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葬儀のお布施の金額相場やマナーを解説!感謝の気持ちを忘れずに

この記事では葬儀のお布施の金額相場や包み方・渡し方・書き方のマナーについて解説しています。葬儀のお布施は宗教者への感謝の気持ちを表すものです。トラブルを避けるためにも、葬儀でのお布施にまつわるマナーを確認していきましょう。

公開日 : 2020/11/19

更新日 : 2020/12/01

目次

お布施とは

お布施とは、葬儀の際に宗教者が読経や戒名などの儀式を行ったことに対する感謝の気持ちを表したものになります。お布施は「心付け」とも呼ばれています。お布施は宗教者に直接渡しますが、寺の本尊の保護のために使われます。

 

「戒名料」と「お布施」は分けて支払うことが多く、宗派や地域によって金額は異なります。また、渡し方や包み方にはマナーがあります。それぞれを確認していきましょう。

お布施の金額

お布施は労働への対価ではなく、寄付行為の一環です。感謝の気持ちを伝えることが目的ですので、決まった額はありません。しかし、相場を確認しておくことで、宗教者とのトラブルを防ぐことができ、安心して葬儀やお通夜を執り行うことができるでしょう。

お布施の一般的な金額

葬儀のお布施の一般的な金額は葬儀の形式によって異なります。お通夜・葬儀・告別式・初七日までのすべてを行う場合には、20~50万円が相場です。告別式・初七日のみの場合は15~25万円です。火葬のみの場合は5~15万円が相場になります。

 

お布施はお寺との関係や地域によって異なる可能性があります。わからない場合は事前に親族に確認しておくことをお勧めします。また、予め決まった菩提寺がなく、葬儀社の紹介で宗教者を探す場合であれば、葬儀社にお布施の金額の相場を事前に確認することをお勧めします。

宗派によって異なる相場

次に宗派ごとにお布施の相場をみていきましょう。浄土宗では30~50万円、浄土真宗では20万円前後、日蓮宗では30万円前後、曹洞宗では30~60万円、真言宗では30万円以上、キリスト教では10~40万円、神道では20~50万円が相場になっています。

 

禅宗の1つである曹洞宗の相場が1番高くなっており、戒名の格式によっては100万円規模のお布施が必要になる場合があるので、注意しましょう。浄土真宗には戒名料がなく、法名を自動的にもらうことができるので、比較的金額が低くなっています。

 

キリスト教ではお布施ではなく「献金」として教会側に渡します。献金は白い封筒または奉書紙に包んで渡すことが一般的です。神道では「御祭祀料」として、神官に対して謝礼金を支払います。

 

御祭祀料は表書きに「御祭祀料」や「御榊料」、「御礼」と書き、白い封筒か奉書紙に包んで渡します。

地域によって異なる相場

お布施は地域によって一般的な金額が異なります。北海道地域は30万円前後、東北は50~60万円前後、関東は20~80万円前後、中部は40~80万円前後、近畿は40~50万円前後、中国20~40万円前後、四国は20~40万円前後、九州は20~35万円前後が相場になっています。

 

一般的に菩提寺やお寺と長い付き合いがある方は比較的お布施は高くなると言われており、地方出身者が多い関東地方では檀家に入っていない人が多いので、お布施の相場金額は低くなっています。

 

中部地方では他地域よりも冠婚葬祭にお金をかける傾向があり、他の地域に比べて高額になっています。

お布施の領収書

葬儀にかかる費用は葬儀社に支払う葬儀料金と宗教者にお渡しするお布施が大部分を占めており、どちらも高額なものです。葬儀を執り行う必要な諸経費は相続税の控除対象ですので、負担を軽減することができる可能性があります。

 

ただし、控除の基準を満たしているという証明をする領収書が国税庁の審査に必要になるので、お布施の領収書について確認していきましょう。前提として、お布施は労働に対する対価ではありません。そのため、宗教者が領収書を発行してくれない可能性があります。

 

その場合には、領収書に代わるメモ書きを残すことをお勧めします。必要条件を満たすことができれば、メモ書きは税法上で領収書と同様の扱いを受けることができます。必要条件は3つあります。

 

1つ目はお寺の名称・所在地・電話番号、2つ目は支払った金額と日付、3つ目は支払いの目的と名目です。この3つの条件を満たしたメモ書きを残すようにしましょう。お布施代は相続税の控除対象なので、相続税額を抑えることができる可能性があります。

 

