【お通夜について】参列するなら知っておくべきマナーと基礎知識

公開日 : 2021/1/30

更新日 : 2021/2/2

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お通夜など冠婚葬祭には厳格なマナーがあり、知らないがために恥をかくことにもなりかねません。この記事ではお通夜に参列する時のマナーについて詳しく紹介しています。服装、持ち物、香典のマナーを始め、受付での挨拶など、初めての方でもわかりやすくまとめています。

公開日 : 2021/1/30

更新日 : 2021/2/2

目次

お通夜とは

まずはお通夜の意味や形式を改めておさえておきましょう。お通夜とは何か、仮通夜と本通夜の違いは何なのかお伝えします。

お通夜の意味

お通夜は、故人が亡くなった日の夜に営む故人を悼む儀式です。遺族や親族、弔問客は僧侶の読経のもとに焼香をし、故人に手を合わせます。

 

もともとお通夜は遺族が灯りを絶やさず故人を夜通し見守る、いわば遺族の内輪のための儀式でしたが、いつしか遺族が執り行う、弔問客を迎え入れての儀式となっていきました。

 

葬儀が午前中や午後の早い時間に行われることが多いため、弔問客は仕事などで出席できないことも少なくありません。弔問客が多く訪れるのはお通夜なのが最近の傾向になっているようです。

仮通夜と本通夜

仮通夜は、遺族のための儀式です。遺族が夜通し、灯りを絶やさないように故人を見守りながら過ごします。仮通夜に親族以外の弔問客を呼ぶことはほとんどありません。

 

一方、本通夜は遺族が執り行う、親族や慰問客に参列してもらう正式なお通夜です。弔問客だけでなく、僧侶を呼んで、読経や法話をしてもらいます。一般に「お通夜」といわれるのは「本通夜」を指すことが多いです。

参列する時のマナー

お通夜に慰問客として参列する際のマナーについてご紹介します。お通夜に参列することは滅多にあるものではないので、いざとなると持ち物や香典の書き方などわからなくなることも多々あります。お通夜でマナーに外れる行いだけはしたくないものです。

 

喪服や靴などはいざとなって慌てずにすむように前もってひととおり揃えておきます。マナーをきちんと身に着けた大人としてお通夜に参列しましょう。

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参列基準

基本的に三親等までにはすぐに訃報が届くはずです。親族が亡くなった場合、自分は参列しなければならないのか、参列しなくてよいのか迷うことがあります。三親等にあたらなくても訃報を知らせてもらったら、できるだけお通夜に参列しましょう。

 

ごく近しい親族であっても、出席をためらってしまうなら、必ずしも参列しなくてよいようです。

服装

男性でも女性でも、ブラックフォーマルを身につけるのが基本です。ジーンズにパーカーなどカジュアルすぎるものは論外です。エナメルなど光る素材や、殺生を連想させる毛皮や革なども避けてください。

 

悲しみの席には悲しみを表す服装で参列します。また、ブラックフォーマルは正装にあたり、正装して故人に対する敬意を表する意味もあります。

男性

ブラックフォーマルやブラックスーツを身に着けましょう。黒一色でサテンなど光る素材を使っていないスーツにします。上着はシングルでもダブルでもどちらも着られますが、パンツはシングル裾のものにしてください。

 

ワイシャツは白一色のレギュラーカラーにしてください。色味のあるもの、光沢のある生地、ボタンダウンなどは避けてください。ネクタイですが、こちらも黒一色で光る素材でないものを選んでください。ネクタイの結び目の下にくぼみを作るディンプルは、お通夜では避けましょう。

 

ベルトも黒一色の派手でないものを着けてください。スエードやエナメルのもの、バックルが派手なものは控えます。靴下も黒一色のものにしてください。柄物や白い靴下は避けるほうがよいでしょう。

 

もやはり黒一色で、許されるのは結ぶタイプの靴だけになるので気を付けてください。靴もエナメルやスエード、金具がついているものなどは履かないようにしましょう。

女性

女性も男性と同じくブラックフォーマルやブラックスーツを身に着けます。ボトムスはスカート、パンツ、ワンピース、どれでもよいです。ジャケットから見えるブラウスなどは白一色が好ましいです。

 

バッグは黒一色で光る素材でないもの、表に金具がついていないものを選びます。持ち物として持参する数珠や袱紗の入る大きさだとよいでしょう。ストッキングは黒で30デニール以下の薄いものにしてください。タイツや網タイツ、柄入りは履いてはいけません。

 

パンプスはできるだけ控えめな印象の布製か革製のものを履きましょう。ヒールが高くて歩きづらいものや、光る素材をあしらったもの、ミュールやサンダルは身に着けてはいけません。派手なネイルをしている場合は手袋をつけて隠します。ただしお焼香をする際は手袋をはずします。

