葬儀のハンカチ、色や素材はどう選ぶ?正しい持ち方や使い方もご紹介
公開日 : 2020/11/3
更新日 : 2020/11/3
外出時には欠かせないハンカチですが、葬儀の際には葬儀にふさわしいものを持って行く必要があります。ハンカチの色やデザインはどのように選べば良いのでしょうか。今回の記事では、葬儀のハンカチの選び方や使い方、またその他の持ち物についての注意点をご紹介します。
公開日 : 2020/11/3
更新日 : 2020/11/3
目次
葬儀でのハンカチの使い方
普段の外出と同様、葬儀の際にもハンカチは必ず持っていきましょう。お手洗いを使った後などに手を拭くのはもちろん、葬儀の際には様々なシーンでハンカチが必要になります。葬儀でのハンカチの主な使い方をご紹介します。
涙や汗を拭く
葬儀の際、亡くなった方を想って涙を流すことがあります。亡くなった方を温かい涙でお見送りすること自体は良いのですが、涙をぬぐわないと周囲の人に違和感を与えるだけではなく、化粧が崩れてしまうこともあります。ハンカチでそっと涙を拭くと良いでしょう。
また、特に夏の葬儀や、逆に真冬で暖房が効き過ぎている時には、斎場に集まった参列者の熱気も手伝って、室内温度が上がり汗ばむこともあります。汗を流したまま放置していると、周囲の人に不快感を与えてしまうこともあります。そのような場合もハンカチで汗を拭うようにしましょう。
ひざ掛けやエプロンにする
女性の場合は椅子に座ると膝元が冷えてしまうことがあります。そのような時、ハンカチを一枚ひざにかけるだけで、かなり温かくなります。また、食事の際にはエプロンとしても活用できます。
ふくさやポーチの代わりにする
葬儀の際に準備する香典は、ふくさに包むのがマナーです。しかし、急な葬儀でふくさを用意できないという場合もあります。そのような時は、清潔なハンカチに包むこともできます。
また、ティッシュを使う場合、ティッシュの袋から直接ティッシュを出すとガサガサ音が鳴ります。厳粛な葬儀の場にそういった音が響くのは好ましくありません。ハンカチをポーチ代わりにしてティッシュを包んでおくと、スマートに取り出すことができます。
葬儀用ハンカチの選び方
ハンカチは人目に触れやすいものだからこそ、マナーをしっかり守らなくてはなりません。ただ、決まりに沿っていればわざわざ葬儀用のハンカチを用意しなくても大丈夫です。それでは、葬儀にふさわしいハンカチの色や素材、デザインをご紹介しましょう。
色
葬儀用ハンカチで最もふさわしい色は白です。葬儀の色といえば黒というイメージがありますが、古来日本では神事や弔事には白を用いていました。現代でも故人の着る白装束に、その名残が見られます。
続いてふさわしいのは黒です。特にひざ掛けとして使う場合は、喪服と同じ黒のハンカチを選ぶと良いでしょう。
白や黒のハンカチがない場合は、濃紺やグレーなど、落ち着いた色のもの、女性の場合は薄い水色やピンクなどの上品な色合いのものでも大丈夫です。赤、黄、濃いピンクなどの華やかな色は避けましょう。
素材
ハンカチの素材は一般的な綿、麻、ポリエステルなどで大丈夫です。中でも吸水性の良い綿が良いでしょう。シルクはフォーマルな雰囲気を演出できるため結婚式にはふさわしいですが、光沢が強いので葬儀には向いていません。
吸水性という点でいえばタオルハンカチが優れており機能的ですが、カジュアルな印象が強いため葬儀向きとはいえません。とはいえ、汗を良くかく人や、小さなお子さんを連れていく場合はやはりタオルが便利です。葬儀用のハンカチとタオルハンカチを両方持って行くと良いでしょう。
デザイン
葬儀に持っていくハンカチは無地が基本です。しかし、ハンカチと同色の刺しゅうや、控えめなレースの縁取りがついているものはマナー違反とまではいかないでしょう。
柄が付いているものは避けた方が無難ですが、落ち着いた色のチェックやストライプ程度なら問題ありません。男性の場合はビジネスシーンで使っているシックな色柄のハンカチをそのまま使っても良いでしょう。
華やかな模様やハンカチの色と異なる刺繍があるもの、ラメやストーンなどの光る装飾、大振りのレースの縁取りがついているものは葬儀の場にはふさわしくありません。
サイズ
ハンカチのサイズは標準で45センチ、小さなものなら20~25センチ、大判サイズで50~60センチのものがあります。
一般的には標準サイズの45センチで構いません。風呂敷タイプのふくさと同じ大きさのため、ふくさの代わりに使用することもできます。
ひざ掛け代わりに使用するなら大判のものが便利です。ただし、厚めの生地のものは畳むとかさばり、葬儀用の小さなバッグに入らなかったり、ポケットに入れると膨らんで服のシルエットを崩してしまったりします。大判サイズなら薄手のものを選ぶと良いでしょう。
葬儀用のハンカチは結婚式にも使える?
