香典の中袋の入れ方や書き方は?香典袋の種類や表書きについても解説

公開日 : 2021/2/27

更新日 : 2021/2/27

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香典袋の中袋の書き方マナーをご存じですか?告別式や法事などにも持って行く香典袋ですが、中袋の書き方にもさまざまなマナーがあります。そこで、今回は香典袋の中袋の書き方や入れ方、香典袋の種類や表書きについても解説します。ぜひ、参考にしてください。

公開日 : 2021/2/27

更新日 : 2021/2/27

目次

香典袋の中袋(内袋)とは?

香典袋に付いている中袋(内袋)は、お札を入れる袋のことを指します。外見が封筒のような形なので、お札を入れやすいのが特徴です。しかし、市販されている香典袋のすべてに中袋が付いていない場合もありますが、中袋にお札を入れて外袋で包むのが一般的です。

 

今回は、香典袋の中袋の書き方やお札の入れ方、中袋に書く住所や氏名の書き方などから香典袋の種類や表書きの書き方まで幅広くご紹介します。急なお通夜や告別式などに参列する際に、慌てずに準備できるよう香典袋のマナーを知っておきましょう。

中袋の金額の書き方は?

香典袋に入れる中袋には、金額を記入する必要があります。この金額の記入にも、マナーがありますのでご紹介します。

金額の書き方

香典袋に入れる中袋に金額を記入する際は、中袋の表側の中央に縦書きで書くのが一般的です。

旧字体の漢数字(大字)を使う

香典袋の中袋に記入する金額は、旧字体の漢数字で「金〇〇圓」と金額の前に「金」を付けて中袋の表側の中央に縦書きで書きます。例えば、3千円を包む際は、3の旧字体の漢数字「参」と千の旧字体の漢数字「仟」または「阡」を使って「金参仟圓と書きます。

 

また、5千円を入れる際、5を「伍」、千は「仟」か「阡」を使って「金伍仟圓」、1万円の場合、1を旧字体の漢数字「壱」と万は「萬」を使って「金壱萬圓」と書きましょう。そして、10万円を入れる時は10を「拾」、万を「萬」にして「金拾萬圓」とします。

横書きの場合は算用数字を使う

一般的に、中袋に書く金額は旧字体の漢数字を使って縦書きに書きます。しかし、中袋に金額を書く欄が横書きに印刷されているものもありますので、その場合は算用数字を使って横書きに書きましょう。

 

例えば、3千円を入れる場合、「金3,000円」と書きます。

住所・氏名の書き方

中袋に住所や氏名を書く際は、中袋の裏面の左側に縦書きで書くのが一般的なマナーです。中袋に書く氏名や住所は、ご遺族が香典返しの時に確認される場合が多いので、郵便番号や番地、建物名、部屋番号などもれなく記入してください。

郵便番号や電話番号の書き方

中袋に書く郵便番号や電話番号は、縦書きで書くのが一般的です。そのため、郵便番号や電話番号は「一、二、三」などの漢数字を使います。また、0の場合は「0」か「零」を使いましょう。

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夫婦連名の場合

夫婦連名で香典を包む時は、夫の名前のみフルネームで書くのが一般的なマナーです。しかし、夫婦で故人と関りが深かった場合は、どちらもフルネームで書いても大丈夫です。

 

また、夫婦連名で書く際は、夫のフルネームを縦書きでその左側に妻の名前を記載します。例えば、「山本太郎」と「山本花子」の場合、縦書きで「山本太郎」と書いた「太郎」の横にそろえて「花子」と書きましょう。

会社や団体名で出す場合

会社や団体名を中袋に書く際は、名前の右側に会社名や団体名を書きます。

連名の場合

中袋に連名で記載する時は、3人までと4人以上でマナーの違いがあります。3人までの連名の場合は、目上の人を一番右側に書き、目上の人順に名前を記載します。

 

また、4人以上の連名では、代表者の名前と「外一同」や会社名と部署名に「一同」と書きましょう。そして、記載したい名前が多くて書ききれない場合は、別紙に住所や氏名を書いて中袋に入れてください。この際も、目上の人を右側にすることを忘れないようにしましょう。

中袋の書き方のマナー

ここまで、中袋に書く金額や氏名、住所などの書き方についてご説明しました。続いて、中袋の書き方のマナーについてご紹介します。

薄墨で書くのか?ボールペンなどで書いても良いのか?

