【お布施の正しい書き方】基本的なマナー・お金の入れ方など徹底解説

公開日 : 2021/1/22

更新日 : 2021/1/23

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お布施は葬儀や法事の供養を行ってくれた感謝の気持ちとして渡すお金です。お布施を準備するときは袋や正しい書き方ななどマナーを守らないといけません。お布施袋の書き方に不安がある方のために、正しいマナーとお金の入れ方・タイミングなど詳しくまとめました。

公開日 : 2021/1/22

更新日 : 2021/1/23

目次

お布施とは

僧侶に渡すお布施は、葬儀や法事の供養を行ってもらった感謝の気持ちを表すものであり、仏教の慣習です。香典のマナーを知っている方は多くても、お布施袋の正しい書き方や基本的なマナーを把握している方は少ないです。お金の入れ方なども香典とは異なります。

 

お布施にははっきりとした決まりはありませんし、僧侶から請求されることもありません。あくまでも謝礼金であり、読経料や戒名料はお布施としてまとめます。地域の風習やお寺の考え方でもお布施の考えが異なるため、お布施を包むときに悩む方が多いです。

 

葬儀の他、法事はお寺との付き合いが続きますので、お布施の基本的なマナーは把握しておきましょう。お布施袋の正しい書き方やお金の入れ方をマスターすれば、法事の際も困ることはありません。お寺と良好な関係を築いていくためにも基礎を学びましょう。

お布施の正しい書き方

お布施を渡すときは袋を用意して表書きなどを書かないといけません。正しい書き方のポイントをまとめましたので、一緒にチェックしていきましょう。

お布施は濃墨で書く

香典袋は通夜や葬儀の際、薄墨を使って表書きや名前を書きますが、お布施袋に表買いを書くときは濃墨を使います。香典の場合、薄墨を使う理由は「悲しみのあまり、文字を書く墨も涙で薄くなってしまった」ということを表現するために使われています。

 

お布施は僧侶に感謝の気持ちとして渡しています。お寺に不幸があったわけではありませんので、薄墨を使って書く必要はありません。市販の筆ペンを使って表書きや名前を書くようにしましょう。基本的に、毛筆を使って書くのが一般的なマナーです。

 

お布施袋の中に中袋がある際も表面と同様、濃墨を使います。中袋は筆ペンを使うと文字がつぶれてしまう可能性があるため、自信がない方はサインペンやボールペンを使っても問題はありません。

お布施の表面の書き方

お布施袋の表面には表書きと名前を書かないといけません。正しい書き方についてまとめましたので、確認してみましょう。

お布施の表書きは宗教で異なる

お布施袋に表書きを書くときは宗教によって異なるため、気を付けましょう。お布施は仏式の言い方であり、神式・キリスト教でもお礼は渡します。仏教の表書きは、「御布施」の他に「御礼」・「御回向料」と書きますが、浄土真宗は「御布施」のみです。

 

神式も仏教のお布施と同様にお礼を渡しますが、表書きは「御玉串料」・「御祭祀料」・「御祈祷料」と書きます。神式では「霊祭」・「祖霊祭」を行い、墓前やご自宅に神主さんを呼びます。キリスト教はカトリックとプロテスタントがあり、表書きが異なります。

 

カトリックの表書きは「謝礼」と書き、プロテスタントの表書きは「記念献金」と書くことが多いため、キリスト教であっても宗派を確認してからお布施を用意するようにしましょう。葬儀を行うときに初めのお布施を渡すことが多いため、宗教を把握しておいてください。

表面に書く名前について

お布施袋の表書きを書いたら、次は下に名前を書かないといけません。一般的には「〇〇家」と書いたり、喪主のフルネームと書くことで誰から受け取ったお布施かを明確にすることができます。苗字だけでも問題はなく、家から感謝の気持ちを表して渡している意味があります。

 

香典のように連名で書くことはありませんので、「〇〇家」または喪主のフルネームを書いてお布施を渡しましょう。お住いの地域によっては同じ苗字が多いケースもあります。お布施を渡した時に、手間をかけないようにするなら、フルネームで書くのがおすすめです。

 

葬儀や法事ごとにお布施を渡しますが、表書きや名前の書き方は特に変わりません。香典の書き方と間違えないように、正しいマナーを覚えてお布施を準備してください。

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お布施の裏面の書き方

お布施袋の表面の記入が終わったら、裏面にも記入しないといけない項目があります。裏面には住所の連絡先を書きます。金額に関しては香典のように必ず書かなければいけないルールはありません。近年、僧侶の派遣事業も増えてきているため、金額を明記した方が親切です。

 

