葬儀や遺体の写真の撮影について|撮影の是非、マナーと注意点

公開日 : 2021/1/21

更新日 : 2021/1/21

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葬儀や遺体の写真の撮影について。葬儀の際の写真撮影のマナーは?また、遺体の撮影は許されるのか?その写真のSNSへの投稿は?様々な疑問と注意点をまとめました。撮影する立場ごとの解説と、マナー違反になる行為、葬儀形式ごとの注意点も詳述しています。

公開日 : 2021/1/21

更新日 : 2021/1/21

目次

葬儀や遺体の撮影の是非

葬儀の際、葬儀や遺体の写真を撮影しても良いのでしょうか。まず、この項では、なぜこの行為にタブーを感じるのかと、近年の傾向について見ていきます。また、遺体の撮影の是非についても確認します。

興味本位の撮影はNG

写真撮影の目的は記録の為だけではなく、その背景には、「興味」という心理が働いていることが多いです。それゆえに、葬儀や遺体を撮影することは、人の死や遺族の悲しみを興味本位に捉えていると見られやすい行為です。 そのような気持ちが伝わってしまうため、非常に気分を害する人がいるということになります。このような事情から、興味本位の撮影は絶対にしてはいけません。遺族の故人との最後の別れを台無しにしてしまいかねません。

死は穢れという心情からくるタブーの意識

また、古来から受け継いできた日本人ならではの民俗的な心情というものがあります。その中の一つに、死を穢れているものだと考える価値観があります。それゆえに、穢れているものを撮影することは、その穢れをデータに保存することになります。 この心理の自覚の有無はともかく、葬儀の撮影は、何となくタブーを犯しているような気がしてしまいます。このような意識は心の奥底に根強く存在し、人々の感情を大きく左右します。したがって、葬儀の際に、この価値観を意識することはとても大切だと考えられます。

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写真を撮ることは増えている

ただし、最近では遺族が写真を撮ることはそれほど珍しくなくなってきました。まず、記録用に撮影するという側面があります。祭壇や会場などの写真を撮っておけば、規模がどれくらいだったかなどが分かり、何宗の僧侶が何人来たのかということも一目瞭然です。 もちろん、慣習的に問題なく、許可を得ていることが前提です。こうした記録を残しておくと、次に同じ家で葬儀を出す時に、非常に参考になります。 また、故人を偲ぶために、遺体を撮影することも増えてきました。通常はかなり近しい関係の人が撮影するものであり、身内でもないというのであれば、当然許可が必要です。また、撮影に関しては、タイミングなどに細心の注意が必要です。価値観の変化もあり、葬儀を撮影することが増えているようです。

遺体の撮影はOK?

一般的に、遺体の写真撮影は絶対にしてはならないという決まりごとはありません。近年では、葬儀の様子を撮影することは一般的になっています。しかしながら、遺体を撮影する行為については、非常にデリケートな問題になります。 仮に、全く知らない人が自分の家族の遺体を勝手に撮影し始めたと想像してみてください。家族が故人の遺体を撮影するのは許容範囲でも、他人が撮影するのは気分の良いものではないはずです。また、事故や事件に巻き込まれて亡くなった故人の遺体を撮影するのは控えるべきです。 遺体を撮影してはいけないというルールはありませんが、どうしても故人の遺体を撮影したい場合は、家族の許可を得るのが常識と言えます。または、葬儀屋さんにお伺いをたてる必要があります。 このような際にも、家族の気持ちを類推し、他の参列者の心情を尊重することが重要です。自分の「撮りたい」という気持ちだけが先走ってしまうことのないようにしなければいけません。

葬儀での写真撮影のマナー

次に、葬儀における撮影のマナーについて見ていきます。撮影する立場ごとに、注意するポイントを確認します。また、明らかなマナー違反になる行為についても確認します。

葬儀での写真の撮影はOK?