香典袋の表書きは、薄墨で書くのがマナーであることをご存知の方も多いでしょう。これは、「故人を偲んで墨が涙でにじんだこと」を表しているとも言われています。しかし、中袋に金額や氏名、住所などを記載する際も薄墨を使うのかどうか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

答えはノーで、中袋は薄墨や黒墨、ボールペンのどれを使っても問題ありません。ここで注意したいのは、ご遺族が氏名や住所などを確認しやすいよう見やすい文字を書くことが大切です。

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香典返しの辞退の旨はどこに書くのか?

香典をお渡しすると、香典返しを受け取るのが一般的です。しかし、香典返しを辞退する際はどうすれば良いのかの答えは、香典袋の中袋に香典返しの辞退の旨を書く方法があります。

 

香典返しの辞退を記載する場合は、中袋の表か裏の住所・氏名の左側に「お返しのご配慮は不要でございます」などと記入すると良いでしょう。

中袋(内袋)の有無について

市販されている香典袋には、中袋が付いていないものもあります。そこで、中袋が付いている場合とない場合、奉書紙を使う場合などについてご紹介します。

中袋が付いている場合

香典袋にお札を入れる際、中袋に入れて包むのが一般的です。また、市販されている香典袋には、中袋が付いていることがほとんどです。

 

中袋にお札を入れる場合は、中袋を表向きにしてお札を裏向きに入れるのが一般的なマナーです。お札の肖像画を伏せることで、故人へのお悔やみや悲しみ、別れをおしむ悼むなどの気持ちを表している言われます。

 

そして、お札の上下については中袋の底側にお札の「下側」がくるように入れます。お札の人物が描かれている側が「下」になりますので、肖像画を下にして入れましょう。ただし、地域によっては上下が反対になるところもありますので注意してください。

 

中袋がない場合

香典袋に中袋が付いていない場合、香典袋の表に対してお札を裏側に入れるのがマナーです。また、香典袋に中袋を使わないのはマナー違反にはならないので、中袋がなくても心配しなくても大丈夫です。

 

直接、香典袋にお札を入れる際は、中袋へお札を入れる方法と同じです。しかし、お札の上下に関しては地域によって違いがあるため、お札の表裏だけは間違えないように必ずチェックしましょう。

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奉書紙を使う場合

香典袋の種類によっては、奉書紙を使っているものもあります。奉書紙とは、大切なことを伝えるために使う和紙です。奉書紙を使ってお札を入れる際は、包みの表側にお札の裏面がくるように包みます。

 

奉書紙を使ってお札を包む場合は、中包みと上包みによって違います。まず、奉書紙の表裏を確認しましょう。ツルツルした方が「表」で文字を記載する面、ザラザラした方が「裏」でお札に接する面になります。中包みの包み方は、ザラザラの面を上下左右に角がくるように置いて、お札を奉書紙の表にくるようにします。そして、奉書紙の下側から左側、右側の順に折って、最後に上側を下に向けて折りましょう。

 

上包みの場合は奉書紙を縦長に置いて、お札の裏面が上包みの表側にくるように置きます。次に、右側から左側、下側の順に折って、最後に上側を下に向かって折ってください。最終的には、お札の肖像画側が袋の表側になっていなければ問題ありません。

中袋へのお札の入れ方は

香典袋の中袋にお札を入れる際も、いくつかマナーがあります。

お札の枚数について

香典に入れるお札の枚数は、4や9は「死」や「苦」を連想させるので避けるのがマナーです。また、割り切れる数字(偶数)も縁起が悪いと言われているため、避ける方が多くいらっしゃいます。

お札を入れる向き

お札を入れる向きは、先ほど「中袋の有無について」でも触れましたが、中袋の表側にお札の裏面がくるように入れます。お札は肖像画が印刷されている面が「表」で、人物画がない方が「裏」になります。

 

また、1,000円札を5枚など複数枚のお札を入れる際は、お札を入れる向きと表裏をそろえましょう。そして、お札は中袋の底側に肖像画が印刷された「下側」がくるように入れてください。

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新札を使うのはマナー違反?

