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【弔辞】知っておきたい弔辞のマナー、文章構成、例文を一挙に紹介

親族や親しい人、職場で近しい人が亡くなって、弔辞を引き受けたはいいものの、慣れない弔辞で何かと手間取ってしまうこともあるでしょう。この記事では、すぐに役立つ弔辞の構成、奉書紙、書き方のマナーなどについてまとめ、例文も挙げています。参考にしてみてください。

公開日 : 2021/02/21

更新日 : 2021/02/21

目次

弔辞の書き方

弔辞の依頼があれば、断らずに快く引き受けるのがマナーです。弔辞の原稿は、マナーやしきたりを守って、内容や文章の構成、忌み言葉などに注意して作成しなければなりません。ここでは弔辞の書き方について解説します。

弔辞の長さ

僧侶の読経が終わったら、弔辞が始まります。弔辞は長くても3分以内にまとめるのが基本です。一般的な葬儀では3~5人が弔辞を読むため、1人の持ち時間は3分以内が妥当でしょう。

 

400字詰めの原稿用紙1枚程度が1分に読み上げる文字数なので、3分では900~1200字を読み上げることになります。原稿用紙にすると2枚強~3枚の分量です。

弔辞の内容

弔辞は、故人への最後の手紙とされています。哀悼の気持ちを込め、故人の人となりや、故人との思い出のエピソードなどを故人に話しかけるように語ります。ご遺族から見れば、自分たちの知らない故人を垣間見た思いになり、何よりもの慰めとなるでしょう。

弔辞の構成

弔辞は前文、本文、結びという3つを組み立てると作りやすいです。前文は故人への呼びかけで始まり、自分と故人との関係性を述べます。この時、故人への手紙であることを念頭に置いて、自然に関係性が分かるようにするのがベストです。

 

本文では、故人の魅力ややさしさ、親しみやすさなど人となりを語り、思い出になっているエピソードなどを交え、故人がどのような人柄だったのかよくわかるように書いていきます。

 

最後に故人が安らかに眠れるよう祈り、ご遺族を気遣い、最後に「さようなら」など、故人へ別れを告げます。

使ってはいけない言葉

弔辞には使ってはいけない言葉、つまり忌み言葉があります。忌み言葉だけではなく、不幸が重なって起こることを連想させる言葉も使ってはいけません。具体的にはどのような言葉なのか、解説します。

忌み言葉の具体例

重ね言葉「かさねがさね」、「たびたび」「くれぐれも」は、忌み言葉です。同じ言葉を重ねた言葉なので、不幸が続いて起こることを連想させてしまいます。「再び」、「引き続き」、「追って」も同じように不幸が続いてしまうと連想させます。

 

「迷う」「浮かばれない」「とんでもないこと」も、故人が極楽浄土に迷ってたどり着けず、成仏できないと連想されるので、不吉な言葉とされています。

 

数字の「四」と「九」も忌み言葉です。四は「死」を、九は「苦」を連想させるためです。縁起の悪い言葉として、「終わる」「敗れる」「流れる」「切れる」も挙げられています。

直接的な表現

忌み言葉以外にも、「死ぬ」「急死」「死亡」「ご存命中」「生きる」など直接“死”を連想させる言葉は使ってはいけません。

宗教による違い

仏教の浄土真宗では、人は亡くなったらすぐに成仏するとされているので、「冥福」「霊前」を使うのは避けましょう。また、「成仏」「供養」「冥福」「往生」は仏教の用語なので、神道やキリスト教では使わないようにします

忌み言葉を言い換えて使う

忌み言葉は、同じ意味をもちながら違う表現に言い換えることができます。例えば「死」は「逝去」「永眠」に、「ご存命」は「ご生前」、「事故」は「不慮の出来事」「悲運」などに言い換えられます。

弔辞の書き方

弔辞は奉読のあと、ご遺族に渡されます。失礼のないよう弔辞を書き、作法どおりに包みましょう。

心を込めて丁寧に

字は下手でも心を込めてゆっくり丁寧に毛筆で書きましょう。弔辞には、奉書紙や巻紙を使うのが正式なマナーです。奉書紙や巻紙は、格調高く厳かな印象を与えます。

奉書紙・巻紙

本式の弔辞は、巻紙、または奉書紙に筆を使って薄墨で書くのが正式な書き方とされています。奉書紙は楮から作った和紙でしたが、近ごろではパルプで作ったものが多く、しっかりとした白い和紙を、奉書紙と呼んでいます

 

奉書紙は、書道用品店、和紙専門店、デパートなどで扱っていますが、Amazonや楽天などネットでも手に入ります。レーザープリンターやインクジェットに対応している奉書紙もあり、パソコンで弔辞を作って印刷するのも、最近では増えているようです。

