通夜・葬式の化粧の仕方とマナーを解説|葬儀にふさわしい片化粧と髪型

公開日 : 2021/3/20

更新日 : 2021/3/20

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突然の訃報を受けて通夜や葬式に参列をするとき、大人の女性のたしなみとして化粧マナーは知っておきたいことの一つではないでしょうか。そこで今回こちらでは、通夜や葬儀の化粧の仕方とマナーを解説します。葬儀の場にふさわしい髪型についても詳しく解説します。

公開日 : 2021/3/20

更新日 : 2021/3/20

目次

葬式では「片化粧」が基本

普段であれば、健康的で華やかに見せることを目的として化粧をする人が多いのではないでしょうか。しかし、通夜や葬式に参列するときの化粧にもマナーがあります。その通夜や葬式の場にふさわしい化粧は「片化粧」と呼ばれています。

 

片化粧とは、喪服を身につけた女性が通夜や葬式の場に参列する際に求められる化粧のことです。似た言葉に「薄化粧」があります。片化粧と薄化粧の意味は似ているのですが、薄化粧に加えて口紅を引かない化粧のことです。

 

「薄化粧に加えて口紅を引かない化粧」とはいったいどのような化粧のことなのか、イメージが湧かないという人も多いものです。そこで今回こちらでは、通夜や葬式に参列する際の化粧のマナーについて解説します。

片化粧の仕方

通夜や葬式の場にふさわしい「片化粧」の仕方が分からないという人も多いのではないでしょうか。ここからは、顔のパーツごとに化粧の仕方やポイントを解説します。

化粧下地

化粧下地は、つやのある肌ではなくマットな肌に仕上げましょう。その際、ラメやパール入りの下地の使用は避けましょう。下地だけでなくファンデーションもラメやパールが入ったタイプを使用すると、どうしてもつやのある肌に仕上がってしまうので避けることをおすすめします。

 

また、ファンデーションの色は、極端に白すぎたり、黒すぎたりすることのない、普段から使用している肌馴染みの良い色で良いでしょう。いくら肌馴染みが良いとはいっても厚塗りにならないように、薄く延ばして使用しましょう。

目・眉

目元の化粧は、しない方が良いでしょう。なぜなら、目元の化粧は涙や汗で流れやすく、化粧が崩れてしまい化粧直しが必要となってしまうからです。また、目元の化粧は特に化粧の仕上がりを華やかに見せる効果が高いため、ビューラーやマスカラの使用も避けると良いでしょう。

 

アイシャドウやアイラインは入れない、または、入れるのであればブラウンやベージュなど、肌馴染みの良い色を選びましょう。目元に化粧するのであれば、目力が強調されないように注意しましょう。

 

眉は、極端な形ではなく自然な形で仕上げるようにしましょう。眉の形を整える程度の化粧で十分です。眉の色は、ブラウンやダークブラウンを選び、落ち着いた雰囲気に仕上げることをおすすめします。

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通夜や葬式に参列するときの片化粧では、頬に色を入れるチークは使用しません。ただし、チークを使わないことで顔色が悪く不健康に見えてしまっては、周囲の人に心配をかけてしまいます。その際は、顔色が悪く見えない程度のチークを薄く入れるのは良いでしょう。

 

また、陰影をつけて立体感を出すためのハイライトも使いません。立体感は、顔立ちを華やかにしてしまいます。

片化粧の正しいマナーとしては、原則として口紅は引きません。なぜなら、「悲しみのあまり口紅を引くことさえも出来なかった」という気持ちを表しているからです。もちろん、華美な印象を与えないという理由もあります。

 

しかし、口紅を引かないと顔色が悪く不健康に見られたり、化粧をしていないように見られたりする可能性があります。そのようなことを避けるには、ラメなどが入っていないベージュやピンクベージュなどの肌馴染みの良い色の口紅を薄く引いておくと良いでしょう。

 

また、唇が荒れているなどの場合は、保湿のためのリップクリームを塗っておきましょう。唇が荒れている状態は、身だしなみが整っていない印象を与えてしまいます。

通夜・葬式の化粧マナー

普段の化粧であれば自分の好みや流行に合わせられますが、通夜や葬式の場での化粧にはマナーがあります。ここからは、化粧のマナーについて解説します。

ナチュラルメイク

「私は、普段からナチュラルメイクだからこのままで大丈夫」と思っている人も多いのではないでしょうか。「ナチュラル」という表現は薄化粧と混同されやすいですが、ナチュラルメイクと薄化粧や片化粧は、同じ意味ではありません。