 

メイクはもちろんナチュラルメイクにしてください。目元は黒か茶、グレーのアイラインやアイシャドウを控えめに使い、つけまつげやグリッターなどでメイクをしすぎないようにしましょう。口元はグロスを使わず、ベージュピンクなどの目立たない色を選びます。

アクセサリー

アクセサリーについては男性も女性も同じです。お通夜の席で許されているのは女性の真珠のネックレスと、男性のカフスボタンだけです。ネックレスはバロックパールなどは避け、中粒・丸型の真珠の1連のもの、カフスボタンは黒くて光らないものを選びましょう。

セーターやコート

ジャケットから見えるのは白のワイシャツやブラウスだけというのが基本です。冷え込む冬場のお通夜では、できるだけ薄手のセーターをシャツやブラウスの下に着てもよいですし、ジャケットから見えないデザインのカーディガンを着てもよいでしょう。

 

使い捨てのカイロなども目立たないよう貼ってください。

 

寒い時期のコートですが、ブラックフォーマルにふさわしい、フォーマルなコートを着るようおすすめします。黒やグレーなど地味な色合いのものにし、デザインもシンプルなものを選びます。できれば金具や光るボタンなどがついていない、地味なコートがおすすめです。

香典について

もともとはお香やお花などものを供えていました。「香典」の「香」はお香、という意味があります。お通夜や葬式の費用を親族どうしが助け合う互助の意味もあり、お香やお花はだんだんと現金化していきました。

金額

香典には血縁関係の濃い順に1万円から10万円、同僚や知人は役職など自分の立場と照らし合わせ、5000円から1万円の間が目安です。

香典袋の書き方

香典袋に書くときは、薄墨を使います。「墨が悲しみの涙で薄くなってしまいました」というメッセージを伝えてくれます。水引の上には「ご霊前」などの上書きを、下には自分の名前を書き入れます。

 

上書きは仏教の場合「御霊前」「御香料」「御香典」などと書きます。ただし、同じ仏教でも浄土真宗の場合は「御仏前」とします。宗派や宗教がわからない場合は、「御霊前」でよいようです。

 

中袋には自分の住所と氏名、包んだ金額を書き入れます。金額は「一、二、三…」ではなく、「壱、弐、参…」を使い、円も「圓」の字を使います。中袋は墨で書かずにボールペンなど普通の筆記用具を使って読みやすいよう書いてください。

袱紗

袱紗とは、香典袋を包んで持ち歩くための小さな風呂敷のような布です。慶事と弔事では包み方が変わってきます。ただ単に香典袋を包めばよいというものではありません。

 

黒、グレー、紺色など地味な色で、装飾が少ないものはがお通夜などの弔事用です。紫色の袱紗は慶事・弔事両方に使えますので、持っておくなら紫色をおすすめします。

香典袋の包み方

香典袋の準備ができたら袱紗での包み方です。袱紗の真ん中より右寄りに香典袋を置きます。袱紗の右端を香典袋の外形に合わせて右側に折ったら、下、上、左の順番で包んでいきます。包みを開けたとき、香典袋の表側が見えるように折っていきます。

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持ち物

お通夜に参列するなら持ち物にも気を配ります。チェックリストを作り、用意するものをリストアップしておくとよいでしょう。

香典や数珠など

持ち物とは、参列する際に必要なものです。袱紗で包んだ香典のほかに、数珠、ハンカチ、財布などをバッグに入れて持参します。

 

数珠は貸し借りができないことになっているため、必ず自分の数珠をあらかじめ揃えておいてください。略式数珠といって、小さめの一重の数珠にすると、宗派を問わず使えます。

 

ハンカチは白または黒の無地のものが好まれます。同色で刺繍が施されているもの、レースがあしらってあるものなども刺繍やレースが控えめであれば持参して構いません。

受付・記帳

お通夜の会場に到着したら、まず芳名帳に記帳を済ませます。代理参列の場合も書きかたのルールがあるので従いましょう。記帳は親族であっても行います。あくまで遺族が後から見てもわかるように書いておくのが芳名帳なので、それを踏まえて記帳しましょう。

遅刻厳禁

一般的に、お通夜は18時から開始し、19時までには終わります。受付が始まるのがお通夜開始の30分~1時間前で、遺族や親族は1時間前には会場に到着して、設けられた控室で式の開始を待ちます。

 

弔問客は、お通夜開始の15分ぐらい前に到着しておけばよいでしょう。ただし、お通夜そのものには所用で出席できず、先に焼香だけすませて帰るのであれば、遅くとも30分前には到着しましょう。