 

市販の巻紙の場合は、すでに折りたたんである場合が多く、裏と表に気を付けて書いていきます。用紙の右端の5cm離れたところから文字を書き始めます。

奉書紙や巻紙がないとき

訃報は急なことが多いため、奉書紙や巻紙の準備ができないこともあるでしょう。その場合は便せんに和封筒でも構いません。ただし、社葬など形式が重んじられる葬儀では、奉書紙を使うよおすすめします。

 

便せんは弔事用のものか無地の便せんを使います。封筒は白い一重のものを選びましょう。二重になっている封筒は、忌み言葉と同じように弔事が重なることを連想させないようにするためです。

弔辞の流れ

先ほどもふれましたが、前文、本文、結びという流れにすると書きやすく、聞きやすくなります。なお、弔事の文章は句読点を使わずに書きます。葬儀が滞りなく終わるよう、文章を切らないといういわれがあるようです。

弔辞の例文

ここからは弔辞の例文をご紹介します。弔辞に盛り込む内容にもふれているので、参考にしてみてください。弔辞は故人への最後の手紙として書きます。

弔辞の構成

弔辞の構成は前文、本文、結び、と3つに分けて考えると書きやすくなります。前文では「〇〇部長」「〇〇ちゃん」など、まず故人に呼びかけ、故人に話しかけるような文章で故人と自分との関係を述べます。

 

本文には故人が亡くなったことを知った時の驚きと悲しみを表します。その後、故人の人となりやエピソードを述べ、今の気持ちと今後への思いを語ります。

 

結びでは故人の冥福を祈り、最後の別れを告げます。例文を挙げておくので参考にしてみてください。

例文1 祖父を亡くした孫の弔辞

おじいちゃん。いつも優しくしてくれたおじいちゃんが僕は大好きでした。おじいちゃんが亡くなったと聞き、僕は信じられませんでした。夏に一緒に花火を見に行って、まだ半年と経っていないのに、おじいちゃんとはもう二度と会えなくなってしまいました。

 

知らせを受けてすぐおじいちゃんの家に行きましたが、おじいちゃんは息を引き取った後でした。僕は泣くもんかと我慢していました。おじいちゃんに「人前では泣くな」と言われていたからです。おじいちゃんは、雄々しく、凛々しくあれ、といつもぼくに教えてくれました。

 

おじいちゃん、僕はおじいちゃんに教わったたくさんのことを守って大人になります。天から僕や両親、叔父さんや叔母さんたちみんなを見守ってください。おじいちゃんありがとう、本当にありがとう、僕はおじいちゃんが大好きです。安らかに眠ってください。

例文1の解説

前文の冒頭で「おじいちゃん」と呼び掛けています。この一言だけで読み手と故人の関係性が祖父と孫だということがわかり、その後の文章で孫と祖父は仲のよい間柄だったことがわかります。

 

本文では、故人に教わったことを具体的に話し、「雄々しく凛々しく」と、エピソードを読み手の言葉で書いており、故人が優しく大きな心の持ち主だったと、祖父の人柄を聞き手によくわかるよう伝えています。

 

結びでは、祖父への誓いを述べ、家族を守ってくれるよう祈る言葉のあと、祖父に最後の別れを告げています。

例文2 上司を亡くした部下の弔辞

いつも部署のムードメーカーだった●●部長。部長の突然の御他界は、私ども部員全員、ひいては会社全体でも、とても大きなショックでした。●●部長は最高のリーダーだったからです。

 

●●部長は、仕事が成功したときは、喜んでくださり、担当した者全員をハグしてくださり、必ずと言っていいほど、定時後にお祝いの食事に連れて行ってくださいました。逆にミスをした時は「ミスの理由」「同じミスを防ぐ方法」を我々に考えさせ、我々を育ててくださいました。

 

それなのに、●●部長と一緒に仕事をすることは永遠になくなってしまいました。。我々は●●部長に受けた指導を遺産として大切にし、いい意味で楽しく仕事をするよう努めてまいります。終わりに心から●●部長のご冥福をお祈り申し上げ、弔辞といたします。

例文2の解説

前文で、故人が上司で、読み手が直属の部下だったことが示されています。故人はリーダーシップをとれる人柄であり、部をまとめていましたが、急逝したんだということがわかります。

 

本文では故人の会社での様子を語り、厳しくも思いやりのあるいい上司だったことを表すエピソードを述べて、故人の人柄について振り返っています。

 

