【喪服の着物マナー】着付けや髪型など気を付けるべきポイントを解説

公開日 : 2020/12/4

更新日 : 2020/12/8

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現代の葬儀の服装は洋装が一般的ですが、喪服の中で格式が高いのは着物です。葬儀で着物を着るときは正しいマナーを守らないといけません。着付けや髪型など細かいところまで注意を払いましょう。そこで、喪服の着物マナーについてご紹介します。

公開日 : 2020/12/4

更新日 : 2020/12/8

目次

喪服で着物を着ることができる人

葬儀に参列する時の服装で着物を着ることができる人は限られています。そこで、着物を着ることができる方や着物の種類についてご紹介します。

親族が着用する

着物の喪服は喪の第一礼装であり、格の高い装いを指します。この着物を着ることができるのは、故人の親族と特に近しい身内が着用し、三親等までの遺族が着物を着ることができます。その他に、故人と参列する人の繋がりが着物に関連している方も着られます。

 

喪服には正喪服、準喪服、略喪服の3種類があり、着物は正喪服です。第一礼装で男性は紋付羽織袴で、羽織は黒の羽二重、五つ紋を着るのが一般的です。女性は、染め抜き五つ紋の黒無地の着物になっているため、葬儀に和装をする方は準備をしましょう。

 

近年、着物を喪服として着用する方が減ってきており、洋装を選ぶ場合でも喪主は正喪服にしましょう。男性はモーニングコートで、女性はブラックフォーマルで、基本的にお通夜・お葬式・三回忌までの法事まで着用するので覚えておくようにしましょう。

黒喪服と色喪服について

着物の喪服には黒喪服と色喪服があり、家紋の付いた黒紋付で黒無地の着物を黒喪服といい、色喪服は寒色系に染められた無地の着物のを指します。色喪服を着ることができるのは、法事やお別れの会などで、地域や風習によって異なるため、周りに合わせましょう。

 

喪服で黒を着るのは明治時代に入ってからです。それまでの間は白喪服を着用していました。その理由は、婚礼の際に着た白無垢を残し、夫が亡くなった時に白喪服として着用されていました。これは再婚はせずに、あなたの妻であり続けますという意味がありました。

 

そのため、今でもこの風習を大切にしているところもあり、白喪服や白い裃(かみしも)を着用するケースもあります。明治維新以後、欧米の慣習が浸透し汚れが目立ちにくい黒の喪服を着用されました。

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お通夜から正式な喪服を着用

親族はお通夜から正式な喪服を着用するため、着物を選択したのであれば、お通夜の時間に合わせて着付けを終えないといけません。しかし、現代の傾向を見てみると、通夜や法事の三回忌まで着物を着続ける方は少なくなってきました。

 

そのため、男性であればブラックスーツを着用し、女性もブラックフォールのワンピースやアンサンブルを着用しています。喪主となる方が、参列者より格式の低い服装はマナー違反となるため、正喪服のモーニングまたは準喪服のブラックスーツを着用しないといけません。

 

参列者であれば急な訃報の知らせにより、お通夜に喪服を準備する時間がなかったということから、喪服を着用しないでお通夜に参列することもできますが、喪主はこれから葬儀を執り行う代表者のため、正喪服とまでは行かなくてもきちんと正装しないといけません。

喪服の家紋の基礎知識

喪服の着物には必ず家紋が入っています。家紋は、その家を表す紋所のことで、庶民に広がっていったのは明治以降です。格の高い正式な「五つ紋」は、左右の胸・両袖の背面・背筋の上の5カ所に入っています。この着物を喪服として葬儀の時に着用します。

 

格を下げた参列者が着用する「三つ紋」は、背筋と両袖の背面の3カ所に入っており、一つ紋は背筋の1カ所に家紋が着物に入っています。昔は女性が嫁入り道具として持たされていました。自分の家の家紋がわからないときは、誰でも使える「通紋」があります。

 

レンタルの喪服には、一般的な家紋が取り入れられており、桐、木瓜(もっこう)、梅鉢等が使用されます。色喪服の場合は、数も三つ紋と一つ紋です。家紋の種類や数によって格式が決まっていましたが、格の違いを厳密に考える人は少なくなってきています。

男性も喪服で着物は必要か

葬儀の服装で男性が着物を着るのは必要か考えている方は多いです。洋装が浸透してきており、着物を着る方が減ってきました。和装の着物を選んだ場合は、黒の五つ紋付きの羽織袴を着用し、袴は仙台平または博多平を準備して、羽織の紐や鼻緒は白または黒です。