葬儀と結婚式は両方とも最もフォーマルな儀式ですが、弔事と慶事という点で全く異なるため、服装や持ち物は全く異なります。
しかし、ハンカチに関してはどちらも共通して白いものを持って行くことができます。しいて言うなら、結婚式のハンカチは葬儀用と同じ白でも上品な光沢のあるシルクで、レースの縁取りがついているなど華やかなものの方がふさわしいですが、飾りがついていないものでも構いません。葬儀用に準備したハンカチを結婚式に用いても問題ないでしょう。
ポケットチーフはNG?
ポケットチーフは胸ポケットからハンカチを少しのぞかせるもので、海外では結婚式や葬儀などフォーマルな場で用いられています。しかし、日本ではまだポケットチーフは浸透しておらず、華美な印象を与えてしまいます。結婚式は構いませんが、葬儀には着けていかない方が無難です。
子供の場合
葬儀に子供を連れていく場合、葬儀用のハンカチが準備できないということもあります。その場合は、いつも使っているハンカチの中から、青やグレーなどの落ち着いた色のもの、派手な模様のないものを選んで持たせると良いでしょう。
また、小さなお子さんの場合はハンカチが上手くしまえず落としてしまう場合がありますので、大人がハンカチを持ち、必要に応じて渡してあげましょう。
葬儀に持っていくハンカチを買う場所
先ほどご紹介した通り、葬儀専用にハンカチを購入する必要はありません。しかし、普段華やかなハンカチを好んで使っている場合、いざ葬儀という時に持って行けるハンカチがなく、困ってしまうかもしれません。もし、ハンカチを新しく購入する場合はどこで買えば良いのでしょうか。葬儀に持っていけるハンカチが購入できる場所をご紹介します。
仏具店
葬儀専用のハンカチということであれば、仏具店なら間違いありません。葬儀にふさわしい無地の白いハンカチを買うことができます。葬儀用のネクタイや靴下などが取り扱われていることもありますので、必要な物をまとめて買っておくのも良いでしょう。
スーパー・百貨店
他の買い物のついでに、スーパーや百貨店で購入するという方法もあります。豊富な商品の中から、自分に合ったものを選ぶことができます。ただし、葬儀専用に販売している物でない場合はマナー違反にならないか自分で判断することが必要です。
オンラインショップ
品揃えの豊富さや手軽さならオンラインショップが一番です。Amazonや楽天市場のような総合オンラインショップであれば大量の商品から自由に選ぶことができますし、仏具店独自のオンラインショップなら間違いなく葬儀用のハンカチを購入することができます。ただし、注文してから手元に届くまでに数日を要する場合がありますので、急に必要になった場合には不向きです。
100円均一ショップ
100円均一ショップでも葬儀用ハンカチを購入できます。安価であること、葬儀に行く前にお店に寄ってさっと購入できることがメリットです。お店によっては売っていないこともありますので気を付けましょう。
葬儀でハンカチを使う時のマナー
せっかく葬儀にふさわしいハンカチを選んでも、使い方を誤ってしまっては台無しになります。葬儀でハンカチを使う際のマナーをご紹介します。
清潔なハンカチを用意し、アイロンをかけておく
先ほどご紹介した通り、葬儀に持っていくハンカチは、色や素材などが適切な物であれば、普段使いのもので構いません。しかし、使い古して汚れていたり、しわだらけだったりと清潔感のないハンカチは良くありません。新品である必要はありませんがきちんと洗濯して清潔にし、アイロンをかけておきましょう。
また、葬儀用のハンカチを別で準備し、葬儀用バッグに入れたままにしているのも良くありません。長い間バッグに入れているうちにシミができていたり、皺が寄っていたりすることがあります。葬儀に行く前にバッグの中を点検し、ハンカチをきれいにしておきましょう。
持ち方
葬儀では数珠を手に掛けたり焼香をしたりと、手を使う機会が多いです。そのため、手にハンカチを持ったままにしておくと所作が美しくなくなってしまいます。葬儀でのハンカチの持ち方を女性、男性、和装それぞれにおいて、ご紹介しましょう。
女性
女性は喪服のポケット、もしくはバッグの中に入れておきます。バッグにスナップボタンやファスナーがついている場合は開け閉めの際に音が鳴りますので、ポケットに入れておいた方が良いでしょう。
男性