自分の家族や友人、尊敬していた人など、自身とつながりが深かった人の葬儀のようすを最後の思い出として写真におさめておきたいと考える人もいると思います。葬儀屋や写真館など、プロに撮影を依頼するケースはよくあります。 しかし、プロはともかく、参列者が葬儀の最中にそのようすを撮影するのは、少々不謹慎では、と思われることが多いでしょう。葬儀での撮影は禁止というルールはありませんが、遺族の気持ちを考えると気軽に撮影できるものではないと考えるのが常識です。 軽々しい行動をして、マナー違反にならないように注意しなければなりません。これらの点を踏まえ、許可を得た上で初めて、撮影できると考えましょう。

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親族が撮影する場合

次に、葬儀の際に、親族が撮影するケースを考えていきます。この場合は、どんな必要性があり、どのような注意が必要なのでしょうか。家族だからこそ気をつけたいポイントがあります。

記録係としての撮影

参列者の名前は芳名帳に記載され、残りますが、顔と名前が一致しない場合があります。葬儀当日、親族が忙しくて撮影できない場合は、参列者の顔、供花、供物、祭壇を手のあいた人が撮影しておくのがベターです。 前述したように、葬儀の規模など、葬儀の内容を記録する意味もあります。撮影自体を葬儀屋に依頼するという手段もあります。記録として残しておけば、葬儀の内容について、後から確認することができます。

葬儀の集合写真について

親族が一同に集まる機会はなかなか無く、全国に親族が分散しているケースもあります。しかし、親族のお葬式とあれば、疎遠な親族も集まる機会となり、久しぶりに親戚が揃います。このような場合、故人との最後の集合写真を残しておきたいと思う事もあるでしょう。 このような集合写真の撮影のタイミングはお通夜の終了後が一般的です。あらかじめ、親族や葬儀屋さんと相談しておくと、スムーズに進めることができます。 この時、自分は親族だからと考えて、他の参列者を無視してはいけません。葬儀はすべての参列者のための儀式です。そのあたりも、葬儀屋さんに尋ねておくと、注意すべき点が分かります。

参列者が撮影する場合

参列者が故人と親しかった場合など、故人との最後の思い出として撮影したくなることもあると思います。参列者が葬儀の撮影をしてはいけないという、明確な決まりはありません。しかし、勝手に撮影し始めると周囲の迷惑になる可能性があり、厳粛な式をぶち壊しにしてしまう危険性があります。 そのため、どうしても葬儀の撮影をしたい場合は、遺族や葬儀屋さんに許可を得て、何枚も撮影するのではなく、不快感を与えない常識の範囲内にとどめるのが賢明です。 葬儀の主役は故人と遺族です。常に、遺族の気持ちを推し量る気持ちを忘れないようにしましょう。また、故人ならどう思うか?という視点も大事なのではないでしょうか。

葬儀社が撮影する場合(プロに依頼)

撮影をプロに依頼するという選択肢もあります。葬儀屋や写真館が行う撮影はプロとしてであり、最後の思い出をしっかり残しておきたい場合は、写真撮影が含まれている葬儀プランも検討しましょう。 撮影のプロですので、写真のクオリティは保証されます。最後の思い出として葬儀アルバムを作成するサービスもあるので、これも検討する価値があります。 また、専門のスタッフが撮影にあたるので、タイミングやマナーについての心配はありませんので、安心して任せることができます。さらに、家族が葬儀そのものに集中できるというメリットもあります。

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マナー違反にあたる行動

次に、葬儀の際の撮影に関して、マナー違反に当たる行動を確認します。普段の感覚で撮影してしまうと、大きな迷惑をかけてしまいますので、注意が必要です。撮影をする場合は、これらを事前に確認し、あらかじめ準備をしておきましょう。

フラッシュを焚く、シャッター音を鳴らす

撮影に使用するカメラやスマホは、シャッター音を無音にする、フラッシュをたかない設定にしておく必要があります。設定をするのが難しいようであれば、無音やフラッシュを無効にできるアプリを利用するという手もあります。いずれも、事前の準備が大切です。

断りもなく故人を撮る

断りもせずに故人や葬儀を撮影するのは、当然ながらマナー違反です。葬儀そのものを台無しにしてしまうこともあり、絶対にしてはいけません。必ず許可を得てから撮影しましょう。また、許可を貰った場合も、撮影の回数は最小限にとどめ、撮影のタイミングなど、細心の注意を払うことが必要です。