お布施袋に金額を書くときは、数字の書き方に気を付けましょう。香典と同様、4(死)や9(苦)は避けるようにしてください。お布施の金額は漢字で書くため、不安な方は数字をチェックしてからお布施袋に書くようにしましょう。

 

1は壱・2は弐・3は参・5は伍・6は六・7は七・8は八・10は拾・100は百・1,000は阡・万は萬と書きます。他に、金額の頭に「金」と入れる必要があり、単位として「圓也」と最後に記入します。横書きの際は、「10,000圓」と書いてください。

お布施に使う袋について

お布施を渡すときに袋を準備しないといけませんが、香典のように不祝儀袋を使ってもよいのか悩む方は多いです。そこで、お布施に使う袋について詳しく解説します。

お布施に不祝儀袋は使わない

お布施は香典のように不祝儀袋は使用せず、水引は不要です。コンビニエンスストアや100均で販売されているお布施の袋には、すでに「御布施」や「お布施」と印刷されたものがあり、水引が一緒に入っているものもあります。

 

水引が入っていたとしても、色は黄色が一般的です。三十三回忌の法要では、お祝いと捉える地域の風習もあり、香典袋やお布施に祝儀袋を使用することもあります。地域によって異なるため、親族や地域の方に事前に確認をしておきましょう。

 

香典とお布施は使用する袋が異なるので、混同しないように気を付けてください。これからお寺と良い関係を続けていくためにも、正しいマナーを守りましょう。

白い無地の封筒を使う

お布施を包むときに使用する袋は、一般的に白い封筒を使用します。封筒は二重になっているタイプもあり、仏教では不幸が重なるという考え方もあるため、一重の白い封筒を選びましょう。忌事の場に二重の封筒はふさわしくありませんので、気を付けてください。

 

白い封筒を準備するとき、郵便番号を記載する欄がない無地を選ぶのが基本です。余計な印字が白い封筒に印刷されていると、僧侶に感謝の気持ちを伝えるお布施が台無しになってしまうので、白い封筒のデザインに気を付けるようにしましょう。

 

お布施の袋は100均でも準備することができ、時間がある方は探してみましょう。急ぎの方はコンビニエンスストアで販売されているお布施と書かれている袋でも問題はありません。

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最も丁寧な方法は奉書紙

お布施の正式な包み方は奉書紙を使います。奉書紙は表面がツルツルしており、厚めの白い和紙で文具店で購入することができます。正式な包み方で僧侶にお布施を渡すことで、葬儀や法事でお世話になった感謝の気持ちをしっかりと伝えることができます。

 

奉書紙を使うときは、半紙でお札を包むか中袋にお札を入れてから奉書紙で包みます。奉書紙には表と裏があり、ツルツルとした面が表です。お布施は感謝の気持ちを表すため、慶事の包み方をするため、弔事の折り方は避けてください。

 

折り方に不安な方は、正しい包み方をチェックしましょう。折り方が難しいと感じた方は白い封筒に切り替えても問題はありません。最も丁寧な包み方という知識は、頭に入れておきましょう。

お布施以外に用意するもの

葬儀や法事で僧侶にお布施を渡しますが、それ以外にも準備しないといけないものがあります。初めてお布施を準備する方は、チェックしていきましょう。

お車代について

お布施以外に準備するのはお車代です。葬儀・法事・お盆など自宅や会場に足を運んでもらうためのお礼で、お布施とは別に包んでください。お車代の金額相場は、5,000円~1万円であり遠方から足を運んでもらうときは、その分の金額を包むようにしましょう。

 

施主がタクシーを手配しているケースは、お車代を渡す必要はありません。タクシー会社に直接施主が支払えば大丈夫です。寺院に直接施主が出向き、葬儀や法事を行う場合もお車代は不要です。あくまでも僧侶が移動手段として費用が発生するときに、お車代を包みます。

 

お車代を包むときの表書きは、「御車代」や「お車代」と書き、名前はお布施と同様で「〇〇家」で大丈夫です。お布施と一緒に渡してよいため、僧侶に足を運んでもらう方は準備をしておきましょう。

御膳料について

葬儀や法事の後に会食をする場合、僧侶も出席していただければ御膳料は不要ですが、多忙で辞退されたときに御膳料を包みます。御膳料は会食する際のお食事代で、表書きは「御膳料」と濃墨で書き名前はお布施と同様、「〇〇家」で大丈夫です。

 

一般的な金額相場は5,000円~1万円で、ホテルや料亭を利用するか自宅で行うかによっても金額の幅が異なります。1人分いくらの予算で注文するのかを考えてから、御膳料を用意するようにしましょう。渡すタイミングは、葬儀や法事が終わった後に渡しましょう。

 