香典の中袋にお札を入れる時は、新札を使うのはマナー違反です。新札を使うと、不幸が起こるのを待っていたと思われると言われています。しかし、新札を避けようとして、汚れたお札やしわが寄ったおさつを使うのは失礼にあたります。

 

そのため、香典に入れるお札は適度に汚れていて、新札ではないものを使いましょう。また、手元に新札しか用意できない場合は、折り目を付けて包むと良いです。そして、複数枚のお札を使う時は種類をそろえて、2枚以上のお札の場合は表裏や上下も同じ向きに入れましょう。

香典に入れる金額の相場は?

香典に包む金額は、故人との関係性や包む側の年代によって違います。そこで、故人との関係性や包む側の年代による金額の目安をご紹介しておきます。

親や祖父母、兄弟姉妹など

故人が親の場合、包む側が20代は3万円~、30は5万円~、40代以降は10万円~が目安です。個人が祖父・祖母の場合、包む側が20代は1万円~、30代は1~3万円、40代以降は1万円~3万円が目安です。

 

また、兄弟姉妹の場合、包む側が20代は3万円~、30代も3万円~、40代以降は10万円~が目安です。叔父・叔母の場合、包む側が20代は1万円~、30代は1~3万円、40代以降も1~3万円が目安です。

 

そして、そのほかの親戚の場合、包む側が20代は3,000円~、30代は5,000~1万円、40代以降も30代と同額が目安です。

職場や仕事関係

故人が職場の上司や同僚、部下の場合、包む側が20代は5,000円~、30代は5,000~1万円、40代以降は5,000~2万円が相場です。また、故人が仕事の取引先の場合、包む側が20代は5,000円~、30代は5,000~1万円、40代以降は5,000~2万円が相場です。

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友人・知人やご近所の方

故人が友人や知人の場合、包む側が20代は3,000円~、30代は5,000~1万円、40代以降も30代と同額が目安です。また、故人がご近所の方の場合、包む側が20代は3,000円~、30代は3,000~1万円、40代以降は30代と同じ金額が目安です。

 

これまで紹介した金額はあくまで相場ですので、日ごろからの付き合いの深さによっても違いますので、参考程度にしてみてください。

香典袋の種類や選び方

中袋を包む香典袋にはさまざまな種類があり、宗教・宗派や渡すタイミング、包む金額などそれぞれに合ったものを選ぶ必要があります。

宗教・宗派による違い

故人の宗教や宗派によって、選ぶ香典袋の種類や表書きが違います。仏式の香典袋は無地で、蓮の花が描かれているものなどを選びます。表書きには「御霊前」や「御仏前」、「御香典」と書きましょう。

 

また、神式では無地の香典袋を選び、「御玉串料」や「御榊料」と表書きに書きます。キリスト教式の場合はユリの花や十字架が描かれているものを選び、表書きに「御花料」と入れます。

 

そして、故人の宗教が不明な時は無地の香典袋を選び、「御霊前」や「御香典」と表書きに書きましょう。それから、弔事の場合は、表書きに薄墨を使うことを忘れないようにしてください。

香典を渡すタイミングによる違い

「宗教・宗派による違い」でも触れましたが、仏式の香典袋の表書きには薄墨を使って「御霊前」と書きます。しかし、仏教にはいくつかの宗派があり、浄土真宗では「亡くなってからすぐに仏になる」という考えから、葬儀から香典袋の表書きに「御仏前」と書くのがマナーです。

 

また、仏式の浄土真宗以外の葬儀では香典の表書きに「御霊前」と「御香典」と入れ、葬儀後の法要では「御仏前」や「御香典」を使います。そして、浄土真宗以外の仏式では四十九日になると故人が成仏するとされているので、表書きは「御仏前」になるので注意しましょう。