ただし、葬儀費用の控除を受けるためにも3つの条件があります。その3つの条件とは、(1)控除を受けるものは相続人であること(2)葬儀費用を支払った本人であること(3)葬儀に必要な支払いであることです。

 

この3つの条件を満たすことができれば、葬儀費用は相続税の控除対象になります。ただし、葬儀費用として認められる支払いを行った者だけが葬儀の費用控除を受けることができるので注意をしましょう。

お布施の渡し方

お布施に適切な金額を用意することができたら、次にお布施の渡し方を確認しましょう。ここでは、お布施を渡すタイミングと渡す方法を解説していきます。

お布施を渡すタイミング

お布施は読経などをしてくださった宗教者に直接渡します。お布施を渡すタイミングとしては葬儀の始まる前の挨拶のときか、葬儀後にお礼の挨拶をするときのどちらかに渡すことが基本です。

 

しかし、宗教者が法要の後の会食に参加する場合は会食の後に「御車代」と一緒に渡すのが良いでしょう。会食を欠席される場合であれば、法要の終了後に「御車代」と「お布施」に合わせて「御膳料」をお渡しすることをお勧めします。

 

その際に返礼品なども一緒に渡すとよいでしょう。

お布施を渡す方法

お布施を渡すときに最も注意するのが、手で渡すことをしないということです。渡す方法として、2通りあります。1通り目が小さな盆の上にお布施を乗せてから渡す方法です。もう1つの方法が、袱紗の上にお布施を置いてから宗教者に渡す方法です。

 

この方法のときは宗教者に渡す直前までは袱紗にお布施を包んでおきましょう。渡すタイミングになったら、袱紗の包みをほどいて、袱紗の上にお布施を乗せた状態で宗教者に差し出します。

お布施の書き方

ここではお布施の表書きや名前の書き方について解説していきます。

お布施を書く筆の選び方

お布施を書く筆は普通の墨で構いません。葬儀だからという理由で薄墨を選ぶ人もいますが、その配慮は必要ありません。

 

香典であれば、ご遺族に渡すものなので、薄墨が推奨されます。しかし、お坊さんに不幸があったわけではないので、普通の墨を使ってお布施を書いても問題はありません。

表書きの書き方

葬儀で渡すお布施には「御布施」「御回向料」「御経料」「御礼」などと書くのが一般的です。お布施は感謝の気持ちを表すものなので、「御経料」などの「料」を用いた言葉を使うことは間違いではありませんが、失礼にあたることがあります。

 

そのため、「御布施」と書くのが無難です。お布施の他には「御車代」と「御膳料」をお渡しするケースがあります。御車代は宗教者が徒歩圏内の場所から来る場合と斎場がお寺である場合を除いては、支払う必要があります。

 

宗教者の交通費としてお渡ししましょう。御膳料は法要の後に開かれる会食に宗教者が出席されない場合にお渡しする必要があります。ただし、会食に出席する場合や会食の代わりに弁当をお渡しした場合には御膳料をお渡しする必要はなくなります。

 

状況に応じて、判断しましょう。

名前の書き方

お布施に名前を書く場合は「○○家」もしくは喪主のフルネームを記入しましょう。書く場所はお布施の表面下部の中央が一般的です。縦書きで一列に書くのが見栄えがいいです。

 

しかし、姓名が長い場合には中央よりも右側に苗字、左側に名前を記入し、バランスよく書くようにしましょう。基本的にはお布施の裏側は何も書きません。しかし、地域によっては住所と名前を記入する必要があります。

 

これは、お寺との交流があまりないご家庭からのお布施を宗教者がどこの世帯からいただいたお布施なのかわかるようにするための配慮です。事前に葬儀社などに確認しておくとよいでしょう。

金額の書き方

次に金額の書き方について解説します。一般的にお布施の金額は漢数字で書きます。ただ、通常使われている漢数字ではなく、旧字体を用いるのが基本です。お布施の金額を書くのに旧字体が推奨されているのは改ざん防止のためです。

 

一般的な漢数字であれば、第三者が後から容易に数字を変えることができます。漢数字の旧字体を確認しておきましょう。また、金額の頭には「金」と書き、圓の後には「也」と書きましょう。

 

「也」は包んだ金額が10万円以上のときにつけるのが一般的ですが、必須ではありません。

中袋の書き方

お布施の中袋には金額と住所、名前を書きます。まず、中袋の表面の中央に金額を旧字体の縦書きで書きます。また、裏面の左側には住所と名前を書きます。名前はフルネームで書き、住所とともに裏面の左側に二列で収めるようにすると見栄えがよいです。

 