結びでは、故人への誓いとして、故人の残した指導を活かし、これからも仕事にまい進すると述べています。最後は故人の冥福を祈り、永遠の別れを告げています。

弔辞の最後

ひととおり読み返して確認した後、弔辞の最後に年月日と署名を記します。弔辞はまず、ワードなどを使って書き、できあがった文章を奉書紙に写すなど、下書きをしたほうがよいでしょう。プリンター向けの奉書紙なら、ワードで下書きを推敲した文章をそのまま印刷できます。

弔辞の包み方

書いた弔辞は奉書紙で包みます。包むときは向きを間違わないように注意しましょう。特に奉読した後に包み直す時、弔辞の向きに注意します。

弔辞の折り方

できあがった弔辞は折りたたんで上包みに包み、葬儀に持参します。奉書紙の場合はまず縦半分に折ります。さらに3つ折りにして上下を半分に折り、上包みに包みます。

 

巻紙の場合は開きながら奉読できるよう、後ろから巻いていきます。右に開けば弔辞の最初が出てくるように折ると、奉読するときにスムーズです。

 

便せんの場合は、右上に弔辞の書き出しが来るように置き、下から上、上から下へと3つ折りにします。

弔辞の包み方

奉書紙で包む場合は、裏側にした奉書紙の中央にたたんだ弔辞を置き、最初に右側を折り、次に左を折って、左前の3つ折りにします。上下の余白を折りたためば完成です。表書きは「弔辞」だけで構いません。

 

巻紙や奉書紙も和封筒にいれて構いません。和封筒の裏から見て右側に弔辞の先頭がくるように入れましょう。

弔辞とは

弔辞とは、故人が亡くなったことを悲しみ、故人を悼む離別の言葉です。奉書紙や便せんに原稿を書いて、それを奉読するのが一般的です。

故人に送る別れの言葉

弔辞とは、生前故人と深い関係にあった人が、故人のエピソードを交えて故人の人物像をわかってもらう、故人への手紙のような文章です。参列者に故人と自分の関係をわかってもらい、故人の人物像を自分の立場から語り、冥福を祈る手紙です。

 

誰もがわかるよう、聞き取りやすく、わかりやすい文章にするのがベストです。家の外での故人の人となりを語り、遺族が知らない故人の姿を想像させる文章にするとよいでしょう。

弔辞を奉読する人

弔辞を奉読するのは故人と仕事関係にあった上司や同僚、学生の時の同級生や幼馴じみなど、親しかった1~3人程度のことが多いようです。近ごろではお孫さんのうちの1人が、孫代表として弔辞を奉読するケースも増えています。

弔辞の作法

弔辞にも作法があります。奉書紙や巻紙に慣れるため、また、作法通り奉読できるよう、リハーサルを何度かするとよいでしょう。

弔辞を依頼されたら引き受ける

遺族から弔辞を依頼されたら、基本的には引き受けるのが礼儀です。しぶしぶではなく、快く引き受けるようにしましょう。文章が思い浮かばない場合、書籍やネットに多くの例文が出ているので、参考にしながら書くとよいでしょう。

弔辞奉読の作法

弔辞は読み始めから読み終わりまで流れや作法があるので、決まり通りに奉読しましょう。

弔辞の流れ

司会者から名前を呼ばれたら、僧侶、遺族にお辞儀して祭壇の前に行きます。祭壇に一礼したら、弔辞を上包みから丁寧に取り出します

 

上包みは懐に入れるか、左手に持つか、あれば側卓に置いてください。左手で上包みを持って座布団のように弔辞を置き、右手で弔辞を開いてもよいようです。

 

弔辞を取り出したら、目の高さに持ち上げて、ゆっくりと弔辞を奉読しましょう。奉読した部分は右手で巻いていきます。読み終わったら上包みに包み直し、祭壇を正面として置きます。遺影、僧侶、遺族の順にそれぞれお辞儀をして自分の席に戻ります。

弔辞の作法

弔辞は袱紗に入れて会場に持って行くようにしましょう。奉読する時は目の高さに捧げるように持ち、一言一言を噛みしめながら声を落とし、故人が目の前にいるかのような口調で奉読するとよいでしょう。

 

緊張で早口になりがちですが、意識してゆっくりはっきりと奉読するよう心がけましょう。マイクがある場合は、あまり近づかなくても構いません。最近のマイクは性能がいいので、近づかなくても声を拾ってくれます。

故人への最後の別れの言葉

弔辞は故人への最後のお別れになります。文章が得意でなくても、故人への尊敬と親しみをもって心を込めて書けば遺族にも参列者にも必ず伝わります。奉読するときに緊張していても、意識してゆっくり、はっきりと読んで、聞き取りやすいようにするとよいでしょう。