。
訃報は何で書く?
訃報は普通薄墨を使って書きます。薄墨というのは、通常よりも濃さの薄い墨のことで、これを使うのには理由があります。というのは、涙で墨が薄くなってしまった、突然のことで墨をする時間がなかった、という意味合いが込められているからです。
しかし、現在では葬儀会社などを通じて、訃報を印刷してもらうことが一般的になってきています。訃報は印刷会社に直接頼むこともできます。このように、現在では訃報を印刷してもらうことが通例になってきていますが、どんな方法を選ぶかは喪主次第ということになるでしょう。
訃報に書く項目とは?
訃報に書く項目はいくつかあります。まず、誰がいつどこで亡くなったか、死因はどのようなものであったのか、享年で何歳だったのかを書きます。これらの項目は、故人の死がどのようなものであったのかを周囲の人たちに知らせるためのものです。
また、訃報には葬儀の詳細についても書かなくてはいけません。お葬式には通常、通夜と葬儀、告別式というものがあります。通夜は親しい人たちだけで行うことが多いですが、葬儀や告別式には多くの人が参列することになります。葬儀はいつ、どこで行うのか、葬儀の様式はどんな形で執り行うのか、といったことを書きます。
訃報の書き方のマナーとは?
訃報を書く際にはいくつかのマナーがあります。当然ですが、訃報を出す相手に対しては失礼のない書き方をしなくてはいけません。その他にも、お葬式に関する文章には忌み言葉を避けるという慣例があります。
誰かが亡くなった場合、不幸が重なるのを避けたいと思うことが一般的です。そのため、「くれぐれも」とか「たびたび」といった重ね言葉は訃報に書いてはいけません。「くれぐれもお気を落としにならないように」や「たびたびお世話になっておりました」といった書き方をすることは避けるようにしましょう。
訃報の書き方の具体例:父母や兄弟の死の時
訃報には文例集なども出ていますが、具体的な書き方をご紹介しましょう。まずは父母や兄弟などが亡くなった場合の訃報について実際に例文を書いてみます。
「本日の夕刻、〇時ごろ父が亡くなりました。自然死でした。享年は〇〇歳です。普段から元気な姿を見せていた父のことですから、その死には皆様も驚かれるかもしれません。つきましては、通夜や告別式は仏式にて次のように執り行いたいと思います。
故 〇〇儀 葬儀告別式
通夜 令和〇年〇月〇日月曜日 午後〇時より
葬儀告別式 令和〇年〇月〇日月曜日 午後〇時より〇時まで
場所 〇〇斎場 最寄り駅 〇〇駅
喪主 〇〇
連絡先 〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
電話番号 〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇」
なお、葬儀を行う場所については住所や電話番号といった具体的な情報も記載するようにしましょう。最寄り駅なども書いておくと、遠隔地に住んでいる人であっても迷いにくくなります。また、喪主については「長男」や「長女」など、故人との続き柄を記載するようにします。
訃報の書き方の具体例:会社関係者の死の時
会社関係者が亡くなった場合には、人事部の部長などが取引先に対して訃報を送ることもあります。こちらも、家族が亡くなった場合と書き方はほぼ同じなのですが、若干表現に違いがあります。こちらは社内や社外に対して出す訃報となるため、故人の呼び方などに気を付けなくてはいけません。
例えば、社長の父親などが亡くなった場合には、「当社社長のご尊父」といった書き方をします。同様に、母親であれば「ご母堂」、夫人の場合には「ご令室」、夫の場合には「ご主人」、息子さんの場合には「ご令息」、娘さんの場合には「ご令嬢」といった具合に書きます。社内通知をする場合には、メールなどで訃報を連絡しても良いでしょう。
「先の〇月〇日、〇時ごろ当社社長のご尊父である〇〇様がご逝去されました。長年の闘病の末の病死でした。享年は〇〇歳です。通夜や告別式などは次のような次第で、仏式にて執り行います。
故 〇〇儀 葬儀告別式
通夜 令和〇年〇月〇日月曜日 午後〇時より
葬儀告別式 令和〇年〇月〇日月曜日 午後〇時より〇時まで
場所 〇〇斎場
最寄り駅 〇〇駅
喪主 〇〇
連絡先 〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号
電話番号 〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇」
訃報の返信の書き方
友人や知人、親戚などが亡くなった場合には訃報を受け取ることになります。では、訃報に対する返信などは必要になってくるのでしょうか。こちらでは、訃報に対する返信が必要かどうかや、その書き方などを解説しています。
訃報に返信は必要?
