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夏の喪服はどうすれば良い?暑さ対策やマナーをご紹介します

葬儀では喪服を着るのはもちろんのこと、しきたりにそった身だしなみをすることが必要です。しかし、真夏の暑い時季には喪服は暑く、熱中症の原因にもなってしまいます。夏の葬儀ではどのような服装をすれば良いのでしょうか。夏の喪服の選び方とマナーをご紹介します。

公開日 : 2020/11/08

更新日 : 2020/11/08

目次

喪服の種類とその特徴

喪服には3シーズン(春・冬・秋)の3シーズン用と、夏用の2種類があります。それぞれに季節に応じた作りになっており、暑さや寒さに対応できるようになっています。まずは夏の喪服の特徴と、そのマナーについてご紹介します。

生地

3シーズンの喪服はウールが使われているものが多いです。保温性が高く、機密性に優れているので、冬の寒い時期でも熱を外に逃しにくく、体が冷えにくいというメリットがあります。

 

それに対して、夏用の喪服はモヘアや麻、綿のような素材で作られています。通気性が良く軽いため、夏場でも涼しく着ることができます。また、ポリエステルのような化学素材の喪服もあります。洗濯機で洗えてすぐ乾くことから、お手入れがしやすい点が魅力です。

織り方

3シーズンの喪服は主にツイードのような目の詰まった織り方で織られています。機密性が高く、体の熱が外に奪われにくいという特徴があります。それに対し、夏の喪服はサージのような粗めの織り方で織られていることが多いです。通気性に優れており、服の中に溜まる熱気を逃がしてくれる効果があります。

裏地

3シーズンの喪服は総裏構造といって、服の全面に裏地が入っています。重ね着をしているような感じで、温かく着ることができます。一方夏服は背抜きになっています。背抜きとは背中側に裏地を着けない作りのもので、風通しが良く、軽く着ることができます。

和服の場合

特に親族など親しい間柄の方が亡くなった場合、和服の喪服を着用することもあります。和服の場合も季節によって素材や種類を変える必要があります。

 

10月~5月は「袷(あわせ)」といい、生地を2枚縫い合わせた裏地のある着物を着ます。和服の大半はこの「袷」となっています。

 

7月、8月の暑い時期は「絽(ろ)」を着ます。絽は「からみ織」という技法を用いて織られており、生地に目が開いているため通気性が良いのが特徴です。生地は絹、綿、ポリエステルなどで、透けるように軽く仕上げられています。

 

6月、9月の季節の変わり目には「単衣(ひとえ)」という裏地のない着物を着ます。単衣がない場合は、6月後半~9月前半まで絽を着ることが多いようです。

季節に応じた喪服のマナー

先ほどご紹介した通り、喪服は大きく分けて3シーズン用と夏用があります。一般的には6~9月に夏の喪服を、他の季節に3シーズン用の喪服を着ますが、特に決まりはありませんので、その日の気候や体調に合わせた喪服を選んでも構いません。

 


また、夏の喪服を持っていない場合は、夏に3シーズン用の喪服を着ても問題ありません。夏の喪服を持っていない方は多いので、他の参列者も3シーズン用の喪服を着ていることが多く、違和感は持たれないでしょう。ただし暑いので、後からご紹介するような暑さ対策をしておきましょう。

 


逆にほかの季節に夏の喪服を着ることもマナー違反ではありませんが、織りや素材が違うため浮いた印象を与えてしまう恐れがあります。喪服を一着しか持てないという場合は、3シーズン用の方を選ぶようにしましょう。

夏の喪服で重視すべきポイント

先ほどご紹介した通り、夏の喪服は生地や構造が3シーズン用のものとは違います。その中でも特に手入れが簡単で、涼しいものを選ぶと良いでしょう。夏の喪服で重視すべきポイントをご紹介します。

洗濯できるものを選ぶ

夏に黒い喪服を着ると暑くて汗をよくかきます。特に女性のワンピースの場合は、下着の上に直接喪服を着るので、汗や汚れがつきやすいです。家で洗濯できるウォッシャブルのものを選ぶと良いでしょう。

大き目サイズを選ぶ

体にフィットした喪服を着ていると、熱がこもり暑くなってしまいます。やや大きめのサイズのものを選ぶと風通しが良くなるため涼しくなります。女性の場合は襟元や袖口が詰まったものは避け、ゆったりしたデザインのものを選ぶと良いでしょう。

夏の喪服の選び方とマナー

続いて、喪服の選び方や身支度のマナーを、男性・女性・子供に分けて具体的にご紹介します。

男性の場合

男性の喪服はワイシャツに黒の上着とズボンを着用するというスタイルが一般的です。デザインの面での選択肢はあまりありませんが、素材や仕立てが夏向きのものを選べば暑さを和らげることが可能です。ワイシャツやネクタイの選び方も併せてご紹介しましょう。

夏用の喪服

夏用の喪服は先ほどご紹介したように、生地が軽く、織りが粗目で背抜きのものを選ぶと良いでしょう。ワイシャツは吸湿性の高い綿がおすすめです。しわになりやすいので、アイロンをしっかりかけて、のりをきかせておきましょう。

ネクタイは必要?