僧侶が一人ではない場合は、人数分の御膳料が必要のため、金額が高くなるケースもあります。会食を行う際は、僧侶に出席や人数を事前に確認をしておきましょう。

お布施の金額相場について

お布施を準備するとき、どのくらいの金額を包めばよいか悩むことが多いです。そこで、シーンに合わせて金額相場をご紹介しますので、確認してみましょう。

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葬儀のお布施の金額相場

お布施の金額相場は、地域や寺院によって金額が異なります。通夜や葬儀のお布施は少なくても15万円はかかります。北海道や東北地方では15万円で、関東地方・近畿地方は20万円・中国地方・四国地方・九州地方は15万円です。

 

お布施の金額はあくまでも読経料であり、戒名料が含まれているかは事前に確認しましょう。戒名にはランクがあり、お寺によって10万円~100万円と金額に幅があります。お布施を渡すとき、戒名料を含まている際はその旨、一緒に伝えるようにしましょう。

法事のお布施の金額相場

法事の時にお布施を包む際、法事を行うタイミングによっても内容が異なります。一般的な金額相場は3万円~5万円ですが、納骨式を行うときは別途に1万円~5万円をじゅんびしないといけません。法事の回忌によってもお布施の金額が異なってきます。

 

四十九日や一周忌までは3万円~5万円のお布施を包みますが、3回忌以降の法事では1万円~5万円と地域の風習や寺院によって金額が変わります。宗派によってもお布施の金額相場に変動が出てきますので、不安な方は事前に確認してください。

お盆のお布施の金額相場

僧侶にお盆で読経をしてもらう際、新盆はお布施の金額が異なります。新盆とは故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことであり、親族や親しかった人を招いて法要を行うのが特徴です。僧侶にも読経を上げてもらうので、お布施は3万円~5万円程度準備します。

 

四十九日と同様、新盆を行う際はお寺様・会食・引き出物の手配をします。仏前に提灯や盆棚・精霊馬を飾ったり、送り火・迎え火の準備を行うこともあります。地域の風習に合わせて必要なものを準備しましょう。

 

お盆でお墓参りをした際、僧侶に読経を上げてもらう方はお布施の準備が必要です。新盆のように大掛かりなお供え物はなく、ご先祖様を迎えるために行います。お盆の時のお布施は5,000円~2万円が一般的で、金額に不安がある方は周りの方に確認をしましょう。

お布施のお金の入れ方

弔事で香典を包むとき、お金の入れ方は顔を裏面に向けていれるのが基本です。お布施は弔事のイメージが強いことからお札を入れる向きも弔事のやり方をする方は多いですが、お寺に不幸があったわけではなく、感謝の気持ちを伝えるものです。

 

お布施を包むときは慶事の祝儀を包むやり方で、表面に顔がくるように入れてください。お布施は事前に準備しておくため、新札を入れるようにしましょう。葬儀のマナーでは、不幸に対してあらかじめ準備をすると失礼ですが、お布施は弔事ではありません。

 

お布施の包む金額は香典のマナーは一緒で、「4」や「9」など不吉なことを連想させる数字は避けるべきですが、お金の包み方は香典とお布施を混同しないようにしましょう。

お布施を渡すタイミング

お布施を僧侶に渡すタイミングは、僧侶が控え室に出向く際に渡すようにしましょう。タイミングを逃してしまうと、丁重にお渡しする時間を取るのが難しいです。僧侶が控え室に出向く際に渡せなかった方は、葬儀や法事の最後に渡しても問題はありません。

 

お布施は袱紗に包んでおき、「切手盆」と言われる小さなお盆に乗せて渡すのが基本的なマナーです。表書きは僧侶に向けて両手でお盆を持ちます。切手盆をお持ちでない方は、普通のお盆を使っても大丈夫です。お布施を渡すときは、感謝の気持ちを必ず伝えましょう。

 

葬儀や法事を行う前にお渡しできる方は「〇〇の葬儀または〇〇回忌でお世話になります。よろしくお願いいたします。」と伝え、葬儀や法事の後になった方は「お蔭様で故人を送り出すことができました。ありがとうございました。」と伝えましょう。

お布施の準備は正しいマナーを守ろう

お布施を準備する際は、袋や正しい書き方などマナーを守らないといけません。お布施は香典と異なり、僧侶の方に感謝を伝えるもので取り扱いに気を付けましょう。お布施の他に、お車代や御膳料の準備も必要のため、葬儀の流れを把握して準備を進めましょう。

 

お布施は葬儀以外に法要もあるため、長く僧侶と関係が続いていきます。お寺と良好な関係を続けていくために、お布施の正しいマナーを守って準備をしてください。