住所やフルネームが長い場合には、多少右側にずれることは問題ないので、安心しましょう。中袋がない場合は何も記入しないか、必要な場合はお布施袋の裏面に住所とフルネームを書くのが無難です。

 

中袋がない場合に金額を書く必要があれば、お布施袋の裏側の住所と名前を書いた右側に書くことをお勧めします。住所や名前、金額欄が予め印刷されているお布施袋であれば、その記入欄に沿って書きましょう。金額欄があれば、金額はアラビア数字で書きましょう。

お布施の包み方

お布施の包み方は2通りあります。1つ目が奉書紙で包む方法で、2つ目が封筒で包む方法です。奉書紙でお布施を包むのが正式なマナーです。包み方は半紙でお札を包んだ後にそれを奉書紙で包むという順番です。

 

近年では奉書紙を用意する時間がなかったり、手間を省きたいと思う人が増えたりしたことで、封筒でお布施を包むことが増えてきました。その際は何も印刷されていない白色の無地の封筒を選びましょう。お札の向きを揃えて封筒にいれるように注意しましょう。

お布施以外に宗教者に渡す費用

お布施以外に「御車代」と「御膳料」を宗教者に渡す必要がある場合があります。その金額の相場や目的を解説していきます。

御車代

御車代は宗教者の交通費を指します。宗教者が自分で車を運転してこられた場合や電車やバス、タクシーなどを使って宗教者が斎場に来た場合にお渡しします。金額としては、市内・近隣市外での移動で約5000円から1万円が妥当な金額です。

 

遠方から来られる場合は飛行機や新幹線の交通費を考慮して、相応の金額を用意しましょう。ただし、宗教者の送迎を家族や親族が行う場合や家族がタクシーを他杯する場合、斎場が寺院であるときにはお車代は必要ありません。

御膳料

御膳料は宗教者が葬儀の後に行われる精進落としと呼ばれる会食に出席しない場合にお渡しします。御膳料の金額の相場は約5000円から1万円です。葬儀に複数の宗教者が来られた場合には、人数分の御膳料を用意してお渡ししましょう。

 

その際は1人ずつ分けて袋に包むのではなく、ひとつの袋にまとめてお渡しするのが無難です。会食に宗教者が参加される場合は御膳料を用意する必要がありません。

もっとお布施について知りたい場合

お布施に関する不安や疑問がまだ残る方にお布施により詳しくなる方法をご紹介します。

葬儀に関する本を読む

葬儀に関する本を一通り読むと、お布施のことだけでなく、葬儀全体の理解を深めることができます。故人が亡くなってから死亡通知・通夜・通夜振る舞い・告別式・出棺・火葬・精進落としなど執り行うことがたくさんあります。

 

一般的なルールやマナーだけでなく、全体の流れを事前に確認しておくと慌てずに準備することができるでしょう。

お布施に関するセミナーに出席する

終活や葬儀をテーマにしたセミナーに出席することでお布施を含めた葬儀に関する知識を得ることができます。終活セミナーではお布施の相続税控除の話だけでなく、資産整理や相続財産などのお金に関する知識や情報を手に入れることができます。

 

また、専門家に直接質問できるのもいい点です。

弁護士や司法書士に相談する

お布施の金額のトラブルやお布施の相続税控除に関するトラブルに巻き込まれないように弁護士や司法書士に相談することがお勧めです。遺言や遺産相続のトラブル、書類作成など法的知識を要する手続きに関しては、専門家に相談すると安心でしょう。

 

裁判まで見越した法律行為全般を一任したいのであれば弁護士に、法務手続きを任せて仲裁や調停を必要としない場合には司法書士に頼ることをお勧めします。

葬儀社に相談する

お布施のマナーや金額に疑問がある場合には葬儀社に相談をすることがお勧めです。葬儀全般のノウハウを葬儀社は持っているため、お布施以外の疑問を解消することができるでしょう。

 

また、お世話になっている菩提寺がない場合には葬儀社に寺院費用を払い、お布施のことや宗教者への連絡を任せてしまってもよいでしょう。相談だけでれば、別途費用を請求しない葬儀社に連絡をするのも良いでしょう。信頼できる葬儀社を探すことがポイントです。

お布施は感謝の気持ち

お布施のマナーや金額相場について解説してきました。宗教者に失礼がないよう、予め作法について理解しておくことが重要です。

 

葬儀をする上で準備することはたくさんあります。細かいことにまで気を遣うことは難しい状況であっても、宗教者に対する感謝の気持ちをしっかり伝えるようにしましょう。