現在ではクールビズが浸透し、夏場は仕事中でもネクタイを外し、涼しい服装をすることが増えてきました。しかし、葬儀は最もフォーマルな儀式なので、たとえ夏場と言えどネクタイをせずに参列することはマナー違反となります。

 


葬儀の際には無地の黒いネクタイを身につけますが、夏用の紗織り(しゃおり)のものを選べば、薄くて軽いため多少首元が楽になりますし、周囲にも涼し気な印象を与えます。

ワイシャツは半袖でもいい?

男性の場合、葬儀中に上着を脱ぐシーンはほとんどありません。どうしても暑い時は、半袖のワイシャツを着てその上から上着を着ても良いでしょう。その場合は上着を脱がないようにしましょう。

女性の場合

女性の喪服は大きく分けてアンサンブルとワンピースがあり、またスカートや袖丈、襟の形など、さまざまなデザインから選べます。だからこそ華美に見えたり、露出が高過ぎたりしないよう気を配る必要があります。また、夏の喪服は薄手だったり丈が短かったりする場合がありますので、特に所作には気をつけて、見苦しくないようにしましょう。

夏用の喪服

女性の夏用の喪服でおすすめなのがワンピースです。上下がセパレートのようなデザインになっており、ボレロを着ているように見えるデザインなら、上着を着用する必要がなく便利です。

ジャケットのみ夏用に変える

夏専用の喪服を準備することが難しい場合は、ジャケットのみ夏用に変えるのも良いでしょう。袖が七分丈のものやシフォンのような軽い素材のものをはおれば、暑さを和らげることができます。

 


ただし、合わせるスカートによっては形や素材が異なるためちぐはぐに見えることもあります。夏用のジャケットを後から買い足す場合は、喪服のスカートを持参して、試着時に合わせてみると良いでしょう。

ストッキングは履かなくても良い?

喪服には黒のストッキングを合わせて履きますが、夏の場合は蒸れて暑くなるため履きたくないと思われるかもしれません。しかし、男性のネクタイと同じく女性のストッキングも葬儀の場では必ず着用しなくてはなりません。夏用の冷感素材のストッキングもありますので、活用するのも良い手です。

靴はどうする?

女性の場合、喪服に合わせて黒のパンプスを履きます。夏場は暑いですが、だからといってつま先の出たオープントゥのパンプスやミュールやサンダルを履くのはマナー違反です。

 


他の季節と同じく、つま先まできちんとカバーされた清楚な印象のあるパンプスを履きましょう。

夏場におすすめの髪型

葬儀の際には、髪が顔にかからないようすっきりとまとめておくのがマナーです。一つ結びでも構いませんが、ロングヘアーの場合は首元に結んだ髪が触れ、汗をかいたり暑くなったりしてしまいます。

 

お団子やシニヨンにして首につかないようにすると快適です。前髪もサイドか後ろに流してピンで留めておくと汗で額に髪がはりつかずに済みます。

露出が高くなり過ぎないよう注意

女性の場合は男性より喪服のデザインが多く、特に夏の喪服は五分袖や七分袖になっていたり、スカート丈がやや短くなっていたりと暑さ対策がされているものもあります。

 

しかし、あまり度を越して露出が高くなり過ぎないよう気をつけましょう。袖丈は肘が出ないこと、スカート丈は座った時に膝が隠れるくらいを目安にして選ぶと良いでしょう。

子供の場合

子供の場合は幼稚園や学校の制服が最正装とみなされます。夏であれば夏用の制服で大丈夫です。制服がない場合や小さなお子さんの場合は、色みをおさえた私服で構いません。

 

しかし、ホットパンツやTシャツなど露出が高過ぎるもの、カジュアル過ぎるものは避けましょう。シンプルな襟付きのシャツにズボンやスカートなどを合わせるのが無難です。赤ちゃんの場合は色もこだわらず、飾りの少ないシンプルなデザインのものを選べばOKです。

 

子供は熱中症になりやすいので、葬儀の間も顔色や表情などを確認し、具合が悪そうであればすぐに席を外して、冷やす、飲み物を飲ませるなどの対策をしましょう。

「平服でお越しください」と言われたら?

