お通夜に着ていくコートの選び方|冬の服装のマナーや購入方法まで
公開日 : 2021/3/19
更新日 : 2021/3/19
寒い季節にお通夜やに出席することになった場合、防寒としてコートを着ていく人も多いでしょう。しかし、すぐに脱ぐからといって、どのようなコートでもいいというわけではありません。今回はお通夜や葬儀にふさわしいコートの選び方や防寒対策、購入方法までをご紹介します。
公開日 : 2021/3/19
更新日 : 2021/3/19
目次
お通夜や葬儀専用のコートはある?
最近は、メンズもレディースも数多くのデザインのコートが販売されています。お通夜や葬儀専用のコートは売っているのでしょうか?
お通夜専用は礼装用コートで対応
実はお通夜や葬儀専用コートというものは販売されていません。しかし、フォーマルな場へ着ていく礼装用コートがあり、黒1色であれば慶事、弔事ともに着用できるのデザインなので1着持っておくと便利です。
礼装用コートは、正装用に合わせる質感やデザインになっているので略礼服の装いだと浮いてしまうことがあるので気をつけましょう。
礼装用コートはライナー付きが便利
礼装用コートにはライナー(裏地)付きがあり、必要に応じて取り外しできるデザインがあります。このタイプのコートを選ぶと春、秋、冬と幅広く活躍するのでおすすめです。
また、お通夜や葬儀だけでなく、他の式典やイベントのシーンでも着用できるので、着回しができて便利です。また、新品と見えてしまうようなコートは、亡くなることを予測して用意していたと思われるという理由で避けるようにしましょう。
お通夜や葬儀に向いているコート
礼装用コートを持っていない場合、急で購入が難しい場合にはどのようなコートを選べば良いのでしょうか?おすすめのコートを1着持っておくと便利なのでチェックしてみてください。
お通夜に着るおすすめのコートについて
礼装用コートがない人へおすすめのお通夜や葬儀用のコートを、男性・女性・子供と分けて見ていきましょう。
男性
男性でお通夜や葬儀用に向いているコートは、ビジネスでも活躍するブラックのコートです。シンプルなデザインで、さらにカシミア素材が混ざっていると高級感も出るのできちんとして見えるのでおすすめです。
男性のお通夜での服装は、葬儀とは違い平服やビジネススーツでの出席ですが、コートはシンプルなコートを着用します。スタンダードなチェスターコートやステンカラーコートのデザインがおすすめです。
女性
女性のお通夜や葬儀用のおすすめのコートは、ブラックのフォーマルコートです。男性と同じくシンプルなデザインで、丈は膝より長めであることがポイントです。ブラックフォーマルのコートは1着持っておくと、さまざまなシーンに活躍するので便利です。ビジネスコートであれば、チェスターコートやステンカラーコートが無難です。
中高生
中高生は、学校指定の制服が正式な礼服となるので、通学にいつも着用しているコートでよいでしょう。理想はブラックになりますが、ない場合には濃いグレーや紺、濃いブラウンでも大丈夫です。
子供
小さな子供で制服があるならば、制服に着せているコートや上着で対応ができます。もし、制服がない場合には、カジュアルすぎないブラックのアウターを選びましょう。素材にも気を配り、光沢感のないマットなものを選びます。
和装
喪主や故人の親族、親しくしていた友人の場合には着物でお通夜に参列することもあるかもしれません。女性の和装の場合には「道行(みちゆき)」コートを着用します。薄い生地のように見えますが、全身を包み込んでくれるので防風効果もあり、温かいのが特徴です。
女性の喪服では羽織を着てしまうのはマナー違反になるので注意しましょう。なお、男性の和装の場合には羽織りを着用するため、道行コートを着る必要はありません。
お通夜や葬儀用コートを選ぶポイント
お通夜や葬儀用に向いているブラックのコートと言われても、今は数多くのデザインや素材があるので迷ってしまいます。男性も女性もお通夜や葬儀用に向いているコートのポイントをしっかりとチェックしましょう。
お通夜や葬儀用コートの色は紺やグレーもOK
お通夜や葬儀に適切とされている色は「黒」です。服装が黒であるようにコートも黒1色を選ぶのがベストです。黒いシンプルなコートは1着は持っておくと着回しができて便利です。もし、黒がないという場合には、黒に近い暗い色である紺や濃いグレーを選んでも問題はありません。
遺族が悲しむ場なので、赤・黄色・緑などのビビッドな色、白やパステルカラーのような華やかで幸せな印象を与える色は避けましょう。和装の道行コートの場合では、黒かグレーを選びましょう。
お通夜や葬儀用コートはカジュアルはNG
お通夜や葬儀用コートを選ぶ際に気をつけるポイントの1つは、「カジュアル感を与えない」ということです。コートがブラック1色であってもカジュアル感があると無造作に見えるため、お通夜や葬儀には向いていません。