葬儀形式ごとのマナー

火葬、家族葬の場合

火葬式とは、斎場でお葬式をすることなく、火葬のみを行う形式の儀式です。ただ、納棺の儀式やお別れの儀式も含まれているのが一般的です。まず、火葬場や集骨室での撮影は禁止されています。 なぜなら、火葬場や集骨室には仕切りがないため、自分達だけとは限らないからです。他の遺族も写真に写りこんでしまう可能性もあるため、このような場での撮影は控えましょう。納棺の儀式やお別れの儀式での撮影は、葬儀屋に確認する必要がありますが、まずNGだと思っておいた方が良いと言えます。 家族葬は、親しい親族や友人だけで行う小規模な葬儀形態ですので、葬儀そのものに集中できるというメリットがあります。しかし、この場合の撮影は、「写真を撮らなくてはならない」というプレッシャーで、葬儀に集中できない可能性があります。 したがって、思い切ってプロに依頼するのが得策とも言えます。家族葬だからこそプロに頼んだ方がいい面もあります。

一日葬、一般葬の場合

一日葬とは、お通夜をせずに、一日で葬儀だけをおこなう形式のお葬式です。また、一般葬とは、最も一般的なお葬式の様式で、通常通り一般会葬者が参加できるお葬式です。 これらの葬儀においても、撮影をしてはならないというきまりはありません。とはいえ、家族や葬儀屋に、事前の確認が必要です。そのうえで、マナーを守って、節度ある撮影をすることが大切です。撮影が終わったら、家族にお礼を言うのも重要です。 とにかく、葬儀の雰囲気を壊さないように、配慮を忘れないようにしなければいけません。お葬式という、故人との最後のお別れの儀式を台無しにする権利は誰にもありません。厳粛な空気を乱してしまえば、自分自身の後悔として、大きな心残りを作ってしまいかねません。

撮影した写真のSNS投稿は許されるか

この項では、葬儀で撮影した写真のSNS投稿について見ていきます。昨今では日常になったSNSですが、葬儀の写真の投稿は許されるのでしょうか?いくつかの項目に分けて確認します。基本的には、葬儀の写真の投稿は、極めて慎重になるべきです。

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遺族はどう思うのか?

SNSへの投稿は、原則的に、人に見てもらうことを前提にしています。不特定多数の人が見られるようになっていることが基本のツールも多いです。 それに対して、葬儀は、どれだけ多くの人が参列しようと、本質的にはきわめて個人的な儀礼です。プライベートなことを、勝手に見も知らない第三者に拡散されることは、故人や遺族にとっては非常に嫌なことでしょう。 身内の死や遺族の悲しみが、人に見せるためのネタとして扱われている印象を与えかねません。SNSへの投稿は慎んだ方が良さそうです。

閲覧者はどう思うのか?

SNSは、基本的には不特定多数の人が閲覧できるようになっています。前述のとおり、日本では死をタブー視し、死にまつわるものは触れるべきでないとしています。したがって、葬儀や遺体の写真を公の場に公開するということは、タブー意識に反します。少なからぬ人がその写真を見て不快に感じるでしょう。 加えて、リンクではなく写真をそのまま投稿してしまうと、閲覧者は唐突に葬儀や遺体の写真を目にすることになります。閲覧者は見る・見ないの選択ができません。 以上のような理由から、葬儀や遺体の写真をSNSに投稿するのは控えるべきです。実際に、このような投稿に関しては、反対意見が多いようです。 ごくプライベートな儀式である葬儀の写真をSNSに投稿するという行為そのものに非常識を感じ、気分を害する人もいると考えられます。 SNSに関しては、つい「自分の」アカウントだと考えがちですが、それは公の場であることを忘れてはいけません。

死と葬儀への倫理観が揺らいでいる

スマートフォンの普及により、思い出は全て写真に残しておきたいという感覚が当たり前になり、葬儀でも写真を撮る人が増えました。その背景には、家族葬が広まり、葬儀を自由にとらえる人が増えたこともあります。このような傾向は、別に若者に限った話ではなく、日本人の死と葬儀への倫理観が揺らいでいると言えます。 このような状況において、実際の判断は、個人の良心に委ねられているといえるでしょう。そのためにも、葬儀は故人と遺族のための儀式であるという原点を忘れないようにしなければなりません。そのうえで、葬儀における撮影に対する、共通理解を育んでいく必要があります。

葬儀や遺体写真の撮影は慎重に

葬儀や遺体の写真の撮影について調べてみました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。葬儀や遺体の撮影に関しては、気を付けなければいけない点がたくさんあります。なぜこの行為にタブーを感じるのかを理解し、遺族の気持ちを尊重する重要性を理解しましょう。 そのうえで、儀式の流れを乱さないように、細心の注意を払って撮影しましょう。故人との最後の別れの儀式である、お葬式とその撮影の正しい関係を知り、きちんと準備して行動しましょう。