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包む金額によって種類が違う

香典袋を選ぶ際、中に包む金額によっても違いがあります。例えば、5,000円以下を入れる場合は水引が印刷された香典袋を使います。また、3万円までの香典の場合、水引が黒白か双銀タイプの香典袋を選びましょう。

 

そして、3万円以上の香典を包む際は高級和紙で作られ、水切りが双銀タイプの香典袋を選びます。香典袋を選ぶ際は、故人の宗教や包む金額などを考慮して選んでください。

香典袋の名前の書き方

香典袋の表書きについては、「香典袋の種類や選び方」でご説明しました。最後に、中袋を入れる香典袋の名前の書き方を個人や夫婦、会社の同僚などごとでの違いをご紹介しておきます。

個人の場合

個人で香典袋に名前を書くときは、水引の結び目の下(香典袋の真ん中)に自分の氏名を書きます。遺族の方に誰から頂いた香典なのかがわかりやすいように、フルネームを記載しましょう。

 

また、会社で上司などの代理で香典を渡す際は、上司の名前を書いた左横下に「代」と入れます。

会社や学校など有志の連名の場合

職場の同僚や学校など、有志の連名で香典を出すこともあるでしょう。この場合、連名の人数によって書き方が違います。

2人の連名

香典を2人の連名で出す場合、個人で出す時と同様、香典袋の表側の水引の下側中央に記せます。連名の中で一番目上の人が水引の結び目の下にくるようして、左側に順にフルネームで書きましょう。また、中袋の裏面に書く氏名や住所は、2人まで書き入れられます。

3人の連名

 

3人の連名で香典を包む際、香典袋の表書きは2人の連名の書き方と同じです。しかし、中袋の裏面に書く住所や氏名は3人分を書くスペースがないため、別紙に一人一人の住所や氏名、包む金額も記入します。別紙は手書きでも、パソコンで作成したものでも構いません。

 

また、中袋の表面には3人が包む合計金額、裏面には代表者の住所・氏名のみを記します。そして、中袋の裏面にも別紙の紙にも代表者の住所・氏名を書き入れ、目上の人から順に左側に順に書くことも忘れないでください。

4人以上の連名

4人以上の連名の香典袋は3人までの連名のように名前を連ねるのではなく、「〇〇一同」と書きます。4人以上の中袋と別紙の書き方は、3人での連名と同様です。ただし、会社の部署やグループで包む場合は、香典袋や中袋に会社名と部署名やグループ名を書くようにしましょう。

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夫の代理や夫婦連名の場合

夫婦で葬儀に参列する場合、一般的に夫の名前だけを書きます。親子や家族の連名でも、子どもが独立していない場合は世帯主だけの名前を記載します。また、夫婦で参列して、かつ故人と夫婦ともが親しかった場合は夫婦2人の名前を入れます。この場合は、夫の名前を香典袋の中央に書いて、妻の下の名前のみを夫の名前の左側に書きます。

 

故人に結婚の報告をしていなかった時は、中袋の名前の左側に旧姓を入れておくと良いでしょう。

夫の代わりに妻が参列する場合

夫の代わりに妻が葬儀に参列する際は、香典袋の真ん中に夫の名前を書いた左横下に「内」と記します。ただし、先ほども説明したとおり、上司の代わりに葬儀に参列した場合は、「内」ではなく「代」と記載しましょう。

香典の中袋の書き方や入れ方に関するまとめ

香典袋の中袋の表には包む金額、裏面には包む人の氏名や住所、電話番号を薄墨でも黒住でもボールペンでも、遺族の方にわかりやすいように記載することがわかりました。包む金額も故人との生前の付き合いの度合いによっても違いはあるものの、目安の金額もあり参考になります。

 

また、中袋に入れるお札は新札以外で、表裏や上下のマナーもあります。葬儀や告別式は急に起こることですので、前以て中袋の書き方や入れ方のマナーを知っておくことが大切です。