 

参列者が喪服として着物を着る場合は、親族のように黒紋付である必要はありません。そのため、白無地に三つ紋か一つ紋付きの羽織と対の長着を着用して、袴は履かずに、地味な角帯を締め、畳表の草履の組み合わせです。

 

普段から着物を着る環境にある方は、葬儀の喪服に和装を選びますが、そうでない場合は洋装でも構いません。正喪服で和装は必須ではありませんので、準備しやすい方を選び、葬儀に着用しましょう。

喪服の着物を準備する方法

葬儀の喪服に着物を選ぶ場合、準備する方法は様々あります。どれが準備しやすいのか事前に知っておくことで、葬儀に向けてスムーズに必要なものを揃えることができます。そこで、喪服の着物を準備する方法をご紹介します。

喪服の着物を購入する

喪服の着物を自分で購入するときは、値段が気になる方も多いです。嫁入り道具で持たされていた方であれば、自分で準備する必要はありませんが、持っていないときは先を見越して購入する方もいます。一般的に喪服の着物の値段は、正絹の生地だと30万円〜50万円です。

 

価格には幅がありますので、仕立て上がりの着物を選択すれば10万円前後で購入することも可能です。帯や長襦袢、小物に至るまでセットになっているものもあるため、値段と小物類もきちんと確認するようにしましょう。

 

袷の喪服と薄物の喪服があればオールシーズン着用することができますが、着物は重ね着をするため、生地をしっかりと確認しないと着物を着ることができる季節が限られてしまうので気を付けましょう。

 

 

着物をレンタルする

葬儀の誰にも予想することが難しく、回数が多いか少ないかも先読みすることが難しいです。そのため、葬儀で着物を着るならレンタルにするとコストパフォーマンスがよいことも多いです。そこで、レンタルを利用するときの注意点についてご紹介します。

着付けを依頼するメリット

葬儀の服装で着物を着る場合、レンタルをするなら近所の美容院などにお願いすることもできます。ネットでレンタルをお願いしても、値段は2万円程度と、自分で購入するよりも一度にかかる出費を押させることができるのが特徴です。

 

葬儀には多くの準備が必要であり、時間がない中でスケジュールをどんどん立てていかないといけません。そのため、服装の時間を考えるのも少ないため、近所の美容院から着物をレンタルすると、一緒に着付けやヘアメイクをしてもらうことができます。

 

着物をレンタルするときは、着付けやヘアメイクなどすべてがセットになっていると、時間がない中で、しっかりと葬儀に適した服装にまとめてもらうことができるのがメリットです。ネットでレンタルをしてしまうと、着付けの手配を考えないといけません。

出張着付けの注意点

葬儀の喪服で着物を着るとき、自分で着物を着ることが難しい時は出張着付けなどのサービスを利用することもできます。ただし、業者によっては出張手数料や交通費、時間外料金の設定が異なるため、リーズナブルな業者であるか下調べが必要です。

 

一般的に出張着付けの相場は、基本料金が約5,000円で出張手数料や交通費がプラスされます。早朝や深夜などの営業時間外にお願いするときは、時間外料金が発生し一般的には1,000円〜3,000円が目安です。金額を確認してリーズナブルであるかをチェックしましょう。

 

どの業者を選ぶのかはあなた次第ですが、出張着付けに発生する費用は1万円前後と考えておくようにしましょう。時間があるのであれば、出張着付けの見積もりを取ることもできます。ネットを利用すれば、どのくらいの値段かチェックできるため、確認してみましょう。

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着物の季節と素材について

喪服で着物を着るときに気を付けなければいけないのは、着物の素材です。季節に合った素材を選ばないと体調を崩す原因になってしまうため、気を付けなければいけません。10月から5月の間に着る着物は、生地を2枚縫い合わせた、裏地のある着物を袷を使用します。

 

6月と9月は季節の変わり目ということもあり、よく着られるのが単衣です。裏地がない分、軽くて涼しく袷と絽の2種類を揃える人も多いのが特徴のため、着物を準備するときは季節も含めて検討してみましょう。7月と8月は夏用の着物が絽で作られています。

 

地方によっても着物の素材が異なり、関東地方では喪服の素材に羽二重・関西では縮緬を使用することが多いです。縮緬はしなやかで着心地がよく、現代では縮緬が主流です。普段着やおしゃれ着で着用する小紋や紬は、喪服に使われませんのでデザインに気を付けましょう。