- ダウン
- トレンチ
- モッズコート
- ダッフルコート
上記のコートのデザインは、ラフな印象を与えてしまうので避けましょう。
お通夜や葬儀用コートはフードはNG
黒1色のシンプルなデザインでフートが付いているコートがあります。つい着ていきたくなりますが、お通夜や葬儀の場ではNGなので気をつけましょう。理由としては、フード付きのコートはカジュアル感が出てしますからです。
略式喪服があるとはいっても基本的にはお通夜や葬儀はフォーマルな服装で参列する場所です。フードは適切ではありません。取り外しができるのであれば、外して参列しましょう。
お通夜や葬儀用コートは柄はNG
お通夜や葬儀用のコートでは、柄はNGです。どんなに小さくてもキャラクターや刺繍、文字が入っているデザインは避けましょう。また、黒の分量が多くても柄が入った生地のコートもふさわしくありません。無地のシンプルなコートを選ぶようにしましょう。
お通夜や葬儀用コートは装飾はNG
お通夜や葬儀用に関しては、装飾が付いたコートはNGです。装飾はファッションを楽しむためにあるので、多くが派手であったり、華やかであるので故人を偲ぶ場にはふさわしくありません。
女性のコートに小さなレースが装飾されているものがありますが、礼服用コートであれば問題ないでしょう。しかし、レースが目立つようであれば専門店などに確認してみるのがおすすめです。
お通夜や葬儀用コートにファーはNG
黒一色であってもファーコートはお通夜や葬儀には向いていません。葬儀の場で殺生をイメージさせるファーはマナー違反なので着用は避けます。例えフェイクファーであっても同じです。
女性のコートで首元や袖口にフェイクファーが付いたデザインがありますが、フェイクであっても同じ理由からファーも着用しないようにします。外せるタイプであれば外してシンプルな状態で出席しましょう。
ファーはおしゃれをするデザインであって、故人を偲ぶのにふさわしいものではないということを理解しておきましょう。
お通夜や葬儀用コートに適切な生地
お通夜や葬儀用のコートの生地は、基本的にウールやカシミアがベストです。ウールは%が高ければ高いほど保温性が高くなるので寒い冬でも活躍します。また、カシミアは軽くて見た目に高級感があるのできちんとした印象を与えることができます。
最近よく見かけるポリエステルのコートは、シワになりにくいので持ち運びに重宝します。しかし、保温性はウールやカシミアに劣るので真冬には向かないでしょう。
革やスエード、毛皮は殺生をイメージさせるのでNGです。例えフェイクレザーであっても相手への配慮から避けるようにします。また、光沢感がある生地もNGです。
お通夜や葬儀用コートの長さ
男性女性ともにお通夜や葬儀でのコート丈の基準は、「膝が隠れるか」です。まっすぐに立った状態で裾が膝にあたるくらい、もしくは、膝が隠れる長さを選びます。
女性はお通夜や葬儀での服装がスカートの場合、スカートよりもコートの丈を長くするのが適切です。スカートがコートから見えないようにします。スカート丈と同じく、膝が見える丈はマナー違反なので購入の際には試着してチェックを怠らないようにしましょう。
お通夜や葬儀用コートのボタンの色
お通夜や葬儀の服装と同じく、コートのボタンも同系色であることがベストです。黒いコートなら同じ黒、紺のコートなら紺というようにコートと統一されているのが良いでしょう。
いつも着ているコートのデザインがシンプルで色も黒でお通夜に着ていけるのに、ボタンだけが派手というような時には、ボタンカバーをするのがおすすめです。新しいコートを購入するよりも安く済み、ボタンに黒い布をかぶせるだけで簡単にお通夜用に変身します。ネット通販でも販売しているので、ボタンのサイズを計って上手に活用しましょう。
お通夜や葬儀場でのコートのマナー
コートをお通夜の斎場まで着ていってからコートはどのように扱えばよいのでしょうか?ここでは、到着後のコートの扱いについてのマナーを見ていきます。
コートを脱ぐタイミング
お通夜や葬儀でコートを脱ぐタイミングは、ビジネスマナーと同じく建物に入る前です。基本的には、「敷地内に入る前に脱ぐ」ということを覚えておきましょう。
ただし、ご焼香の場所が野外のテントなどである場合は、ご焼香の時のみコートを脱ぐようにします。それ以外は、着用していてもマナー違反にはならないので安心して温かくしていましょう。
脱いだコートはクロークへ
基本的に脱いだコートはクロークへ預けます。もし、クロークがなかった場合には、手荷物として斎場に持ち込んでも問題はありません。その際には、きれいサッと縦に折りたたんで腕にかけて持ち運びます。
クロークがなくてもご焼香や献花する場所の周りには一時手荷物置き場が設置されていることが多いので活用しましょう。