葬儀の際、「平服でお越しください」と言われる場合があります。平服と聞くと、普段着でも構わないのだろうか?と思われるかもしれませんが、この場合の「平服」とは略喪服を指します。

 

喪服は格式によって正式喪服、準喪服、略喪服の3種類に分けられます。正式喪服は遺族や3親等市内の親族が着る最もフォーマルな喪服、準和服はそれ以外の親族や一般参列者が着る喪服、そして略喪服はさらに格下の喪服です。

 

夏場に「平服でお越しください」と言われた場合は、どのような服装をすれば良いのでしょうか。男女別にご紹介しましょう。

男性の場合

略喪服の場合は黒や濃紺、ダークカラーのスーツが着られます。夏用のビジネススーツを持っている場合は、それを使うこともできます。目立たないものであれば柄が入っていても大丈夫ですが、なるべく無地のものにしましょう。また、光沢の強いものは避けましょう。

 

ネクタイは黒無地か、黒の織り柄のものを締めます。靴下は黒、靴は服と同じく色味を抑えたものであれば黒でなくても構いません。飾りの少ないものを選びましょう。

女性の場合

女性の場合も濃紺やグレーのような地味な色目の服を略喪服として着ることができます。チェックや織り柄、水玉、ストライプなどの柄が入ったものでも大丈夫ですが、なるべく無地に近いものを選びましょう。

 

服装はワンピースやアンサンブルに加え、男性と同じくスーツも着用できます。パンツスーツもOKなので、くつしたタイプのストッキングと合わせて涼しく着ることもできるでしょう。襟ぐりが大きく肌の露出が気になる場合は、スカーフで隠しましょう。

 

ストッキングはベージュでも構わない場合もありますが、黒を履く方が良いでしょう。靴も男性と同じく抑えた色合いで飾りのないものなら履いても良いとされますが、女性の靴はバリエーションが多く人によっては華美に見える場合がありますので、準喪服と同じく黒のパンプスを履くのが無難です。

暑さを和らげるために準備したいもの

最後に、暑さ対策のために準備しておきたいものをご紹介します。普段の生活に使えるものもありますので、買っておくと便利です。

冷感インナー

冷感インナーとは「接触冷感」といって、インナーが肌に触れた際にひんやりとした感触がする特殊な加工がなされています。

 

また、通気性や速乾性を備え、汗で下着が湿ったり、体に熱がこもったりといった暑い時期の不快感を軽減させる機能も備えています。

 

消臭・抗菌加工が施されているものも多く、夏場の汗の臭いが気になる場合にも活躍します。普段の生活でも使えますので、準備しておくと良いでしょう。

保冷剤

保冷材を服の中に忍ばせておくと暑さ対策になります。冷たくなり過ぎるのと水が垂れるのを防ぐためにしっかり布で巻き、落とさないように気をつけましょう。また、熱中症の症状が出た場合は保冷材を使って首元やわきの下などを冷やすと症状が和らぎます。

飲み物

葬儀場や火葬場にも飲み物のサービスはありますが、移動時間などに飲めるように飲み物を準備しておくと安心です。小さなペットボトルや水筒などを持っておくと良いでしょう。

タオル

汗が出た時に拭くだけではなく、熱中症の症状が出た際には濡らして体を冷やすのに使うといった使い方ができます。特に子供を連れていく場合は準備しておきましょう。

 


また、基本的に葬儀では黒いハンカチを使用しますので、タオルだけではなくハンカチも一緒に持っていくようにしましょう。

日傘

葬儀ではあまり外に出る時間はありませんが、駐車場や葬儀場、火葬場などの移動間に日傘を差すと暑さ対策になります。シンプルな黒い傘を持っていきましょう。晴雨兼用のコンパクトな折り畳み傘を一つ買っておくと雨の時にも使えて便利です。

扇子

暑いからといって手であおぐと不躾な印象を与えてしまいます。扇子を使ってさりげなくあおぐようにしましょう。日傘と同じくシンプルな黒いものを選ぶようにしましょう。また、葬儀中に扇子を使うのはマナーとしては良くありません。葬儀の前後や移動中の車の中などで使うようにしましょう。

夏の喪服についてまとめ

喪服の選び方やマナーを中心に、夏場の葬儀で気をつける点をご紹介しました。最も重厚な儀式である葬儀ではきちんとした服装を整えるのがマナーですが、特に夏場の暑さが厳しくなっている昨今では、暑さ対策の重要性も増しています。

 

マナーを守るのは当然のことながら、自分の健康を守ることも大切にしなくてはなりません。服装や下着、持ち物に気を配り、マナーと暑さ対策を両立させましょう。