喪服で着物を着るときの注意点

葬儀で喪服に着物を着用するなら、着付けや小物類の準備など様々な手配をしないといけません。注意するべきポイントもありますので、一度確認してみましょう。

喪服の着物の着付けは依頼する

着物を一人で着付けすることができるなら問題はありませんが、慣れていない方だときれいに着付けすることが難しいです。葬儀の準備もあるため、着付けを学ぶ時間も少ないため、不安な方は着付けを依頼するようにしましょう。

 

着物の喪服姿は格の高さを表すため、気崩れてしていると周りの方に指摘されてしまう可能性が出てきます。家族や親類に着付けができる方がいれば安心ですが、着物を着用する風習も少なくなってきていることもあり、専門の方にお願いした方が無難です。

 

着物を着用するときは、露出を控えるのがポイントであり、体型をタオルなどで調整しないといけません。やせ型の人はタオルを多く使うため、準備するものが増えます。着付けをお願いするときは、準備しなければいけないものもあるので確認してみてください。

喪服の着物に必要な小物類

喪服で着物を着るときは、洋装と違う小物類を準備しないといけません。必要なものは、半襟・長襦袢・足袋は白や帯締めは黒の平打ちひもです。その他にも、草履・ハンドバッグは布製の黒無地・草履の鼻緒も黒と気を付けなければいけないポイントが多いです。

 

洋装と同様、小物類を準備するときは黒で統一しないといけません。周りから見えない和装小物は黒を使用しなくても大丈夫ですが、黒を意識して着物を着るときの小物類にも配慮してみてください。

 

色喪服を使用するときは、葬儀と内容が異なるため黒で統一しなくても問題はありませんが、小物は地味な色で揃えるように心がけてください。袱紗や数珠、ハンカチなどは洋装と一緒のため、葬儀の正しいマナーを守って準備するようにしましょう。

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喪服で着物を着るときの髪型

女性であれば喪服で着物を着るとき、髪型にも気をつけましょう。基本は清潔ですっきりとまとめるのがポイントです。ロングヘアの方はお辞儀をしたときに、顔に髪がかからないようにするために、まとめるようにしましょう。

 

慶事の時のように美容院にお願いをして髪型をセットしてもらう必要は特にありません。シンプルなまとめ髪であれば、喪服を着る着物にもマッチしますので、セルフで行える程度にまとめてみてください。

着物に羽織るコートについて

葬儀を行うのが冬の場合、喪服で着物を着るときのコートは黒の道行を着ます。基本的に着物にコートは着用しませんが、屋内では脱ぐコートのため、移動の時は着用しても問題はありません。その時の気温に合わせて準備するのか考えてみましょう。

 

コートを着用するときに葬儀に適したものであるか悩むときは、使用しないのが無難です。着物をレンタルするときにセットになっているのであれば、使用することもできますが、追加料金が発生することがあるため、確認してみましょう。

不要な着物はリメイクや買取ができる

喪服で着用する着物は使う頻度が少なく、タンスの中で眠っている方も多いです。そこで、喪服の着物の買取やリメイクについてまとめてみました。

着物の買取額について

近年、葬儀の服装で喪服に洋装をする方が増えてきていることもあり、着物がタンスの中で眠っている方も多いです。母から受け継いだ着物を持っている方もいますが、実は買取をしてもらうこともできます。家紋が入っているほど買取価格が高くなるのが特徴です。

 

喪服の着物を買い取ってもらえる業者は、買取専門業者・リサイクルショップ・古着屋です。買取価格は色あせやシミなどができているケースも多いため、保存状態のよい品で2,000円~4,000円です。ブランド品であっても、着物状態によって値段が異なります。

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喪服から喪服にリメイクできる

母の代から受け継いだ喪服用の着物がある方も、着る機会がなくどのように処分すればよいか困っている方も多いです。着物からフォーマルの式服や普段着の洋服にリメイクしてもらえる業者もあります。和装から洋装の喪服にできるなら長く使うことができます。

喪服で着物を着るときはマナーを守ろう

喪服で着物を着るときは、洋装よりも準備が大変です。一人で着付けをすることができる方はなかなかいません。初めて着物を着る方は、正しくマナーを守るためにも、レンタルをして着付けをお願いするのが安心です。

 

着物は喪服の中でも格式が高い服装ですから、小物類や髪型にまで気を配って清楚にまとめましょう。急な訃報であってもレンタルにすれば、着物をすぐに準備することができ、夫婦で着物を着て告別式に出ることができるため、準備を進めていきましょう。