冬のお通夜での防寒対策のマナー
次に冬のお通夜での防寒についてをチェックしていきます。防寒対策は必要ですが、マナーはしっかりとおさえましょう。
タートルネックセーター
気温が10度を下回る時期や環境でのお通夜や葬儀では、喪服の下に保温性の高い薄めのタートルネックセーターを着てもマナー違反にはならないのでおすすめです。
基本的に喪服は真冬に着るには薄手の生地やデザインが多いのでしっかりと防寒します。タートルネックセーターがない場合には、保温性の高いインナーを着たり、カイロを貼るのもいいでしょう。
ストール
防寒対策としてストールを着用するのは問題はありません。ストールは数多くの柄が販売されていますが、お通夜や葬儀で着用できるのは無地の黒、紺です。
素材はコートと同じく、動物の毛を使用した生地や光沢感のある生地は避けます。基本的には、屋外のみに着用するのがマナーで、屋内ではひざにかける程度が良いでしょう。
マフラー
お通夜や葬儀で着用するのは斎場に到着する前までとなるので色や素材を気にしない人もいるかもしれません。しかし、コートと同じく無地の黒がもっともふさわしく、なければ紺やグレーを選びましょう。
素材もファーなどの殺生をイメージさせるものは避け、ウールやカシミアが保温効果が高いのでおすすめです。
手袋
通常の防寒対策としての手袋であれば、コートと同じように黒が基本で、なければ紺やグレーで対応できます。しかし、女性でネイルをしている人は隠すために使用することもあるでしょう。
ネイルを隠すために手袋を使用するのであれば、無地の黒で布製がよいでしょう。レースが使われている手袋でも地味な黒1色であれば問題はありません。光沢感のある素材やカジュアル感があるシルエットの手袋は避けて選びます。ネイルを隠すために使用するとはいっても屋内では外すようにしましょう。特にお焼香や出棺では必ず外します。
タイツ
お通夜や葬儀が真冬だと、厚めのタイツを着用したくなりますが、基本的に肌が見えなくなってしまう厚さのタイツはマナー違反なので、寒くてもはくのは避けましょう。NGな理由としては、タイツはカジュアルな印象が強いからです。
もし、タイツをはくのであれば30デニール~60デニールまでにします。基本的には黒いストッキングが合わせるのがマナーということを覚えておきましょう。
ブーツ・長靴
真冬に雪が積もる地域や道路が凍り付くような場合には、足元が気になるところです。基本的に長靴やブーツはマナー違反ですが、靴や足元がずぶ濡れの状態で斎場に入るのであれば、地味なショートブーツで対応するのが良いでしょう。
その際に気をつけるのは、デザインや素材です。コートと同じように無地の黒でシンプルなデザインや装飾がないもの、殺生をイメージするような生地は避けるようにします。その他、歩いた時に「カツンカツン」と音が大きく響くような靴は静かな葬儀にはふさわしくないのでやめましょう。
お通夜や葬儀用コートの費用を抑えるためには?
喪服で着用するコートは着用する機会が少ないため、費用を抑えたいという人もいるでしょう。また、あまりにも急な訃報でお通夜や葬儀用のコートがない場合にはどうすればよいのでしょうか?
ショップで選ぶ
ショップの数が豊富な「UNIQLO」や「しまむら」、「GU」でも喪服に対応できるようなコートが販売されています。基本的にカジュアル感のあるデザインが多いショップではありますが、チェスターコートなどシンプルなデザインも取り扱いがあります。
ショップでの利点は試着ができることです。オーバーサイズにならないか、きれいめなシルエットになっているかチェックできるのがメリットです。
価格も手頃なので1度チェックしてみましょう。特に「UNIQLO」ではカシミア混素材があり、上品に見えるのでおすすめです。マナーはしっかりと守りつつ、費用を抑えることができます。
ネットレンタルで選ぶ
黒の無地のコートは頻繁に着用しないので購入は考えていないという人におすすめなので「ネットレンタル」です。大手通販サイトなどで行っている礼服のレンタルで、コートのみを選択することも可能です。
通常で販売されている価格や素材もしっかりと記載されているので、その場にふさわしいコートを選ぶことができます。価格も1万円切っているものもあり、緊急時にも対応できるようにしてくれるのがメリットです。チェックしてみましょう。
まとめ
基本的にお通夜や葬儀で着用するコートは、無地でシンプルな黒ということを覚えておくと便利です。寒い時は、マナーを守って温かいコートや服装で安心して参列しましょう。遺族や親族に配慮した服装や立ち振る舞いをすることをいつでも忘れずにいましょう。
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