 

ナチュラルメイクとは、葬式の場にふさわしい控えめな化粧のことではなく、ナチュラルに見えるように仕上げられた化粧です。つまり、しっかりと化粧が施された状態のことです。そのため、ナチュラルメイクは葬式の場にはふさわしいとは言えません。

 

「ナチュラルメイク」=「薄化粧」=「片化粧」ではありません。

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化粧をしない(ノーメイク)

化粧をしないつまりノーメイクなら華美ではないので大丈夫だと考える人も多いのではないでしょうか。確かに化粧をしていないのであれば華やかな印象はありません。しかし、大人の女性が化粧をせずに通夜や葬式に参列することは、マナー違反です。

 

なぜならば、化粧をすることには「身だしなみ」という面も含まれているからです。つまり、身だしなみの観点から化粧をしないことはマナー違反になるのです。

厚化粧

通夜や葬式の場は、故人の死を悼む場所です。そのような場に厚化粧のような華美な化粧は不釣り合いでありマナー違反です。自分自身をきれいに見せるための化粧ではなく、身だしなみとしての化粧を心がけましょう。

カラーコンタクト(カラコン)

通夜や葬式の場では、華美に見えるカラーコンタクト(カラコン)を使用することは、マナー違反です。しかし、普段使用している度付きのコンタクトがカラーコンタクトだという人もいるでしょう。

 

度付きのカラーコンタクトの場合は、代替品をすぐに準備することは難しいことですが、もしものときのために裸眼に近いブラウンの縁をぼかしたタイプを準備しておく、または、カラーコンタクトではない普通のコンタクトを予備として準備しておくと良いでしょう。

 

もし、眼鏡を持っているようであれば通夜や葬儀に参列するときだけ眼鏡にかけかえることも対処法としてはおすすめの方法です。

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つけまつげ(マツエク)

つけまつげやマツエクをしているとどうしても目元が華やかになってしまうため、通夜や葬式の場ではマナー違反です。そのため、つけまつげはつけずに参列しましょう。つけまつげであれば、つけないまたはつけていても簡単に外せます。

 

しかし、マツエクの場合は時間が必要です。サロンに行くことが出来れば外してもらうことは簡単ですが、それには時間や予約が必要です。しかし、通夜や葬式に参列するまでに時間が無い場合が多いです。そのようなときは、市販のマツエクリムーバーを使用すると良いでしょう。

香り

使用する化粧品によっては、香りが残る場合があります。通夜や葬式の場では香りは華美なイメージがあるため、注意が必要です。香りに関しては化粧品だけでなく、香水や柔軟剤、整髪料などにも同じことが言えます。

中学生や高校生は化粧をしない

中学生や高校生は、化粧をせずに通夜や葬式に参列しましょう。これは、「子供には化粧は必要ない」という日本の昔からの考え方からそのように言われています。また、中学生や高校生は制服で参列している場合が多いため、制服に化粧は似合わないという考え方もあります。

 

しかし、高校生の中には普段からメイクをしている人もいるでしょう。普段から化粧をしている高校生が、通夜や葬儀に参列するときも化粧をしたいと言うのであれば、大人の女性がする化粧よりもさらに薄く、化粧をしているのかどうかもわからない程度の化粧にしましょう。

喪主・遺族・親族の化粧

喪主や遺族、親族の化粧の仕方やマナーに関しては、参列者の化粧の仕方やマナーと同じです。特に、喪主や遺族は、参列者から見られる立場です。マナーを守って場にふさわしい化粧で参列しましょう。髪型に関しても、同様です。

急に葬式に参列する際の対処法

外出先や仕事先で訃報を受けた場合、帰宅する暇もなく葬式に参列しなければならなくなる可能性もあります。特に、通夜であれば仕事が終わって帰宅せずにそのまま参列する人も多いものです。その際は、化粧を通夜や葬式にふさわしい状態に近づけなければなりません

 

対処方は、まずティッシュペーパーを使ってラメやパールの入っている部分のつや感を抑えましょう。ティッシュで抑えた後は、ラメやパールの入っていないフェイスパウダーを使うことをおすすめします。フェイスパウダーは、化粧の余計なつや感を抑えるために便利です。

 