男性はバッグを持たないので、ポケットにハンカチを入れます。胸ポケットに入れるとポケットチーフのように見えてしまうので、ズボンのポケットの方に入れます。財布やスマートフォンを一緒に持つ場合は、逆のポケットに入れるとハンカチの出し入れの際に貴重品を落としてしまうことを防げます。
和装の場合
和装の場合は袂(たもと)にハンカチを入れます。袂というのは着物の袖の下の袋状になっている部分です。袂は左右の袖両方にありますので、片方に数珠、もう片方にハンカチを入れます。こうすることでハンカチを取り出す時に数珠が音を出すのを防げます。
その他の持ち物と注意点
葬儀では数珠やふくさといった葬儀用の道具はもちろんのこと、日常で使っている様々な持ち物も持っていきます。傘や時計など、普段から使っているものをそのまま葬儀に持っていくことはできるのでしょうか。
最後に葬儀に持っていく日用品と、そのマナーについてご紹介します。
傘
葬儀はもちろん屋内で行われますが、斎場や火葬場に向かう際、屋外を歩くことがあるため、雨が降っている時や日差しが強い時は傘が必要になります。
葬儀の場に最もふさわしい傘は黒のシンプルなデザインのものです。最近は非常にコンパクトな折り畳み傘がありますので、晴雨両用の黒いものを買っておいても良いでしょう。黒い傘がない場合は普段使いの物中から落ち着いた色合いやデザインのものを選べば問題ありません。
また、傘の貸し出しサービスを行っている葬儀会場も増えていますので、利用するのも良いでしょう。
レインコート・レインブーツ
傘と同じく、雨の日にはレインコートとレインブーツが必要です。なるべく抑えた色味のものを使いましょう。
また、葬儀会場に入る際にはコートとブーツを脱ぎ、靴に履き替えます。会場の床を濡らさないよう、コートとブーツは袋に入れておきましょう。タオルがあると拭きとれるので便利です。
時計
葬儀に時計を着けていく場合も、華美なもの、カジュアル過ぎるものは避けましょう。具体的にはデザイン性の強いもの、文字盤の色が鮮やかなもの、宝飾品が使われているもの、大き過ぎるもの、ゴールドやピンクゴールドのものはふさわしくありません。
使用する人が増えているスマートウォッチも年配の方に眉をひそめられる場合があります。文字盤が光ったり画像が映ったりすることもありますので、使わない方が良いでしょう。
また、忘れがちなのがベルトです。腕時計のベルトは革のものが多いですが、革製品は殺生を連想させるため葬儀の場では良くないとされることもあります。
ただし、現在では革靴と共に革ベルトの使用は許容されています。ただし、ツヤのあるものや華やかな色のもの、模様がついているものは使用しない方が無難です。
扇子
先ほどご紹介した通り、斎場は夏ではなくても暖房や人の熱気で暑くなることがあります。手であおぐのは不躾な印象を与えてしまいますので、扇子を用意してさりげなく仰ぐようにしましょう。葬儀には黒い扇子を持つのがマナーです。他の持ち物と同じく、華美な飾りがあるものや光沢の強いものは避けましょう。
化粧品
女性の場合は、汗や涙で化粧が崩れてしまうことがありますので、化粧直し用の道具を準備しておきましょう。ファンデーションや口紅など最小限の化粧品を小さな黒いポーチに入れ、バッグに忍ばせておくと安心です。
ファンデーションやアイシャドウはラメやパールのはいっていないもの、口紅は同じく輝きを抑えたもので、ベージュのような控えめな色が葬儀にふさわしいです。
お化粧直しをする際は、葬儀会場から少し離れた場所で直すのがマナーです。難しい場合は会場のお手洗いで目立たないように行いましょう。
葬儀のハンカチについてまとめ
葬儀にふさわしいハンカチの選び方と使い方のマナーをご紹介しました。ハンカチは手元や顔のそばなど目立つ所で使うため、意外と周りの人に見られています。葬儀に合わない派手なものや清潔ではないものを持っていると、他の参列者に不快感を与え、葬儀の雰囲気を壊してしまいます。
他の持ち物も同様に、葬儀の場にふさわしいものを、ふさわしい作法で使えるように日頃から準備をしておくことが大切です。
持ち物一つ、所作一つにも気を配り、しめやかな葬儀の場にふさわしい佇まいができるよう気をつけましょう。
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