訃報の返信については、出す場合と出さない場合とがあります。というのは、訃報の連絡を受けても葬儀には出席しないといったケースもあるからです。ですが、とくに社内通知のメールで訃報が送られてきたような場合には、ビジネス上のマナーとしても返信を出したほうが良いでしょう。取引先からメールや手紙が送られてきた時も同様です。
訃報への返信は、訃報が送られてきたのと同じ方法で返すことになります。つまり、手紙が送られてきたのであれば手紙で、メールで送られてきたのであればメールで返してしまってかまいません。一方、電話で訃報を聞いた場合には失礼のないように受け答えをします。
訃報に返信する際の文例
訃報に返信をする際には、故人に対する哀悼の意を込めて、丁寧な返信をするように心がけてください。また、訃報と同じく忌み言葉などは避けるようにすべきです。具体的な文例を挙げれば、次のようなものになります。
「この度は〇〇様がご逝去なさったとのことで大変驚いております。謹んでお悔やみ申し上げます。お慰めの言葉も思いつきませんが、貴方様も心身ともに大変なおり、どうかご自愛ください。弔問にはぜひとも出席させていただきたく、その際に故人とのお別れを今一度告げさせていただきたく存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。」
葬儀には出席せず弔電を送るという方法も
場合によっては、訃報をもらっても葬儀には出席できない、またはしたくない場合があります。故人とそれほど親しい間柄ではなかった場合や、遠隔地に住んでいて葬儀には間に合わない場合などです。また、病気療養中で葬儀には出席できないケースもあります。
そうした場合には、弔電を送るという方法もあります。弔電の具体的な書き方としては、例えば次のようなものになります。
「〇〇様のご逝去の報に接し、心よりのお悔やみを申し上げます。この度は病身のため、弔問させていただくことはかないませんが、謹んで哀悼の意を表させていただきます」
「〇〇様のご母堂様がなくなった由、お慰めの言葉も思いつきません。ご遺族の皆様のご心痛はいかばかりかとお察し申し上げます。謹んで〇〇様のご母堂様のご冥福をお祈り申し上げます」
訃報の書き方のポイントや注意点
ここまでで、訃報の書き方や訃報への返信の仕方などについて解説してきましたが、お分かりいただけたでしょうか。訃報の書き方にはルールやマナーがあることも、ご理解いただけたのではないかと思います。最後に、訃報を書く際のポイントや注意点などについてご説明したいと思います。
要点を絞って明確に書く
訃報というのは、弔辞などとは違い、簡潔明瞭に書くことが大切です。具体的には、故人が亡くなった際の様子や享年、お葬式の日時や場所などを書くことになります。その際、なるべく大仰な言い方は避け、要点を絞って書くことが大切です。
また、相手への敬意を忘れないということも大事です。故人が亡くなって悲しいのは家族だけでなく、親戚や友人も同じです。通常、訃報は喪主が書くことになるわけですが、送る相手への敬意も欠かさないように十分に気を付けましょう。
忌み言葉は使わない
日本の習慣では、多くの忌み言葉というものがあります。忌み言葉というのは特定のシチュエーションで使ってはいけない言葉のことです。訃報に関する場合、不幸がこれ以上重ならないように、不幸を連想させるような言葉を使わないということが必要になってきます。
具体的な例を挙げればきりがないのですが、事故や死を連想させる言葉や、夫婦の離別を連想させるような言葉は避けるべきだとされています。一例としては、「無くす」や「切る」、「離れる」、「去る」といった言葉があります。また、宗教的な意味合いでの忌み言葉もあり、仏教徒が亡くなった場合には「浮かばれない」といった言葉は避けなくてはいけません。
宗教的な表現にも気を付ける
訃報に限らず、お葬式関連の文章には宗教や宗派なども大きく関係してきます。例えば、仏教では亡くなった人は死んで仏様になると考えられています。一方、キリスト教では亡くなった人は天国に召されるという考え方になっています。ですから、訃報を書く際にもこうした点に気を付けなくてはいけません。
とくに本人の死に関する部分では、仏教の場合であれば「往生」や「逝去」といった言葉を使いますし、キリスト教の場合であれば「昇天」や「召天」という言葉を使います。また、神道の場合には「帰幽」という言葉を使います。このように、宗教や宗派ごとに訃報における言葉遣いというのは大きく違ってきますので、十分に気を付けるようにしてください。
訃報の書き方についてのまとめ
訃報とは誰かが亡くなったことを知らせることで、電話や葉書など様々な種類があります。とくに葉書で訃報を書く場合には、必ず薄墨を使うようにしてください。訃報というのは、お葬式の種類や日時を知らせるという役割もあるので、簡潔・明瞭な書き方を心がけるようにしましょう。
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