フェイスパウダーは普段の化粧直しにも便利なアイテムですが、もしものときに備えて化粧ポーチにミニタイプのフェイスパウダーを準備しておけば安心です。

化粧以外の葬儀での身だしなみマナー

化粧も身だしなみですが、他にも身だしなみはあります。通夜や葬式の場における化粧以外の身だしなみマナーを解説します。

髪型

通夜や葬式に参列するときの化粧以外の身だしなみには、髪型も含まれます。ここからは、髪型のマナーについて男性と女性それぞれ解説します。

男性

男性の場合、ワックスなどの整髪料を使用した髪を立てるなどのヘアアレンジはマナー違反です。整髪料を使用すること自体は構いませんが、匂いを発するタイプや、見るからに使用感のある質感の整髪料は避けましょう。整髪料を使用する際は、無料香タイプを選びましょう。

 

短髪の人は、アレンジをせずにシンプルに整えましょう。長髪の人は、オールバックにして黒いゴムを使って髪の毛を後ろで一つに結びましょう。結ぶ位置は、耳よりも下の位置です。

 

髪を明るい色に染めている場合は、黒に染めましょう。しかし、実際は美容室などに行く時間が無い場合が多いです。そのときは、簡易的にスプレーなどを使って黒く染めると良いでしょう。

女性

通夜や葬式の場では、受付やお焼香、遺族と対面したときなど、お辞儀をする場面が多々あります。その際に、顔に髪がかからないようにすることが、髪型のマナーのポイントです。例えば、結べる長さの髪の人は黒いゴムで耳より下の高さで一つにしてタイトにまとめましょう。

 

ヘアアレンジ等は不要ですが、毛先はシニヨンにすると華やかに見えない落ち着いたヘアスタイルが完成します。結ぶ位置が高いポニーテールや、2つに分けて結ぶツインテールは、通夜や葬式の場にはふさわしくありません。

 

結べない長さの髪の人も、顔周りに髪がかからないように耳にかけたり、ピンで留めたりして、顔周りをすっきりさせた髪型にしましょう。

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手先

通夜や葬式の場で手先が人に見られることがあるのかと疑問に思う人も多いのではないでしょうか。しかし、受付で香典を渡すときや焼香をするときなど、意外に手元は人に見られる機会はあります。ここからは、手先の身だしなみについて解説します。

男性

男性の場合、おしゃれのためにネイルを施しているのであれば、除光液で落として通夜や葬式に参列しましょう。ネイルなどをしていない場合でも、爪をきれいに切るなどして、指先を整えておきましょう。

女性

女性の場合は、ネイルをしている人も多いのではないでしょうか。ネイルがマニキュアであれば除光液で落としましょう。しかし、ジェルネイルを落とすにはサロンに行く必要があります。サロンに行くには予約が必要な場合が多く、時間もかかってしまいます。

 

そのようなときは、手袋をすると良いでしょう。手袋はシンプルな黒いタイプを選びましょう。もし、手袋を準備出来ない場合は、ネイルの上からベージュのマニキュアを塗って参列しましょう。また、ネイルをしていない人でも、爪を切って指先をきれいに整えておきましょう。

服装

通夜や葬式の場での服装も大切な身だしなみの一つです。ここからは、服装のマナーについて解説します。

男性

通夜や葬式での男性の服装は、喪服です。しかし、男性の場合は、冠婚葬祭において使用できる礼服を着用する人が多いです。礼服もしくは喪服に白いシャツを合わせ、黒のネクタイを結びます。靴や靴下は、黒で統一しましょう。

 

アクセサリーは、結婚指輪以外は外しましょう。また、腕時計は、華美なデザインのものであれば外しておきましょう。

女性

通夜や葬式での女性の服装は、喪服です。女性の場合、冠婚葬祭において使用できる礼服を着用する人は少なく、喪服を着用することが一般的です。喪服であれば、ツーピースタイプやスーツタイプなど、どのようなタイプでも構いません。

 

ストッキングの色は、黒です。厚手のタイツではなく、肌がうっすらと透けるデニールのものを選びましょう。なぜなら、厚手のタイツはカジュアルな印象を与えるからです。しかし、雪が多く降る地域ではタイツでも構わないとされる場合もあります。

 

アクセサリーは、パールのネックレスと結婚指輪以外は外しましょう。靴やバッグも黒で統一します。

葬儀には化粧のマナーを守って参列を

今回こちらでは、通夜や葬式の場での化粧の仕方やマナー、髪型についてご紹介しました。通夜や葬式の場にふさわしい化粧をしなければと、いざ片化粧をしようとしても慣れない化粧は難しいものです。もしものときの備えとして、片化粧の練習をしておくと安心です。