受付

記帳が終わったら、受付へ行きます。受付へのあいさつは「心からご冥福をお祈りいたします」や「心よりお悔やみ申し上げます」「この度はご愁傷さまです」など、お悔やみの言葉を使います。

 

緊張で頭が混乱して言葉が出てこないようなときは、「この度は…」と言ったきり絶句しても構いません。

 

挨拶が終わったら、袱紗を開けて香典袋を出し、相手が読みやすいよう香典袋の位置を変え、さっと畳んだ袱紗の上に乗せて「どうぞ、お供えください」や、「お納めください」と言って渡します。袱紗から出して香典袋を手で持って受付の方に手渡しても、マナー違反にはなりません。

代理参列の場合

上司などの代理で参列し、香典は上司だけが包んで、自分は香典を包まない場合は、上司だけの名前と住所を記帳します。住所の欄は、会社の住所でも構いません。代理の上司も自分も香典を包む場合、上司と自分、両者の住所と名前を書き記します。

 

代理で参列したことを示すなら、代理した人(上司など)の名前と住所のあと、「代」と書き、自分の名前を書いておきます。妻が夫の代理をする場合は、「内」になります。

忌み言葉

忌み言葉とは、「縁起が悪い」と受け取られてしまう言葉です。同じ言葉を2回繰り返したり、何度も重ねて起こることを連想させたりする言葉は厳禁です。例を挙げるなら以下のような言葉が忌み言葉になります。

 

「重ね重ね」「再三」「いよいよ」「続く」「重々」「浮かばれない」などは禁句です。つい使ってしまいそうな言葉ですが、落ち着いて、ゆっくりとことを進めれば、うっかり使ってしまうのを防げます。なお、故人の死因についてはあからさまに発言することではないので気をつけましょう。

お通夜の式次第

式次第は、地域や宗派で違っていることもあるでしょうが、行う儀式については仏教の場合ほとんど変わらないはずです。どんなことをするのかある程度知っておくと、落ち着いて参列できます。

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お通夜の式次第

地方や宗派、会場によって多少異なることがあるかも知れませんが、一般的な式次第について見てみましょう。

一同着席

遺族、親族、弔問客が会場入りし、自分の席につきます。故人と血縁が近い人から上座に座っていきます。祭壇に近い位置が上座になるので、前列のほうに遺族や親族が並びます。

 

真ん中から席が右と左に分かれている場合、祭壇に向かって右側が親族の席左側が一般弔問客の席になります。親族の席は1列めの一番左側、一般弔問客は1列目の一番右側が上座になります。一般弔問客も故人との関係が深かった人から上座に座ります。

僧侶入場~読経

通夜を執り行う導師(僧侶)が入場します。参列者は立ってお迎えするようにと進行役の指示があれば立って目礼します。参加者全員が着席したら、僧侶の読経が始まります。

焼香

読経が始まると焼香も始まります。焼香は故人との縁が深い人から行います。焼香は上座から下座へ、喪主、遺族、親族、弔問客の順になります。焼香を済ませたら、遺族の方に向かって一礼しましょう。

 

自宅でお通夜を行う場合など、焼香を「回し香」で行うことがあります。小さな香炉を、喪主から順に座ったまま回していきます。自分の番が来たら、香炉を正座している膝の前に置き、祭壇に黙礼して香をたき、手を合わせます。

法話~僧侶退場

読経が終わったら僧侶の法話や説教が行われる場合があります。謹んで拝聴しましょう。法話が終わったら僧侶は退場します。この時、立ってお迎えしたのであれば立ってお見送りをします。座ってお迎えしたのなら座ったままお見送りをします。

喪主挨拶

喪主から参列者への挨拶があります。参列へのお礼や、故人が亡くなったという報告、生前大変お世話になったことが述べられます。厳かに挨拶を受けましょう。挨拶とともに、葬儀の場所や時間が案内されることも多いです。

通夜振る舞い

お通夜が終わったら、「通夜振る舞い」があります。通夜振る舞いとは、弔問客や僧侶に参列のお礼として遺族側が催す会食で、故人のことを偲びながら食べ物や飲み物をいただきます。

 

通夜振る舞いに招かれたら、断らないようにしましょう。故人が生前どんな人だったか、エピソードを添えて話すと、同席の方々に喜ばれます。

お通夜のマナーとは

すべてのマナーや決まりは「故人の死を悼み、故人を敬い、残された遺族の心情を思いやる」ために設けられています。そう考えれば、服装のマナーにしろ、香典のマナーにしろ、理にかなっていると思えてくるでしょう。わからなくなったら、この記事を参考にしてください。